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看護師のキャリアアップの方法は?仕事の現状と将来性を解説!

2022年03月01日

はじめに

新型コロナウイルス感染症の流行で切迫する医療現場を支えているのが、看護師という職業です。この記事では看護師の現状と将来性について、そして看護師としてのキャリアのスタートから、キャリアアップしていく方法までをご紹介します。

現状について

看護師の現状について

新型コロナウイルス感染症の流行で看護師の人手不足が加速していますが、その負担を少しでも減らすための方策がいろいろ考えられています。中でも注目されているのがITの活用です。例えば、新型コロナウイルス感染予防のための相談窓口に、チャットボットを導入して労力を軽減したり、手書きのカルテを電子カルテに変えてスピードアップを図ったりすることができます。パソコンで行う作業を自動化するRPAを導入して、事務作業の効率化を図れます。特に、事務作業が多い病院などでRPAの導入が進んでいます。

看護師の業界が直面している課題について~人材不足~

日本では高齢化が進むとともに、介護を必要とする高齢者の数が増加して、看護師のニーズは年々高まっています。看護師の数自体は年々徐々に増えていますが、それでも看護師の数よりもニーズのほうが多い状態が続いており、人材不足が課題となっています。
厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会看護職員需給分科会中間とりまとめ」によれば、団塊世代が75歳以上になる2025年に必要になると予測される看護職員の人数が188万人~202万人であるのに対し、供給される看護職員の人数は175万人~182万人にとどまるというシミュレーション結果が出ています。このように2025年において、看護師のニーズと供給にかなりの開きが出ると推定されるため、深刻な人材不足が続くことが懸念されています。
これに加えて、看護師の供給率については、自治体によって大きな差があります。また、病院よりも訪問看護の人手不足が深刻になるといった領域間の差も大きいのが現状です。これらの地域差・領域差を今後どのように減らしていくかも、大きな課題と言えるでしょう。

看護師の将来性について

社会変化がもたらす看護師の需要の増加

今後高齢化がさらに進むことによって、看護師の需要はますます増加していくと考えられ、特に訪問看護の需要が大きく伸びることが予想されます。
厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会看護職員需給分科会中間とりまとめ」によれば、2016年の看護職員就業者数は46977人でしたが、2025年には12万人前後の需要が見込まれています。

看護師の職場環境の変化について

不足している看護師の離職を防ぐため、待遇の改善に取り組む病院が増えています。例えば、完全個室の寮を格安で用意したり、24時間利用できる院内保育を実現したり、人間ドックを無料にしたり、給料や手当の額をアップしたりというような対策を取っています。また、子育てなどで休職している看護師の復帰を促すために、パートタイムで働くことを歓迎しているところもあります。

看護師のキャリアのスタート~就職先~

病院

入院施設のある病院は、24時間365日看護師を置かなければならないので、基本的に交代制で働くことになります。ローテーションで夜勤をこなさなければならず、生活がどうしても不規則になりますが、夜勤手当や深夜手当が出ます。総合病院には複数の診療科があるので、診療科に限定されずに看護経験を積みたい人におすすめです。

診療所

入院施設がある診療所の場合には、病院と同様に24時間体制ですので夜勤がありますが、入院施設がない診療所もあります。その場合、残業はあっても夜勤がなく、休診日も決まっているので、生活のリズムが作りやすくなるでしょう。
また、小規模な診療所は診療科が限定されていることが多いので、働きたい特定の診療科がある場合におすすめです。

訪問看護ステーション

訪問看護は、病気や障害をもつすべての世代を対象に、家に訪問して健康状態を観察したり、主治医の指示のもと注射や点滴といった医療行為を行うものです。
看護師や保健師が管理する「訪問看護ステーション」の数は2010年から2020年で倍増し、訪問看護サービスの9割以上を提供しています。

社会福祉施設

介護を必要とする高齢者が入居する社会福祉施設には、特別養護老人ホームや老人保健施設など看護師の配置基準が設けられている施設がたくさんあります。
このような施設では、医師や看護師、薬剤師など各医療従事者や管理栄養士などその他の専門職の人たちが連携して利用者のケアを行うことが特徴です。

その他

看護師の活躍の場は幅広く、社員の健康を守るために企業が設けている健康管理室でも看護師を募集しています。また、実務経験や学歴などの条件を満たす必要がありますが、看護学校などの教育現場で教員として働いたり、大学の教員として教育や研究を担ったりする看護師もいます。

看護師のキャリアアップの仕方

看護師としての技術を高める

看護師としてキャリアアップするために、特定の専門分野に精通する看護師を目指すことができます。
5年以上の実務経験を積んで、認定教育機関で学んだ後、審査を受けて認定看護師になるなど資格を得るなら、キャリアアップに役立つでしょう。そのほか、専門看護師、認定看護管理者、特定行為看護師といった資格もあります。

ほかの資格を取得する

看護師の上位資格には、保健所などで保健指導ができる保健師の資格と女性だけが取得できる助産師の資格があり、これらの資格取得が看護師としてのキャリアアップにつながります。大学で保健師課程や助産師課程を修めていない場合には、1年以上養成所で学んだ後に国家試験を受験し、合格すれば資格を取得できます。

独立

看護師が独立する道として一般的なのは、訪問看護ステーションを開業する道です。経営経験のない看護師がいきなり訪問看護ステーションを経営するのはハードルが高いため、フランチャイズ契約して独立する人たちもいます。また、女性であれば資格を取って助産師になり、助産所を開業するという道もあります。

