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調理師を目指せる進路は?進路別のメリット・デメリットを解説!

2022年03月01日

はじめに

この記事では調理師の進路選択について解説していきます。

調理師の学校について

調理師になるには大きく分けて2つの方法があります。1つは、独学にて、受験資格を満たした上で国家試験を受験し合格する方法。もう1つは、調理師養成施設のカリキュラムを修了し卒業と同時に調理師資格を取得する方法です。調理師の学校とは調理師養成施設のことを指し、その中には1年制・2年制の専門学校、短期大学、4年制大学、高等学校、高等専門学校が含まれます。結論から言うと、学校の数や教育の質の点から短大・大学は選択肢に入り辛いため、独学にて国家試験に合格を目指すか、専門学校に進学し調理師資格を取るという進路選択が一般的です。補足として、高校でも養成施設に登録されている高校であれば調理師資格を取ることが可能です。

学校の数

全国の学校数

令和3年の公益社団法人全国調理師養成施設協会による資料によると、日本全国には調理師養成施設が280校存在しており、そのうち専門学校が152校、高等学校が113校、短期大学が9校、大学が1校、各種学校が2校、その他が3校です。

専門・短大・大学の内訳

調理師養成施設に登録されている学校のうち、高等学校と専門学校が全体の94%を占めています。中でも専門学校は全体の54,3パーセントを占めており、大学・短大は5%に満たない現状となっております。従って、調理師を目指す高校生にとっての実質的な進路は、専門学校に進学するか、独学にて国家試験に合格するかの二択となっています。

専門学校について

メリット

調理師を目指すにあたって専門学校を選ぶメリットは5点あります。第1に、専門学校を卒業すれば国家試験を受けずに、調理師資格を取ることが出来る点が挙げられます。第2に、実習により即戦力となる調理技術や詳しい知識を得ることが可能な点が挙げられます。第3に、就職に有利である点を挙げることが出来るでしょう。有名ホテルのレストランの求人や大手旅館などの求人は専門学校に直接求人を出すことも珍しくありません。学校側も就活支援に力を入れていることが多く就職ではほかの短大や大学、通信、独学と比べてもかなり有利と言えるでしょう。第4に、同じ夢や目標をもった仲間と出会うことが出来る点です。厳しい道のりであっても、仲間とともに歩む方が、自分一人で孤独に歩むよりもずっと気持ちが楽であることでしょう。第5に、最短1年で取れる点があげられます。専門学校以外では基本的に2年以上在籍するか、2年以上の実務経験が必要となります。最短で高い技術と知識を持った調理師になることが可能な点は専門学校の強みであると言えるでしょう。

デメリット

専門学校のデメリットとしては学費の高さが挙げられます。専門学校の1年間の学費は160万円から260万円ほどかかることが一般的であり、決して安いとは言えません。奨学金を借りることが出来た場合であっても、卒業後に調理師見習の月給で返済を行うとすると、余裕のある生活を送ることは奨学金を完済するまで難しくなるでしょう。

通信講座について

メリット

第一のメリットは費用が凡そ30,000円から45000円と安いことが挙げられます。通信講座の受講方法は通信講座・オンライン講座・動画での解説講義など各種形態があり、自分に合った講座を選択することが可能です。また、専門学校や短大、大学と比較して、拘束時間が短く、働きながらでも両立が可能である点がメリットとして挙げることができます。

デメリット

デメリットとしてはやはり2年間の実務経験が調理師免許の受験資格となっていることが挙げられます。専門学校などの養成施設に進めば、最短1年で無試験にて調理師になることが出来るのに対して、合格率は高いものの、国家試験を受験するのに2年の実務経験と試験の突破が求められる点はデメリットとして挙げられます。また、周りに同じ夢や目標をもっている仲間がいなく、高いモチベーションを維持するのが困難となる場合がある点もデメリットとして挙げられます。さらに、就職に関して情報を得るのが難しいため、専門学校と比べて就活において不利である点が挙げられます。最後にわずかですが、独学と比較した場合に費用がかさむ点もデメリットと言えるでしょう。

独学について

メリット

一番のメリットは調理師資格を取る選択肢の中で費用が一番安い点が挙げられます。書店で過去問や参考書を数冊買い勉強し合格すれば費用は1万円ほどで収まります。また、通信講座と同様に時間的拘束が緩いので働きながらでも両立は十分可能です。厨房でアルバイトをしながら実務経験を積み、二年経ったタイミングで調理師試験を受験し合格することができれば、資格を取ることが可能です。

