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作業療法士の仕事内容とは?仕事の魅力・やりがいを解説!

2022年03月01日

はじめに

近年ますます活躍の場が広がっている作業療法士ですが、仕事内容を正しく理解されていないケースも多いようです。この記事では国家資格である作業療法士の仕事内容を具体的に見ていくと共に、仕事の魅力・やりがい・大変さなども紹介いたします。

作業療法士とは?

作業療法士の定義

作業療法士は1965年に誕生し、その定義は法律に明記されています。

『「作業療法」とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることをいう。』
『「作業療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、作業療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、作業療法を行なうことを業とする者をいう。』

作業療法士の仕事内容

日本作業療法士協会は、上で紹介した法律とは別に「作業療法」の定義を以下のように定めています。
「人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。」

上記のように作業療法士は、手や指などを使った細かい動作のリハビリを得意分野とするケースが多くなっています。また、患者の精神をケアすることも重要な仕事の1つとなっており、非常に幅広い業務内容が特徴です。

一方、似た職業としては理学療法士がよく挙げられますが、こちらは立ち上がる、歩く、寝返るなど、運動機能を回復させることに特化しているという違いがあります。

作業療法士の担当分野

作業療法士の担当分野は多岐に渡りますが、ここでは以下の4つに分類して説明をします。

1-3-1.身体障害分野
運動機能が著しく低下してしまい、日常生活や社会生活に支障をきたしている方がターゲットです。日常生活が困難な方には立つ・歩く・寝返りなどの基本動作を訓練し、その後はトイレへ行く、家事をするなどの応用的動作能力の向上を目指します。医学的な知識も求められる分野です。

1-3-2.精神障害分野
気分が落ち込んでふさぎ込むなどして、日常生活や社会生活が困難な方がターゲットです。実際の生活に関する作業をおこなうだけではなく、体を大きく使った運動や手先を使ったものづくりといった活動を通すことで、精神的な自信を回復させる助けとなります。

1-3-3.発達障害分野
こちらは運動・学習・社会性などの発達に障害がある子どもたちがターゲットです。食事や着替えといった日常生活から始まり、日常生活で使う文房具などの使い方を教えるなど、徐々にレベルを上げていきます。また、それらの行動を通してどのような反応を示すか、周りの人間とのコミュニケーション能力はどうかといった社会性についてもチェックをします。

1-3-4.高齢者支援分野
運動機能・認知機能などの低下により、日常生活や社会生活に支障をきたしている方がターゲットです。
他の分野と同じく日常生活や社会生活への復帰・自立を目標としたカリキュラムが組まれます。
特にこの分野では、生きがいとなる趣味を見つけるための支援をおこなうことで、症状が改善する場合もあります。

作業療法士の一日のスケジュール

担当患者さんの情報などについては、業務開始・終了前に情報共有を欠かしません。
また、食事は患者さんにとっても重要なイベントなので、時には自分より優先して確認をおこないます。
リハビリの施術、事務作業、器具のメンテナンス、勉強会などを終えたら1日の作業は終了です。

作業療法士の一日のスケジュール例 作業療法士の一日のスケジュール例

作業療法士に必要な資質

コミュニケーション能力

高齢者から子供まであらゆる年齢層を見ないといけない上に、気持ちが落ち込んでいる方の精神的なケアもしなければならないため、作業療法士には高いコミュニケーション能力が求められます。

ポジティブさ

リハビリが痛かったり、なかなか症状が改善しなかったりして落ち込む患者さんも多いでしょう。しかし、そんな中でも焦らず粘り強く取り組み、患者さんを前向きに引っ張るポジティブさが作業療法士には求められます。

観察力

普段とは違う違和感を、口や態度で上手く表現できない患者さんも多いものです。常に患者さんを観察し、体の不調や心理的な変化に早く気付く能力が作業療法士には求められます。

遊び心

同じようなリハビリを長期間繰り返すだけでは患者さんのモチベーションも段々下がってしまうでしょう。時には時間を競うゲーム形式をリハビリに取り入れるなど、普段と違う遊び心が必要になるときもあります。

作業療法士の魅力

喜びを共有できる

作業療法士と患者さんは、毎日のように顔を合わせてリハビリに励んでいます。そんな作業療法士だからこそ、患者さんが目標を達成できたとき、笑顔で退院されたなどは、一緒になって喜ぶことができます。実際に作業療法士として働いている方の声としても、喜びの共有を魅力として挙げる方は圧倒的に多いです。

患者さんに寄り添える

作業療法士は、患者さんに心を開いてもらうためにリハビリ以外のことを話すケースもよくあります。また、患者さんは各々の生活に合わせた運動訓練をするので、それを通じて日常生活の情報を得られることも多いです。リハビリは数年間続くことも珍しくないので、患者さんに寄り添った家族のような付き合いが可能になります。

幅広い需要がある

子供から高齢者まで患者の対象が広く、精神的なケアも業務範囲に含まれている作業療法士。社会的な需要から見ると、一般病院、リハビリ専門病院、精神科病院、老人ホーム、障害者福祉施設、児童養護施設など、非常に幅広い施設から求められている職業です。

