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歯科衛生士になれる専門学校の選び方とは?選び方の軸をご紹介!

2022年03月01日

はじめに

この記事では、歯科系の国家資格である歯科衛生士の専門学校の選び方について解説しています。なお、学校別の合格者のデータは厚生労働省発表の「第30回歯科衛生士国家試験の学校別合格者状況(訂正)」を参考にしています。

専門学校選びの軸①:国家試験の合格率

専門学校に通う最大の目的は歯科衛生士の資格取得であるため、国家試験の合格率はもっとも大事な指標となります。厚生労働省のデータによると、歯科衛生士国家試験は例年合格率が9割を上回る決して難関な試験ではありませんが、80%~100%と多少の幅はあります。年度によっても変動があるので一概に合格率で優劣をつけることは難しいですが、例年合格率の高い学校は指導が手厚く、学習意欲の高い生徒が集まっていると考えられるため、総合的な判断材料として最も有用です。

専門学校選びの軸②:キャンパスライフ

合格率だけで優劣つけがたい場合は、カリキュラムを含めたキャンパスライフで比較しましょう。教育内容に関してはどの専門学校も資格取得に向けて組まれているため大きな差はないですが、指導の手厚さや昼間・夜間の違い、行事・海外研修の有無、設備などは学校によって大きな差があります。自分がもっとも過ごしやすいと感じる環境を選ぶことで、勉強面にも良い影響があるでしょう。

昼間課程・夜間課程

都心部の学校に設置されていることが多いのが、日中仕事をしながら通える夜間コースです。昼間より若干コマ数・授業時間が少なく、より国家試験対策に特化したカリキュラムになっているため、学費は安く抑えられることが多いです。

学校行事の充実度

専門学校の中でも、体育祭や旅行・学園祭など学業以外のイベントが充実している学校とそうでない学校があります。人気の学校は、そのようなイベントが充実している場合が多いです。勉強のほかに学校生活を楽しみたいと考えている人は要チェックの項目です。

設備の充実度

「設備の新しさ」は、学費の高さに比例する場合が多いです。首都圏の専門学校は学費こそ高いものの設備は最新のものを使用していることが多く、教室なども清掃が行き届いているようです。また、スマホ・タブレットを活用した学習サポートシステムやWiFi・充電スペースの完備など最新の学習環境が整っている学校もあります。
なお、学費の安い公立の専門学校は設備が古いことが多いですが、実習先で最新の医療現場を体験できるため将来働いたとき問題が生じるという可能性は低いでしょう。

校則の厳しさ

将来的に医療機関で働く人材を養成するという観点から、比較的厳しい学校が多いようです。ただし、その中でも特に校則の厳しい学校は存在するため、事前に口コミなどを参考にするようにしましょう。

特徴的なカリキュラム

数は少ないですが、海外研修や歯科技工士とのWライセンスなど国家試験合格とは直接関係のない特徴的なカリキュラムを組んでいる学校もあります。任意参加の場合が多いですが、余力があれば参加してみましょう。

その他の軸

そのほか、専門学校選びの判断材料となりうる要素をいくつか紹介します。

就職について

全国の求人倍率が20倍を超える歯科衛生士歯科衛生士の就職率は、ほぼ100%です。地域による差はありますが、多くの専門学校が求人倍率10~20倍という数字を公開している上、そのうち大多数が一般診療所での勤務であるため就職実績に大きな差はありません。就職について調べる際は就職先や求人倍率だけでなく、就職のサポートが手厚いかどうかを確かめてみましょう。

入試について

専門学校に入るためには大きく分けて一般入試、AO入試、推薦入試の3つがあります。受験方式によっては他の学校との併願が不可能だったりするので、各学校の募集要項は必ず確認し、専門学校選びの材料にしましょう。
半数近い専門学校が定員割れする一方で、人気の専門学校は倍率2倍を超えていたり、早期に募集が締め切られることもあるため早めの出願・準備が必要です。

学費について

歯科衛生士の専門学校選びにおいて無視できないのが学費です。3年間の学費総額は平均200~300万円程度ですが、80万円~400万円まで最大で300万円ほどの差があります。そのため、立地や合格率などに問題がない範囲で、出来るだけ学費が抑えられる専門学校を選ぶのが良いかもしれません。

