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公認会計士のキャリアアップの方法は?仕事の現状と将来性を解説!

2022年03月01日

はじめに

公認会計士の初めての仕事は、基本的に監査法人に所属して作業することとなります。その後、何年か経験を積み公認会計士事務所を立ち上げるのが一般的な流れとなるでしょう。こうした具体的な公認会計士のキャリアについて、理解している人は少ないのではないでしょうか。本記事では、公認会計士の現状や将来性、キャリアアップの仕方などを詳しく解説します。

現状について

公認会計士の現状について

公認会計士は医師と弁護士に並ぶ「3大難関資格」として知られています。その難関さゆえに、一度取得してしまえば就職先に困ることはない資格です。
試験の難易度と需要がともに高く、しかし供給量が少ないため、業界でも引く手あまたになるでしょう。さらに、監査法人からコンサルティング業界に転職したり、会計事務所を設立したりと、流動性もあるため働き方の自由度が高い職業です。

公認会計士の業界が直面している課題について〜リスク〜

公認会計士の仕事にはリスクがつきものです。クライアント数が増えるほどリスクが増加するため、いつ仕事がなくなってしまうかわかりません。今まで素晴らしい仕事をしていた公認会計士でも、1度のミスで信頼が損なわれてしまう業界です。一生懸命勉強したにもかかわらず信用問題で公認会計士として活動できなくなってしまう方も少なくありません。

また、監査の報酬は月30万円ほどで設定されていることが多いです。毎年リスクが増えていく上でこの報酬は少し低いと考えることもできます。

さらに、監査法人に所属する場合には毎日新しいクライアントが紹介されます。紹介されたクライアントを断ることはできず、監査がしづらい会社も出てくる場合もあるでしょう。そのような工数のかかる会社に対しても真摯に対応を行う必要があるため、辛いと感じるケースが多いようです。

人間には誰しもミスがあります。そのミスが一切許されない業界ということなので、仕事がなくなってしまうリスクを抱えているのが公認会計士の課題です。

公認会計士の将来性について

社会変化がもたらす公認会計士の需要の減少

現状では監査を行えるのが公認会計士の独占業務とされていますが、公認会計士の業務内容は一部、AI技術に代替される可能性があります。

しかし、公認会計士の仕事は監査だけではありません。監査+コンサルティング業務がある公認会計士は、AIに一部の業務を代替したとしても、企業の需要やニーズは依然として高いままであると推測されます。
また、AI技術をうまく活用できる公認会計士も増加していけば、今後はAIを活用して業務を効率的に行うことができるでしょう。

公認会計士の職場環境の変化について

公認会計士の職場環境として最もメジャーな監査法人は、非常にブラックな職場環境でした。監査を行える公認会計士の数が少なく供給量が足りていなかったため、1人あたりの作業数が多すぎたからです。しかし、近年は職場環境の見直しが行われています。以前はタイムカードを切らずに作業を続けていた監査法人も、近年はしっかりと時間管理を行うようになりました。また、機械でもできる無駄な作業はITツールに任せるなどと、職場環境は良い方向に進んでいるようです。

女性の公認会計士が活躍する場が増える?!

公認会計士は女性が働きやすい環境といわれています。なぜなら、元の職場に復帰しやすいからです。先ほどからお伝えしていることではありますが資格取得難易度が高いことから、公認会計士の数は常に少ないのです。そのため、積極的に育休・産休の取り組みが実施されています。今後もますますそのような環境が構築されていくと予想できるので、女性の公認会計士が活躍しやすくなるでしょう。

公認会計士のキャリアのスタート~就職先~

監査法人

公認会計士の主な就職先としては、監査法人が挙げられます。監査法人とは簡単にいうと、監査を行う目的で公認会計士が集まっている組織です。公認会計士資格を取得した方の9割が監査法人に就職し、キャリアを進めているといわれています。監査法人の就職先としては、「4大監査法人(新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、有限責任あずさ監査法人、あらた監査法人)」が有名です。

税理士法人

公認会計士は、税理士法人にも就職することも可能です。税理士法人とは、税理士が集まっている組織のことをいいます。ここでは監査は行わず、税務・経理のコンサルティングが主な仕事内容となっています。ちなみに、公認会計士は税理士登録をすることで税理士として働くことも可能なため、そのような道に進む方もいます。

コンサルティング会社

コンサルティング会社に勤めるという道もあります。コンサルティング会社とは、会社の財務・経営に関してアドバイスする会社のことです。外資系や監査法人系の会社があり、個人・中小などにも業務範囲が広がります。コンサルティング会社では監査を行うのではなく、あくまで財務・経営のアドバイスが主な仕事内容となっています。

一般企業

一般企業に就職し、自社の監査業務を行う公認会計士もいます。経理部門や財務部門のマネージャーとして活動するという方法です。民間企業・金融機関・信用金庫・地方公共団体などが主な就職先です。

