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歯科衛生士になる方法、仕事内容、必要な資格、年収等を解説!

2022年03月01日

はじめに

この記事では、歯科系の国家資格である歯科衛生士の記事についてまとめています。詳しくは記載している各記事をご参照ください。

歯科衛生士とは?

歯科衛生士とは

歯科衛生士は、歯科医療に関わることのできる数少ない国家資格の一つです。口の健康を支えるスペシャリストとして虫歯や歯周病の予防指導、保健指導、歯科診療の補助など多岐にわたる業務を行います。以前は法律上で「女子」の仕事と定義されていたため現在も就業者の99%以上が女性となっていますが、現在は法改正により男女の区別がない職業となっています。

歯科衛生士の仕事内容

歯科衛生士の仕事内容は3つあります。虫歯や歯周病などの疾患を予防するため歯石除去や薬物塗布などの歯科予防処置、歯科医師の治療のサポートを行う歯科診療補助、そして日頃の生活習慣に関する歯科保健指導の3つです。このように、歯科医師の行う治療のサポートをするのが歯科衛生士の仕事です。

歯科助手との違いは?

同じく歯科医師の診療補助を行う仕事に歯科助手がありますが、大きな違いは2つあります。1つ目は、国家資格が必要かどうかの違いです。歯科衛生士になるには国家資格が必要ですが、歯科助手になるのに特に資格は必要ありません。2つ目は、医療行為を行えるかどうかの違いです。歯科助手は国家資格ではない分、患者に直接触れる医療行為(歯石除去、薬物塗布など)を行うことができません。

歯科衛生士の給料

歯科衛生士の平均年収

令和2年に厚生労働省によって調査された「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、歯科衛生士の月給平均は25.6万円、ボーナス平均は49万円程度、平均年収は約356万円となっています。

歯科衛生士の平均年収は高い?

歯科衛生士の給料は全業種平均(463万円)に比べると低いといえます。歯科衛生士の平均給料が低い理由は、業務内容が比較的限定されているため能力や技術においてレベルアップの機会が少なく、給料の上がり幅が小さいことが挙げられます。実際、年齢別の平均年収は300~400万円の幅で推移しており、大きく増加することはないようです。ただし個人のスキルや経験に加えて地域、雇用形態、性別、働き方など様々な条件で違いが出てくるので、詳しくは歯科衛生士給料記事を参考にしてみてください。

歯科衛生士の資格を取るメリット

一生モノの国家資格であること

歯科衛生士の資格は国家資格であり、一度試験に合格してしまえば生涯日本全国で有効です。出産や結婚を機に転職や復職がしやすいため、女性からの人気も高くなっています。

仕事の幅が広いこと

歯科衛生士は需要が高いものの人材不足の状態が続いており、全国の求人倍率は20倍前後と非常に高くなっています。また、活躍の場が多いのも魅力の一つです。一般的な歯科診療所のみならず、病院や行政機関、医薬品を取り扱う民間企業など資格を活かして様々な職場で働くことが出来ます。

歯科衛生士のキャリアについて

働き方について

歯科衛生士としての働き方は様々です。全国的に診療所・病院・行政機関・一般企業・教育機関といった多くの勤務先が存在するほか、パートタイムなど非常勤での勤務がしやすい環境が整っています。また、「認定歯科衛生士」と言われる資格を取得して専門性を磨くことも可能です。働く場所を選ばないため転職もしやすく、自身のライフスタイルに合わせた働き方を選択できるのが歯科衛生士という職業の特徴です。

将来性

歯科衛生士は慢性的な人材不足を抱えている職業であり、近年は高齢者の増加によって訪問診療など介護分野でのニーズも高まっています。人口の減少によって医療ニーズ自体は減少していくと考えられますが、それでも歯科衛生士の将来はまだまだ明るいと言えるでしょう。

歯科衛生士になるには

資格取得までの流れ

歯科衛生士の資格を得るには国家試験に合格する必要があります。また、国家試験の受験資格を得るためには、高校卒業後指定された養成機関(大学、短大、専門学校)に3年以上通う必要があります。各学校における最終学年の3月上旬(卒業前)に国家試験を受験し、養成所卒業後に合格を確認できれば歯科衛生士の資格を得ることが出来ます(もし在学時落ちてしまっても再受験は可能です)。なお、上記の学校に通わないと国家試験の受験資格は得られないため、通信講座含めた独学のみでの資格取得は不可能です。

