みんなの専門学校情報TOP 調理・栄養 栄養士のキャリア

栄養士のキャリアアップの方法は?仕事の現状と将来性を解説!

2022年03月01日

はじめに

栄養士は、多くの職場で必要とされている職業です。
栄養士になるのなら、現状を把握してしっかりキャリアプランを考えるのがおすすめです。
こちらの記事では、栄養士における現状やキャリアアップの方法を紹介します。

栄養士の現状について

栄養士の業界の現状について

栄養士は、多くの企業や施設で活用できる専門知識を有する職業です。
あらゆる業界からの需要が高く、有効求人倍率は令和2年度で2.08倍と高い水準を維持しています。
全体の有効求人倍率が近年最大で1.15倍(令和3年)なことを考えると、栄養士の需要はかなり高いことが分かるでしょう。
現状では人手不足が心配されるため、今後は多くの企業・施設が栄養士の確保を目指すことが想定されます。

栄養士の業界が直面している課題について~日本人の食生活改善~

栄養士の課題は、日本人が慢性的に抱えている「栄養不足」の解消にあると考えられます。
日本栄養士会の「平成30年度全国栄養士大会」では、日本人の栄養不足における課題が具体的に取り上げられ、栄養士・管理栄養士の今後の活躍に注目が集まりました。
日本人の身体には1日に350gの野菜が必要とされていますが、実際に毎日それをクリアできる人は少なく、平成28年国民健康・栄養調査によると野菜の平均摂取量は276.5g止まりとなっています。
結果的に日本人は栄養不足に陥りやすくなり、特に20代はビタミンやミネラルなどの18種類の栄養素等のうち、なんと16種類が不足している結果になっているのです。

ただ無計画に野菜を350g食べてもβ-カロテンなどの栄養は不足したままとなり、個人の力では栄養不足の完全な解消は難しいのが現状です。
そのため必要な野菜の栄養を効率良く摂取するために、調理法や食材の組み合わせ方法を具体的に提案し、それを普及させていくことが栄養士の今後の課題となるでしょう。

栄養士の将来性について

社会変化がもたらす栄養士需要の増加

栄養士の需要は、近年の社会変化によってさらに増加しています。
日本政策金融公庫農林水産事業本部情報企画部が行った「消費者動向調査(令和3年1月)」によると、食に関する志向のなかでも低下傾向にあった「健康志向」が、数年ぶりに上昇に転じています。
健康的な食事を摂りたいと考える人が増えているため、栄養士の専門知識は多くの人に求められるでしょう。

また、日本は高齢化社会の流れが加速しているため、食事から栄養摂取を的確にサポートできる栄養士の需要はさらに高まります。
健康寿命を伸ばしたい人たちに対して、有益な情報提供や具体的な提案を行えるスキルがあれば、就職や転職を有利に進められるでしょう。

栄養士の職場環境の変化について

栄養士は、さまざまな業界・職業への就職が考えられる仕事です。
その汎用性は今後も評価され、新しい種類の職場へ就職することも考えられるようになるでしょう。
自分に合った職場環境が整っている企業に就職しやすいので、働きやすい職業だと言えます。

また、栄養士は昨今発展しているAI(人工知能)を使って、より細かな仕事ができるようになるという見方もあります。
AIが蓄積・分析したデータを参考にすることで、栄養士はより具体的な献立の考案や個々の栄養不足を補う方法を提案できるようになるでしょう。
AIと協力して働ける可能性がある点は、栄養士の今後の職場環境を大きく変えるきっかけになるかもしれません。

栄養士のキャリアのスタート~就職先~

病院・学校の食事関係

病院や学校で提供する食事の管理やスケジュールの考案を行うのは、栄養士の仕事です。
特定の病院や学校に就職して、給食における栄養の基準を定めたり、食材の決定や発注を行ったりするのが業務になります。

病院の場合には患者の健康状態を考慮した献立の考案や、ペーストや刻みといった個々の患者に食べやすい食事形態の指示も必要です。
一方で、学校の場合には子どもの成長につながる栄養を把握し、バランスよく摂取できるようサポートするのが仕事になります。

福祉・介護施設

福祉や介護施設で、栄養に関するアドバイスを行うのも仕事です。
健康に不安を抱えている人や、体調不良で施設に通っている人たちの話しを聞き、個々に合わせた指導や生活プランの提供を行います。
実際に食事の面倒を見ることや、自分で栄養を摂取できるように料理の方法やコツを伝えることもポイントです。

保健所・保健センター

地域住民の健康に関する事情を支える保健所や保健センターへの就職も、栄養士のキャリアに含まれます。
一般的に食事関係の改善を目指し、栄養相談や健康教育を実施するのが役割です。
地域住民の健康問題を解決するだけでなく、食事や栄養の大切さを伝えるイベントを市町村主導で計画することも考えられます。
公共団体で働く栄養士は、「行政栄養士」と呼ばれることもあります。

栄養教諭

栄養士は栄養教諭の免状を取得すれば、食育(食事に関する知識)に関する授業を行う先生として働くことも可能です。
学校で生徒に食事の大切さや栄養の知識を伝えることで、日々の食生活の見直しと食から得られる健康への大切さを考えてもらえます。
先に課題として挙げた栄養不足を補うことにもつながるので、栄養教諭として仕事をする機会は今後も増えると予想されるでしょう。

食品メーカー

食品メーカーに就職して、栄養学を使った商品開発などに携わることもできます。
健康食品や栄養不足をカバーする食品の開発などを行うことで、人々の健康をサポートできるでしょう。
食品メーカーで働く場合には、栄養士の一般的な知識に加えて、バイオテクノロジーなどの専門知識を学んでおくことで仕事に活かせます。

