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救急救命士の仕事内容とは?仕事の魅力・やりがいを解説!

2022年03月01日

はじめに

医療に関わる仕事の中で、救急救命士、という仕事に関心のある人は多いと思います。医師や看護師とは違うその仕事は、どのようなものなのでしょうか。この記事では、救急救命士の仕事内容に加え、魅力や大変なことなどをご紹介します。

救急救命士とは?

救急救命士の定義

救急救命士は、1991年「救急救命士法」の成立に伴って、国家資格として成立した資格です。「救急救命士法」第一章第二条によれば、「救急救命士」とは、「厚生労働大臣の免許を受けて、救急救命士の名称を用いて、医師の指示の下に、救急救命処置を行うことを業とする者をいう」と定義されています。また同箇所で「救急救命処置」は、「病院又は診療所に搬送されるまでの間に(中略)当該重度傷病者の症状の著しい悪化を防止し、またはその生命の危険を回避するために緊急に必要なもの」と定義されています。

救急救命士の仕事内容

救急救命士の仕事内容は主に、救急車等の救急現場での医療処置です。従来、救急車等での医療行為は、止血や人工呼吸等の応急処置に限定されていました。そのため、事故の現場から病院までの間、といった一刻を争う場面でも限られた処置しかできないことから、手遅れになるケースも多かったそうです。そうした実情を踏まえて成立した「救急救命士法」によって、より多くの処置を行うことができるようになりました。救急現場で医療行為を行い、患者の生命を守ること、これが救急救命士の仕事です。

救急救命士のスキル

救急救命士に行える医療行為は、以前よりも増えつつあります。元々最低限の応急処置しか施すことができなかった事情から、年を経るにつれて法改正が進み、医師の具体的な指示の下で、より多くの医療行為が可能となっています。例えば、器具を用いた気道確保や、静脈路を確保するための輸液、AEDの使用などがそれにあたります。また、一定の要件を備えた救急救命士であれば、気道挿管やアドレナリンの投与といった、さらなる医療行為が認められています。救急現場は一刻を争う場合も多く、救急救命士の処置が生死を分ける場合もあります。そういった切迫した状況の中で適切な医療行為を行うこと、それが救急救命士に求められるスキルです。とは言え、救急救命士は医師ではないため、医師免許を要する医療行為までは行うことができません。そうした限定があるがゆえに救えない命がある、という問題も指摘されています。そうした事情から、より多くの医療行為を行えるように議論がなされており、今後さらに救急救命士の仕事は重要かつ広範囲におよぶことになるでしょう。

救急救命士の一日のスケジュール

上記は消防署に勤める救命救急士のスケジュールです。基本的には、常に出動に備えたスケジュールということになります。夜間にも出動指令が下りる場合はあるため、もちろん夜勤になることもあります。

救急救命士の一日のスケジュール例 救急救命士の一日のスケジュール例

救急救命士に必要な資質

医学に関する知識

当然のことですが、医療行為を行う以上、医学に関する知識は必須です。国家資格試験でも、医学に関する基礎知識に加え、救急医学に関する問題が出題対象となっています。医療や救命に関する十分な知識がなければ、適切な処置を施すことはできません。

冷静な判断力

救急現場は、一分一秒を争う現場です。判断ミスや遅れが、文字通り命取りになる可能性も十分にあります。患者さんの状態は一人一人異なり、状況に応じた判断が必要です。そのため、切迫した場面でも焦らずに適切な判断を素早く下す必要があります。

勉強を続けるモチベーション

医療技術は日進月歩です。最先端の医療技術を学び、より適切な処置ができるように努める必要があります。資格を取得したらそこで終わりではなく、キャリアの中で継続的に勉強を続けていける人でないと、救急救命士として働くことは難しいでしょう。

コミュニケーション能力

救急現場では、コミュニケーション能力も重要です。現場では、患者さんやその家族がパニック状態になっている場合も珍しくありません。相手を落ち着かせながらきちんとコミュニケーションをとり、症状や状況を把握する必要があります。また、搬送先では医師や看護師に状況を説明したりと、適切なコミュニケーションが必要になります。

救急救命士の魅力

社会的な期待や信頼の高さ

災害や事故の現場など、命に関わる救急救命士の仕事は、社会に大きく貢献できる仕事です。医療系のお仕事全般に言えることでもありますが、国家資格を要する救急救命士は、社会的な期待や信頼も高く、誇れる仕事であると言えるでしょう。

需要が高い

近年、救急救命士の需要は高く、採用数は年々増加しているとされています。国家資格を必要とする仕事であり、一般的な公務員よりも数が少ないためです。またそうした事情から、収入面でも公務員の平均的な額よりも高くなる場合が多いようです。

救急医療の最先端で働ける

医療技術は日々進歩していきます。救急医療に関しても同様のことが言えますが、救急救命士が働く現場はまさに救急医療の最先端です。そうした最先端の現場でなければ手に入らない知識や経験もあるでしょう。救急救命士の仕事の魅力は、そうした最先端の現場で手に入る知識や経験と言えます。後のキャリアにとっても、救急救命の現場での経験は必須となるでしょう。

救急救命士のやりがい

救急救命士のやりがいは、人命救助の現場で働くことができる、という点にあります。一刻を争う現場で患者さんの命を救う仕事には、大きな責任と重圧が伴うことも確かではあります。しかし、処置によって患者さんの命が助かった時には、大きなやりがいを感じることもできるでしょう。また、救急救命士の仕事の中には、救命救急の講習会の実施などもあります。より多くの人に応急処置など、命を救うための対処法を知ってもらえる仕事でもあります。こうした「命を救う仕事」である、というところにやりがいを感じる人が多いようです。

