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建築士の仕事内容とは?仕事の魅力・やりがいを解説!

2022年03月01日

はじめに

デザイン性と機能性を兼ね備えた建物をつくる建築士の仕事とは、実際どのようなものなのでしょうか。この記事では、建築士の仕事内容や仕事の魅力、やりがいについて詳しく紹介します。建築士を目指している人は、ぜひ参考にしてみてください。

建築士とは?

建築士の定義

1950年7月1日に公布された建築士法の第二条によると、建築士とは「一級建築士、二級建築士または木造建築士をいう」と定義づけられています。また、職責には「業務に関する法令及び実務に精通して、建築物の質の向上に寄与するように、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない」と明記されています。
なお、資格の種類によって認定機関が異なり、一級建築士は国土交通大臣、二級および木造建築士は都道府県知事からの免許交付となるようです。

建築士の仕事内容

建築士の仕事は、顧客のイメージする建築物を設計することです。予算や用途など、顧客の要望を最大限に取り入れて理解したうえで、建築法に基づいた設計図を作成します。図面には、形状だけでなく、耐久性から使用する材質までさまざまな要素を落とし込まなくてはなりません。
工事現場に足を運び、建築に携わる職人や業者と打ち合わせをしたり、指示を出したりするのも建築士の役割です。また、進捗状況を施工主に伝える役目もあります。1つのプロジェクトを終えるまでに多くの人と関わるため、コミュニケーション能力や責任感が必要な職業です。

建築士に必要なスキル

建築士に求められる基本的なスキルは、設計製図をはじめ、建築基準法・都市計画法などの法律的な知識、構造知識、工事現場においての監督法などが挙げられます。設計製図では、顧客からヒアリングした内容を基に、予算に合わせたデザインや設備を設計します。
現在では、建築の分野でもデジタル化が進んでいるようです。そのため、手書きの製図だけでなく、パソコン上でCADというソフトを動かして作図し、インターネットを介して顧客に製図を提出するケースも増えてきています。設計業務は、構造設計・設備設計・意匠設計の3つに分類されます。

構造設計は、台風や地震が起きた際の安全性を確保するために行うものです。柱の太さや鉄筋の最適な数を導き出すために必要な設計です。設備設計は、空調・音響・給排水など、建物の利用者が快適に過ごすために重要な役割を持ちます。意匠設計は、建物の外観デザインや内部空間で、主にデザインと呼ばれる分野です。間取りも意匠設計に含まれます。
知識に関するスキルは、建築士の資格を取得した時点で大半が身に付くものです。今後の建築士には、これまで以上にコミュニケーションスキルが求められるようになるでしょう。現在多くの業界でAIの導入が進んでいますが、将来的には建築業界においても、設計やプランニング、図面の作成がAIに取って代わるといわれています。

AIに代替えできない業務が提案と交渉です。顧客の期待を超えた魅力的な提案や、それをアピールするための伝達力、話し合いの中から直感で生まれたイメージをフリーハンドで描き説明するなどの臨機応変さは、人間にしかできないことです。

建築士の一日のスケジュール

企業に勤める建築士の一日は、メールチェックから始まります。残業がなければ、18:00頃に退社となりますが、締め切り前は深夜まで作業が及ぶ場合もあります。

建築士の一日のスケジュール例 建築士の一日のスケジュール例

建築士に必要な資質

提案力

建築士が依頼を受ける顧客のすべてが、建築に関する詳しい知識を持っているわけではありません。顧客が理想とするイメージを捉え、自分のアイデアを分かりやすく伝える力が必要です。

創造性

ゼロから建物をつくり上げる建築士にとって、創造性は欠かせない要素です。常に新鮮な情報を集め、知識を積み重ねていくのが苦にならないという人は、建築士に向いています。

理系が得意

物理や化学、地学、数学が得意な人は、建築士としての適性が高いといえるでしょう。建築物を設計するには、あらゆる理系の学問が必要です。ただし、理系科目が得意なことは必須ではありません。

芸術への興味

建築士は、住宅から公共の施設までさまざま形状の建物をデザインします。使う材料を選んだり、色合いをうまく調和させたりするには、芸術的なセンスが必要です。幅広い分野に興味を向け、美的感覚を磨き続けていける人に適した仕事です。

建築士の魅力

理想を実現

衣食住といわれるように、住まいは人の生活にとってなくてはならないものです。建築士の仕事には、ライフステージの変化に伴うリフォームなども含まれています。より快適で安全な暮らしを求める顧客のニーズに応えることで、住む人に直接貢献できます。

社会に貢献

建築物は、何十年といった長い期間その場所に残り続けます。自分の設計した建物が後代に受け継がれていくのはとても名誉なことです。また、図書館や学校、商業施設は、その街や都市の一部になり人々の交流の場としてあり続けます。その分、責任の重い仕事でもありますが、社会的役割の大きさを目で見て実感できる職業です。

独立開業

経営のノウハウを学べる設計事務所に長く勤め、十分な経験を積んでから独立開業する建築士も多くいます。独立すれば自分のペースに合わせて仕事がしやすくなるため、過酷な勤務状況を改善するために開業するケースも多いようです。技術力やデザイン性が高く評価されれば、企業に勤めるよりも大幅に収入アップする可能性もあります。