栄養士のキャリアアップの仕方

栄養士としての技術を高める

栄養士として以下のような技術・知識を高めることは、キャリアアップにつながります。

・献立メニューや新商品を考案するための栄養学の知識
・食材の栄養を損なわないための調理技術
・食事や栄養の大切さを伝えるコミュニケーション技術

実際に栄養に関わる知識に限らず、周りの人を巻き込んでいけるような行動力、コミュニケーション力も重要です。

上記のような技術や知識を磨いていくことが、結果的にキャリアアップにつながります。

他の資格を取得する

栄養士は、将来的に「管理栄養士」の資格を取得することがおすすめです。
管理栄養士とは、栄養士として知識と実績を持つ人が取得できる国家資格です。
栄養士よりもさらに高い技術や豊富な知識を持つ人材の証明になるので、キャリアアップにつながります。
所属している企業によっては、資格手当などによって給与がアップする可能性もあるでしょう。

独立

栄養に関する専門知識は、栄養士になりたい人や生徒に食育を学ばせたい機関にとって貴重なものとなります。
栄養士の実績を重ねていけば、独立して個人事業を営む形でのキャリアアップも可能です。
例えば栄養コンサルタントやコーディネーターとして独立し、企業や介護・福祉施設に対してその知識を活かした授業が行えます。

転職

栄養士は需要の高い仕事であるため、転職によるキャリアアップも難しくありません。
より待遇の良い職場に転職したり、将来性のある企業にヘッドハンティングされたりすることで、キャリア形成が行えるでしょう。
先にも記載した通り、栄養士の有効求人倍率は高い水準となっています。
業界を変えての転職もしやすいので、さまざまな職業を体験してキャリアアップを図ることも可能です。

栄養士の海外進出

栄養士はその知識を活用して、海外進出によるキャリアアップも可能です。
ボランティアで海外の現場で働ける機会もあり、その経験をもとに日本で転職や独立を進めるといったキャリアプランが立てられます。

実際に就労する場合には日本の栄養士資格は使えないので、海外の大学などに進学してその国特有の資格を取得しなければなりません。

まとめ

栄養士の仕事は、多くの業界や職場で高い評価を受けています。
就職後にキャリアアップを行うことができれば、その評価はさらに高まり、理想とする職場への転職や独立などといった道につなげられるでしょう。
この記事を参考に栄養士の現状や将来性を確認して、自分だけのオリジナルのキャリアプランを考えてみてください。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

厚生労働省令和3年賃金構造基本統計調査
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22823.htmlhttps://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/171
求人ボックス
https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/

実際に働いている人の口コミをチェックしよう!

栄養士として実際に働く方にアンケートをとり、 「キャリア・将来性」に対する満足度を5段階で評価してもらいました。
実際に働いている人の口コミを参考に、どんな仕事なのかイメージをつけましょう!
実際に働いている人の
栄養士の「キャリア・将来性」の満足度
★★★☆☆ 2.9 (33件)

栄養士の 「キャリア・将来性」の 口コミ一覧

全33件

アイコン

大阪府の40代女性

パートタイム/アルバイト / 100万円以上~150万円未満 / 専門学校卒

就職先:給食委託会社

キャリア・将来性の満足度 ★★★★☆ 4.0
  • 仕事の将来性

    将来的になくなる職業ではないとおもうし、需要はあるとおもう。

  • 女性の働きやすさ

    こどもの用事は優先させてくれるし、学校行事や急な呼び出しにも対応してくれる

アイコン

山形県の20代後半女性

正社員 / 250万円以上~300万円未満 / 短期大学卒

就職先:給食委託会社

キャリア・将来性の満足度 ★☆☆☆☆ 1.0
  • 仕事の将来性

    資金がなくなるような話をうわさできいたので、会社自体危ないんだなと思いました。この先大丈夫か不安です。

  • 女性の働きやすさ

    女性が多くて、活躍されてる方がたくさんいるので、働きやすいです。仲も良くて環境はとてもよいです。

アイコン

愛知県の30代後半女性

正社員 / 200万円以上~250万円未満 / 大学卒

就職先:障害児施設

キャリア・将来性の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事の将来性

    必要な仕事ではあり、やりがいもあります。 離職率が高いので将来性は分かりません。

  • 女性の働きやすさ

    女性が多い職場でが、 子育て世代が少ないので、妊娠や結婚を気に辞めている人が多いです。

アイコン

滋賀県の30代前半女性

パートタイム/アルバイト / 100万円未満 / 大学卒

就職先:給食委託会社

キャリア・将来性の満足度 ★★★★☆ 4.0
  • 仕事の将来性

    栄養は医療と共に食事に欠かせない分野なので、今後も活躍できる職種であると思います。

  • 女性の働きやすさ

    女性が多い業界でもあるので、公私共に理解があり働きやすい環境であると思います。

アイコン

福岡県の30代後半女性

正社員 / 100万円以上~150万円未満 / 高卒

就職先:病院

キャリア・将来性の満足度 ★★★★★ 5.0
  • 仕事の将来性

    今はさらにお年寄りに寄り添った形が必要なのではと思います。 ご家族と離れている分。

  • 女性の働きやすさ

    皆で助け合いながらの流れ作業のような気もするのでとても気が楽でそれが働きやすいです。

もっと見る(あと28件)
ぴったり専門学校診断

みんなの専門学校情報TOP 調理・栄養 栄養士のキャリア