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作業療法士になる方法、仕事内容、必要な資格、年収等を解説!

2022年03月01日

はじめに

この記事では近年注目度が高まっている作業療法士について網羅的にご紹介しています。作業療法士に興味・関心がある方はぜひご参照ください。

どんな資格?作業療法士の資格概要

作業療法士の資格の概要

作業療法士とは、ケガや病気などで身体機能が低下した人に対して、「作業」を通じてリハビリテーションを行う職業です。作業療法士の資格は国家資格であり、専門性が非常に高い職業です。高齢化が進む日本において健康維持などの理由から、作業療法士のニーズは高まっています。

作業療法士の仕事内容

作業療法士の仕事は、怪我や病気などで運動機能が低下してしまった人に対して、「作業」を通じて、基本的動作能力・応用的動作能力・社会的適応能力の3つの能力を維持・改善することです。具体的には、

・レクリエーションなどを通じた運動機能の回復訓練
・食事やトイレなどの訓練
・交通機関を利用するための訓練

などを医師の指示に従って行います。
作業療法士の勤務場所として医療機関や介護福祉士施設が一般的ですが、教育や就労支援分野などでも活躍する方もいらっしゃいます。職場によって仕事内容に若干の違いはありますが、基本的には上記のような「作業」を通じたリハビリを行うという専門性の高い仕事に従事することになります。

作業療法士のやりがい

やりがい①感謝の言葉を直接聞ける

作業療法士は日々の業務で患者さんやご家族と頻繁にコミュニケーションをとります。その中で「ありがとう」や「助かるよ」など感謝の言葉を頂くことも多々あります。社会には数えきれないほどたくさんのお仕事がありますが、相手から直接感謝の言葉を伝えてもらえるお仕事は多いようで多くはありません。

やりがい②患者さんの生活改善に貢献できる

作業療法士が行うリハビリは、患者さんが「その人らしい」生活ができるようになることを目的としています。したがって、作業療法士として患者さんに寄り添い、一緒にリハビリに励むことが患者さんの生活そのものの改善に繋がると言えるでしょう。

作業療法士の年収は?

年収は418万!全職種との比較

厚生労働省の令和2年賃金構造基本統計調査によると、作業療法士の平均年収は418.9万円(平均年齢33.9歳)でした。それでは全業種の平均年収と比べて作業療法士の平均年収は高いのでしょうか。国税庁の令和2年分民間給与実態統計調査によると、日本の全業種の平均年収は433.1万円でした。したがって作業療法士のお給料は平均的であるといえるのではないでしょうか。

年齢×性別の年収比較

作業療法士の年収は年齢や性別によってどのような違いがあるのでしょうか。厚生労働省の令和2年度賃金構造基本統計調査によると、年齢が上がるにつれて男女ともに平均年収は上がっていくようです。高い専門性が求められるということもあり、若いうちは男女の差はほとんどありません。しかし年齢が上がるにつれて男女の差が開いていくという結果になりました。作業療法士に限らず男女の賃金格差は日本全体の課題であるといえそうです。

作業療法士の将来性

作業療法士の現状:発展途上の職業?

作業療法士の現状として、職業自体が世間に広く認知されていないということが挙げられます。作業療法士は1965年に誕生した資格ですが、作業療法士を養成する学校が広く普及し始めたのは2000年に入ってからです。したがって、作業療法士の人口は若い世代に偏っており、まだまだあらゆる年代の人が認知しているとは言えない状況です。後述しますが、作業療法士は今後ますます必要とされる職業の一つなので、認知度を上げ、社会的地位も上げていくことが求められます。

作業療法士の今後:需要は増加の一途をたどる

はたして作業療法士には将来性はあるのでしょうか。結論から言うと、作業療法士の将来性はあるといえるでしょう。なぜなら超高齢化が進むこの日本において作業療法士を必要とする人は今後も増え続けていくとされているからです。内閣府によると、高齢者人口は令和2年の3,619万人から、2045年には3,920万人(高齢化率36.8%)まで増える見込みとなっています。高齢人口の増加とともにリハビリを必要とする人口も増えていきます。したがって今後作業療法士の働き口がなくなるということはないといえます。

作業療法士になるには

作業療法士を目指すならまず養成校へ:王道は専門学校または大学

作業療法士になるには以下の段階を踏まなければなりません。
STEP 1:作業療法士養成校入学
STEP 2:作業療法士養成校卒業(3年以上修学)
STEP 3:作業療法士国家試験受験・合格(多くの場合養成校最終学年の2月)
STEP 4:作業療法士資格取得
したがって、作業療法士になるには国家試験に合格しなければなりませんが、その前に養成校で必要な知識や技能を修得しなければなりません。作業療法士養成校には主に、専門学校、大学、短期大学の3種類がありますが、多くの方が専門学校か大学かで進路に迷うようです。

