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心理カウンセラーに必要な資格とは?取得するメリットを解説!

2022年03月01日

はじめに

心理カウンセラーは、相談者の悩みに寄り添い、問題解決へと導く仕事です。カウンセリング業務を行う職種は数多く、企業や学校、病院など勤務先もさまざまです。ここでは、国家資格制度のある公認心理師について、国家試験を受けるまでの流れ、資格取得のメリットを解説します。

どんな資格?心理カウンセラーとは

新しい国家資格「公認心理師」

これまで、心理職を対象とした国家資格は存在しませんでした。2017年以施行された公認心理師制度により、保健医療・福祉・教育・その他の分野において、心理学に関した専門的な知識と技術を持ったうえで、相談者とその関係者を対象に心理状態を観察して分析を行い、心の健康を支えるための仕事として定義されたのです。国家資格である公認心理師は、臨床心理士よりも高い専門知識が求められる職業です。

心理カウンセラーの成り立ち

SNSの発達により情報量の多くなった現代では、心に悩みを持つ人が増え、これが社会問題になりつつあります。体の病気や怪我と違い、心の問題は目に見えません。1対1のカウンセリングにより問題を解決へと導くためには、専門的な知識が必要不可欠とされています。
そこで誕生したのが公認心理士の国家資格制度です。すでに2010年代以降、心理職を国家資格化する動きは活発になっていて、2015年には公認心理師法が成立しました。2017年9月に資格制度が施行、2018年に初めて資格試験が実施され、現在では多くの国家資格保有者が業務にあたっています。

公認心理師の国家試験概要と取得難易度

公認心理師の国家試験概要

実施日

公認心理師の国家試験は1年に1回です。実施月はその年によって変わります。

試験内容

設問は、心理学の知識や関連する医学知識、基本姿勢などで構成され、事前に出題の基準と試験設計表が発表されるようです。

形式

筆記試験は実践的なケーススタディも含め、マークシート形式で出題されます。

開催地

2021年の実施は、北海道・宮城県・東京都・愛知県・大阪府・岡山県・福岡県でした。

料金

期日までに受験手数料の28,700円(税込)を納めます。

公認心理師の取得難易度~合格率は50%以上⁉~

ここ3年間の合格率を見てみると、2021年58.6%、2020年53%、2019年46.4%となっていて、難易度はそこまで高くないようです。ただし、まだ歴史が浅いため、今後の結果によって難易度が変わっていく可能性もあります。
毎年の合格基準は、日本心理研修センターより公表されます。2021年では、総得点の230点に対して143点以上の得点が基準となったため、総得点の60%程度以上を得点した人が合格となりました。
ここで注意したいのが、一般問題が各1点、事例問題は各3点という配点です。出題範囲と試験設計表をしっかりとチェックして、過去問題から事例問題のパターンを把握したり、解き方に慣れておいたりして、十分な対策を立てることが大切です。
なお試験の概要や注意事項をはじめ、詳細は日本心理研修センターのホームページで確認できます。

なぜ取得するの?公認心理師を取得するメリット

メリット①国家資格であること

公認心理師は国家資格であるため、社会的な信用を得られるのがメリットです。資格は、心理職に必要とされる知識を備えていると証明するものであり、就職や転職の自己アピールにも役立つはずです。
まだ実例は多くないものの、国家試験取得者である公認心理師が活躍する場面は、今後、公的な場が多くなると予測されています。保険医療・教育関連・産業関連・福祉・司法領域など、経験を積んでスキルアップしていけば、選択肢の幅が広げられるでしょう。

メリット②応募できる求人が増え、待遇改善に繋がる

まだ日の浅い国家資格のため、現在では臨床心理士とひとまとめに求人するケースが多くなっています。しかし、資格の知名度が上がるにつれて、国家資格取得者を応募条件とする求人が増えていく可能性があり、将来的な昇給・昇格の可能性が高まります。
現時点では「所持していたら確実に給与が上がる」とは言い切れないものの、未来を明るくする希望的観測となって、モチベーションアップの効果も期待できそうです。

