みんなの専門学校情報TOP 調理・栄養 パティシエのキャリア

パティシエのキャリアアップの方法は?仕事の現状と将来性を解説!

2022年03月01日

はじめに

子どもたちのなりたい職業として常に上位をキープしているパティシエ。華やかなイメージとは裏腹に、現場で働くパティシエには苦労や悩みも多いようです。この記事では、そんなパティシエの現状や将来性、さらにはキャリアアップの道のりなどを紹介します。

現状について

パティシエの業界の現状について

かつては「ケーキ屋さん」という言い方をしましたが、現在では「パティシエ」が女子のなりたい職業として変わらず人気を誇っています。小学生はもちろん、中学・高校生にも非常に人気が高いことから、漠然とした夢ではなく現実的な目標として考えている方の多さがうかがえます。

食べ物への需要は今も昔も世界共通で無くなることがありませんし、最近ではSNSでの流行りを狙ったオリジナリティあふれる商品が増えて、洋菓子業界にも多様化の波が押し寄せています。今後ますますの発展が期待される業界と言えるでしょう。

パティシエの業界が直面している課題について~離職率の高さ~

パティシエの業界では、以前から離職率の高さが課題として挙げられています。特に新卒のパティシエは、さまざまな理由から半数を超える数が辞めてしまう年もあるそうです。
離職率が高くなってしまう理由の1つとしては、繊細な技術力に加えて体力勝負の面が大きいことが挙げられます。現場では朝早くからケーキの仕込みをおこない、夜は遅くまで明日使う材料の準備に追われるため、労働時間がおのずと長くなりやすいです。さらには、
卵を混ぜたり生クリームを混ぜたりする作業などはスピード勝負で力がいるため、特に女性にとっては体力的に厳しいというケースが続出します。
また、パティシエは技術を修得するまでの下積み時代が長いという特徴もあり、憧れていたお菓子作りになかなかたどり着けないという現実のギャップも離職率を加速されていると考えられます。
最近では離職率の高さを受けて、上下関係を作らないフラットな組織を目指す企業も増えつつありますが、多くの職場では職人気質の厳しい労働環境が残っている様子です。

パティシエの将来性について

社会変化がもたらすパティシエ需要の減少

直近においては、3密を避けるために外食産業が低迷しているという実情もあり、国内のお菓子メーカーが苦戦を強いられています。
実際、国内菓子メーカー98社を対象におこなった2020年度調査では、減収となった企業が増える結果となっています。
こうした動きから、業界では一時的に雇用を抑える動きが懸念されていますが、厚生労働省の出した資料(『一般職業紹介状況(令和3年8月分)』)によれば「飲食物調理の職業」における有効求人倍率(1人の求職者に対してどれだけ求人があるかを指す指標)は1.91と依然高いままです。情勢が落ち着いた際には、需要の高まりが再び予測されます。

パティシエの職場環境の変化について

パティシエが転職を考える際の理由としては「人間関係」「労働時間」「給料」といった仕事内容以外の割合が非常に多く、待遇の改善が叫ばれています。
離職率の高さに危機感を持って待遇改善の声に応えている企業も出始めてはいますが、それでも「パティシエは職人の世界」という考え方で妥協を許さない現場もなかなか減らないのが実情です。
特に人数の少ないお店では厳しいところが大半となっており、今後は社会全体を巻き込んだ制度の改革が期待されます。

女性のパティシエが活躍する場が増える?!

女性には体力的な面や出産などのライフイベントがネックとされるため、現状は男性の割合が多いパティシエ業界ですが、女性にとって明るい話題もあります。

2020年には「世界のベストレストラン50」の選ぶ「アジア・ベスト・パティシエ」に日本人女性が初めて選出され、業界で世界中の注目を集めました。
女性の社会進出に伴い、働く環境の整備を進める流れが浸透するにつれ、女性パティシエの活躍の場が増えていくと考えられます。

パティシエのキャリアのスタート~就職先~

洋菓子専門店

パティシエの就職先として最もイメージしやすいのが洋菓子専門店でしょう。来店するお客様の声が直接聞けるという大きなメリットがあります。

小規模な店舗では実践経験がすぐに積める一方、お菓子作り以外の業務も任されやすいでしょう。
逆に大規模な店舗では下積み時代が長い分、研修制度が充実している傾向が強いです。

レストラン(飲食店)

