テーマパークスタッフの平均年収はいくら？具体的な金額や年収アップのポイントを解説！

テーマパークスタッフの平均年収は？

全業種・業種毎の平均年収との比較

厚生労働省によって行われた令和2年（2020年）賃金構造基本統計調査によると、テーマパークスタッフを含む娯楽場等接客員の平均年収は約356万円です。これは日本人の平均年収と比較してどのような感じなのでしょうか？

国税庁によって調査された令和2年の全業種の平均年収は、およそ433万円といわれています。つまり、テーマパークスタッフの平均年収は、日本でサラリーマンとして働く人の平均年収に比べて77万円ほど低いというデータが出ています。なお、テーマパークスタッフの月給平均は26万円程度、ボーナス平均は42万円程度が相場です。

経済産業省の平成30年（2018年）特定サービス産業実態調査報告書によれば、テーマパークスタッフの属する「公園，遊園地・テーマパーク」の対個人サービス業については、全スタッフのうち正社員の占める割合がわずか16％ほどと低く、パートやアルバイトなどの雇用形態が大多数を占めています。
また、同調査では「公園，遊園地・テーマパーク」における従業員一人当たりの年間売上高は1,446 万円となっていて、同じ対個人サービス業である「冠婚葬祭業」の1,735 万円を289万円下回っています。

冠婚葬祭業に属する職業といえば、例えばブライダルコーディネーターが挙げられます。先述の賃金構造基本統計調査では「営業・販売事務員」に含まれますが、その平均年収は約452万円です。約356万円のテーマパークスタッフはそれより約96万円下回っています。以上のデータより、対個人サービス業という括りで見ても、テーマパークスタッフの年収は高いと言えません。

テーマパークスタッフの平均年収が低い理由は？？

テーマパークを経営する企業については、企業間の格差が非常に大きくなっています。「東京ディズニーリゾート」や「ユニバーサルスタジオジャパン」のような大規模テーマパークでは、高い収益を上げていて、社員の平均年収も高くなりますが、それはほんの一握りの企業にすぎません。

これに対して、大半を占める中小規模のテーマパークでは、収益が極端に低い企業が多く、なかには赤字で経営が非常に苦しい企業もあります。そのため、テーマパークスタッフ全体では、平均年収が低くなってしまうと考えられます。

テーマパークスタッフの雇用形態別(正規・非正規・パート・アルバイト）の給与比較

テーマパークスタッフは正社員以外にも、契約社員、アルバイト、パートといった雇用形態があります。インターネットの求人情報サイトで求人募集中の給与を雇用形態別に調べてみると、正社員と契約社員の場合、基本は月給制であり、正社員は月給17万～25万円ほど、契約社員は月給15万円〜21万円ほどとなっています。正社員よりも契約社員の方が月給は低めです。

アルバイト、パートの場合、基本は時給制であり、850円～1200円ほどです。仮に毎日8時間、月に21日間働いたとすると、アルバイト・パートは月給14万円～20万円ほどになります。

テーマパークスタッフの勤務先別（規模）の給与比較

テーマパークスタッフの年収は、勤務先であるテーマパークの規模が大きくなるほど、平均年収も上がる傾向が見られます。先ほども説明した通り、大規模テーマパークでは高い収益を上げていることが関係していると考えられます。

※表のデータは「娯楽場等接客員」のものであり、娯楽場等支配人やスポーツ施設係なども含まれ、テーマパーク以外にも映画館、ゲームセンター、パチンコ店、ゴルフ場などの接客員のデータも含まれています。

テーマパークスタッフの地域別（エリア別）の給与比較

東京の平均年収は504.5万円で、最も高い地域となっています。一方、平均年収が最も低い地域は沖縄県で257.4万円です。
参考として、平均年収が高い順に2番目以降を示すと、神奈川県401.4万円、愛知県391.5万円、静岡県390万円、茨城県383.5万円、石川県383.4万円、大阪府371.6万円、愛媛県369.8万円、千葉県363万円と続きます。また、平均年収が低い順に2番目以降を示すと、秋田県276.7万円、鳥取県284.2万円、岩手県284.6万円、和歌山県295万円と続きます。
大きな都市がある都道府県の平均年収が高い傾向にあることが読み取れるでしょう。

テーマパークスタッフの年齢・性別の給与比較

厚生労働省の調査によると、テーマパークスタッフを含む娯楽場等接客員の平均年収は、40代までは年齢の上昇に伴って上がっていき、平均年収が最も高い年齢層は45～49歳です。しかし、50代以降は年齢の上昇とともに平均年収が下がっていく傾向がみられます。

また、男女によっても平均年収が変わり、厚生労働省の調査によると、平均年収は女性よりも男性のほうが大幅に多くなっています。

将来、給料を上げるには？！

正社員を目指す

先述のように、テーマパークスタッフの大半は、アルバイト・パートなど非正規雇用のスタッフです。しかし年収の高さを重視するなら、正社員として雇ってくれる職場を選ぶのがよいでしょう。または、パートや契約社員として働き始めるとしても、正社員登用ありとしている職場を選び、正社員になれる条件を満たすように努力します。正社員となれば、テーマパークで働くアルバイトやパートのサポートや指導が主な業務になってきます。給料アップは望めますが、お客様に対しての接客力だけでなく、マネジメント力も必要になります。

高年収の企業に転職する

正社員として雇用されたものの年収に不満がある、しかしテーマパークスタッフの仕事が大好きなので異業種には行きたくない、という場合もあります。そのような場合は、競争率は高いと思われますが、企業規模が大きく人気の高い企業に転職するのも1つの手です。テーマパークも規模によって給与に差があるので、より待遇のよい場所を選べば高収入が見込めるでしょう。

まとめ

テーマパークスタッフの年収は、平均的な年収よりは低いのが実情です。しかし、雇用形態や働くテーマパークによっても、平均年収に大きな違いが出てきます。テーマパークという非日常的な空間で、お客様を笑顔にする仕事をしたいと願う方も多いことでしょう。もしこの仕事をしながらで年収アップを図りたいのであれば、まずは正社員を目指すことが大切です。また狭き門であっても、より高い収益を上げていて、年収が高い他のテーマパークへの就職や転職を目指してみてはいかがでしょうか。