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視能訓練士を目指せる進路は?進路別のメリット・デメリットを解説!

2022年03月01日

はじめに

「視能訓練士」と聞いてぱっと思い浮かぶ方はそう多くはないのではないでしょうか。視能訓練士はその名こそ日常生活で耳にする機会は多くありませんが、学校の健康診断などで一度はお世話になったことがある方がほとんどだと思います。この記事では視機能のスペシャリストである視能訓練士になるためにはどのような道を歩めば良いかについて検討します。視能訓練士にご興味がある方はぜひご参照ください。

視能訓練士になるには

一般的なルートは養成校で3年以上修業、のちに国家試験合格

視能訓練士はリハビリの分野における国家資格です。そのため、視能訓練士になるには視能訓練士国家試験に合格し、視能訓練士の資格を取得する必要があります。そして、視能訓練士国家試験を受験するためには以下の3つのルートのうちどれか1つを経る必要があります。

①視能訓練士養成校(3年以上)を卒業
②大学や短期大学、または看護師や保育士の養成機関で指定科目を履修して卒業したのち、視能訓練養成校(1年以上)に修業
③外国の視能訓練士の学校を卒業

この記事では高校生の皆さんにとって一般的である①のルートについてご紹介します。
高校卒業後の場合、視能訓練士養成校に3年以上通い、必要な知識や技能を修得しなければなりません。
したがって視能訓練士になるには、
STEP 1:視能訓練士養成校入学
STEP 2:視能訓練士養成校卒業(3年以上修学)
STEP 3:視能訓練士国家試験受験・合格
STEP 4:視能訓練士資格取得
という段階を踏む必要があります。国家試験は毎年2月に実施されるため、多くの受験生が養成校の最終学年の2月に国家試験を受験し、卒業と同時に視能訓練士の資格を取得します。

視能訓練士養成校の数と種類

視能訓練士養成校とは、厚生労働大臣または文部科学大臣に指定された視能訓練士のための大学、短期大学、専門学校のことを指します。日本視能訓練士協会によると、視能訓練士養成校は日本全国に28校あります(2021年7月現在)。内訳としては、専門学校17校、大学10校、短期大学が1校となっています。

視能訓練士の専門学校、大学、短大ベストな進路は?

それでは専門学校、大学、短期大学について、データを用いて様々な観点から比較してみましょう。

それぞれの学費比較

まずは学費の比較です。視能訓練士を目指すことができる大学は私立の学校しかなく、卒業までに4年間かかるということもあり学費は総額600万円台が相場といえそうです。一方、専門学校は3年制の場合400万円台が相場となっています。専門学校の方が大学よりも200万円ほど安いというのが一般的なようです。唯一ある短期大学の学費は3年間で360万円となっています。
※詳細・最新情報は各校のHP等をご参照ください。

進路によって就職先、就職の難易度は変わるの?

養成校卒業後の就職が気になる人も多いのではないでしょうか。結論から言うと、進路によって就職に大きな差はありません。視能訓練士という資格を取得するので、その資格で活躍できる場に就職する方がほとんどです。強いて言えば、大学や短期大学の場合、かなり少数ですが一般企業への就職という道もあることにはあります。また、専門学校の中には病院が設立した学校や医療施設等と提携を結んでいる学校もあります。その場合、コネクション先に就職がしやすくなることもあります。

進路によって将来のお給料は変わるの?

視能訓練士になるには大学、短大、専門の主に3つの進路があるとご紹介しました。これらの進路によって、将来視能訓練士として働く際にお給料に差はあるのでしょうか。結論から言うと、進路によってお給料に差が出ることはありません。視能訓練士は国家資格であり、非常に高い専門性が求められます。つまり視能訓練士のお給料は国家資格を持っていることを前提に、経験年数や専門性によって変わるということです。したがって現段階では将来のお給料を気にせず、視能訓練士になる(国家試験に合格する)ためにどの進路が自分にとってベストかを考えると良いかもしれません。

進路別の合格率は?