デメリット

最大のデメリットはやはり通信と同様に2年間の実務経験が必須である点とモチベーションの維持が難しいという点です。また、調理師養成施設を出た調理師と比べた時に調理の技術や知識に差が出てしまう可能性もあります。二年間の実務経験で、専門的な調理技術などを学べる機会はそれほど多くはありません。自ら意欲的に技術を吸収しようとする心構えが必要となります。

短大と大学について

全国の調理師養成施設の学校数の内訳で記載した通り、短大と大学の学校数の割合は全体の5%未満です。また、調理師の授業内容や設備の充実度の点から専門学校に劣り、資格取得の目的では費用の面で独学に劣るため、調理師を目指すのであれば選択肢には入らないでしょう。栄養士をメインで目指している人にとっては、調理師の資格も取得できる短大を選ぶメリットはあります。

専門学校・短大・大学・通信講座・独学の比較

専門学校、短大、大学、通信講座、独学のメリット・デメリットについてお伝えしましたが、次は5つの選択肢を調理師試験の将来の選択肢、学べる事、給料、合格率、費用、の5点で比較していきます。

将来の選択肢

専門学校の場合、進路はほぼ調理師としての勤務に限られますが、学校からの手厚い支援を受けられる場合が多く、就職に困ることはないでしょう。本人次第では、専門学校卒業後に大学へ進学することも可能です。通信講座・独学の場合の将来の選択肢も調理師としての勤務となります。実務経験を積んだアルバイト先で継続して働くか、調理技術をさらに向上させ、専門性を高めていく為に転職活動を行い、調理師としてのキャリアを築いていく事が可能となります。

学べる事

専門学校・短大・大学は調理師の養成を目的としているので、基本的な学習内容が大きく異なるということはないでしょう。しかし、実習や専門的な知識に関しては大きく異なり、専門学校がより実践的で専門的な調理の知識と技術を学ぶことが可能であると言えるでしょう。さらに、専門学校によっても異なりますが、調理師として独立したときの経営方法などもカリキュラムに組みこんでいる学校もあります。通信講座と独学では基本的に調理師試験に合格するためのものですので、試験内容以上には学べることが少ないです。

給料

結論からいって、卒業した学校や通信講座・独学かによって給料に差が出ることはないと言えるでしょう。専門学校・短大・大学卒業であれば、三者の間で給料に差が出ることはなく、就職先によって給料がわずかに異なってくると言えるでしょう。独学や通信講座の場合も転職活動を行い転職先が決まれば、そこで提示された給与条件となるため、給与に差は出ないと言えます。調理師の世界は完全実力主義の世界であるため、給料に関しても調理技術のレベルやマネジメント能力、料理の味や見た目のセンスなどによって変わってくると言えます。

合格率

調理師養成施設として認められている専門学校・短大・大学を卒業した場合、調理師試験を受けることなく申請のみで調理免許を取得することが可能です。つぎに、通信と独学かにかかわらず、調理師試験の合格率は60%から70%です。また、受験する都道府県によって問題が異なり、合格率も異なりますが、基本的には60%から70%の間で合格率は推移しています。

費用

専門学校にかかる費用は一年間で160万円から260万円です。実習に力を入れていたり、より専門的な知識や技術を学べる学校は進学実績がいいですが、同時に学費が高くなる傾向があります。短大や大学でも基本的には一年間の学費が100万円前後です。ただし、短大は最低でも2年間、大学では最低4年間通うことが必須となるため、短大では卒業までに200万円以上、大学では卒業までに400万円以上かかってくると言えるでしょう。一方、独学の場合は教材費に1万円ほどかかり、受験料も6千円ほどであることから、費用は2万円以下に抑えることが可能です。通信講座を受講する場合は3か月で3万円から4万円ほど受講料がかかります。

専門学校・短大・大学・通信講座・独学のどれがお勧め?

調理師として生きていく事を決めた人にとって最善の進学先は専門学校と言えるでしょう。確かに学費は独学や通信講座と比べて高いですが、学費以上に得られるものが多いです。それは、専門的な調理の技術や知識などが挙げられますが、それだけではなく、友人関係や就職支援の手厚さなどの点も挙げられます。資格を取得するための費用だけでいえば、独学が一番安いですが、調理師にとって重要となってくるのは調理の技術と知識であるため、費用だけで進路を決定するのは危険です。学費の面を考慮に入れたとしても、調理師として生きていくうえで必要なことを一番学べる環境は専門学校にあると言えるでしょう。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

公益社団法人全国調理師養成施設協会第1-1表
http://www.jatcc.or.jp/data/
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