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芝浦工業大学附属中学校 インタビュー
校長 佐藤 元哉先生/中学3年 大村 颯汰さん/中学3年 宮越 美希さん
【佐藤先生】 本校の魅力をひと言でいえば、「理系マインド」を刺激する「仕掛け」がたくさん用意されているということでしょう。理工系大学の付属校として、大学との連携や、分野横断的な学びであるSTEAM教育は、こうした言葉が世に知られるずっと以前から本校の強みでした。近年、その強みをますます拡充させているところです。
まず、高校だけでなく中学のうちから大学と連携した教育を行うことで、早くから理工学分野の興味を育て、学びのモチベーションを引き出します。特別授業も充実しており、中学1年生は「工学わくわく講座」でスパゲティを使って最も強度の高い橋を作成する「パスタブリッジ」のワークショップを行い、材料工学をベースに工学の奥深さを体験。2年生は「ロボット入門講座」で「ビートル」というロボットを制作し、ロボコンのような競技に挑戦。3年生は「モノづくり講座」でデザイン工学の基礎を学び、プロトタイプの作成に取り組む。これらは芝浦工業大学のキャンパスで行われることもあり、生徒達は大学での学びの一端に触れて胸を躍らせています。
また、探求学習では「SHIBAURA探究」という独自のカリキュラムを導入しました。様々な体験を積むワークショップやコミュニケーション活動を通して、自発的な問題発見やそれを解決する力を育てることを目指しています。
さらに、「理系」ではなく「理工系」教育を行う学校として、科学だけでなく技術・工学・情報・数学・芸術などとの学際的な学びにこだわり、「ショートテックアワー(国語・英語・音楽など、すべての教科と科学技術との関わり合いを学ぶ授業)」や「サイエンス&テクノロジーアワー(教科書を超え、多様な理工系の専門分野に親しむ授業)」といった独自の科目を展開しているのも本校の特色でしょう。
もちろん設備や行事、部活や課外活動などでも、生徒の興味を刺激するさまざまな仕掛けが整っています。未来のエンジニアたちが夢中になって学びを深めていける環境が本校の魅力だと自負しています。
【佐藤先生】 時代の先を見据え、理工系の知識で社会課題を解決できる人材の育成を目標としています。「IT(Information Technology)」と、「GC(Global Communication)」の二つの分野で構成されますが、最終的にはこの二つで培った技術や思考力、表現力を駆使して社会問題の解決に向かいます。具体的な内容は、実際に体験した生徒達に聞きましょう。
【宮越】 ITは「誰かの役に立つモノ・コトづくり」がテーマなのですが、私が印象に残っているのは、東京メトロの方に困っていることを伺い、その解決に取り組んだことです。私のクラスは「トイレの修繕費が高い」という問題についてグループで考えました。どの部分がよく壊れるかなどの資料も見せてもらい、使い方の荒さに問題を感じたので、丁寧に使えるようにする方法として、気持ちを落ち着かせる音楽を流す、汚したくなくなるほど超きれいな壁紙を貼るなどの案を出しました。
【大村】 あの授業は面白かったですね。うちのクラスは「地上にある橋の鳥の巣による被害」についてでした。僕のグループの案は、橋の近くに小さな鳥小屋を作り、そこに鳥を呼び込もうというもの。他のグループは鳥を追い払うアイディアが多かったので、斬新だと評価されて嬉しかったです。
【佐藤先生】 宮越さんたちの精神面に働きかけるという発想も、大村さんたちの追い払うのではなく「誘導する」という発想も素晴らしくて、東京メトロの方々も感心していたよね。
【宮越】 面白かったのは、グループごとにアイディアがほとんどかぶらなかったこと。他のグループの発表を聞いて、様々な視点を知ることができました。
【大村】 発表の時間も楽しいですね。いろんな案をまとめて整理して、パワーポイントで資料も作る。発表に至るまでのプロセスが大変なので、達成感があります。
【佐藤先生】 まずパソコンの使い方を徹底的に教わるんだよね。パワーポイントやエクセル。3年生はCADもやるんでしょう。
【宮越】 先日の授業では、CADでデータを作り、3Dプリンターでキーホルダーの作成をしました。私は芝浦に入るまでは全然パソコンができなかったのですが、おかげで慣れましたし、困ったら得意な子が教えてくれるのもとても嬉しいです。
【宮越】 GCで楽しかったのは、修学旅行先の長野県の課題に取り組んだことですね。この時は課題も自分たちで設定しました。私は廃校になった小学校の活用をテーマにし、実際に活用例を見に行きました。地元の人が通うジムやレストランになっているほか、「学校に泊まれる」、「廊下を走れる」という価値観も新鮮でした。
