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あん摩マッサージ指圧師に必要な資格とは?取得するメリットを解説!

2022年03月01日

はじめに

あん摩マッサージ指圧師は患者さんの身体の不調を和らげるスペシャリストとして、近年様々な場所で注目度が高まっている職業の一つです。この記事ではそんなあん摩マッサージ指圧師の資格についてご紹介します。

どんな資格?あん摩マッサージ指圧師の資格概要

多岐にわたり社会に貢献できる国家資格「あん摩マッサージ指圧師」

あん摩マッサージ指圧師は多岐にわたり社会に貢献できる国家資格です。あん摩マッサージ指圧師は東洋医学の知識を活かし、医療器具を使わずに問診や検査法で患者さんの不調の原因を特定します。原則として、心臓から離れる方向に向かって筋肉を「なでる」、「押す」、「揉む」、などの手を使ったあん摩手技を通して、人間が生まれながらに持つ「自然治癒能力」に働きかけながら患者さんの身体を健康な状態に整えます。医師の同意がなければ、健康保険を適用とした施術は行えませんが、患者さんの身体の不調を和らげるスペシャリストとして医療、介護・福祉、美容、スポーツなど多岐にわたり、あん摩マッサージ指圧師のニーズは高まっています。あん摩マッサージ指圧師の国家資格とあわせて、はり師やきゅう師の国家資格を持つ人が多いです。

あん摩マッサージ指圧師は手のみを使って患者さんの状態を確認することから、多くの視覚障碍者の方が目指す国家資格となっています。実際、視覚障碍者を受け入れる多くの養成校が設立されています。2018年に行われた厚生労働省の調査によると、22.6%のあん摩マッサージ指圧師が「目の見えない者」という結果が出ています。

あん摩マッサージ指圧師の成り立ち

「あん摩」とは、5世紀から6世紀の間に中国から日本に伝わった治療法です。「あん」は「押さえる」、「摩」は「なでる」を意味しています。そして、日本であん摩が一般的になったのは江戸時代に入ってからで、その頃から日本独自のあん摩の手法が体系化されていきました。「マッサージ」はフランスやスイスなどのヨーロッパで生まれた治療法で、明治維新後に日本で導入が進められました。「指圧」は日本で誕生した治療法です。そして、1948年1月1日に施行された「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」によって国家資格として誕生しました。なお、あん摩マッサージ指圧師の国家資格とともに、はり師、きゅう師の国家資格も持つ者を鍼灸マッサージ師、または三療師ともいいます。近年、あん摩マッサージ指圧師は病院などの医療機関以外にも、訪問・在宅医療の現場などでのニーズが高まってきています。また、あん摩マッサージ指圧師は医学の基礎や体の仕組みを深く理解していることから、患者さんの筋肉のこりや蓄積された疲労を取り除く治療ができ、スポーツ選手のコンディション調整やケガの予防のためにも活躍されています。

あん摩マッサージ指圧師の国家試験概要と取得難易度

あん摩マッサージ指圧師の国家試験概要

実施日

あん摩マッサージ指圧師の国家試験は毎年2月に年に1回行われます。2021年度の試験は2月27日に実施されました。

試験内容

試験内容は、医学概論をはじめとする、解剖学、リハビリテーション医学、あん摩マッサージ指圧理論、東洋医学概論などの12科目を受験する必要があります。実技はなく、筆記試験がメインとなります。

形式

試験は全問四肢択一形式となっており、4時間20分で160問を解くこととなります。

開催地

試験は宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県及び鹿児島県での限られた場所でのみ開催となります。しかし、視覚障害を対象とした試験は各都道府県で行われております。

料金

受験手数料は14,400円となっております。

注意事項

1988年に「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に 関する法律」の改正が行われ、試験の実施者が都道府県知事から厚生労働省に変更されました。

あん摩マッサージ指圧師国家資格の取得難易度合格率は8割以上?!

