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管理栄養士のキャリアアップの方法は?仕事の現状と将来性を解説!

2022年03月01日

はじめに

管理栄養士は献立作成や栄養管理などを行う、栄養士の上級資格です。より高度で複雑な状況の方に対して栄養管理が行える、やりがいのある仕事です。とはいえ、管理栄養士は給料が安く参入者が少ないなど、大きな問題を抱えています。本記事では管理栄養士の現状や将来性を紹介するとともに、管理栄養士のキャリアアップの仕方などを詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

現状について

管理栄養士の現状について

管理栄養士は様々な職場で活躍できる資格として人気です。例えば、病院や高齢者施設、民間企業、保健センター、学校など人々が通うあらゆる施設で役立てます。そのため、管理栄養士を目指す方は多く存在しており、今後も活躍できる場は増え続けていくと考えられます。

管理栄養士資格の特性上、栄養に関する専門知識を提供できるだけでなく食材調理も可能なため、民間企業にも求められることが多いです。例えば、食品会社や飲食店などにも関わることがあり、様々な業界に進出できるといわれています。

管理栄養士の業界が直面している課題について~人材不足~

日本は超高齢化社会への道を辿っており、高齢者に健康的な食事を提供することが求められています。そのため、管理栄養士資格取得者は年々増加傾向にあります。事実、厚生労働省が発表している「栄養士免許交付数の推移」においては、平成24年度に免許交付数が年間1万人を突破したことから、人気の資格といえるでしょう。令和2年度の管理栄養士登録者数は25万4,223人にも及ぶそうです。
とはいえ、それでも患者の数に対して管理栄養士は不足しています。そうした背景からか栄養士法の改正が行われ、「管理栄養士の定義 栄養士法 第1条」においては、過去に行っていなかった業務が複数追加されています。また、管理栄養士が献立作成から食材調達、調理までを一貫して行っている職場もあります。これらのことから深刻な人材不足が感じられるでしょう。
加えて、現時点で管理栄養士の給与は非常に低い水準を示しています。全国平均年収が433万円なのに対して、管理栄養士を含む栄養士の平均年収は373万円ということで、資格取得者の激増を求めることは難しいのです。患者数の増加に対して十分な管理栄養士が確保できないという点で、深刻な人材不足に陥っていると考えられます。

管理栄養士の将来性について

社会変化がもたらす管理栄養士需要の増加

管理栄養士の人手が足りていない職場は多数存在します。そのため、需要は減少することはないでしょう。不定期ではありますが求人をかけている病院や介護施設、民間企業などがあります。
次に、全国栄養士養成施設協会の調査「栄養士養成施設の卒業生の就職実態令和2年度」から、需要の予測をしてみましょう。管理栄養士養成施設卒業生の就職先は病院29.3%、学校4.2%、企業23.7%、児童福祉施設9.1%といったように様々な就職先が用意されています。就職率は90%ということで、こちらも高い水準を保っているようです。やはり需要は高いといえるのではないでしょうか。

管理栄養士の職場環境の変化について

管理栄養士の待遇は大きく変わっていくと考えられます。なぜなら、日本は高齢化社会問題を抱えているからです。
現状、管理栄養士は職場復帰がしやすく、需要が高い反面、給料は高くありません。しかし、給料については、需要の高まりに応じて給料改善が行われたり、優秀な人材確保に向けて市場が動いたりすることで、より改善されていくと考えられます。

女性の管理栄養士が活躍する場が増える?!

今後、男性の管理栄養士が活躍すると考えられています。一般的には女性の職場という認識が広まっている管理栄養士ですが、女性では重いものを運ぶのが難しいなどの理由で、男性管理栄養士の需要が高まりつつあるそうです。また、人手不足の状況において多くの業種が体力のある人材を求める傾向にあるため、男性管理栄養士の需要が高まっているという見解もあります。

管理栄養士のキャリアのスタート~就職先~

医療現場

患者の栄養管理が必要な医療現場は、管理栄養士の就職先として最もメジャーです。医師や看護師、薬剤師などとチームを組んで仕事を行うことがメインとなっています。高度の臨床栄養知識が求められることから必要なスキルも多くなりますが、需要は安定しているという特徴があります。

学校

小・中学校、特別支援学校などに勤務し学校給食の献立作成、栄養素の計算などを行います。また、学校勤務の管理栄養士は給食調理も同時に行うところが多く、手際良く調理するスキルも求められます。加えて、多数の子供の中にはアレルギーを持つ子供もいるので、アレルギーに対する知識も欠かせません。

民間企業

民間企業の社員食堂で働くという方法もあります。社員食堂は年齢・性別・体質が異なる方が利用するため、多くの人にマッチする栄養計算を行う必要があります。そのため、栄養に関する知識はより高度なものを必要とするでしょう。民間企業が管理栄養士に求めることは生活習慣病の改善です。そのため、献立を考える際にはヘルシーでかつ通いたくなるようなメニューを用意することが大切です。

介護福祉施設

障害者や高齢者を対象とした施設で勤務します。これらの施設では、一人ひとりの生活や体にあった献立を考えることが大切です。また、介護・福祉施設スタッフとともに利用者さんの情報共有を行うことも仕事の一つです。

研究機関

食品の開発や栄養に関する研究を行います。大学などの研究機関に所属し、管理栄養士や栄養士の教育に携わることも可能です。

管理栄養士のキャリアアップの仕方

管理栄養士としての技術を高める

管理栄養士に必要な技術を磨くことでキャリアアップを狙えます。具体的に管理栄養士に必要なスキルは、栄養学や食物アレルギーなどです。
仮にこれらの知識が浅い状態で管理栄養士になってしまうと、命に大きく関わる問題を引き起こしてしまう恐れがあります。知識の浅い管理栄養士に仕事を任せたいと思う人は居ないので、技術を磨くことを心がけましょう。