日本歯科衛生士会が令和2年度に行った調査によると、歯科衛生士の最終学歴としてもっとも多いのが専門学校で76.3%でした。次に多いのが短期大学で10.4%、大学は5.7%でした。専門学校卒業者が多い理由としては、①養成所のうち専門学校の数が最も多いこと、②最短3年間で卒業できること、③国家試験合格に専念できること、④夜間コースが存在すること(一部の学校)などが挙げられます。勿論短大や大学ならではのメリットもありますので、詳しくは進路選択の記事を参照してください。

国家試験について

歯科衛生士の国家試験は毎年3月上旬に年1回、全国の主要都市(令和4年は度度東京都、大阪府などの10都道府県・13か所)で実施されます。試験の形式はマークシートによる多肢選択方式で、歯科衛生・口腔保健に関する9科目合計約220問が出題されます。合格点は例年6割以上となっており、合格率は毎年95%前後となっています(令和3年度の第30回歯科衛生士国家試験の合格率は93.3%)。合格率は養成所によって80~100%と差がありますが、対策をしっかりと行えばほぼ確実に合格できる試験だと言えます。

歯科衛生士の専門学校の選び方

歯科衛生士になるためにもっとも一般的なルートである専門学校について、その選び方を紹介します。まず考慮すべきは「立地」と「学費」です。まず立地についてですが、基本的にどの専門学校に行っても学べる内容は変わらないので、わざわざ遠くの専門学校に行くメリットはあまりありません。次に学費に関しては、金額に加えて奨学金や教育ローンなどの制度を利用できるかどうかも考慮しましょう。立地や学費である程度候補が決まった後の軸となるのが「合格率」「キャンパスライフ」の2つです。これらの軸に関して詳しく知りたい方は、「専門学校の選び方」を参照してください。どの専門学校に行っても最終的に歯科衛生士になることには変わりないとはいえ、人生で最後となる3年間の学生生活を有意義に過ごせるよう、学校選びは慎重に行いましょう。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

厚生労働省平成30年度衛生行政報告例
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450027&tstat=000001031469
厚生労働省令和2年賃金構造基本統計調査
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/173
国税庁民間給与実態統計調査平均給与
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2019/pdf/000.pdf
一般財団法人歯科医療振興財団歯科衛生士国家試験
http://www.dc-training.or.jp/siken1.html
厚生労働省第30回歯科衛生士国家試験の正答・合格発表の訂正とお詫び
https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2021/siken19-2/about.html
新東京歯科衛生士学校
https://www.dh.ntdent.ac.jp/contents/column/2772/

実際に働いている人の口コミをチェックしよう!

歯科衛生士として実際に働く方にアンケートをとり、 仕事に対する満足度を5段階で評価してもらいました。
実際に働いている人の口コミを参考に、どんな仕事なのかイメージをつけましょう!
実際に働いている人の
歯科衛生士の満足度
総合満足度
総合満足度とは?
各項目(仕事内容・ワークライフバランス・年収・仕事の将来性・女性の働きやすさ)の合計点数の平均をとった点数です
★★★☆☆ 3.4 (93件)

