みんなの専門学校情報TOP 医療・福祉 理学療法士の資格

理学療法士に必要な資格とは?取得するメリットを解説!

2022年03月01日

はじめに

理学療法士は、少子高齢化の進行や健康意識の高まりから、近年注目度が高まっている職業の一つです。この記事ではそんな理学療法士の資格についてご紹介します。気になる方はぜひご参照ください。

どんな資格?理学療法士の資格概要

理学療法士:動作のスペシャリスト

理学療法士とは、ケガや病気などで身体機能が低下した人に対して、立つ、座る、起き上がるなどの基本動作の回復・維持・悪化予防を目的とし、運動療法や物理療法等のリハビリテーションを行う職業です。理学療法士の資格は国家資格であり、その専門性の高さから一言でいえば「動作のスペシャリスト」です。高齢化が進む日本において健康維持などの理由から、理学療法士のニーズは高まっています。

理学療法士の仕事・資格の成り立ち

 理学療法士は昭和40年8月に施行された「理学療法士及び作業療法士法」によって国家資格として誕生しました。そこでは理学療法は「身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えること」と定義されていました。近年では運動機能が低下した人にのみならず、スポーツパフォーマンスの向上や生活習慣の改善などを目的とした人を対象に治療や支援を行うなど、理学療法士の活躍の場は多岐に渡っています。

理学療法士の国家試験概要と取得難易度

理学療法士国家試験の概要(受験資格・内容・受験料など)

それでは、理学療法士になるには避けて通ることができない国家試験について見ていきましょう。まず受験資格についてですが、通常理学療法士国家試験を受験するためには、文部科学大臣が指定した学校または都道府県知事が指定した理学療法士養成施設に3年以上通い、必要な知識と技能を修得しなければなりません。つまり、理学療法士を養成する大学や短期大学、専門学校などに3年以上通学し卒業する必要があります。
 次に試験内容です。理学療法士国家試験は大きく分けて一般問題と実地問題に分けられます。出題形式は五肢択一または五肢択二で、一般問題160問と実地問題40問で構成されており、マークシートで解答します。合格基準は毎回若干の変動がありますが、得点率でいえば総得点の6割かつ実地問題の35%ほどの正答で合格することができます。
 受験手数料は10,100円(第56回理学療法士国家試験)で、国家試験の受験手数料の中では比較的安い額になっています。

理学療法士取得難易度合格率は約80%!

理学療法士国家試験の難易度について、実際のデータを用いて考察してみたいと思います。令和3年度(2021年度)に実施された最新の第56回理学療法士国家試験の受験者数は11,946人で合格者数は9,434人でした。合格率は79.0%となっています。公益社団法人日本理学療法士協会の統計によると、平成31年度の合格率と令和2年度の合格率はどちらも86.0%となっており、近年における理学療法士国家試験の合格率は8割前後で推移しています。したがって、受験資格を得るためには養成校に3年以上通う必要がありますが、しっかりと対策を行えば合格するのは難しくないのではないでしょうか。

また理学療法士とよく比較される作業療法士と言語聴覚士についても、最新の2021年度の国家試験の結果をご紹介します。厚生労働省によると、第56回作業療法士国家試験の合格率は81.3%で、第23回言語聴覚士国家試験の合格率は69.4%でした。2021年度の合格率は過去の合格率と比較して平均的だったことから、理学療法士と作業療法士の国家試験合格率は約80%、言語聴覚士の国家試験合格率は約70%といえるでしょう。3つの資格の中で言語聴覚士の取得難易度がやや高いですが、どれもきちんと対策をすれば取得が難しい資格とは言えません。

なぜ取得するの?理学療法士の資格を取得するメリット

理学療法士のメリット①一生モノの国家資格

最初にご説明した通り、理学療法士は国家資格です。国によって認められたであるため、日本全国どこでも通用し、自身の知識や技能を示すことができます。また一度取得してしまえば資格自体を失うことは一生ありません。したがって、転職や出産・育休を経ての復職などが比較的容易にできるでしょう。

理学療法士のメリット②仕事の幅が広い

近年、理学療法士の活躍の場は広がりを見せています。以前まではケガや病気などで身体機能が低下してしまった方の身体機能の回復、いわゆるリハビリが主要な役目でした。しかし近年は生活習慣病の予防や身体機能の保持・増進のための健康管理をメインに活躍している理学療法士の方もいます。医療現場にとどまらず、スポーツなど様々な分野で活躍できる資格になっています。

どうやって取得するの?理学療法士の資格を取得する方法

理学療法士になるには、理学療法士国家試験に合格し理学療法士の資格を取得しなければなりません。そして理学療法士国家試験を受験するためには、3年以上養成校に通い、指定のカリキュラムを修めて卒業しなければなりません。養成校には4年制大学や3年制の短期大学、専門学校などがあり、日本全国に全部で279校あります。(2021年12月現在)これらの養成校の中から、自分にとって最適な学校に入学し、3年以上かけて理学療法士に必要な知識や技能を学びます。養成校卒業と同時に国家試験受験資格を得て、国家試験に臨むというのが資格取得までの一般的な流れになっています。

まとめ

この記事では理学療法士の資格についてご紹介してきました。理学療法士の資格は一生モノの国家資格であり、理学療法士は動作のスペシャリストとも呼べる専門性の非常に高い職業です。近年は活躍の場が広がり注目度の高い職業の一つといえるでしょう。理学療法士になるには養成校への進学が必須です。したがって理学療法士を目指す方はまず進学先について検討してみるのはいかがでしょうが。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

厚生労働省第56回理学療法士国家試験及び第56回作業療法士国家試験の合格発表について
https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2021/siken08_09/about.html
学校法人敬心学園日本リハビリテーション専門学校HP作業療法士・理学療法士の違い
https://www.nitiriha.com/job-introduction/different/
公益社団法人日本理学療法士協会HP
https://www.japanpt.or.jp/
厚生労働省第23回言語聴覚士国家試験の合格発表について
https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2021/siken21/about.html
厚生労働省『参考資料01PTOT法・令・規則』
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000168998.pdf
神戸医療福祉専門学校HP理学療法士国家試験の難易度
https://www.kmw.ac.jp/contents/pt/about/test
東京アカデミーHP
https://www.tokyo-ac.jp/
ぴったり専門学校診断

みんなの専門学校情報TOP 医療・福祉 理学療法士の資格