それでは、国家試験合格の可能性を高めるためにはどこに進学するのが最適なのでしょうか。結論から申し上げると、視能訓練士の国家試験合格率は毎年90%ほどであるため、進路によって合格率に大きな差はないでしょう。しかし、学校によっては合格率に差がある場合もあるので、学校選びの際は学校のHPなどで合格率をチェックすることを勧めます。

視能訓練士専門学校、大学、短大のそれぞれのメリット・デメリット

視能訓練士を目指すための進路の候補として、主に3つがあることが分かりました。その中でも学校数から見て分かるように、多くの人が専門学校か大学かで迷うようです。
それでは、専門学校と大学にはそれぞれどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの特徴とメリット・デメリットを比較してみましょう。

視能訓練士を目指せる専門学校のメリット・デメリット

専門学校に進学するメリットは主に2つあります。1つ目は最短で国家試験受験資格を得られる点です。3年制の専門学校を選んだ場合、国家試験に一発合格できれば最も早く視能訓練士になることができます。最短で視能訓練士として働き始めれば、その分早くから実戦経験を積むことができ、お給料アップも他の進路より早くなる可能性があります。メリットの2つ目は、視能訓練士に特化した勉強ができる点です。専門学校の場合、学生が卒業後に視能訓練士になることを前提にカリキュラムが練られているため、国家試験対策や視能訓練士に必要な技能を養う実習などが充実しています。

一方で専門学校のデメリットとして、大学のように進路変更が容易ではない点が挙げられます。視能訓練士に特化した勉強をするため、もし仮に入学後に視能訓練士以外の道を目指したくなった場合、コスト(お金、時間、労力)がかかるといえます。

視能訓練士を目指せる大学のメリット・デメリット

大学に進学するメリットは主に2つあります。1つ目は、視能訓練についてじっくりと時間をかけて学ぶことができる点です。これは3年制の専門学校や短期大学とは異なり大学が4年制であるためです。また、視能訓練士を目指せる大学の卒業生の中には少数ではありますが、眼鏡メーカーやコンタクトレンズメーカーなどの一般企業に就職する方もいるようです。そうした視能訓練士以外の進路を選べる点も大学進学のメリットの一つといえるでしょう。

一方大学のデメリットとしては、卒業までに勉強しなければならない科目が多いという点が挙げられます。視能訓練士とはあまり関係がないような科目が卒業までに課されていることもあります。したがって本気で視能訓練士を目指す方には負担となってしまうかもしれません。また視能訓練士を目指せる大学は私立の学校しかないため、経済的な負担が大きいのも大学進学のデメリットの一つといえるでしょう。

本気で視能訓練士を目指すなら専門学校へ

視能訓練士の進路について様々なデータをご紹介してきました。最後に編集部がおすすめする進路をご紹介します。

視能訓練士になるのを決めている、本気で視能訓練士を目指したいという方には専門学校への進学をおすすめします。理由は単純です。視能訓練士になるのに一番の近道だからです。そして、その中でも国家試験合格率に定評がある学校を選べば、視能訓練士になれる確率はさらに上がります。また、専門学校は3年制であるため、学費を安く抑えられるだけでなく早くから視能訓練士として活躍でき、経済的にも安心できる進路といえるでしょう。

視能訓練士の専門学校の選び方については、別の記事でご紹介しているので、専門学校への進学を検討している方はぜひご参照ください。

まとめ

いかがだったでしょうか。この記事では視能訓練士になるためのベストな進路選択についてご紹介しました。どの進路にもメリットとデメリットがあります。そして皆さんの中にも優先したいことがあるかと思います。それらを明確に理解した上で進路選択をしていただくと、ご自身にとってベストな進路に進むことができるのではないでしょうか。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

愛知淑徳大学HP
https://www.aasa.ac.jp/
学校法人滋慶学園東京医薬専門学校HP
https://www.tcm.ac.jp/
学校法人滋慶コミュニケーションアート京都医健専門学校HP
https://www.kyoto-iken.ac.jp/
学校法人誠広学園平成医療短期大学HP
https://www.heisei-iryou.ac.jp/
北里大学HP
https://www.kitasato-u.ac.jp/jp/index.html
公益社団法人日本視能訓練士協会HP
https://www.jaco.or.jp/
公益社団法人日本視能訓練士協会『視能訓練士実態調査報告書2020』
https://www.jaco.or.jp/wp-content/themes/jaco_renew/assets/pdf/2020survey.pdf
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