メリット③更新が不要

臨床心理士は、5年に1度、資格の更新を行います。しかし、公認心理師の資格は、国家試験の合格後、更新の必要はないとされています。自分のキャリア形成や人生設計に役立つのはもちろん、更新するのを忘れて資格失効となるリスクもありません。

どうやって取得するの?公認心理師の資格を取得する方法

公認心理師の資格を取得するまでの流れ

公認心理師試験の受験資格には、規定の学習カリキュラムの修了・卒業、あるいは実務経験が必須とされています。大学院まで進学して学習すれば、スムーズに受験資格を得られますが、4年制大学を卒業して受験資格を得るためには、決められた期間の実務経験を積まなくてはなりません。
高校を卒業してから資格を取得するまでの流れは、高校卒業後に該当する学部のある4年制大学へと進学、心理学に関する指定科目を履修したら大学院へと進み、さらに指定された科目を履修して終了すると受験資格が得られます。
修了見込みの証明をもらって国家試験の申し込みを行い、国家試験を受験して合格となれば晴れて資格取得といった流れになります。残念ながら不合格となってしまった場合には、次の試験を目指して独自で勉強しなければなりません。
なお、今のところ国家試験の実施月は、毎年2~3ヵ月前倒しのスケジュールになっているため、在学中どのタイミングで受験するかはその年によって異なります。

公認心理師の資格を取得するための一般的なルート

公認心理師を目指す際の最も一般的なルートは、大学院修士課程を卒業することです。厚生労働省・職業情報提供サイトのデータによると、医療福祉分野のカウンセラーとして働く64.9%の人が修士課程を卒業していると報告されています。次に多いのが大学卒業で52.6%となっています。
そのため、公認心理師を目指すのであれば、まずは心理学部・心理学科のある大学を探し、公認心理師のカリキュラムに該当しているかどうかを確認しましょう。

まとめ

現在では、民間資格の臨床心理士と同格の扱いになるケースも少なくありません。しかし将来、選択肢の幅が広がるのが公認心理師の資格です。国家資格取得者は、社会的信頼を得やすいだけでなく、待遇の面でも期待できます。大学・大学院で勉強する6年間は決して楽ではありませんが、心理カウンセラーとして長く働きたいのなら、公認心理師の資格は有用性があります。
公認心理師の仕事は、人の心理に深い興味があり、相手に寄り添える人に向いています。多様化する心の問題を解消することで、社会に貢献したいと考えている人には、ぜひ目指してほしい職業です。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

厚生労働省公認心理師
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116049.html
一般財団法人日本心理研修センター公認心理師法成立まで
http://shinri-kenshu.jp/outline/schedule.html
厚生労働省今後の公認心理師試験のスケジュール
https://www.mhlw.go.jp/content/000664599.pdf
一般財団法人日本心理研修センター公認心理師試験について
http://shinri-kenshu.jp/support/examination.html#exam_001_anchor_04
令和3年版公認心理師試験出題基準・ブループリント
http://shinri-kenshu.jp/wp-content/uploads/2017/10/blue_print_201912.pdf
第4回公認心理師試験(令和3年9月19日実施)合格発表について
http://shinri-kenshu.jp/wp-content/uploads/2021/10/examination2021_summary.pdf
第3回公認心理師試験(令和2年12月20日実施)合格発表について
http://shinri-kenshu.jp/wp-content/uploads/2021/02/examination2020_summary.pdf
第2回公認心理師試験(令和元年8月4日実施)合格発表について
http://shinri-kenshu.jp/wp-content/uploads/2019/09/mmd_happyou002.pdf
第4回公認心理師試験(令和3年9月19日実施)の合格基準及び正答について
http://shinri-kenshu.jp/wp-content/uploads/2021/10/examination2021_answer.pdf
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