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救急救命士のキャリアアップの方法は?仕事の現状と将来性を解説!

2022年03月01日

はじめに

救急救命士には、どのようなキャリアが想定できるのでしょうか。現状と将来性を知り、想定できるキャリアを把握しておく必要があるでしょう。この記事では、救急救命士の現状や課題、主なキャリアや、将来的なキャリアアップの方法までご紹介します。

現状について

救急救命士の業界が直面している課題について~採用枠の問題~

救急救命士の多くは、救急車等に同乗し、病院に到着するまでの間に医療行為を行います。消防庁の「消防白書」によると、令和元年中の救急車の出動件数は663万9767件となっており、ここ十数年増加傾向が続いています。救急車の出動件数が増えているということは、救急救命士の活動の場も増えていると言えるでしょう。また、救急救命士の資格を持つ消防職員はおよそ4万人程度とされており、その数も年々増加傾向にあります。しかし、救急車の出動件数に対して救急救命士の数の不足が指摘されており、さらなる人材確保が課題となっています。現状、多くの救急救命士が消防署に勤務していますが、消防の採用枠には限度もあるため競争率も高く、救急救命士の資格を持っていても消防署に勤められない人も多く見られます。特に都市部よりも地方で、救急救命士の数は不足しがちなようです。いずれにしても、需要はあるのに採用枠の関係上適切な場所に適切な人数の救急救命士を配置しきれていない、というのが、救急救命士の今の課題と言えるでしょう。

救急救命士の将来性について

救急救命士の需要の増加

課題としてご紹介したように、救急車の出動といった救急現場の増加に伴って、救急救命士の需要は高まると言えるでしょう。消防庁は、3人1組の救急隊の内、1人は救急救命士の資格所持者を配備するように求めています。また、傷病者に振動を与えないような緩衝装置を備え、より高度な救急救命処置を施すことができる機材を搭載した高規格救急車では、救急救命士が同乗することが義務付けられています。こうした事情から、救急救命士の需要は高まり続けると考えてよいでしょう。また、消防署が主な勤務先であった救急救命士ですが、近年ではより多くの場面で活躍することが期待されています。例えば、集客施設や駅・空港といった交通機関でも、常に緊急の事態が想定されます。救急救命士の活躍の場は、今後さらに増えていくかもしれません。

女性の救急救命士が活躍する場が増える?!

救急救命士の仕事は体力勝負になりがちということもあり、実際のところ男性の救急救命士に比べて女性の救急救命士は少ないというのが現状です。令和二年度の救急救命士国家試験の合格者2599人の内、男性2391人に対して女性208人と、全体の10%に満たない数の合格者しかいません。たしかに数はまだまだ少ないようですが、需要が高まりつつある中で、女性の救急救命士も少しずつ増えてきているようです。救急救命士の仕事には、傷病者やその家族とのコミュニケーションも欠かせません。女性の傷病者とコミュニケーションをとる場合や、婦人科疾患や出産といったシーンでは、女性の救急救命士の方が安心感があるという場合もあります。体力面での不安や、子育てや出産といったことにも配慮する必要があるため、女性の救急救命士が長く働けるよう、労働環境の改善やサポート体制の確立が求められていると言えるでしょう。

救急救命士のキャリアのスタート~就職先~

消防署

救急救命士は主に、救急車内が仕事場になります。救急車が現場から病院に到着するまでの間に、傷病者に対して適切な医療処置を行うのが、救急救命士の主な仕事となります。そうした事情から、救急救命士の勤務先は、救急車を所有する消防機関である場合が多くなっています。消防士の採用試験は難関とされていますが、救急救命士の資格所持者は一般に有利とされています。

自衛隊・警察等

消防署以外にも、自衛隊や警察、海上保安庁に就職する救急救命士もいるようです。災害時や事件発生時など、これらの機関も救急現場に携わります。しかし消防署と比べると、採用人数はどうしても限定されてしまいます。例えば自衛隊の場合には、内部に救急救命士養成所があるため、外部からの入隊は相当少ないようです。狭き門と言えるでしょうが、こうした機関にも救急救命士は必要とされています。

医療機関

救急救命士も医療従事者です。そのため、消防等ではなく医療機関に就職する場合もあります。例えば、救命救急センターといった機関がそれにあたります。しかし、救急救命士はあくまでも医師ではないため、医師と同じような医療行為を行うことはできません。そのため、救急救命士の仕事は「病院前救護」という救急活動に限定されます。「病院前救護」とは、病院の外での傷病者に、現場で必要な救護を行い、適切な医療機関へと搬送する、といった救急活動を指します。医療機関での求人は多くない、ということはおさえておく必要があるでしょう。

救急救命士のキャリアアップの仕方

救急救命士としての技術を高める

後述するように、救急救命士のキャリアパスは様々です。しかし、どんなキャリアを目指すとしても、やはり自分に救急救命士としての高いスキルがなければ始まりません。救急救命士としてのスキルを高める方法は、やはり現場経験を積むことです。より多くの現場を経験することが、知識と技能を高めるうえで重要になってきます。現場経験だけでなく、自ら勉強会や講習会等に参加することも重要になってきます。また、消防署に勤める救急救命士の場合には、現場経験を積んでいけば、消防官としてのキャリアアップの可能性もあります。