作業療法士のやりがい

作業療法士の大きなやりがいとして、患者さんの生活改善に直接携われることが挙げられます。患者さんのやれることが徐々に増えていく、やがて生活ができるようになっていくなど、リハビリの効果が目に見える形で現れれば、それに達成感を感じてやりがいを得られるでしょう。 
また、作業療法士自身が病気・けがをしたとき、精神的に追い詰められる困難にぶつかったときも、その経験は無駄になりません。その辛さを糧にして患者さんにいっそう寄り添うことにより、自分の不幸を相手の幸せに繋げられることもやりがいの1つです。

作業療法士として大変なこと

本職に集中できない

毎日何人もの患者さんを診る作業療法士ですが、身体的なサポートをすることも多いため、特に慣れないうちはヘトヘトになるまで疲れきることもあります。また、勉強会や会議等といった集まりは時間外におこなわれることが日常的で、多忙な職場も多くなっています。

体力的な負担が大きい

毎日何人もの患者さんを診る作業療法士ですが、身体的なサポートをすることも多いため、特に慣れないうちはヘトヘトになるまで疲れきることもあります。また、勉強会や会議等といった集まりは時間外におこなわれることが日常的で、多忙な職場も多くなっています。

結果がすぐに出ない

リハビリの多くは長期戦であり、前進と後退を繰り返しながら徐々に結果が現れてくるものです。そんな状況にいらだちを見せる患者さんも当然いるため、結果が出ないことに対して焦りや不安を覚えることもあるでしょう。

まとめ

作業療法士は、作業に焦点を当てた治療やサポートをおこなうことで、患者さんの健康と幸せに寄与する職業です。体力的にも大変な仕事で、結果がすぐに出づらいという難しさもありますが、リハビリが上手くいった時には患者さんと喜びを分かち合えるという魅力もあります。近年では活躍の場がさらに広がって社会的な需要も増えている職業ですので、非常にやりがいの大きい仕事と言えるでしょう。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

法律による定義理学療法士及び作業療法士法第2条第2項
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000168998.pdf
日本作業療法士協会作業療法の定義
https://www.jaot.or.jp/about/definition/
杏林大学HP
https://www.kyorin-u.ac.jp/univ/faculty/health/occupational/work/1days/

実際に働いている人の口コミをチェックしよう!

作業療法士として実際に働く方にアンケートをとり、 「仕事内容」に対する満足度を5段階で評価してもらいました。
実際に働いている人の口コミを参考に、どんな仕事なのかイメージをつけましょう!
実際に働いている人の
作業療法士の「仕事内容」の満足度
★★★★☆ 3.8 (108件)

作業療法士の 「仕事内容」の 口コミ一覧

全108件

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埼玉県の30代前半女性

正社員 / 350万円以上~400万円未満 / 大学卒

就職先:訪問看護ステーション

仕事内容の満足度 ★★★★★ 5.0
  • 仕事内容

    悲しいこともあるが、よくなる姿をみたりするとやって良かったなと感じることがある。

  • ワークライフバランス

    土日祝日休みなので、しっかり休めて良いと思っている。家族との時間ももてる。残業は月末に少し増えるが、、

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福井県の30代前半女性

パートタイム/アルバイト / 100万円未満 / 短期大学卒

就職先:介護・福祉施設

仕事内容の満足度 ★★★★☆ 4.0
  • 仕事内容

    良くなっていく姿を見ると達成感があり、利用者さんから感謝の気持ちをいただくのでやりがいがある仕事。

  • ワークライフバランス

    人数が少ない職場だと自分が思うように休めなかったり、有給が取りづらかったりする。

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佐賀県の40代女性

正社員 / 500万円以上~550万円未満 / 大学卒

就職先:介護・福祉施設

仕事内容の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事内容

    力仕事の割に給料も少ない。 能力給ではなく、年功序列。 産休、育休、子供の体調不良等で休みが取りづらい、万年人手不足。

  • ワークライフバランス

    万年人手不足のため、産休、育休、自分自身や子供の体調不良、その他の急なお休みが取りづらい。

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長崎県の40代女性

正社員 / 300万円以上~350万円未満 / 専門学校卒

就職先:介護・福祉施設

仕事内容の満足度 ★★☆☆☆ 2.0
  • 仕事内容

    デイサービスなので仕方ない面もあるが、専門職としての仕事以外があまりにも多すぎて、本来の業務にも支障をきたしている。

  • ワークライフバランス

    時期にもよるが比較的有給休暇も取りやすい方で、残業も少ない。医療関係ではありがちなサービス残業はなく、きちんと残業代も支給される。

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群馬県の20代後半男性

正社員 / 300万円以上~350万円未満 / 大学卒

就職先:病院

仕事内容の満足度 ★★★★☆ 4.0
  • 仕事内容

    脳卒中や骨折の患者様が入院当初よりも表情豊かになり、ある程度動けるようになっていく姿をみると感動します。

  • ワークライフバランス

    病院勤務の方はどうしても残業が多くなってしまうと思います。家に帰っても勉強しないといけないこともあります。

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