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歯科衛生士を目指せる進路は?進路別のメリット・デメリットを解説!

2022年03月01日

はじめに

歯科衛生士になるにはどのような進路があるのでしょうか?主なルート3つと、その中でのおすすめを紹介します。

歯科衛生士の学校について

歯科衛生士になるには国家試験に合格する必要がありますが、国家試験の受験資格を得るためには文部科学省の指定した歯科衛生士学校、または都道府県知事が指定した歯科衛生士養成所において3年以上の養成課程を修了する必要があります(※)。
そのため、国家試験を受けるためには大学(4年制)、短大・専門学など(3年制)のいずれかに通うことが必須になります。この記事では、主に専門学校に焦点を当てて解説していきます。
※海外の歯科衛生士養成学校卒業または海外で歯科衛生士免許を取得しており、厚生労働大臣から認定を受けた者を除く。

学校の数について

全国歯科衛生士教育協議会のデータによると、歯科衛生士の養成校は大学・短大・専門学校併せて173校存在します。そのうち大学は12校、短期大学は16校、その他145校は専門学校であり、専門学校の数が全体の8割以上を占めています。

就業歯科衛生士の学歴分布

日本歯科衛生士会の調査によると、就業歯科衛生士の最終学歴は
 ・歯科衛生士専門学校:76.3%
 ・短期大学(専攻科含):14.0%
 ・大学:5.7%
 ・大学院博士課程修了:0.7%
 ・その他:3.3%
となっており、専門学校の割合が最も多くなっています。

大学について

メリット

短大や専門学校に比べて卒業まで1年間長い分、専門外の分野や一般教養も学ぶことができます。また、一般歯科医院に比べて規模が大きく、機材も豊富な大学病院が実習先のメインとなるのもメリットの一つでしょう。

デメリット

近年数が増えているとはいえ国立大学が4校、公立大学が3校、私立大学が5校と数が少なく、全国歯科衛生士教育協議会によると平成29年度の志願倍率は平均2.8倍と狭き門になっています(但し、受験辞退などで実際の倍率はもう少し低いようです)。特に国公立の大学は入試で共通テスト受験が必須となり、入試の負担は比較的大きいと言えます。

短大について

メリット

 歯科衛生士の場合短大はすべて3年制で、卒業すると「短期大学士」の学位がもらえます。卒業後一般企業などに就職または転職する場合、学位の所持が好待遇につながる可能性は高いです。

デメリット

国家試験対策に加えて学位の取得を3年間のうちに行うことになるので、大学や専門学校と比較するとやや忙しいかもしれません。

専門学校について

メリット

全国的に数も多いうえ、一般的な昼間課程だけでなく夜間課程を実施しているところもあり、通いやすさという点でもっとも魅力的な選択肢と言えるでしょう。卒業後の就職支援も手厚く、在学中から提携する歯科医院でアルバイトできるワークアンドスタディ制度を実施しているところも多いため、より現場での勤務に直結した環境であると言えます。

デメリット

卒業後の選択肢がほぼ歯科衛生士に限られる点、一般教養を学ぶ機会が限られる点は人によってはデメリットになりえます。必然的に国家試験の合格に特化したカリキュラムとなるため、学問を究めたいという人には物足りないかもしれません。

大学、短大、専門学校の比較

将来の選択肢

大学・短大の場合学位が取得でき、一般企業への就職や進学も視野に入れることができます。また、博士課程まで進めば大学教員や研究といった道も見えてきます。専門学校の場合、進路はほぼ歯科衛生士としての勤務に限られますが、学校から手厚い就職支援を受けられる場合が多く、就職に困ることはないでしょう。本人次第では、卒業後大学に編入学することも可能です。

学べること

大学・短大・専門学校問わず歯科衛生士の育成が目的の一つであることに変わりはないので、その点で学習内容が異なることはないでしょう。ただし、大学や短大の方が一般教養や専門外の授業が充実しており、歯科衛生以外の分野も学びたい人にはおすすめです。また、行政などの公的機関では就業に際して別途試験を課す所が多く、その場合大学や短大で学んだ一般教養が役に立つことになるでしょう。

給料

一般企業で働く場合、学位の取得が好待遇につながる可能性は高いです。ただし、一般的な診療所で働く場合、大卒・短大卒・専門卒で待遇が変わることはほぼないでしょう。何故なら、同じ資格を取得している以上、学歴によって歯科衛生士としてのスキルに差があるとは考えにくいからです。

費用(学費など)

3年制の専門学校の場合、諸費用込含めて1年目で100~150万円、2年目・3年目で50~100万円かかるため、合計300万円前後かかります。これに加えて教材費や器具代などを考慮すると、実際は総額350万円前後かかるでしょう。
学校によっても差があるため一概には言えませんが、費用はおおまかに

私立大学>私立短大>専門学校>国公立大学

の順に高い傾向があるようです。

(費用の参考例)※教材等別途で含む場合あり
・専門学校(アポロ歯科衛生士専門学校):約316万円(学費258万円+諸費用58万円)
・国公立大学(東京医科歯科大学):約280万円(学費)
・私立大学(大阪歯科大学):約567万円(学費554万円+諸費用13万円)
・私立短大(鶴見短期大学):約356万円(学費227万円+諸費用129万円)

試験合格率

もともと国家試験合格率が9割以上と高いうえ、令和3年度の歯科衛生士国家試験の学校別合格率(厚生労働省発表)を見ると、大学・短大・専門学校で合格率に大きな差はありません。国公立大学の合格率の高さは見て取れますが、合格率100%を達成している専門学校が数多く存在する一方で、合格率9割を下回る大学や短大も存在し、学校ごとに異なるというのが実際の所です。

大学・短大・専門学校のどれがおすすめ?

どの選択肢もそれぞれメリット・デメリットがありますが、歯科衛生士として早く働きたい!という人には専門学校がおすすめです。最短3年で資格取得ができる上、歯科衛生士として働くモチベーションの高い仲間とともに合格を目指すことができます。在学中から歯科医院でアルバイト経験を積むなどして、実践的な学びを得ることもできます。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

全国歯科衛生士教育協議会
https://www.kokuhoken.or.jp/zen-eiky/school/index.html
日本歯科衛生士会歯科衛生士勤務実態調査
https://www.jdha.or.jp/pdf/outline/r3-dh_hokoku.pdf
アポロ歯科衛生士専門学校
https://apollogakuen.ac.jp/
東京医科歯科大学
https://www.tmd.ac.jp/
大阪歯科大学
https://www.osaka-dent.ac.jp/
鶴見短期大学
https://www.tsurumi-u.ac.jp/
歯科衛生士国家試験の学校別合格率
https://shinronavi.com/news/download/470
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