ほかの資格を取得する

管理栄養士は栄養士資格を保有していれば務まる仕事です。そのため、そのまま働いている管理栄養士の方は多いのです。しかし、キャリアアップを目指すなら、自発的にほかの資格を取得することが望ましいでしょう。具体的には、栄養経営士やNSTコーディネーター、糖尿病療養指導士、病態栄養専門師などの資格があります。これらの資格を取得することで他の人との差別化ができるため、管理栄養士のキャリアアップにつながるかもしれません。

独立

管理栄養士の独立先として、イベントでの栄養相談や特定保健指導、専門学校の教師、執筆活動などが挙げられます。独立するためには管理栄養士の一般的な職場で経験を積むほか、自身のブランディングなどが重要になってくるでしょう。そのため難易度は非常に高いです。しかし、独立することで管理栄養士のキャリアを大きく伸ばせます。

転職

管理栄養士は需要が高いため、転職がしやすい職業といえます。同じ働き方をしていても職場によって待遇は大きく異なるため、転職することでキャリアアップを目指せるでしょう。

管理栄養士の海外進出

日本で取得した管理栄養士の免許がそのまま使えるとは限りませんが、海外での求人も多数存在します。しかし、そもそも栄養学に関する知識が全く異なるため、新しい知識を学ぶ必要があります。例えば、アメリカでは管理栄養士になりたければ、大学に通いなおさなくてはなりません。
また、日常会話以上の英語力が必要です。楽な道ではありませんが、海外で活動したことが帰国後に実績になることも考えられるので、挑戦してみるとキャリアアップに近づくでしょう。

まとめ

本記事では管理栄養士のキャリアについて紹介してきました。需要が安定しており、今後もますます人気になると予想される管理栄養士ですが、業界内では給料が低いことが問題となっています。満足のいく給料を確保するためにはキャリアアップが必須といえるでしょう。管理栄養士としてキャリアを伸ばしていくためには経験や他の資格が必要になることもあります。管理栄養士を目指す方は事前にどのようにキャリアを伸ばすか考えておくことが大切です。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

管理栄養士名簿登録数の推移
https://www.mhlw.go.jp/content/000785418.pdf
我が国社会保障制度の現状と課題
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000358651.pdf
管理栄養士卒業生の就職率と就職先
https://www.eiyo.or.jp/about/shushoku.html

実際に働いている人の口コミをチェックしよう!

管理栄養士として実際に働く方にアンケートをとり、 「キャリア・将来性」に対する満足度を5段階で評価してもらいました。
実際に働いている人の口コミを参考に、どんな仕事なのかイメージをつけましょう!
実際に働いている人の
管理栄養士の「キャリア・将来性」の満足度
★★★☆☆ 3.1 (90件)

管理栄養士の 「キャリア・将来性」の 口コミ一覧

全90件

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愛知県の30代後半女性

業務委託契約の事業主 / 100万円未満 / 大学卒

就職先:特定保健指導を運営している会社

キャリア・将来性の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事の将来性

    特定保健指導のせいどが始まって数年が立つため、栄養指導を受ける側も経年の人も多い。そのため、マンネリ化が問題視されていて、面談も難しいものとなってきているから。

  • 女性の働きやすさ

    女性がというより、特定保健指導の栄養指導で働くこと自体、仕事が半年しかないため(健康診断を実施する月日により)、収入面で劣るため。

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東京都の30代後半女性

正社員 / 500万円以上~550万円未満 / 大学卒

就職先:病院

キャリア・将来性の満足度 ★★★★☆ 4.0
  • 仕事の将来性

    医療職はAIに取って代わられる部分も将来的にはあると思うが、多角的な視点からアセスメントする必要がある管理栄養士の仕事は容易には機械化できないのでは。

  • 女性の働きやすさ

    女性が多い職場なので、育休や産休など理解がある。 逆に男性はうまく立ち回らないと働きにくいかも。

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兵庫県の40代女性

正社員 / 300万円以上~350万円未満 / 大学卒

就職先:介護・福祉施設

キャリア・将来性の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事の将来性

    給料が上がりにくいので続けるためにモチベーションの維持が必要。経験があれば転職は可能ではある。

  • 女性の働きやすさ

    特にないが時間に余裕があるので働きやすい環境ではある。時間内にやることは少ないので時間が余ったときにすることがない。

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岐阜県の20代後半女性

正社員 / 300万円以上~350万円未満 / 大学卒

就職先:介護・福祉施設

キャリア・将来性の満足度 ★★☆☆☆ 2.0
  • 仕事の将来性

    今の管理栄養士の地位が低いので、これから先ももっと上がっていく未来がなかなか見えない

  • 女性の働きやすさ

    厨房に入らないといけない場合は特に体力が必要になったりと厳しいところがあると思います。

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埼玉県の20代後半女性

正社員 / 250万円以上~300万円未満 / 専門学校卒

就職先:保育園

キャリア・将来性の満足度 ★★★★★ 5.0
  • 仕事の将来性

    長年挑戦したいと思っていたことを今の会社で挑戦できるチャンスをもらうことができている

  • 女性の働きやすさ

    産休育休をとっている社員が身近にいること、女性が多い職場であるため悩みが言い出しやすい

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