専門学校の学費例

専門学校の中でも公立の学校は3年間の学費が100万円前後におさえられる場合があります。岐阜県、鳥取県、栃木県など都心からはやや離れるケースが多いですが、近くに住んでいたり、少しでも学費の負担を減らしたい場合は検討してみましょう。
反対に、都心部の専門学校は諸経費込みで400万円近くかかることがあります。

学費の負担を減らす方法

以下では、学校選択以外で学費の負担を減らせる方法を2つ紹介します。

奨学金・教育ローン

金銭的な負担を減らす方法として、奨学金・教育ローンがあります。多くの専門学校では以下の3つを中心に、様々な奨学金制度が利用可能です。
① 日本学生支援機構(JASSO)が提供する奨学金
② 国や地方公共団体が提供している奨学金
③ 学校独自の奨学金(特待生制度など)
この他、島根県や愛媛県など地域の歯科医師会が実施する奨学金(返済免除あり)を利用できるケースもあります。
これらの制度を利用する場合はいずれも一定の条件を満たしている必要があるのに加え、返済必要(無利子・有利子)、返済不要などの違いがあるため、詳細は奨学金制度を実施している各団体のHPで確認するようにしましょう。

※高校教育の修学支援新制度
令和2年(2020年)の4月から始まった新しい制度である高校教育無償化制度をご存じでしょうか?これは、高校教育の修学支援新制度の対象校に認定された大学・短大・専門学校に通う住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生を対象に「授業料等減免」「給付型奨学金」の支援を目的としています。令和3月11日時点で、全国の専門学校のうち74%の学校が対象校として認定されています。ぜひ、専門学校のHPをご覧になり、高校教育の修学支援新制度の対象校に認定されているかどうかをチェックしてみてください。

ワークアンドスタディ制度

専門学校の中には、在学中から歯科医院でアルバイトをする「ワークアンドスタディ制度」を支援している所があります。アルバイトでお金を稼げるうえ在学中から現場での経験も積めるお得な制度であるためぜひ利用しましょう(資格を取るまでは歯科助手としての勤務となるため、患者に触れるなどの医療行為は行えません)。
日本医歯薬専門学校のHPによると、平日午後(4時間)+休日1日(8時間)勤務すれば年間約100万円を稼ぐことができ、3年間で学費のおよそ7割をカバーできることになります。

実際の専門学校の選び方の流れ

通える範囲で絞る

カリキュラムの違いこそありますが、専門学校によって学ぶ内容自体に大きな差はありません。また、3年間の間には学費以外に学校や実習先までの交通費がかかりますし、一人暮らしする場合は家賃や食費などの追加費用もかかります。そのため、特に行きたい専門学校がある場合などを除き、自宅から通える範囲で候補を探しましょう。

学費で絞る

奨学金や教育ローンなどを加味して、予算内に収まる専門学校を探しましょう。最大400万円前後となる学費を払うことに問題がなければ、このステップは飛ばして構いません。

合格率・キャンパスライフなどの軸で絞る

ある程度候補が固まったら、合格率やキャンパスライフなどの軸をもとに候補を絞りましょう。HPに詳しい情報が載っていない場合、資料請求や電話をして情報を集めましょう。キャンパスライフについては、HPや資料だけでなく、オープンキャンパスに行ったり実際に通う人の話を聞いたりしてリアルな情報も仕入れましょう。最終的な判断に迷う場合は、もっとも客観的な指標である合格率を決め手とするのが良いでしょう。

口コミを見てみる

入学したい専門学校の候補が決まったら、その学校の口コミを見てみましょう。口コミは学校側からの情報ではないため、学生目線でのその学校の評価が分かります。「学校のHPにはこう書かれているけど、実際のところどうなの?」などの疑問をお持ちの方は、口コミを見てみると新たな発見があるかもしれません。
専門学校の口コミがわかるサイトもあるので、気になる方はご参照ください。

編集部おすすめの専門学校3選

朝日大学歯科衛生士専門学校

朝日大学歯科衛生専門学校は、国内でも珍しい総合大学(朝日大学)の併設校です。2004年度より毎年国家試験の合格率100%(同校HPより)という記録を残しており、令和3年試験では国家試験合格率100%の専門学校の中で全国最多の合格者数を誇ります。高い合格率を誇る背景には、連携する朝日大学が有する医療施設を用いた充実の実習環境、同大学歯学部に所属する歯科のスペシャリストによるハイレベルな教育があります。