救急救命士として大変なこと

人の死と向き合う場面もある

救急救命士として処置を施しても、残念ながら亡くなってしまう患者さんもいます。医療現場で、ましてや緊急性の高い現場で働く以上、そうした場面は避けられないものでもあります。救急救命士の仕事には、まだまだ限界があります。そういった限界のため、患者さんの生命を救えない場合もあるかもしれません。こうした場面に向き合っていかねばならないというのは、救急救命士として大変なことでしょう。

責任が大きく、プレッシャーがかかる

医療の現場では、ミスや遅れが許されません。わずかなミスや遅れが、患者さんの生命を危険にさらす場合もあります。救急救命士の仕事である救急救命の現場は、文字通り救急の、切迫した場面も珍しくありません。緊迫した場面で絶対にミスができないプレッシャーがかかるのは、救急救命士にとって避けられないことです。責任感を強くもって仕事にのぞまなければなりません。救急救命士が精神的に負担がかかる仕事であるということは理解しておかなければならないでしょう。

不規則な生活になりがち

救急救命士の仕事は、毎日決まった時間に決まった仕事をこなす、というものではありません。消防署に勤める場合でも医療機関に勤める場合でも、救急の出動指令はいつ下されるかわかりません。そのため、深夜でも対応できるように待機する必要があります。そのため、救急救命士の勤務形態は不規則になりがちです。

まとめ

救急救命士の仕事は、救急車等の救急現場での医療処置です。文字通り一分一秒を争う現場で、ミスの許されない仕事です。人の命に向き合う仕事である以上、大きな責任やプレッシャーが伴います。つらいことや大変なことも多くあるでしょう。それでも、人の命を救う仕事には、大きなやりがいを感じることも多いでしょう。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

厚生労働省救命救急士法
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002yhch-att/2r9852000002yhf8.pdf
スタディサプリ進路救急救命士の1日のスケジュール
https://shingakunet.com/bunnya/w0033/x0013/ichinichi/

実際に働いている人の口コミをチェックしよう!

救急救命士として実際に働く方にアンケートをとり、 「仕事内容」に対する満足度を5段階で評価してもらいました。
実際に働いている人の口コミを参考に、どんな仕事なのかイメージをつけましょう!

救急救命士の 「仕事内容」の 口コミ一覧

全6件

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北海道の30代前半女性

正社員 / 850万円以上~900万円未満 / 専門学校卒

就職先:救命救急センター

仕事内容の満足度 ★★★★★ 5.0
  • 仕事内容

    思ったより働きやすく、女性の制度もしっかり支援してくれていた。安心して仕事できる

  • ワークライフバランス

    残業はなく、みんなで助け合って仕事をしているため定時でかえることができることがよかった。

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東京都の30代後半女性

正社員 / 600万円以上~650万円未満 / 大学卒

就職先:二次医療機関

仕事内容の満足度 ★★★★☆ 4.0
  • 仕事内容

    救急医療は医療の入口。患者さんが一番つらく、苦しい時に関わるのが救急救命士。 関わりは一瞬で、顔や名前を覚えて貰えることはほとんど無い。根本治療ができる立場ではないので、自分達に何ができるのかと役割を見失うこともあるけれど、命の現場に関われることでやりがいを感じる。

  • ワークライフバランス

    救急医療には少なからず自己犠牲の精神が必要。救急外来の状況によっては残業になってしまうことも多い。 シフト性なので、休日出勤や夜勤などもある程度覚悟しないといけないが、長期休暇など全体の休暇日数はしっかり管理されているので、過剰労働となることはない。

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滋賀県の20代後半女性

正社員 / 500万円以上~550万円未満 / 大学卒

就職先:消防署

仕事内容の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事内容

    人の命のをたすけるしごとだからやりがいはある女性職員としてはまだまだ働きにくい環境であると感じる

  • ワークライフバランス

    もともと一回の仕事で3日分働いているので休みに関しては少ないと感じるもっとみんな休みを取りたいと思っている

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北海道の30代前半男性

正社員 / 500万円以上~550万円未満 / 専門学校卒

就職先:消防署

仕事内容の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事内容

    市民サービスのため理不尽なクレームやタクシー代わりの救急車利用をあることを知ってしまった。

  • ワークライフバランス

    24時間勤務のあとは休みがしっかりとあり、休暇も取りやすい。残業は殆どないのもよい。

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岐阜県の40代男性

正社員 / 700万円以上~750万円未満 / 大学卒

就職先:消防署

仕事内容の満足度 ★★★★☆ 4.0
  • 仕事内容

    多くの現場で、人の生命や身体、財産を守る仕事をしている。その反面、危険が伴うため。

  • ワークライフバランス

    残業は意外と少ない。当直の勤務であるため、総計での時間は変わらないが、昼間に自宅にいることが多い。

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鹿児島県の40代男性

正社員 / 700万円以上~750万円未満 / 大学卒

就職先:消防署

仕事内容の満足度 ★★★★★ 5.0
  • 仕事内容

    たまに、感謝をされたりした時はやりがいを感じる。また、心肺停止の方が社会復帰した時はやりがいを感じます。

  • ワークライフバランス

    24時間拘束の16時間勤務なので休みが多いと錯覚します。次の日の非番も24時間なので。

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