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社会福祉士のキャリアアップの方法は?仕事の現状と将来性を解説!

2022年03月01日

はじめに

社会福祉士として仕事をしていく際には、今後の需要はどうなっていくのか、将来性はあるのか、そしてどのようにキャリアを築くべきなのかなどのポイントが気になるところです。職場環境や仕事としての需要は、社会の変化とともにいろいろなかたちで変化していくものです。長く勤めることを考えるなら、社会福祉士のキャリアのあり方についても理解を深めておきましょう。そこで今回は、社会福祉士の現状と将来性、そしてキャリアアップの方法について解説していきたいと思います。

現状について

社会福祉士の現状について

社会福祉士は福祉施設や医療機関、介護施設、少年院などの更生施設、各種支援サービスを提供する企業など、さまざまな場で必要とされる存在です。社会福祉士は需要のある職業で、今後もその需要は保たれていく、もしくはより増大していくと考えられます。特に高齢化の著しい現代では、高齢者施設や介護サービスにおける社会福祉士の需要は、急速に高まっているといえるでしょう。

社会福祉士の業界が直面している課題について~薄給~

社会福祉士の業界において課題とされているのは、主に給料などの待遇です。社会福祉士を含む福祉や介護にかかわる人材が低収入になりやすい問題は以前から取りざたされており、実際に社会福祉士を含む福祉ソーシャルワーカーの平均年収は397万円となっています。これは全業種の平均年収と比較しても安い給料にあたり、薄給であると言わざるを得ないのが実情です。このことには、資格なしの未経験でも実際には仕事ができてしまうこと福祉関連の勤務先は助成金などで成り立っているところが多いため人件費を多くかけられないことなどの点が関係していると考えられます。社会福祉士の仕事内容は主に困っている人の相談を聞いたり、必要な支援制度を紹介したり調整を行ったりすることですが、さまざまな人の生活の悩みに触れて臨機応変な対応をしなければならない分、精神面での大変さが伴うのも事実です。そのため給料面での待遇の悪さが改善されないことは、社会福祉士の離職、ひいては人手不足を招くことになります。このため実際に介護や福祉の現場は、人材の需要が高まる一方で待遇と仕事の大変さのバランスが取れず、従業員が定着しないことや十分に人材を確保できないことに慢性的に悩まされているのです。

社会福祉士の将来性について

社会変化がもたらす社会福祉士需要の増加

現代の超高齢化社会では、社会福祉士の需要は増大しています。実際に厚生労働省の調査によると「社会福祉の専門的職業」の有効求人倍率は、令和3年8月の時点で2.9倍となっており、これはほかの職業と比較したときでもかなり高い倍率です。その他社会福祉士がかかわるものといえば「介護サービスの職業」などがありますが、この有効求人倍率も同年同月の時点で3.63倍とたいへん高い倍率を記録しています。このように社会福祉士の重要は、特に高齢者支援の現場において、どんどん高まっていくと考えられます。

社会福祉士の職場環境の変化について

社会福祉士を含む福祉や介護にかかわる人材の待遇改善は、国をあげて取り組むべき課題です。そこで、介護職員の給与に関して、1人当たり月額平均9,000円程度の賃上げが2022年10月から実施されることになっています。厚生労働省の発表では、「経験・技能のある職員に重点化を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を進める」とあることから、社会福祉士についても同様の待遇改善がなされることは十分期待できます。

女性の社会福祉士が活躍する場が増える?!

社会福祉士は女性の多い業界です。そのため仕事としての需要拡大、待遇改善、共働き世帯の増加、そして女性支援などの影響により、今後も女性が活躍できる可能性は高まっていくといえるでしょう。女性が管理職を目指しやすいよう体制を整備していく事業所・企業も増えると考えられます。

社会福祉士のキャリアのスタート~就職先~

高齢者施設

介護などを行う高齢者施設では、生活相談員として社会福祉士は需要があります。利用者とその家族に向けて、施設利用の案内や手続きをしたり、必要に応じて今後の相談を受け付けたりするのが主な仕事です。高齢化が進む昨今においては、最も求人を見つけやすい就職先といえるでしょう。

児童相談所

児童相談所やその他児童福祉施設で働く社会福祉士は、家庭や育ちにさまざまな問題を抱えた児童と向き合い、本人や家族から相談を受けたり、支援を行ったりするのが特徴です。基本的に地方公務員として採用されます。

障害者支援施設

社会福祉士は障害者支援施設にも就職ができます。施設の利用者やその家族に向けて支援を行ったり相談を受け付けたり、その他関連サービスとのやり取り・調整を行ったりするのが特徴です。

地域包括支援センター

地域包括支援センターは、高齢者や障害者、ひとり親世帯など、さまざまな事情で困っている地域の人たちを支える機関です。社会福祉士はこういった施設でも相談員としてサポートをしたり、専門機関と連携を行ったりします。地域住民に対して必要な福祉制度やサービスを案内する役目もあります。