ほかの資格を取得する

キャリアアップの手段として、救急救命士の国家資格のほかに、各種救急ライセンスを取得するという方法もあります。心停止に対応する蘇生処置を学ぶICLSや、多数傷病者を想定した対応を学ぶMCLS、病院前の重症外傷患者を想定した知識、技術を学ぶJPTEC等がそれにあたります。様々なケースや専門分野に分かれたコースプログラムが提供されています。それらのプログラムに合格するとプロバイダー資格を取得できます。プロバイダー資格取得後は、指導者であるインストラクター資格を取得することもでき、指導者として働くことができます。

転職

救急救命士としてキャリアを積んだ後で転職する、というキャリアもあります。例えば、救急救命士として現場で働いた経験や、救急医療に関する学術的な活動が認められた場合には、救急救命士を指導する「指導救命士」になるというキャリアがあります。また、同じように指導する側のキャリアとしては、消防学校の講師や専門学校の教員、大学教員といったものが想定できそうです。また、極めて例外的なケースではありますが、自分で民間救急機関を設立するという人もいるようです。いずれにしても、経験を積み、知識を備えた救急救命士でなければ、そうしたキャリアは見込めません。まずはスキルを高めることが必須となってきます。

救急救命士の海外進出

海外の災害現場や駐在中の日本人をサポートするために、救急救命士を始めとした日本人医療者を派遣するサービスや、海外協力隊など救急救命士の経験を活かせる場所は国内に限らず増えてきています。

まとめ

ここでは、救急救命士のキャリアをご紹介してきました。救急救命士の現状は、救急車の出動件数の増加等に伴い、需要が高まりつつあります。消防署の採用枠など、課題はありますが、将来性については今度も期待できると言えるでしょう。指導者といった救急救命士のキャリアアップには、なにより現場経験と勉強が欠かせません。救急救命士の資格を取ったらそれで終わり、ではなく、資格取得後も継続的に勉強を続けていいく必要があるでしょう。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

消防防災の組織と活動
https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r2/items/part2_section5.pdf
第42回救急救命士国家試験の合格発表について
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000200942_00003.html

実際に働いている人の口コミをチェックしよう!

救急救命士として実際に働く方にアンケートをとり、 「キャリア・将来性」に対する満足度を5段階で評価してもらいました。
実際に働いている人の口コミを参考に、どんな仕事なのかイメージをつけましょう!

救急救命士の 「キャリア・将来性」の 口コミ一覧

全6件

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北海道の30代前半女性

正社員 / 850万円以上~900万円未満 / 専門学校卒

就職先:救命救急センター

キャリア・将来性の満足度 ★★★★★ 5.0
  • 仕事の将来性

    将来性では上に行けるように技術や人間性をもっと高めて人の役に立てるように頑張る 日本中の女性が増えるように取り組んでいきたい

  • 女性の働きやすさ

    産休やq育休がしっかり7手 思ったより産後も復帰しやすい 手当などもしっかりしているため安心してq暮らすことができる

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東京都の30代後半女性

正社員 / 600万円以上~650万円未満 / 大学卒

就職先:二次医療機関

キャリア・将来性の満足度 ★★★★★ 5.0
  • 仕事の将来性

    法改正により、医療機関での業務が公式に認められたので、今後活躍の場は大きく広がってくると思う。 医師の負担軽減、タスクシフトが求められており、将来性は大いにあると思う。 知識や技術のさらなる向上が求められており、養成課程での教育改革も必要になってくると思う。

  • 女性の働きやすさ

    消防機関だけでなく、医療機関での業務が認められたことで、今後はさらに女性の活躍が期待できる。 医療機関は看護師など女性が多く活躍してきた歴史があるので、女性ならではの働き方やライフステージにも柔軟に対応できる働きやすい職場であると思う。

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滋賀県の20代後半女性

正社員 / 500万円以上~550万円未満 / 大学卒

就職先:消防署

キャリア・将来性の満足度 ★★☆☆☆ 2.0
  • 仕事の将来性

    女性ということで将来の不安だけしかない結婚、出産、育児等仕事復帰できるのかがとても不安である

  • 女性の働きやすさ

    ない!とにかくない!女性の働き方は改革していかなければ女性職員はふえないとおもう!

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北海道の30代前半男性

正社員 / 500万円以上~550万円未満 / 専門学校卒

就職先:消防署

キャリア・将来性の満足度 ★★★★☆ 4.0
  • 仕事の将来性

    年収は勤めれば勤めるほど上がっていくため、将来的には生活が楽になっていくとはおもう。

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岐阜県の40代男性

正社員 / 700万円以上~750万円未満 / 大学卒

就職先:消防署

キャリア・将来性の満足度 ★★★★☆ 4.0
  • 仕事の将来性

    安定している点では、将来性があるといえる。しかし、業務について極端に増えることはないため成長性はない。

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鹿児島県の40代男性

正社員 / 700万円以上~750万円未満 / 大学卒

就職先:消防署

キャリア・将来性の満足度 ★★★★★ 5.0
  • 仕事の将来性

    人口減少で納税者が減ると負担金も減らされて、給料も職員数も減らされて負担が増えそうです。仕事量は増える一方です

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