レストランなどの飲食店で、お菓子作り専門のパティシエを雇うケースも多いです。

注文に応じて仕事が回ってくるので他の職場に比べれば負荷は少ないですが、スイーツ以外の料理も担当する場合もあります。

ホテル

ホテルではバイキング、レストラン、結婚式場、宴会場といった様々なシチュエーションで仕事が用意されています。

他の職場より規模が大きいため多数のパティシエが在籍しており、大きな刺激を受けられるでしょう。ただ、効率化を重視する企業では、同じ作業をひたすら繰り返し仕事がルーティン化してしまう可能性もあります。

工場

単純作業が得意な方には、食品メーカーなどの工場で働くという選択肢もあります。

決められた作業を繰り返すため知識やスキルは身に付きづらいですが、勤務時間はきっちり区切られていることがほとんどなので、比較的負荷の少ない職場と言えるでしょう。

パティシエのキャリアアップの仕方

パティシエとしての技術を高める

技術を高めるためには経験を積むことも大切ですが、理論を理解することも必要です。

例えば食材同士による味の組み合わせや、熱を加えた時の反応、かき混ぜた時の変化などは科学的に説明ができる部分もあります。そういった理論を説明できる知識も、技術向上のためには欠かせません。

ほかの資格を取得する

将来、独立して自分のお店を開きたいのであれば「食品衛生責任者」の資格取得が必須です。

またパティシエが取得を狙う代表的な資格として「製菓衛生師」という国家資格があります。この資格を保持していると「食品衛生責任者」の取得において必要な講習が免除されるメリットがあるため、あわせて取得するのがおすすめです。

独立

独立してお店を構えるのは簡単なことではありませんが、どのようなお店を開きたいか常に思い描いておき、イメージに近い場所へあらかじめ就職しておけば近道になるでしょう。

独立には資格の勉強のほか、経営やマーケティングといった知識も必要になるため、独立を経験した人に協力を依頼することも時には必要です。

転職

ホテルからお菓子専門店へなど、パティシエの中で別の働き口に転職するケースはよく見られます。これは様々なキャリアを積む上でも有効な転職でしょう。

また、ホテル勤務のパティシエがそのままブライダル業界へ転職するなど、職場の繋がりを活かすパターンもあります。

商品提案力や飾り付けのセンスなどは他の業界でも重宝されやすいスキルです。

パティシエの海外進出

パティシエとして一流になるにはヨーロッパでの修行が必須というイメージがあるかもしれません。

しかし費用や言葉の壁もあるため、パティシエとしての強みや目標が定まってから目指すのが良いでしょう。

例えばチョコレートならベルギー・フランスなど、分野に応じて適した留学先が存在するはずです。

まとめ

パティシエ業界はケーキのように華やかな面だけではなく、厳しい下積みや修行が必要になることをまず認識しておくことは大切です。

その上でパティシエを目指したいという思いと向き合い、なりたいパティシエの理想像や働きたい職場などを具体的にイメージしましょう。

お菓子への需要が減ることは今後も考えにくく、目標を定めて取り組んでいけば独立開業も視野に入れて事業を拡大していけるでしょう。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

帝国データバンク国内菓子メーカー487社の経営実態調査
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p210206.html
厚生労働省『一般職業紹介状況(令和3年8月分)』
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000835254.pdf

実際に働いている人の口コミをチェックしよう!

パティシエとして実際に働く方にアンケートをとり、 「キャリア・将来性」に対する満足度を5段階で評価してもらいました。
実際に働いている人の口コミを参考に、どんな仕事なのかイメージをつけましょう!

パティシエの 「キャリア・将来性」の 口コミ一覧

全2件

アイコン

千葉県の20代前半女性

正社員 / 100万円以上~150万円未満 / 専門学校卒

就職先:ホテル

キャリア・将来性の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事の将来性

    このまま同じ職場に居て技術がつくか給料が上がるかなど少々不安になることも多く転職も考えたりしている

  • 女性の働きやすさ

    今の職場は女性の比率が高く主婦の方もいるため女性が働きやすい環境にはなっていると思う

アイコン

兵庫県の30代前半女性

パートタイム/アルバイト / 100万円未満 / 専門学校卒

就職先:飲食店

キャリア・将来性の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事の将来性

    入れ替わりの激しい業種なので長く勤めて気がついたらトップに近くなることもよくあるんじゃないかと思います。

  • 女性の働きやすさ

    パートですので、子供が園に通っている間に働くことができます。 土日祝日、クリスマスなどのイベントごとに忙しいので休みたい人は難しいです。

ぴったり専門学校診断

みんなの専門学校情報TOP 調理・栄養 パティシエのキャリア