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柔道整復師のキャリアアップの方法は?仕事の現状と将来性を解説!

2022年03月01日

はじめに

年々ニーズが増してきている柔道整復師。それと同時に、多くの活躍の場が広がってきています。日々成長し、変わりつつある柔道整復師のキャリアについて考えるのは難しいですよね。この記事では柔道整復師の現状と将来性について、そしてあなたが柔道整復師のキャリアを築いていくうえで必要な情報をご紹介します。柔道整復師のキャリアについて考えたい方は是非ご参照ください。

柔道整復師の業界が直面している課題について~人手不足~

日本にいる柔道整復師の数は、ここ10年で約2倍に増えました。日本柔道整復師会の調査によると、平成20年で43,946人だった柔道整復師は平成30年には73,017人に増えています。活躍の場が広がっている柔道整復師の数が増えている傾向にあることはとてもいいことだといえます。また、柔道整復師のニーズが高まっているのに伴って、国家試験受験資格を取得できる専門学校も増えてきています。しかしながら、これと同時に、柔道整復師を必要とする施設や職場も増えてきています。日本柔道整復師会の調査によると、平成20に34,839数だった柔道整復施術所が、平成30年には50,077数と増加しています。これに加えて、高齢化社会の中で、介護施設の需要が高まり、新しい福祉施設やスポーツ施設も爆発的に増えてきています。柔道整復師の人数の増加を上回るスピードで柔道整復師が必要とされる場所が増えてきているため、現在、人手不足が懸念されています。

また、接骨院や整骨院で経験を積んだ柔道整復師が好条件を求め、独立や転職をしてしまうことも施設で人手不足となっている一つの理由でもあります。その結果、施設には比較的経験の浅い柔道整復師が多くなってきているのも現状です。若手の柔道整復師がベテランから知識や技を学び、急速で信頼される技術のある柔道整復師になることが求められています。

柔道整復師の将来について

柔道整復師の将来は明るいといわれています。その理由を以下にご紹介いたします。

新しい方向性

最近のスポーツ業界では、精神論だけではなく、合理的な科学的トレーニング方法が積極的に導入されています。東京オリンピックで盛り上がる中、さらに進化するスポーツ業界において、重要な役割を担うのがスポーツトレーナーだといわれています。選手の状態を分析し、トレーニングやリハビリのプログラムを実践していくことが求められています。第一線で活躍するスポーツ選手とかかわることで、輝かしいキャリアを築けるかもしれません。

唯一無二の存在

ストレスと隣り合わせの日常生活を送っている人々にとって身体の調子を整えることはとても重要なことです。病院に行っても病名がつかないような肩こり、体のしびれ、腰痛などの身体の痛みでも本人にとっては深刻な症状です。柔道整復師はそのような人々に寄り添い、治療してくれる健康アドバイザーともいえるでしょう。患者さんにとって唯一無二の存在になることで将来性は無限に広がるでしょう。

高まる健康意識

病気になってから対処するのではなく、病気にならないための体作りを意識する人が近年増えてきています。また、健康的なダイエットにも注目が集められています。健康的かつ美しい体を手に入れるために、体に関する知識が豊富な柔道整復師のトレーニングは大きな話題を呼んでいます。

高齢化社会

高齢化社会に突入した日本では、長生きすることだけでなく、病気やけがのない健康状態を維持して充実した日常生活を送ることが重要視されています。そのため、筋肉や関節の痛みを専門的に治療できる柔道整復師は、地域医療の最先端で活躍されることが期待されています。

柔道整復師のキャリアのスタート~就職先~

柔道整復師の就職先は、以前は接骨院・整骨院や整形外科でのリハビリ担当になるのが主流でした。しかし、近年は柔道整復師の活躍の場は様々な分野に広がってきています。ここでは、柔道整復師が活躍できる就職先についてご紹介していきます。

接骨院・整骨院

接骨院や整骨院で働く人のほとんどが柔道整復師であり、柔道整復師の進路として一般的な就職先となっています。接骨院や整骨院では、患者さんの外傷への応急処置が中心であり、経験豊富な柔道整復師の教えの下で、施術の仕方を学べます。十分に経験を積んだ後、独立開業する人が多くいます。

整形外科

整形外科では医師が骨、関節や神経などを直接治療しますが、その後、医師と連携を取りながら運動器疾患に対する施術やリハビリテーションを専門的に行います。接骨院や整骨院ではあまり積むことができない経験を積むことができます。また、勉強会などが多く開催されていて、様々な症状を拝見することができ、スキルアップを目指すことができるのがメリットです。

スポーツトレーナー(フィットネストレーナー・アスレティックトレーナー)

柔道整復師は従来、柔道でのケガの治療などに携わっていました。スポーツでとても重要な身体の扱い方をマスターしているだけでなく、競技中に負傷した選手のケガに対する応急処置も可能です。そのため、スポーツジムだけでなく、スポーツチームなどのトレーナーとして働くことができます。

介護現場

近年、講師高齢化に伴う高齢者の増加や介護保険制度の導入により、介護の分野でも柔道整復師のニーズは高まってきています。柔道整復師として高齢者の身体機能の回復をサポートするのが主な仕事になっています。筋肉や骨の治療ができる柔道整復師は高齢者のリハビリテーションには不可欠な存在となっています。

機能訓練指導員

機能訓練指導員とは、患者さんの身体の状態に合わせて機能訓練のプランを立てるリハビリ分野の職業です。機能訓練指導員は、デイサービス介護や介護福祉施設などで必ず1名以上の配置が義務付けられています。ですので、柔道整復師の資格を持った、身体の損傷に対する痛みの緩和治療ができる機能訓練指導員はとても大事な存在となっています。

独立開業はできる?

