美容部員の仕事内容とは？仕事の魅力・やりがいを解説！

美容部員とは

美容部員の定義

美容部員は、百貨店などで化粧品の推奨販売を行う仕事です。ブランドごとに名称が異なり、ビューティーアドバイザー（BA）、ビューティーカウンセラー（BC）などと呼ばれることもあります。美容部員は法律上の用語ではなく、特別な国家資格を必要としないため、法律では業務範囲に関して明記されていません。

美容部員の仕事内容

美容部員の仕事は主に2通りあります。
1つ目は、百貨店やドラッグストアなどにおいて、お客様の悩みをヒアリングし、その内容を基におすすめの化粧品を提案する仕事です。ときには実際にお客様にメイクを施す（タッチアップ）ことで、商品の使用方法を説明し、購入を促します。
2つ目は、レジ業務や商品の検品などの裏方としての仕事です。過去に来店してくださったお客様へハガキを送付したり、店舗付近でチラシを配布したりもします。美容部員と聞くと1つ目の業務のイメージが強いですが、裏方として倉庫からたくさんの化粧品を運ぶこともあり、意外と力仕事のようです。

美容部員の一日のスケジュール

美容部員の１日は、お客様を迎え入れる準備から始まります。具体的には、店内清掃、商品陳列などがあります。開店後は、来店されたお客様の接客をし、客足が落ち着いたタイミングを見計らって在庫確認などの事務作業を行います。そして退社時には、閉店まで働くスタッフへの引継ぎを行い、１日の業務は終了します。もしも閉店まで勤務する場合は、閉店後にカウンターの片付けやメイク道具の掃除、商品の補充等を行います。

美容部員に必要な資質

厚生労働省による令和2年度賃金構造基本統計調査では、美容部員を含む美容サービス・浴場従事者（美容師を除く）の平均年収は約309万円でした。
一方、国税庁による同年度の民間給与実態統計調査では、日本人全体の平均年収は433万円との結果が示されており、美容部員の給与水準はこれと比較して124万円ほど低いことが分かります。

化粧品への愛

自身が化粧品に興味を持つことが、日頃から流行をキャッチする姿勢に繋がります。また、中にはコスメが大好きなお客様もいらっしゃるため、同じ目線に立って会話をする上でも化粧品への愛は不可欠です。

コミュニケーション能力

自社商品をおすすめするためには、まずはお客様から悩みや要望を聞き出さなくてはなりません。そのため、ただ会話を盛り上げるだけでなく、お客様に安心と信頼を与えられる能力が求められます。

協調性

店舗を運営する上で、スタッフ同士のチームワークは欠かせません。お互いに助け合うことで、お客様を待たせてしまうようなことも防げますし、そうした取り組みが店舗の売上向上に繋がっていきます。

高い意識

美容部員はブランドの顔となるため、人から見られているという意識を持ち、姿勢や表情、話し方などに気を付けなくてはなりません。これらを苦と思わずに楽しめる人に向く職業だと言えるでしょう。

美容部員の魅力

お客様と信頼関係を築ける

化粧品にまつわる仕事は他にもありますが、お客様と直接交流できるのは美容部員ならではの魅力です。中には、接客を気に入って美容部員のファンになってくださる方もいらっしゃいます。顔見知りのお客様が増えれば、自然と日々の業務が楽しくなることでしょう。

美に関する知識が増える

定期研修を通じて常に最新の情報に触れられるため、より一層美容の知識を深めることに繋がります。知識が増えれば接客に自信を持てるようになります。さらにはお客様からの信頼を獲得でき、自身の仕事に対するやりがいにもプラスの影響を及ぼすでしょう。

好きなことを仕事にできる

化粧品が好きな方にとっては、大好きな物に囲まれながらその魅力を発信することができるという点で、素晴らしい職業です。「お客様にも自社商品を好きになってもらいたい」という強い気持ちが探求心を育み、売上などの成果に結びつくことでしょう。

美容部員のやりがい

目の前のお客様を笑顔にできる

今まで使ったことのない化粧品をタッチアップすることで、お客様のコンプレックスが解消されたり、お客様が新しい自分に出会えたりすることがあります。同じブランド・商品であっても、接客が異なればお客様が抱く印象も大きく異なります。自分ならではのおもてなしがしたい方にはおすすめです。

成果が目に見える

多くのブランドでは、個人の売上に応じて追加報酬を支給しているため、自身の接客力に対する評価がそのまま額面に表れます。過去の成績と比較することで、自身の成長を実感したいという方にはおすすめです。

美容部員として大変なこと

給料が低い

令和2年度の厚生労働省による調査では、美容部員の平均年収は347.3万円でした。同年度の日本全体の平均年収が433万円であることを考慮すると、美容部員の年収は比較的低いといえます。加えて、同調査における美容部員の平均年齢は41.7歳であることから、若いうちの年収はより少なくなります。

立ち仕事である

美容部員の仕事は立ちっぱなしの状態が続くため、足腰への負担がかかります。お客様が少ない時間帯であっても、制服を綺麗に着こなした状態でカウンター前に立って待機していなくてはなりません。そして、お客様がいらっしゃった際には疲れを見せず、笑顔で接客する必要があります。

人間関係に気を遣う

美容部員にはストイックな女性が多いこともあり、先輩や同僚との関係に気を遣う場面が多いようです。1店舗には数人しか配属されないため、気の合わない相手がいたとしても必ず関わらなくてはなりません。また、店舗によっては売上のノルマが厳格に設定されており、それが原因でギクシャクすることもあるようです。

まとめ

化粧を通じてお客様の美を支えられるという点で、美容部員は素敵な仕事です。接客や美に関して高い意識を持つ方にはおすすめです。ただし、それらが裏目に出てストレスの原因となることもあるため、精神的にも肉体的にも、決して楽とは言えない職業です。しかし、それ以上に魅力とやりがいが詰まっている職業でもあります。同じ商品でも、接客によってお客様が抱く印象は大きくことなるため、自分にしか創出できない価値を提供することができます。