転職

転職によるキャリアアップには、自分がどのような看護師を目指すのかが重要になってきます。例えば、将来独立して訪問看護ステーションを経営したい場合には、病院の看護師経験だけでは足りないので、訪問看護ステーションの看護スタッフに転職して、実情を知ることが必要になるでしょう。

看護師の海外進出

看護師は世界中で不足しており、国境なき医師団やJICA海外協力隊から日本人スタッフが海外に派遣されていますが、世界中で新型コロナウイルス感染症が流行しているため、新規募集は感染状況次第になっています。また、海外の看護師資格を取得するには語学力が必須となります。

まとめ

看護師として働く人々は毎年着実に増えていますが、社会の高齢化による看護師のニーズの高まりには追い付かず、特に訪問看護の現場で看護師の需要が高まっています。
看護師としてキャリアアップしていくためには、将来どのような看護師になりたいかというビジョンを持つことが大事です。自分が思い描く理想の看護師になるために、キャリアをどのように築いていったらよいのかを考えてみましょう。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

医療従事者の需給に関する検討会看護職員需給分科会中間とりまとめ(令和元年)
https://www.mhlw.go.jp/content/10805000/000567572.pdf
公益社団法人日本看護協会新型コロナウイルス感染症対応における看護提供体制の現状と今後必要な取り組み
https://www.nurse.or.jp/nursing/practice/covid_19/press/pdf/press_conference210629/effort_covid1920210629.pdf
公益財団法人日本訪問看護財団訪問看護の現状とこれから2021年版
https://www.jvnf.or.jp/global/The_Present_and_Future_of_Visiting_Nursing2021_JP-memo.pdf
公益財団法人日本訪問看護財団訪問看護とは(一般の方向け)
https://www.jvnf.or.jp/homon/_1_4.html
京都大原記念病院グループ看護師のキャリアアップ、役立つ資格やメリットは?
https://kyotoohara.or.jp/recruit/nurse-blog/nurse-career-up.html
森ノ宮医療大学保健師
https://www.morinomiya-u.ac.jp/port/maruwakari/kango_hokenshi.php
公益社団法人日本看護協会新型コロナウイルス感染症対応における看護提供体制の現状と今後必要な取り組み
https://www.nurse.or.jp/nursing/practice/covid_19/press/pdf/press_conference210629/effort_covid1920210629.pdf
公益財団法人日本訪問看護財団訪問看護の現状とこれから2021年版
https://www.jvnf.or.jp/global/The_Present_and_Future_of_Visiting_Nursing2021_JP-memo.pdf

実際に働いている人の口コミをチェックしよう!

看護師として実際に働く方にアンケートをとり、 「キャリア・将来性」に対する満足度を5段階で評価してもらいました。
実際に働いている人の口コミを参考に、どんな仕事なのかイメージをつけましょう!
実際に働いている人の
看護師の「キャリア・将来性」の満足度
★★★☆☆ 3.5 (901件)

看護師の 「キャリア・将来性」の 口コミ一覧

全901件

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千葉県の40代女性

正社員 / 450万円以上~500万円未満 / 大学卒

就職先:訪問看護

キャリア・将来性の満足度 ★★★★☆ 4.0
  • 仕事の将来性

    高齢者がどんどん増えていくので将来性はあるとおもいます。仕事探しに苦労したことはなく、安心だと思います。

  • 女性の働きやすさ

    女ばかりの職場なので、子育てや介護に理解があります。先輩にも色々聞けるのでありがたいです。

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大阪府の40代女性

正社員 / 1,400万円以上~1,500万円未満 / 専門学校卒

就職先:クリニック

キャリア・将来性の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事の将来性

    仕事の将来性についてらどうしてもワークライフバランスについては触れなければいけない

  • 女性の働きやすさ

    働きやすさについてはなぜその点数がいいのだろうかということである。すなわちそれくらいの点数である

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宮城県の20代後半女性

正社員 / 350万円以上~400万円未満 / 専門学校卒

就職先:クリニック

キャリア・将来性の満足度 ★☆☆☆☆ 1.0
  • 仕事の将来性

    専門的なクリニックなのでいまのクリニックが廃業したときに活かせるスキルを発揮できる病院が地域にはない。

  • 女性の働きやすさ

    育休や産休、育児時間などで休みをもらっている人もいるが人が少ないので気を使う場面もある

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福岡県の30代前半女性

正社員 / 350万円以上~400万円未満 / 専門学校卒

就職先:病院

キャリア・将来性の満足度 ★★★★★ 5.0
  • 仕事の将来性

    資格を持っているため、これからも続けていきたいと考えています。常識ある人して

  • 女性の働きやすさ

    業界ではたらきやすい環境だし人間関係もよくとてもいい人たちに恵まれています。女性としても働きやすい

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東京都の40代女性

正社員 / 750万円以上~800万円未満 / 専門学校卒

就職先:病院

キャリア・将来性の満足度 ★☆☆☆☆ 1.0
  • 仕事の将来性

    閉鎖的で、昔から続いているから新しいことに前向きじゃなく改革はなさそう

  • 女性の働きやすさ

    子育てに休むと独身者からは冷ややかな目をむけられているし女性ばかり休んでいる

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