公認会計士事務所

監査法人などで経験を積んだ後、公認会計士事務所を独立開業する方もいます。監査法人からの業務委託を受けて監査を行うケースや、税理士登録して中小企業を主な取引先として監査・税務を行うケースもあります。

公認会計士のキャリアアップの仕方

公認会計士としての技術を高める

公認会計士がキャリアアップを目指すためには、技術を磨く必要があります。具体的には書類を素早く的確に処理する能力です。誤りが一切ないことはもちろん、近年はITツールをうまく活用して素早く処理する能力が求められています。

ほかの資格を取得する

公認会計士が取得すべき資格は、「USCPA」です。こちらの資格を取得することで一定の英語能力があることや米国の会計基準を理解していること、米国税務等の一定の基礎知識を保有していることが認められます。業務範囲を海外法人にまで広げられるため、おすすめの資格です。

独立

公認会計士は経験を積むことで、独立の道もあります。独立すると、これまでは所属組織が行ってくれていた案件の取得・管理を、全て自分で担当する必要があります。つまり、公認会計士が独立する際に必要なスキルは、税務・コンサルティング能力に加えて「営業力」です。独立する際にはクライアントを見つけるところから始めなければならないためです。また、戦略的にコミュニケーションスキルを磨いていく必要もあるでしょう。

転職

公認会計士は転職しやすい職業だといえます。監査法人が主な就職先ですが会社に所属したり、独立起業したりできるためです。

公認会計士の海外進出

公認会計士が海外に進出するためには、先ほどもお伝えしたUSCPAを取得する必要があります。また、各国によって進出する際に必要なスキルは様々です。例えば、アメリカに進出するためには難易度の高いビザを取得する必要があり、中国で働くためには言語の壁があります。このように、進出する地域に合わせて必要なスキルを磨きましょう。

まとめ

公認会計士は3大難関資格であるため、就職や給料面には期待がもてます。将来のキャリアを安定させることも可能です。とはいえ、様々な就業先があるため、未来を見据えたキャリア設計をしないと迷ってしまうこともあるでしょう。まずは目標を明確に設定し、どのようなキャリアを進めていきたいのか考え続ける必要があります。公認会計士資格を取得していない人はまず、資格取得から検討してみましょう。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

経営実務の面から見た公認会計士制度の課題
https://www.lec-jp.com/h-bunka/item/v265/16_19.pdf

実際に働いている人の口コミをチェックしよう!

公認会計士として実際に働く方にアンケートをとり、 「キャリア・将来性」に対する満足度を5段階で評価してもらいました。
実際に働いている人の口コミを参考に、どんな仕事なのかイメージをつけましょう!
実際に働いている人の
公認会計士の「キャリア・将来性」の満足度
★★★★☆ 3.5 (19件)

公認会計士の 「キャリア・将来性」の 口コミ一覧

全19件

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東京都の30代後半男性

正社員 / 850万円以上~900万円未満 / 大学卒

就職先:監査法人

キャリア・将来性の満足度 ★☆☆☆☆ 1.0
  • 仕事の将来性

    法律がある限り仕事がなくなることはないが、若手が業務量やストレスで辞めやすい環境のため、業界自体が人手不足で危機かもしれない。

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茨城県の20代後半女性

正社員 / 400万円以上~450万円未満 / 大学卒

就職先:監査法人

キャリア・将来性の満足度 ★★★★★ 5.0
  • 仕事の将来性

    もっといろんな人の役に立ってハイテクな技術をもって簡略化しもっと効率的な業務ができるようにしたい

  • 女性の働きやすさ

    まだ男性社会な上に女性としての立場があまり確立されていない もっと働きやすい環境になりたい

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東京都の20代前半女性

正社員 / 350万円以上~400万円未満 / 大学卒

就職先:監査法人

キャリア・将来性の満足度 ★★★★☆ 4.0
  • 仕事の将来性

    インフラとしての役割を担っていることから、将来なくなる仕事ではない。 サステナビリティの開示等で成長することも考えられる。

  • 女性の働きやすさ

    目標となる先輩方が多くいる。 時短勤務や残業免除、休日の未就学児の託児所などサポートが充実している。

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福岡県の40代男性

正社員 / 1,000万円以上~1,100万円未満 / 大学卒

就職先:コンサルティング会社

キャリア・将来性の満足度 ★★★★☆ 4.0
  • 仕事の将来性

    少人数の公認会計士が集まって運営している会社であるため、今後の事業ステージを上げるために重要な時期にあると思う。表に出せる成果を具体的に残していきたいと思う。

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東京都の40代女性

正社員 / 850万円以上~900万円未満 / 大学卒

就職先:監査法人

キャリア・将来性の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事の将来性

    現時点では法定の業務があるため安定している。四半期レビューが取り沙汰されているが今後業務が減る可能性は否めない

  • 女性の働きやすさ

    基本的には男女関係ない。担当業界によっては男女ではなく学歴(東大のみなど)でチーム編成される可能性がある。

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