歯科技工士を目指せる進路は？進路別のメリット・デメリットを解説！

歯科技工士になるには？

歯科技工士になるには歯科技工士国家試験に合格して「歯科技工士免許」を取得する必要があり、その受験資格を得るためには高校卒業後文部科学大臣や都道府県知事によって指定された養成校（専門学校、短大、大学）に通う必要があります（後述しますが、歯科医師の資格を有している人でもなることができます）。
国家試験は最終学年の2月下旬に受験でき、3月中旬の学校卒業後3月末に合格発表というスケジュールになっています。仮に落ちてしまっても再受験は何度でも可能です。

歯科技工士になるためのルート

専門学校ルート（一般的）

もっとも一般的なのは、指定された専門学校に通うことです。全国47か所にある養成校のうちほとんどが専門学校であり、そのうち大部分が2年制です。歯科技工士として働くための最短ルートであり、現在歯科技工士として働く人もほとんどが専門学校の出身です。

その他のルート

大学ルート

養成校として指定された4年制大学に通うというルートです。東京・大阪・広島に1校ずつ、合計３校存在します。国家試験に向けた勉強は勿論、一般教養なども幅広く学べるのが魅力です。
【歯科技工士を目指せる大学】
 東京医科歯科大学歯学部　口腔保健工学専攻
 大阪歯科大学医療保健学部　口腔工学科
 広島大学歯学部口腔健康科学科口腔工学専攻

短大ルート

養成校として指定された短大は全国に2校存在し、どちらも2年制となっています。また、日本歯科大学短期大学では歯科技工学科卒業後に専攻科を修了することで、4年制大学卒業と同等の学士（口腔保健学）を取得できます。
【歯科技工士を目指せる短大】
 日本歯科大学東京短期大学 歯科技工学科
 明倫短期大学 歯科技工士学科

その他

聴覚障碍者向けの歯科技工士養成課程として筑波大学附属聴覚特別支援学校 歯科技工科（令和5年度以降募集停止）が存在するほか、歯科医師国家試験または予備試験の受験資格を持つ人（歯学部の学生または歯科医師など）も国家試験を受験し、免許を取得することができます。

歯科技工士になるためのルート比較

学費での比較

専門学校、短大、大学の学費比較は以下のようになっています（数字はみんなの専門学校情報　学費ランキングと各学校HPより）。
 専門学校（2年制）：総額200～300万円
 専門学校（3年制）：総額300～400万円
 短大（2年制）：総額330万円前後
 大学（国立4年制）：総額300～400万円
 大学（私立4年制）：総額500～600万円
学費を必要最低限に抑えたのであれば、総額が最も安い2年制専門学校がおすすめです。ただし、1年あたりの学費で見ると国立の4年制大学も同水準の安さとなっています。

就職・転職での比較

歯科技工士として就職する場合、「歯科技工士免許保持者」として採用されるため、学歴による区別は基本的にありません。一方、将来的に他業界へ転職する場合は大学を卒業しておく方が選択肢の幅が広がるでしょう。

将来の給料での比較

前述の通り、歯科医院や診療所による歯科技工士の求人は平均月給20～30万円程度で、学歴で給与を区別しているものはほぼありません。一般企業の場合も基本的に免許保持者としての採用となりますが、他職種と同じく学歴区分によって初任給やその後の待遇に差が生じる可能性が無いとは言えません。

歯科技工士になるためのおすすめルート

歯科技工士になるためのおすすめルートは2年制の専門学校です。最短ルートかつもっとも一般的で学校数も多いため、迷ったら専門学校で問題ないでしょう。次点でおすすめなのは4年制大学です。他と比較すると入学のハードルはやや高いですが、大卒という肩書きを保持していれば、一般企業に就職した際待遇面で有利になる可能性があるためです。

まとめ

高校卒業後、直接歯科技工士になるには大学・短大・専門学校に通う３つのルートがありますが、中でも専門学校の数が圧倒的に多く、そこに通うのがもっとも一般的な選択肢です。なお、余裕があれば国家試験受験資格のほか学士の称号も得られる4年制大学や、短大の専攻科も検討してみましょう。