建築士のやりがい

人びとが集まる場をつくるのが建築士の醍醐味です。自分の手掛けた建物を多くの人が利用している光景を目にすれば、社会に貢献していると強く実感できます。建築物の規模によっては、完成するまでに1年以上の長い月日を要するものもあります。
図面に描いた線がやがて建物となって形づくられ実際に竣工した瞬間は、大きな喜びが感じられるでしょう。建築士の仕事は依頼ごとに条件が異なります。積み重ねた経験から常に新しいアイデアを生み出す大変さと楽しさが、プロジェクトに対する意欲へとつながる仕事です。

建築士として大変なこと

締め切りが厳しい

建築士の仕事において、もっとも過酷とされるのが締め切り前のプレッシャーです。設計に納得いくかどうかは、建築士が一方的に決められるものではありません。顧客から修正の要望が入れば、何度もやり直しが発生するといったケースもあります。そのため締め切り前になると、職場に泊まり込みになることも珍しくないようです。

法律遵守

建築士は、建築基準法を守って製図を仕上げなくてはなりません。デザイン性の高い建物を設計する際には、どこまで実現できるのかを的確に判断することが求められます。デザイン性と安全性を可能な限りハイレベルで両立させるために、常に新しいアイデアを生み出す能力も必要です。

顧客とのやり取り

建築士の仕事は技術力だけでは成り立ちません。顧客に対するヒアリングの中から要望をうまく引き出したり、より良い関係性を構築したりするのも大切です。十分な打ち合わせを行えなかった場合には、クレームにつながるリスクが高まるため、限られた日程の中で、顧客との綿密なやり取りは欠かせません。

まとめ

建築士は、建築物の製図や工事管理を担うプロフェッショナル性の高い職業です。一級建築士になれば、住宅から大規模な施設まで制限なく設計に携われます。思い描いた建築物が実際に形になるのは、建築士にとっての大きなやりがいです。
法的な規則や締め切りの厳しさなど苦労は絶えません。しかし、建築物が竣工した際には、実際に手掛けた人でなければあじわうことのできない達成感が得られます。末永く形に残るものを創造する建築士は、社会にとって不可欠な存在といえるでしょう。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC1000000202
【建築士の仕事】仕事内容、やりがい、大変さ、将来性は?
https://sekou-kyujin.com/learn/job/detail/60/#index_id3

実際に働いている人の口コミをチェックしよう!

建築士として実際に働く方にアンケートをとり、 「仕事内容」に対する満足度を5段階で評価してもらいました。
実際に働いている人の口コミを参考に、どんな仕事なのかイメージをつけましょう!
実際に働いている人の
建築士の「仕事内容」の満足度
★★★☆☆ 3.4 (25件)

建築士の 「仕事内容」の 口コミ一覧

全25件

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愛知県の40代男性

業務委託契約の事業主 / 550万円以上~600万円未満 / 大学卒

就職先:建築設計事務所

仕事内容の満足度 ★★★★☆ 4.0
  • 仕事内容

    他の仕事を経験したことがないので比較するに十分な経験がありません。

  • ワークライフバランス

    仕事とプライベートのバランスはいいほうだと感じていますのでこの点数にしました。

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福岡県の30代後半男性

正社員 / 450万円以上~500万円未満 / 大学卒

就職先:建設会社

仕事内容の満足度 ★★☆☆☆ 2.0
  • 仕事内容

    建設業は工期が重要です。品質の高いものを建てることは技術屋として当たり前のことですが、その品質を確保しつつ工期内に建てるということは少なくとも時間的な制約が、つまり残業してでも工期は守らないといけません。大変ですが、やりがいにつながる部分です。

  • ワークライフバランス

    工期を守るため、公共事業では週休2日になってきている現場もあるようですが、週休2日でも祝日は仕事です。公共事業ですら休日返上して仕事をしなければなりませんので、民間工事だとお客様の工期の方が優先で、休みがない場合もあります。

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東京都の30代前半男性

正社員 / 400万円以上~450万円未満 / 専門学校卒

就職先:建設会社

仕事内容の満足度 ★☆☆☆☆ 1.0
  • 仕事内容

    就きたい職業についてるわけでもなく、体力的にもキツくなってきているからやらなくていいならやらない

  • ワークライフバランス

    今の所休みの日数には満足しております。 ただ朝が早く、帰る時間も少し遅くなってるので満足とはいかないから

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東京都の40代男性

正社員 / 350万円以上~400万円未満 / 大学卒

就職先:建築設計事務所

仕事内容の満足度 ★★★★★ 5.0
  • 仕事内容

    基本設計の段階から試行錯誤し、実施設計の後、確認申請や適合性判定などを経て、工事でも様々な対応もありますが、何よりもやはり建物が出来上がった時はとてもやりがいを感じます。 ただでさえ、建物の安全を左右する設計を行うため、細心の注意も必要な上、設計工期がとてもタイトなことが多いことが大変なところです。

  • ワークライフバランス

    仕事の繁忙期が不定期なことが多く、忙しいときはやたら忙しいことがある点はあまりよくありませんが、仕事のコツさえ掴めば定時内に終わらせることが可能であることがよかった点です。 業界全体では週休二日のところも多いですが、自分のところは完全週休二日制で、夏に長期休暇があります。

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東京都の30代後半男性

正社員 / 400万円以上~450万円未満 / 専門学校卒

就職先:建築設計事務所

仕事内容の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事内容

    やりがいと大変さのバランスは悪い。 しかし、両親は喜ぶのでその点だけは満足している。

  • ワークライフバランス

    コロナ渦以降は改善されたが若い頃は終電、徹夜は当たり前。 残業代の概念もありません。

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