【大村】 僕は長野県の少子化問題について考えました。面白かったのはやっぱり発表の時で、「探求デイ」という成果発表会で発表したのですが、専門家や保護者など多くの人から講評をいただきました。
【佐藤先生】 他校の先生や協賛企業も招き、ZOOMも併用したのでかなりの人数でしたね。
【宮越】 いい評価を受けることも嬉しかったし、逆に「それ、違うんじゃない?」と別の見方を教えてくれる方もいて、衝撃的でした。それを元にみんなで考え直すのも楽しかったです。
【大村】 ITもGCも課題解決型の授業が多く、みんなで取り組むのがとても楽しい。対立する案をまとめたり、発表用の資料を作ることなども含めて、これらは社会に出ても必要なスキルなんじゃないかと思うんです。芝浦では6年間、そうした取り組みを積み重ねていけるので、相当なアドバンテージだなと感じます。
【大村】 体育の先生がゴール判定のシステムについて話して下さったのがとても面白かったです。どんな技術が使われているか、カメラはどこにつけるのがよいかというような。僕は体育が苦手なので、体育の時間に好きな理科の勉強ができたというのもあるのですが(笑)
【宮越】 私は国語の先生がやってくださったAIでの文章作成についての授業が印象深かったです。使うサイトによってできる文章が全く違い、AIが何を考えているのかを探るのが面白かったです。
【佐藤先生】 家庭科の先生が宇宙食の話をしたり、歴史の先生が五重塔の建築技術について話したりね。すべての教科の先生が、自分の担当教科と科学技術の関わりについて、何かネタを用意して話すんです。大変ですが、結構、先生自身も楽しんでいます。これはまさに芝浦らしい取り組みで、理系の先生のみならず、全教科の先生が、将来理工系に進む生徒達を全力で応援していることのひとつの現れです。
サイエンステクノロジーアワーは、教科書の学びから飛び出し、多様な理工系の専門分野に親しんでもらうためのプログラムです。3年生の科目だけど、もう何かやったかな?
【宮越】 前回は自分のDNAを採取して、遺伝子を見てみるというのをやりました。後半の授業では、遺伝子組み換えも行うというので、楽しみにしています。
【宮越】 実は私は勉強があまり好きではないんです。わからないことも多いし。でも、そういう時に、先生方や詳しい友達に気軽に教えてもらえて、不安があってもすぐに解消されるのがとてもいいと思います。理工系の学校なので、ゲームやアニメなど、趣味のあう人も多いですし、プログラミングがすごく得意な子などもいて、得意分野を教え合うのは日常的な風景ですね。
【佐藤先生】 みんな様々な興味や関心を持っていて、普通の学校なら「変わってるね」で終わるようなことも、芝浦ならみんなでワイワイ盛り上がれるというのはあるでしょうね。
ところで宮越さんは、ビジコンにも出ていたよね。
【宮越】 去年、芝浦工大が主催の芝浦ビジネスモデルコンペティションに出ました。「熱れー」という、ホッカイロのようなものですが、夏は冷たく冬は熱くと温度を変えられるようにして、駅など寒暖差の激しい場所で貸し出すというものです。
【佐藤先生】 何と大学生を抑えて最優秀賞を受賞したんです。大学側が悔しがっていたなあ(笑)
【宮越】 そういうコンテストのチャンスが多かったり、大学の先生のサポートを受けられたりというのも学校の魅力ですね。
――大村さんにとっての学校の魅力は?
【大村】 僕の場合、やはり勉強は好きではなく、最初の成績は学年で最下位から3番目くらいでした。でも、道徳の時間にゴール設定のようなことをやったんです。僕は幼稚園の頃から宇宙飛行士になるという夢を持っていましたが、そのゴール設定をきっかけに、夢と今やるべきことが結びつきました。そこから勉強を頑張って、今は成績も34位になりました。やる気ってなかなか出てこないものですが、芝浦は、僕のスイッチを押してくれたと思います。
【佐藤先生】 本校では、本科内に自習をする時間もあります。自分に必要な勉強を自分で考えてやる。自分で考えることでしかモチベーションは生まれないんです。
【宮越】 自習の時間は集中するので、案外あっという間に過ぎますね。家で勉強できないタイプなので、放課後も自習室や図書室によく行きます。
【大村】 僕もそうですね。学校で勉強して、家に帰ったら趣味の時間。
【佐藤先生】 そうやってどんどん自分の世界を広げていってくれたら、こんなに嬉しいことはありません
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