新東京歯科衛生士専門学校

新東京歯科衛生士専門学校は、令和3年度の歯科衛生士国家試験において全国最多の合格者数(150名、合格率96.8%)を誇ります。学費は3年間で359万円とややかさみますが、その分設備が質・量ともに充実しており、校舎内はWiFiを完備しているほかスマホ・タブレットを活用した学習サポートもあります。また、美容・訪問診療など最新の専門知識を学べるゼミが用意されているのも特徴の一つです。新宿、東京、渋谷など都内の主要駅から30分前後で通える立地も魅力的です。

金沢医療技術専門学校

金沢医療技術専門学校は、歯科衛生士科が平成31年に開設したばかりです。この学校の最大の特徴は、3年間で歯科衛生士と歯科技工士の資格を両方取得可能というカリキュラムです(歯科技工学科は令和3年開設)。しかも、歯科衛生学科に所属する学生が歯科技工学科(夜間)に通う場合、本来年間50万円の追加費用が8万円に減免されます。昼間と夜間に通うことになるため忙しいのは間違いないですが、少ない費用と時間で両資格を取得できるという全国でも例を見ないカリキュラムとなっています。

まとめ

歯科衛生士の専門学校選びの進め方、選ぶ軸として合格率とキャンパスライフの2つを挙げました。合格率は良好な学習環境が用意されているという一つの指標となります。それに加えて、資料請求やオープンキャンパスへの参加を通じて自分の学習意欲を維持できるような環境が用意されているかどうかも確認しましょう。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

全国歯科衛生士教育協議会歯科衛生士教育に関する現状調査の結果報告
https://www.kokuhoken.or.jp/zen-eiky/publicity/file/report_2020.pdf
日本医歯薬専門学校
https://www.ishiyaku.ac.jp/enter/schedule/shika1/
朝日大学歯科衛生士専門学校
https://www.asahi-u.ac.jp/eisei/school/#about
金沢医療技術専門学校
https://isis.ac.jp/w-license/

実際に働いている人の口コミをチェックしよう!

歯科衛生士として実際に働く方にアンケートをとり、 「専門学校の選び方」に対する満足度を5段階で評価してもらいました。
実際に働いている人の口コミを参考に、どんな仕事なのかイメージをつけましょう!

歯科衛生士の 「専門学校の選び方」の 口コミ一覧

全93件

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新潟県の30代後半女性

正社員 / 350万円以上~400万円未満 / 専門学校卒

就職先:歯科医院

  • どのように専門学校を選んだか

    学費がかかりすぎないか、良心的な学費か、教員はいい人かを見極めた

  • なぜその仕事に就いたのか

    国家資格で、結婚してからも需要がありそうだったからです。収入も安定している

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愛知県の30代前半女性

正社員 / 300万円以上~350万円未満 / 短期大学卒

就職先:歯科医院

  • なぜその仕事に就いたのか

    将来のことをかんがえ、手に職をつけた方がいいと思ったから、この仕事を選びました。

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東京都の30代前半女性

正社員 / 350万円以上~400万円未満 / 短期大学卒

就職先:歯科医院

  • なぜその仕事に就いたのか

    子供の頃から漠然と医療系の仕事につきたいと考えていた。自分自身が内科など病院への通院はあまりしたことがなく、歯科医院の方が親しみを感じていたため、歯科医院で勤務できる職業として金銭面的に歯科医師ではなく歯科衛生士を目指すようになった。

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静岡県の30代前半女性

パートタイム/アルバイト / 100万円以上~150万円未満 / 短期大学卒

就職先:歯科医院

  • なぜその仕事に就いたのか

    資格取得を目指し看護師は厳しいと感じ、知り合いがその資格取得をしたのを聞き自分にもできるかもと希望があったため

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東京都の40代女性

パートタイム/アルバイト / 100万円未満 / 専門学校卒

就職先:歯科医院

  • どのように専門学校を選んだか

    家から1番近い学校とその次に行きやすい所の2校資料を取り寄せたり見学に行き、結果近い方に決めた。

  • なぜその仕事に就いたのか

    高校の進路選択の時に、色々な職業が載っている本を図書館で借りて読んで決めた。また、その時父親が歯を抜いて入れ歯になった事から歯磨きを念入りにする様になり、自分も歯医者の仕事に興味を持った。

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