2021年2月27日に実施された「第29回あん摩マッサージ指圧師国家試験」の合格基準は配点を1問1点とし、160点満点中96点以上が合格となります。本試験の受験者数は1,295人、合格者数が1,089人で合格率は84.1%と非常に高い数字になっております。また、ここ5年間に行われたあん摩マッサージ指圧師国家試験の合格率はすべて8割を超えております。したがって、受験資格を取得するためには養成学校に3年間以上通い、学習内容もかなりボリュームがあるものとなっていますが、学校でしっかりと学び、国家試験対策を行えば合格するのは難しくないでしょう。

なぜ取得するの?あん摩マッサージ指圧師の資格を取得するメリット

あん摩マッサージ指圧師のメリット①一生モノの国家資格

最初にご説明した通り、あん摩マッサージ指圧師は国家資格です。国によって認められたものであるため、日本全国でどこでも通用し、自身の知識や技能を示すことができます。また一度取得してしまえば資格自体を失うことは一生ありません。したがって、転職や出産・育休を経ての復職なども比較的容易にできるでしょう。

あん摩マッサージ指圧師のメリット②開業権を得られる

独立開業権を得ることができます。開業権があれば様々な職場で経験を積んだ後に自分の店を持つことができます。また、あん摩マッサージ指圧師は手技による施術のため、特別な機材や高価な道具をそろえる必要がなく、最低限の資金で開業することができるのも魅力の一つです。

あん摩マッサージ指圧師のメリット③仕事の幅が広い

近年、あん摩マッサージ指圧師の活躍の場が広がりを見せています。以前までは、ケガや病気なので身体機能が低下してしまった患者さんを治療・リハビリテーションすることが主要な役目でした。しかし、近年は生活習慣病の予防や身体機能の保持・増進のための健康管理をメインに活躍しているあん摩マッサージ指圧師の方もいます。また、スポーツに特化した知識やスキルを身に付け、スポーツトレーナーとして活躍している方も多くいます。

どうやって取得するの?あん摩マッサージ指圧師の資格を取得する方法

あん摩マッサージ指圧師になるためには、あん摩マッサージ指圧師国家試験に合格し、あん摩マッサージ指圧師の資格を取得しなければなりません。そしてあん摩マッサージ指圧師国家試験を受験するためには、高校卒業後、文部科学大臣か厚生労働省が認定する専門学校に3年間通い、指定のカリキュラムを修めなければなりません。2021年12月現在、これらの学校は全国で25校ほどしかありません。その中から、自分にとって最適な学校に入学する必要があります。
国家試験は毎年2月に実施されるため、最終学年の2月までに必要な単位数を取得し、卒業内定をもらってから国家試験に挑みます。そして、3月中旬に合格を確認し、養成校を卒業できれば晴れてあん摩マッサージ指圧師になることができます。


あん摩マッサージ指圧師になるためには専門学校に通う一択しかありません。
しかし、厚生労働省の調査によると、あん摩マッサージ指圧師として働いている人のおよそ8割が専門学校卒業となっています。そして、残り2割が大学卒となっています。その理由は視覚障碍者の方のみに入学が許可されている大学が日本に1校だけあるからです。したがって、視覚障碍者に対する例外として大学に通う選択肢はありますが、あん摩マッサージ指圧師を目指す健常者の方は専門学校に通い、受験資格を取得するという一択のみとなっております。取得ルートについてより詳しく知りたい方は、進路選択に関する記事をぜひご参照ください。

まとめ

この記事ではあん摩マッサージ指圧師の資格についてご紹介してきました。あん摩マッサージ指圧師の資格は一生モノの国家資格であり、患者さんの身体の不調を和らげるスペシャリストとして、多岐にわたる分野で必要とされる非常にニーズの高い職業です。あん摩マッサージ指圧師になるためには養成学校への進学が必須です。したがって、あん摩マッサージ指圧師を目指す方はまずは進学先について検討してみるのはいかがでしょうか。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

厚生労働省国家試験合格発表
https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/goukaku.html
厚生労働省あん摩マッサージ指圧師国家試験の施行
https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/anma/
公益財団法人東洋療法研修試験財団
http://www.ahaki.or.jp/examination/data/report_190529.pdf
学校法人呉竹学園HP
https://www.kuretake-yokohama.ac.jp/department/massage/
東京衛生学園専門学校
https://www.teg.ac.jp/course/oriental_medical/
一般社団法人神奈川県鍼灸マッサージ師会
http://www.kanashin.jp/content/history/
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