医療機関

病院やクリニックなどの医療機関に就職すれば、医療ソーシャルワーカーとして働くことも可能です。患者さんがそれぞれ抱える悩みや困り事に対して解決策を提案したり、必要な支援サービスを紹介したりするのが主な役割です。

社会福祉士のキャリアアップの仕方

社会福祉士としての技術を高める

キャリアアップを目指すうえで経験をたくさん積み、スキルを高めることは欠かせないでしょう。スキルアップして多くの仕事をスムーズにこなせるようになれば、リーダー職などに任命される機会も増えます。最終的には課長、部長といったように出世の道を歩むことができるでしょう。

ほかの資格を取得する

例えば精神福祉士という国家資格があります。この資格を取得していれば精神障害のある人に対してより具体的な支援を行うことができるため、キャリアアップにつながる可能性は高いといえます。ほかには介護福祉士(国家資格)などの資格も、介護の現場などで働く際には役立つといえるでしょう。

独立

フリーランスの社会福祉士として仕事を受けていくキャリアアップの方法もあります。自分で社会福祉士としての事務所を構え、困っている人から相談を受け付けたり必要に応じて成年後見人の依頼を受けたりします。独立を成功させるには経営の勉強も必要ですが、うまくいけば各施設や起業に勤めるよりも高い給料が望める可能性があります。

転職

社会福祉士の就職先は数多くあるため、より待遇の良いところへ転職するのもありでしょう。例えば同じ高齢者施設の相談員でも、施設によって給料やキャリアアップのしやすさは異なります。また、十分な経験があるにもかかわらずポストが空かないせいで給料が上がらない場合は、経験を活かして各種施設の管理職求人に応募するのも良いでしょう。

まとめ

社会福祉士としてキャリアを形成するには、さまざまな就職先や別の資格取得なども積極的に検討していくべきといえます。社会福祉士の需要がなくなることはなく、むしろ今後はさらに拡大していくことが予想されますが、待遇面で不満が生まれやすいのは現状の問題として頻繁に指摘されています。キャリアアップしやすい勤務先を見つけること、自分にとって最も適したキャリアアップの方法を見極めることなどは、常に考えていきましょう。キャリアをしっかり築いて待遇面での不満を減らせれば、社会福祉士としてやりがいを持って仕事に取り組んでいけるはずです。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

職業情報提供サイト
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/409
厚生労働省一般職業紹介状況
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000835254.pdf
厚生労働省介護人材の処遇改善について
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000878463.pdf

実際に働いている人の口コミをチェックしよう!

社会福祉士として実際に働く方にアンケートをとり、 「キャリア・将来性」に対する満足度を5段階で評価してもらいました。
実際に働いている人の口コミを参考に、どんな仕事なのかイメージをつけましょう!
実際に働いている人の
社会福祉士の「キャリア・将来性」の満足度
★★★☆☆ 3.3 (143件)

社会福祉士の 「キャリア・将来性」の 口コミ一覧

全143件

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香川県の40代男性

正社員 / 500万円以上~550万円未満 / 大学卒

就職先:介護・福祉施設

キャリア・将来性の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事の将来性

    10年後は需要があると思うがその後は人口減少となるので先細りになるため不安である

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神奈川県の30代前半女性

正社員 / 400万円以上~450万円未満 / 大学卒

就職先:介護・福祉施設

キャリア・将来性の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事の将来性

    AIができるような仕事じゃないからずっとあるとは思う。でも大変だし給与安いからやる人少なそう

  • 女性の働きやすさ

    男性女性関係ない仕事だと思う 体力があれば働きやすいのかな

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静岡県の30代前半男性

正社員 / 450万円以上~500万円未満 / 大学卒

就職先:病院

キャリア・将来性の満足度 ★★☆☆☆ 2.0
  • 仕事の将来性

    今後しばらくは老人が増え医療も安定するが、その後は人口減少の影響を強く受けるから

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岡山県の30代後半女性

正社員 / 350万円以上~400万円未満 / 大学卒

就職先:介護・福祉施設

キャリア・将来性の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事の将来性

    高齢社会であり、これからも援助の必要な方は増えると思います。しばらくは需要のある仕事だと思います。

  • 女性の働きやすさ

    子どもが小さいため仕事の融通が効かないとやっていけれないが、時短や休みもとりやすく働きやすいです

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新潟県の40代男性

契約社員 / 200万円以上~250万円未満 / 短期大学卒

就職先:介護・福祉施設

キャリア・将来性の満足度 ★★★★☆ 4.0
  • 仕事の将来性

    福祉や介護はけして収入が多い仕事ではないですが高齢化社会の中では欠かせない仕事なのでやりがいを感じています

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