作業療法士を本気で目指すなら専門学校へ

専門学校は資格に特化したカリキュラムが組まれているため、専門学校に進学することはいわば資格取得への近道です。したがって現時点で本気で作業療法士を目指したいとお考えの方には、専門学校への進学をおすすめします。それではどのようにして自分にとってベストな学校を選べばよいのでしょうか。

学校選びの軸①国家試験合格実績

作業療法士の専門学校を選ぶ際に最も重要なのが各校の国家試験合格実績です。なぜなら養成校を卒業しても国家試験に合格しなければ作業療法士になることができないからです。厚生労働省によると、2009年から2018年までの10年間で専門学校の合格率は76.2%でした。しかし中には毎年のように合格率100%の実績を残している学校もあります。そういった学校を選ぶことで作業療法士になれる確率を上げることができます。

学校選びの軸②将来関わりたい分野が学べるかどうか

作業療法士の活躍の場は多岐に渡っています(医療施設や児童福祉施設、スポーツ関連施設など)。専門学校の中にはある特定の分野に特化した作業療法を学べる学校もあるため、現時点で学びたい分野がある方や、将来関わりたい分野が明確にある方は、その分野を学べる学校かどうかで選ぶとより実りある学校生活が送れるでしょう。

作業療法士国家試験

試験の概要

作業療法士国家試験は大きく分けて一般問題と実地問題に分けられます。出題形式は五肢択一または五肢択二で、マークシートで解答します。受験手数料は10,100円(第56回作業療法士国家試験)で、国家試験の受験手数料の中では比較的安い額になっています。

作業療法士国家試験の難易度:合格率は約80%!

令和3年(2021年)に実施された最新の第56回作業療法士国家試験の合格率は81.3%となっています。したがって、受験資格を得るためには養成校に3年以上通う必要がありますが、しっかりと対策を行えば合格するのは難しくないのではないでしょうか。

また作業療法士とよく比較される理学療法士と言語聴覚士についても見てみましょう。第56回理学療法士国家試験の合格率は79.0%で、第23回言語聴覚士国家試験の合格率は69.4%でした。2021年の合格率は過去の合格率と比較して平均的だったことから、作業療法士と理学療法士の国家試験合格率は約80%、言語聴覚士の国家試験合格率は約70%といえるでしょう。3つの資格の中で言語聴覚士の取得難易度がやや高いですが、どれもきちんと対策をすれば取得が難しい資格とは言えません。

まとめ

いかがだったでしょうか。作業療法士は近年注目度が高まっている資格の1つで将来性豊かな仕事だと言えます。今回ご紹介した各内容についてそれぞれ詳細をご紹介した記事もありますので、関心のある方はぜひご参照ください。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

一般社団法人日本作業療法士協会HP
https://www.jaot.or.jp/
厚生労働省職業情報提供サイト作業療法士
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/168
厚生労働省職業別一般職業紹介状況(令和2年12月分及び令和2年分)について
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000726622.pdf
厚生労働省『作業療法士・作業療法士の需給推計を踏まえた今後の方向性について』
https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/000499148.pdf
厚生労働省令和2年度賃金構造基本統計調査
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files
内閣府令和3年版高齢社会白書高齢化の現状
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2021/zenbun/pdf/1s1s_01.pdf

実際に働いている人の口コミをチェックしよう!

作業療法士として実際に働く方にアンケートをとり、 仕事に対する満足度を5段階で評価してもらいました。
実際に働いている人の口コミを参考に、どんな仕事なのかイメージをつけましょう!
実際に働いている人の
作業療法士の満足度
総合満足度
総合満足度とは?
各項目(仕事内容・ワークライフバランス・年収・仕事の将来性・女性の働きやすさ)の合計点数の平均をとった点数です
★★★☆☆ 3.3 (108件)

