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医療秘書に必要な資格とは?取得するメリットを解説!

2022年03月01日

はじめに

この記事では医療秘書の資格について、資格の概要、資格の取得方法、取得のメリットやおすすめの取得ルートなどを紹介します。

医療秘書の資格とは?

多忙な医師のサポートをする職業

医療秘書に関する厳密な定義はないですが、一般的に「医療秘書」というと多忙な医師のスケジュール管理や文書作成など、より医師などの医療スタッフに密接した仕事をする人を指すようです。
また、病院によっては医療事務が行う受付対応、外来クラークなども医療秘書業務に含む場合があるようです。

医療事務・医師事務管理補助者との違いは?

実は、これら3つの名称の区別に関する明確な定義はありません。一般的な業務内容の違いは以下の通りです。

医療事務:診療報酬請求業務(レセプト作成)、受付
医療秘書:スケジュール管理、資料作成、データ管理など
医師事務管理補助者:カルテ入力、診察予約

実際は、医療事務業務の一部を医療秘書と呼んでいたり、医師事務管理補助者を医療秘書と呼んでいることもあるようです。ただし、「医療事務管理補助者」については厚生労働省によって業務内容が明確に定義されています。

資格の例

医療秘書技能検定試験

医療秘書教育全国協議会が主催する試験で、1級、準1級、2級、3級の合計4階級があります。レセプト作成など医療事務の基礎的知識まで問われることもあり、近年は医療事務関係者の受験が多くなっています。受験資格は特にありません。

日本医師会認定医療秘書

日本医師会が認定する資格です。日本医師会が認定する養成所でカリキュラムを修了したのち、「日本医師会医療秘書認定試験」の受験と他検定の取得を経て、資格取得となります。この資格を取得している場合、医師の業務を一部代わって行う「医療事務作業補助者」の研修が一部免除されるというメリットもあります。

秘書検定

秘書検定は、秘書として働く人のみならず、社会人の誰もが必要となる常識を問う試験です。1級~3級まで計4階級あり、2級の受験者が最も多くなっています。医療スタッフとの関わりが多い医療秘書として働く場合も当然役に立つ資格でしょう。

その他

その他、医療管理秘書士(医療教育協会)や2級医療秘書(全国医療福祉教育協会)などがあります。また、医療秘書業務で必須となるITスキルを問う医事コンピュータ技能検定試験(医療秘書全国協議会)なども医療秘書の仕事に役立つことでしょう。

資格を取るメリット

必要性について

医療秘書という職業において、資格は必須ではありません。求人を見る限り、医療秘書とはいえ、医療の専門知識よりも一般の秘書と同じく上司とのコミュニケーション能力やPC等の事務スキルの方が重視される傾向にあるようです。
とはいえ同じく未経験で就業する場合、業務に関して最低限の知識を身に着けている人の方が即戦力としての評価は高くなるでしょう。

待遇について

資格不問の求人が多いですが、「能力・経験次第で昇給」という求人においては資格の所持が待遇改善につながるケースはあるでしょう。また、基礎知識を有している場合初期研修の時間が短縮され、その分給料が上がりやすいという面はあるかもしれません。

その他

日本医師会認定医療秘書は、資格取得によって「医師事務作業補助者」として働く際の研修(32時間分)が免除されます。

各資格試験の比較

合格率・難易度

医療秘書技能検定試験

医療秘書教育全国協議会の資料によると、2018年に実施された第60回医療秘書技能検定試験の合格率(合格者/受験者)は
1級 18.5%(5/27)
準1級 32.9%(165/502)
2級 52.7%(732/1390)
3級 70.0%(613/876)
でした。3級は7割以上が合格する一方で、特に1級は例年合格率が20%前後、準1級は30%前後の難関試験となっています。

日本医師会認定医療秘書

日本医師会のHPのよると、資格認定に必須となる「日本医師会医療秘書認定試験」の合格率は、令和3年度実施試験で92.5%(前年92.6%)となっています。また、過去の認定試験合格者11047名のうち、「日本医師会認定 医療秘書」の資格を得ているのは7647名(約70%)です。

秘書検定

実務技能検定協会のHPによると、
1級 25.7%
準1級 39.0%
2級 54.6%
3級 70.2%
となっています。
その他申し込み方法や試験範囲などの詳しい情報は、試験を主催する各協会のHPで確認できます。

おすすめの資格

上記3つの中だと、秘書検定がおすすめです。全国的に知名度が高く、医療秘書の求人の中でも「秘書検定」所持を優遇の条件としている所が存在します。また、医療秘書として最も重要となる対人能力を証明できる資格であり、将来的な転職を考えたとき最も融通が利く資格でもあります。就職活動に役立つのは2級以上と言われますが、高校生の場合はまず3級の取得を目指しても良いでしょう。
次点でおすすめなのが、日本医師会認定医療秘書です。国家資格でないとはいえ、日本の医療業界に大きな影響力を持つ日本医師会が認定している資格であり、合格率も高いからです。

取得方法

医療管理秘書士・日本医師会認定医療秘書の場合、受験資格を得るため指定された学校に通う必要がありますが、医療秘書技能認定試験は独学での取得が可能です。

日本医師会認定医療秘書

上記2つの資格を取得するには、指定された養成機関(大学・短大・専門学校)に通う必要があります。資格取得に必要な内容は、各学校のカリキュラムに組み込まれることになります。

医療秘書技能認定試験、秘書検定

受験資格はないため、どちらも参考書や通信講座を利用した独学での取得が可能です。ただし、医療秘書技能検定1級など特に難易度の高い資格を目指す場合は専門学校に通うという選択肢があります。その場合、秘書検定を同時に取得することも十分可能です。

まとめ

医療秘書は多忙な医師のサポートを行う職業で、国家資格はなく複数の民間資格が存在します。医療秘書という名のつく資格だけでなく、秘書検定や簿記など一般的な秘書業務で役立つ資格もおすすめです。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

学校法人川口学園早稲田速記医療福祉専門学校
https://www.wasedasokki.jp/column/medicalofficework
厚生労働省医師事務作業補助体制加算について
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/01/dl/s0118-6c.pdf
一般社団法人・医療教育協会医療管理秘書士
https://www.iryo-k.org/hisyo.html
一般社団法人医療秘書教育全国協議会医療秘書技能検定試験
http://www.medical-secretary.jp/iryo/
全国医療福祉教育協会2級医療秘書
http://iryou-shikaku.jp/exam/medical_secretary_g2.php
日本秘書教育全協誌医療秘書教育全国協議会
http://www.medical-secretary.jp/zenkyoushi/zenkyoushi_18.pdf
大原学園専門学校2年制医療秘書
https://www.o-hara.ac.jp/senmon/iryo/hisyo/
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