歯科衛生士の 口コミ一覧

全93件

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新潟県の30代後半女性

正社員 / 350万円以上~400万円未満 / 専門学校卒

就職先:歯科医院

総合満足度 ★★★★☆ 3.6
  • 仕事内容 (満足度4

    身体が立ちっぱなしで、歳とともに、きついときがある。クレーマーのような患者がきつい

  • ワークライフバランス (満足度3

    有休が少人数なので、すごくとりずらい。福利厚生がしっかりしていない

  • 年収 (満足度4

    ボーナスがあまりよくないので、やりがいはあまりない。 時間帯も遅い時間まで働くのできつい

  • 仕事の将来性 (満足度3

    若いスタッフ中心なので、長くは働けないとおもう。身体も老眼できつい

  • 女性の働きやすさ (満足度4

    女ばかりの職場なので、精神的なバランスが取りづらい。悪口はあたりまえ

  • どのように専門学校を選んだか

    学費がかかりすぎないか、良心的な学費か、教員はいい人かを見極めた

  • なぜその仕事に就いたのか

    国家資格で、結婚してからも需要がありそうだったからです。収入も安定している

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愛知県の30代前半女性

正社員 / 300万円以上~350万円未満 / 短期大学卒

就職先:歯科医院

総合満足度 ★★★★☆ 4.4
  • 仕事内容 (満足度4

    口腔清掃をして患者さんに『ありがとう』とお礼を言われ、やりがいを感じるのがよかった点です。

  • ワークライフバランス (満足度4

    残業は基本的になく、休暇は医院によって違うが一般企業に比べるととりにくいと思います。

  • 年収 (満足度4

    女性の平均年収的にはいい方だが、なかなか年収が上がりにくいのは悪い点だと思います。

  • 仕事の将来性 (満足度5

    最近は歯科医院が増えているので、就職先には困らないと思い将来性は良いと思います。

  • 女性の働きやすさ (満足度5

    女性の多い職業なので、育休や産休など理解する人が多く、女性の働きやすさはあると思います。

  • なぜその仕事に就いたのか

    将来のことをかんがえ、手に職をつけた方がいいと思ったから、この仕事を選びました。

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東京都の30代前半女性

正社員 / 350万円以上~400万円未満 / 短期大学卒

就職先:歯科医院

総合満足度 ★☆☆☆☆ 1.4
  • 仕事内容 (満足度2

    患者さんには感謝されるが、同じく勤務している歯科医師や院長先生とは思考が合わないと勤務しづらいため。

  • ワークライフバランス (満足度1

    個人の歯科医院が多いため、勤務人数がギリギリで少なく、有休消化をしにくい雰囲気がある。また、対面必須の業界のため、テレワークが不可なのが働きづらい。

  • 年収 (満足度1

    個人の歯科医院が多いため、昇給の額が少なく感じる。また、出産時には退職を迫られる場合が多く、退職し再就職すると給与も減給する可能性があるため。

  • 仕事の将来性 (満足度1

    歯科医師に使われる立場のため、昇進などはほぼなく、いつまでも一スタッフのままのため。

  • 女性の働きやすさ (満足度2

    若いうちは就職先を見つけやすいが、50代60代近くになると歯科医師の方が年下になる可能性があり、採用されにくいため。

  • なぜその仕事に就いたのか

    子供の頃から漠然と医療系の仕事につきたいと考えていた。自分自身が内科など病院への通院はあまりしたことがなく、歯科医院の方が親しみを感じていたため、歯科医院で勤務できる職業として金銭面的に歯科医師ではなく歯科衛生士を目指すようになった。

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静岡県の30代前半女性

パートタイム/アルバイト / 100万円以上~150万円未満 / 短期大学卒

就職先:歯科医院

総合満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事内容 (満足度3

    あまりに大変すぎる。終業時間が長く正社員で既婚者で働くのは非常に難しい。独身で若ければ良いが、いちど辞めたら戻るのに大変すぎる

  • ワークライフバランス (満足度3

    土曜日出勤、労働時間がながすぎる。完全週休2日にもなっていないのが現実。子育てしながらは不可能すぎる。

  • 年収 (満足度3

    正社員ならよいがパートタイムは少ない。内容は同じなのにもう少し高くしてもらわないと割に合わなすぎる

  • 仕事の将来性 (満足度3

    歯科医院があふれて資格のないものが働けると資格優先の基準がわからなくなってきている。もっと優遇されないと困る

  • 女性の働きやすさ (満足度3

    子育てしながらは不可能すぎる。時間が長く途中で抜けれない。 休むこと自体がぜにタブーな雰囲気で何も働くやすくない

  • なぜその仕事に就いたのか

    資格取得を目指し看護師は厳しいと感じ、知り合いがその資格取得をしたのを聞き自分にもできるかもと希望があったため

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東京都の40代女性

パートタイム/アルバイト / 100万円未満 / 専門学校卒

就職先:歯科医院

総合満足度 ★★★★☆ 4.2
  • 仕事内容 (満足度4

    歯のクリーニングをしてきれいになった歯を見て患者さんが喜んでくれた時や、壊れた入れ歯をきれいに直せた時

  • ワークライフバランス (満足度5

    毎週シフト制で好きな曜日に働けるし、お昼1時頃には終わるので午後はフリーな時間が持てて余裕がある。

  • 年収 (満足度4

    ほとんど同じ仕事内容でも、資格がない方より多く時給をもらえているので、満足している。

  • 仕事の将来性 (満足度4

    首を切られる事はまずないと思うので、体が続くまで続けられると思います。仲間と楽しく仕事出来ています。

  • 女性の働きやすさ (満足度4

    似たような境遇の同僚が多いので相談に乗ってもらったり雑談も楽しい。医院の体制にふまんに思う事もあるが女性同士共通の敵(院長)がいると結束する

  • どのように専門学校を選んだか

    家から1番近い学校とその次に行きやすい所の2校資料を取り寄せたり見学に行き、結果近い方に決めた。

  • なぜその仕事に就いたのか

    高校の進路選択の時に、色々な職業が載っている本を図書館で借りて読んで決めた。また、その時父親が歯を抜いて入れ歯になった事から歯磨きを念入りにする様になり、自分も歯医者の仕事に興味を持った。

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