作業療法士の 口コミ一覧

全108件

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埼玉県の30代前半女性

正社員 / 350万円以上~400万円未満 / 大学卒

就職先:訪問看護ステーション

総合満足度 ★★★★☆ 3.6
  • 仕事内容 (満足度5

    悲しいこともあるが、よくなる姿をみたりするとやって良かったなと感じることがある。

  • ワークライフバランス (満足度4

    土日祝日休みなので、しっかり休めて良いと思っている。家族との時間ももてる。残業は月末に少し増えるが、、

  • 年収 (満足度4

    そこまで悪くはないが、ボーナスは年々下がっている状況。物価は上がってきているのでもう少し年収アップすると嬉しい。

  • 仕事の将来性 (満足度4

    今後もリハビリも必要とする人はいると思うので、需要はあるのではないかと思う。分野が広いので勉強は必要。

  • 女性の働きやすさ (満足度1

    正社員の時間短縮勤務というものが会社の規定になかったり、パートでも時間の決まりがあるため子育て世代には働きづらい。

  • なぜその仕事に就いたのか

    人の役に立ちたいと思ったから。子供も好きだったので発達障害のある子供のリハビリもしたいと思ったから。

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福井県の30代前半女性

パートタイム/アルバイト / 100万円未満 / 短期大学卒

就職先:介護・福祉施設

総合満足度 ★★☆☆☆ 2.2
  • 仕事内容 (満足度4

    良くなっていく姿を見ると達成感があり、利用者さんから感謝の気持ちをいただくのでやりがいがある仕事。

  • ワークライフバランス (満足度1

    人数が少ない職場だと自分が思うように休めなかったり、有給が取りづらかったりする。

  • 年収 (満足度1

    デイサービスでは病院と比べてかなり月収、賞与ともに低すぎる。頑張っても収入の面で評価されず辛い。

  • 仕事の将来性 (満足度3

    高齢者が増えているので需要はあると思う。が、有資格者も多いため働く場所は限られてきている気がする。

  • 女性の働きやすさ (満足度2

    産休育休明けだとブランクがあるので働きづらさはある。 時短勤務を受け入れてもらえず。

  • なぜその仕事に就いたのか

    高齢者と接する仕事がしたかった為。誰かと話すことがすきなのでそれをいかせる作業療法士になりたいと思った、

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佐賀県の40代女性

正社員 / 500万円以上~550万円未満 / 大学卒

就職先:介護・福祉施設

総合満足度 ★☆☆☆☆ 1.4
  • 仕事内容 (満足度3

    力仕事の割に給料も少ない。 能力給ではなく、年功序列。 産休、育休、子供の体調不良等で休みが取りづらい、万年人手不足。

  • ワークライフバランス (満足度1

    万年人手不足のため、産休、育休、自分自身や子供の体調不良、その他の急なお休みが取りづらい。

  • 年収 (満足度1

    仕事がなくなることは稀なので、もしくは退職してもすぐ次の職場が見つかるので、安定的な収入が得られる。

  • 仕事の将来性 (満足度1

    患者さんはもちろん一緒に働く同僚も含め周囲に気配りする能力、素早く的確に判断する/上司に相談する能力は最低でも必要。将来これらができる人材が多くいるとは思えないから。

  • 女性の働きやすさ (満足度1

    産休、育休、子供の体調不良で急な休みが取りづらい。万年人手不足で簡単に上司が許可を出さない。

  • なぜその仕事に就いたのか

    就職氷河期世代のため資格をとって、確実に収入が得られる方法を選んだ。ハッキリ言って親の意向。

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長崎県の40代女性

正社員 / 300万円以上~350万円未満 / 専門学校卒

就職先:介護・福祉施設

総合満足度 ★★★☆☆ 2.8
  • 仕事内容 (満足度2

    デイサービスなので仕方ない面もあるが、専門職としての仕事以外があまりにも多すぎて、本来の業務にも支障をきたしている。

  • ワークライフバランス (満足度4

    時期にもよるが比較的有給休暇も取りやすい方で、残業も少ない。医療関係ではありがちなサービス残業はなく、きちんと残業代も支給される。

  • 年収 (満足度3

    少額ながら定期昇給もあり、賞与も支給されている。 ただ、専門職としての責務と業務の大変さからみると年収としては低いと思う。

  • 仕事の将来性 (満足度3

    作業療法士を育成する学校が全国に増え、以前は転職もしやすかったが、最近は転職する際も競争が激しくなっていると思う。 そのうち、就職先も少なくなり待遇も悪化していくのではないかと思う。

  • 女性の働きやすさ (満足度2

    子どものいる女性は何かと優遇されるが、その分のしわ寄せが独身女性にくる。 結婚しない女性には働きにくい。

  • どのように専門学校を選んだか

    リハビリテーションの国家資格を取得したいと考えた際、唯一、自宅から通える学校だったから

  • なぜその仕事に就いたのか

    最初は回復期であるリハビリテーション病院で経験を積んで、それからさまざまな分野で経験を生かしたいと思い、現在はデイサービスに勤務している。

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群馬県の20代後半男性

正社員 / 300万円以上~350万円未満 / 大学卒

就職先:病院

総合満足度 ★★★☆☆ 2.8
  • 仕事内容 (満足度4

    脳卒中や骨折の患者様が入院当初よりも表情豊かになり、ある程度動けるようになっていく姿をみると感動します。

  • ワークライフバランス (満足度2

    病院勤務の方はどうしても残業が多くなってしまうと思います。家に帰っても勉強しないといけないこともあります。

  • 年収 (満足度2

    肉体労働であったり、リハビリだけでなく書類やカルテ、自己研鑽も多い中でこの年収は少ないと感じている。経験に応じた登り幅もすくない。

  • 仕事の将来性 (満足度3

    作業療法士は高齢化社会において、その人らしく生活できるようここに応じてリハビリや生活方法の提案ができるので、在宅では将来性があると思います。

  • なぜその仕事に就いたのか

    障害を持った方でも、リハビリの時間を共有することで、その人らしく生活ができるような手助けをしたかったから。

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