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救急救命士を目指せる進路は?進路別のメリット・デメリットを解説!

2022年05月31日

はじめに

救急救命士の仕事内容は、主に救急車内での応急処置になります。そして、救急車での救急活動を行うのは消防士の仕事になります。そのため、救急救命士として働いている方の大多数が消防士になります。ちなみに、消防機関以外での救急救命士の活躍場所としては、救急救命センターや自衛隊などもあります。そんな救急救命士として働くにはどのような進路を選ぶと良いのでしょうか。詳しく説明していきます。ぜひご覧ください。

救急救命士にはどうやってなるの?

救急救命士になる方法は大きく分けて2つあります。1つ目は、消防官採用試験に合格後、働きながら救急救命士の国家資格取得を目指す方法です。この場合、救急活動の実務経験を5年以上、もしくは2000時間以上こなし、指定された講義を修了することで救急救命士国家試験の受験資格を獲得できます。そして、国家試験に合格することで、晴れて救急救命士になることができます。
2つ目は、指定された救急救命士養成所で決められた条件を満たした後、救急救命士の国家試験に合格、その後、消防官採用試験に合格する方法です。この方法の場合、文部科学省または、厚生労働省が指定する大学、短大、専門学校などで2年以上学ぶことで受験資格を獲得できます(ただし、大学で指定された科目を学んだ場合は1年以上の在籍で受験資格を獲得可能)。
つまり、救急救命士になる主な進路は、救急救命士の受験資格を獲得できる大学、短大、専門学校に進むか、消防官採用試験合格後に救急救命士を目指すかの2択になります。以下では、指定された大学、専門学校に進むメリット・デメリット、そして救急救命士の国家資格取得前に消防官採用試験合格を目指すメリット・デメリットについて説明します。(短大は全国に僅か1校しかない例外的な存在であるため、今回は除外しています)

救急救命士を目指すのに向いている進路はある?

救急救命士になるには、消防官採用試験に合格することと、救急救命士の国家試験に合格することの2つの大きなハードルがあります。そのため、消防士と救急救命士のどちらを優先するかによって進路選択の優先順位が変わってきます。ここからは各進路のメリット・デメリットについて説明します。

大学のメリット・デメリット

大学進学のメリットは2点あります。1点目は、他の進路に比べて比較的時間に余裕があることです。専門学校の場合、2・3年で学ぶため忙しくなりますが、大学であれば4年間あります。そのため、救急救命士の勉強と並行して、消防士の地方公務員試験の勉強にも取り組みたいといった場合でも十分に時間を取れるでしょう。また、2点目は、救急救命以外の分野にも手を出すことができる点です。時間に余裕があるからこそ、様々な取り組みに時間を使うことができます。救急救命ではない医療行為の学習や、学生生活を楽しむといった時間の使い方もできるでしょう。一方、デメリットは費用がかかる点です。通学する期間が長い分、学費は高くなります。

専門学校のメリット・デメリット

専門学校から救急救命士を目指すメリットは2点あります。1点目は、短期間で救急救命士の国家資格取得を目指せる点です。専門学校であれば、最短2年で救急救命士の国家資格を取得でき、これは大学の半分です。また、期間が短い分学費が安く済む点も大きな魅力でしょう。2点目は、救急救命士の国家資格取得に特化したカリキュラムが組まれている点です。大学などの場合、救急救命士以外の勉強をすることがあります。しかし、専門学校であれば救急救命士の勉強に集中することができます。実際、救急救命士国家試験の平均合格率を上回る専門学校も数多くあります。一方、デメリットは忙しいことです。短い期間で国家資格取得を目指すため、相対的に忙しくなるのは間違いありません。その状況のなかで、消防官採用試験の対策もする必要があります。専門学校ごとに消防官採用試験対策を実施はしてくれますが、時間に追われる人は多くなるでしょう。