柔道整復師は国家資格を取得することで、独立開業することができます。ただし、2017年6月15日に厚生労働省から発表された「施術管理者の要件について」によると、最大3年間の実務経験をすることが条件とされています。また、開業前には研修を受け、施術管理者研修終了証を交付してもらう必要があります。独立に必要な能力として以下が挙げられます。
 高い技術
 経営力
 マーケティング力
 集客力
年々、独立開業をする人が増え、接骨院や整骨院が急激に増えてきました。その一方で、2018年には過去最多の93件が倒産に追い込まれています。この数字からわかるように、独立した後に競争が激しい柔道整復師の業界で生き残っていくのは簡単ではありません。独立するためには上記した4つの能力を高めることが必要です。

海外で活躍できるって本当?!

柔道整復師の国家資格はあくまでも日本国内での資格です。しかし、日本で培った柔道整復師としての技術は活用できるでしょう。

Judotherapy

日本柔道整復師会は、柔道整復師の仕事について海外にでも広める目的で、1995年ごろから国際化に動き始めました。そして、2002年に「Judo therapy」としてジュネーブWHO本部(世界保健機構)が正式に認知しました。まだまだ、国際的な認知度は低いものの、今後新たな施術法として期待が集められています。

働く国によって働く条件が変わってくる

例えば、アメリカで医療系の仕事に就くには、柔道整復師という資格が存在しないので、鍼灸師などほかの資格を取得する必要があります。一方で、アジア圏では伝統医療が受け入れられやすく、国家資格を生かして働くことができるかもしれません。また、オランダのように資格がなくても施術可能な国もあります。海外で働きたい場合は、その国での働ける条件を事前に調べておくといいでしょう。

モンゴルで行われた柔道整復術普及プロジェクトとは?!

JICA(独立行政法人国際協力機構)と日本柔道整復師会により、2006年から2016年にかけて、モンゴルで「モンゴル国日本伝統治療(柔道整復術)普及事業」が取り組まれました。開催された目的は、医療インフラが不十分なモンゴルで、柔道整復術の重要性を広めることでした。このように、公益社団法人柔道整復師会による国際交流事業に参加し、海外での柔道整復術の普及活動にかかわるのも一つの手段です。

スポーツトレーナーとして働く

国外のスポーツチームでスポーツトレーナーとして働くこともできます。しかし、求人を探すのは非常に難しくなっています。

まとめ

社会の発展により、様々な職業が今後なくなるといわれている中で、人々の体のメンテナンスを行う柔道整復師の需要は高まっています。しかしながら、業界内での競争は激しくなっています。その中で自分のキャリアを築いていくためには、ほかの人には負けない武器を持つことが大事となってきます。柔道整復師として成功するために、自分自身のキャリアをどのように築いていくのかを今一度考えてみることをおススメいたします。 

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

日本柔道整復師会柔道整復師について
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000694909.pdf
日本医学柔整鍼灸専門学校柔道整復師の現状と将来性
https://www.nihonisen.ac.jp/judo/capacity/future.php

実際に働いている人の口コミをチェックしよう!

柔道整復師として実際に働く方にアンケートをとり、 「キャリア・将来性」に対する満足度を5段階で評価してもらいました。
実際に働いている人の口コミを参考に、どんな仕事なのかイメージをつけましょう!
実際に働いている人の
柔道整復師の「キャリア・将来性」の満足度
★★★☆☆ 2.6 (38件)

柔道整復師の 「キャリア・将来性」の 口コミ一覧

全38件

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神奈川県の40代男性

法人役員 / 350万円以上~400万円未満 / 専門学校卒

就職先:施術院(マッサージ院・鍼灸院・整骨院・鍼灸院)

キャリア・将来性の満足度 ★☆☆☆☆ 1.0
  • 仕事の将来性

    資格取得者数の乱造で、業界全体で質が低下傾向にあり、施術所も乱造しているため、将来性という点では明るい未来はない。

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埼玉県の30代前半女性

正社員 / 300万円以上~350万円未満 / 大学院卒

就職先:施術院(マッサージ院・鍼灸院・整骨院・鍼灸院)

キャリア・将来性の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事の将来性

    接骨院での保険請求がなかなか難しくなっているのが現状だと思います。今は自費での施術を行なっていかないと、経営が難しいと思います。

  • 女性の働きやすさ

    拘束時間が長いため、若いうちは働けていても家庭を持つのであれば続けていくのは厳しいと思います。

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北海道の40代男性

個人事業主 / 100万円未満 / 専門学校卒

就職先:施術院(マッサージ院・鍼灸院・整骨院・鍼灸院)

キャリア・将来性の満足度 ★☆☆☆☆ 1.0
  • 仕事の将来性

    私が免許を取得したときはまだ国によって学校開設に規制がかかっておりましたが、裁判の判決で規制が緩和されて未来がない現在の状況になっているから。

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東京都の40代男性

正社員 / 300万円以上~350万円未満 / 専門学校卒

就職先:施術院(マッサージ院・鍼灸院・整骨院・鍼灸院)

キャリア・将来性の満足度 ★★☆☆☆ 2.0
  • 仕事の将来性

    保険が渋くなってきているので、いつまでこれが続いていくのか先ぐ見えないなと思う時ぐあります。

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茨城県の30代前半男性

正社員 / 400万円以上~450万円未満 / 専門学校卒

就職先:施術院(マッサージ院・鍼灸院・整骨院・鍼灸院)

キャリア・将来性の満足度 ★★☆☆☆ 2.0
  • 仕事の将来性

    保険の請求も段々としづらくなってきてるので整骨院というよりは整体的な事の方が多くなっている

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