まずは消防士合格を目指すメリット・デメリット

救急救命士を目指す上で、まず消防士として就職するメリットは2点あります。まず、救急救命士を目指すうえでかかる費用が少ない点です。指定された養成所に通うことで救急救命士を目指す場合、学費がかかりますが、消防士になった後に救急救命士を目指す場合、救急での実務経験と消防学校での講義修了によって受験資格を得ることが可能になります。そのため、救急救命士の国家資格取得のために必要な費用を抑えることができます。もう一点は、消防官採用試験に集中できる点です。救急救命士の国家試験の合格率は例年80%を超えており、受験資格を得れば比較的容易に取得できる資格であることがわかります。一方、消防官採用試験の倍率は10倍を超す地域もあり、合格するのが非常に難しいです。そのため、まずは消防士になるための勉強に集中するというのは1つの良い選択肢になるでしょう。
一方、デメリットも2点あります。1点目は、仕事と国家試験対策の両立が大変な点です。この方法で救急救命士を目指す場合、消防士として働きながら救急救命士の国家試験を受験することになります。そのため、仕事と試験対策の両立が大きな負担になるでしょう。また、もう一点のデメリットは、救急救命士の国家資格取得までにかなりの時間がかかる点です。大学・専門学校などで学ぶ場合2年で国家資格取得が可能ですが、実務経験を通して救急救命士の国家資格取得を目指す場合は5年以上(もしくは実務経験が2000時間以上)の時間がかかってしまいます。

進路はどうやって決める?

ここまで、進路ごとのメリット・デメリットについて見てきました。どの進路も一長一短で、結局どうやって選ぶのがいいのかわからない、という方もいるかもしれません。そのため、この章では読者の方に進路選択のイメージを膨らませてもらうべく、オススメの進路を紹介していきます。

仕事をこれから決めようという人には大学

救急救命士として働くことに興味を持っているけど、まだ決め切れていないという方には、救急救命士の養成所指定を受けている大学をオススメします。救急救命士国家試験の受験資格を獲得すると同時に、視野を広く持ちながら理想の職業を選ぶことができます。救急活動に近い分野であるスポーツ医療などを同時に学べる大学も多く、様々な仕事と比較しながら自分に向いている仕事を考えることができるでしょう。

救急救命士になるのが一番という方は専門学校

「救急救命士として働きたい」という気持ちが強い方には、専門学校がオススメです。救急救命士になるためにつくられた学校ということで、国家試験の対策も非常に手厚いという特徴があります。また、短期間で救急救命士の資格を取得することができるので、いち早く現場で救急救命士として働くことが可能です。

消防士になることが一番だという方にはまず消防官採用試験!

救急救命士になるのも興味があるけど、まずは消防士になりたいという方は、消防官採用試験の学習するのがオススメです。学習方法は専門学校・予備校・独学などの選択肢があるため、自分に合った方法を選ぶと良いでしょう。当サイトでは、消防官採用試験について詳しく説明している記事があります。興味のある方はそちらをぜひご覧ください。そして、消防官採用試験に合格し、消防士として働き始めた後も救急救命士として働きたいという気持ちが強ければ、そこから実務経験を積んで救急救命士としてのキャリアをつくっていくことができるでしょう。

まとめ

当記事では救急救命士になるための進路選択について、説明してきました。救急救命士に興味のある方は、自分の進路選択についてなんとなくイメージできたでしょうか。もしそうであれば幸いです。オススメの進路を紹介してきましたが、実際に進路を選ぶときは、できるだけ多くの選択肢から進路を選べると良いでしょう。思いもよらない点に皆さんの進路決定の要因があるかもしれないからです。多くの選択肢を見た上で、最後は現地に足を運び、自分の目で確かめて、学校を選べるとよいのではないでしょうか。
当サイトでは、他にも救急救命士について様々な記事がございます。より詳しく救急救命士について知りたいと思った方はぜひご覧ください。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

厚生労働省 救急救命士養成所一覧
https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shokanhoujin/shitei/dl/h23_01_16.pdf
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