美容部員のキャリアアップの方法は？仕事の現状と将来性を解説！

現状について

美容部員の現状について

美容部員は化粧品ブランドに所属して、各々の売り場に配属され、店頭で接客を担当する仕事です。化粧品メーカーの数は多く、日本だけでなく、外資の化粧品を扱っているところもあります。男性スタッフもいますが、多くは女性スタッフが担当し、デパートなど百貨店の美容部員はメーカーの正社員や契約社員が多いものの、パートやアルバイトとして働いている人もいます。給与はほとんどが月給制で、専門職という位置づけで能力に応じたインセンティブが設定されています。美容部員は対面での接客効果があり、未来のAIでもたやすくできない仕事として位置づけられています。また近年では海外で人気となっている日本製化粧品もあり、国内外問わず注目が集まっています。

美容部員の業界が直面している課題について～顧客の減少～

化粧品業界が直面している国内顧客のターゲットの減少があります。少子化問題にもあるように、今後ますます日本の人口は減少していくと予想されています。またインターネットの普及もあり、最近では化粧品オンラインショップが急増し、国内メーカーから海外の並行輸入品まで、パソコンやスマートフォンから簡単に購入することが可能になっています。こうしたオンラインショップが今後も増加していけば、店舗での販売が減ってしまうリスクが考えられます。国内市場が縮小していく中で、大手化粧品メーカーではグローバル展開に力を入れており、新規事業の開拓も今後期待されています。

美容部員の将来性について

社会変化がもたらす美容部員の需要の増加

美容部員の需要状況も最近では大幅に変化しています。店舗による対面やネットのオンラインどちらでも活躍できる美容部員の需要が求められています。日本最大級のコスメ・化粧品・美容の総合情報サイト「@cosme（アットコスメ）」を運営している会社では、化粧品ブランドが抱える美容部員のネットのオンラインでできるコミュニケーション方法を模索しています。それに伴ってデジタルの知識が高い美容部員の教育や輩出を始めています。今後美容部員を目指すなら、デジタル知識が高ければ幅広い需要が見込めそうです。

美容部員の職場環境の変化について

近年ではコロナが流行したことで、化粧品業界では店舗の美容部員によるデジタル接客を行うアプリの導入も進んでいます。店頭で働く現役美容部員の日頃のスキンケアアイテムの紹介やメイクアップ画像などの投稿で、サイトに訪れたお客は自分自身の肌質や顔立ちといった特徴のよく似た美容部員のコスメ情報を参考に、商品を選んで購入することが可能になりました。また、美容部員のチャットや電話、ビデオ通話で現役の美容部員やメイクアップアーティストに自身についてリアルタイムにカウンセリングを受けることができ、化粧品について気軽にアドバイスを受けられるという魅力的なサービスも出てきています。

美容部員のキャリアのスタート～就職先～

化粧品メーカー

美容部員の進路として一般的な就職先は化粧品メーカーとなっています。社員として雇用されると、入社後に自社ブランドの商品知識や商品を自在に使ったメイクアップ方法を徹底的に学びます。それに加え、接客方法やメイクアップ、スキンケアに至る研修を一通り受けて店頭に立ちます。大手の化粧品メーカーでは、美容部員の採用人数も多いです。

化粧品専門店

化粧品専門店は化粧品メーカーの社員とは違い、店舗が取り扱うさまざまなすべてのブランド化粧品の販売をします。そのため、各々のブランドの特長を知り、お客様に説明することができる豊富な商品知識やコミュニケーション能力が必要になります。

ドラッグストア

化粧品専門店同様、配属した店舗の取り扱う多くの化粧品を販売します。商品の陳列にはじまり、在庫確認や発注といったバックヤードの仕事も担うため、店舗管理能力も問われる傾向にあります。

大手ショッピングモール

化粧品ブランドの販売員として売り場に立ちます。店頭での売上実績や接客経験が評価につながりやすく、各店舗を統括する店長といった、店舗の管理職に昇格する道もあります。自社ブランドの化粧品の経験値が高くなると、店舗開発や商品開発を携わるという道に進む場合もあります。

メイクアップアーティスト

TV業界で活躍できるメイクアップアーティストは、出演する方が魅力的に見えるためのメイクを施します。働き方としては、変則的なシフトの中で活動することが多いようです。高いメイク技術と磨かれたセンスが問われ、不規則な勤務体制でも乗りきれる体力が必要とされます。

美容部員のキャリアアップの仕方

美容部員としての技術を高める

美容部員としてタッチアップ技術や販売スキルを磨いていけば、顧客の定着にもつながりやすくなります。そうすることで化粧品ブランドの売り上げ実績の向上にもつながります。結果的に、リーダーや店長という役職に推薦、任命されやすくなり、キャリアアップも目指せます。また口コミが広まれば、SNSなどネットでの活躍にも幅を広げられるでしょう。

資格を取得する

「日本化粧品検定」や「日本メイクアップ技術検定」といった資格を所持すると、化粧品という専門の知識に特化していることを証明できます。「ビジネスマネージャー検定試験」といった資格では、あらゆるマネージャー基礎知識を学べ、企業組織の要として活躍していけるような内容です。企業での重要な役割を担っている「マネージャー」への昇格を目指す際には、持っておくと良い資格といえます。

教育トレーナー

美容部員として化粧品メーカーの豊富な販売経験を持つようになると、専門学校や企業の教育トレーナーや研修講師としての活躍の場もでてきます。今まで培ってきた膨大な商品知識やメイクアップ技術の高さが学校のカリキュラムの組み立てや教材の礎となり、技術の高い生徒を輩出することが期待されます。

転職

今まで勤めてきた化粧品ブランドから転職し、勤務形態や評価制度など重視したいポイントが満たされているのであれば、転職先がこれまでの経験や実績、スキルといったものをしっかり評価してくれる企業もあります。転職前よりも高い給与設定になることもあるようです。

美容部員の海外進出

美容専門学校では、メイクアップ、スキンケアといったタッチアップ技術や販売接客マナーなどを幅広く学び、美容部員としての基礎となる知識や技術を身につけることができます。大手化粧品メーカーと提携していることも多く、インターンシップ制度を導入していることや、有名企業の就職説明会を実施している学校もあるため、登竜門としても有利な制度があります。メイクスクールでは、メイクアップの基礎知識や技術を学びたいと考えている人に向けた講義をおこなっている学校です。美容専門学校よりメイクの実践、技術の実務に役立つ習得に特化した充実したカリキュラムが組まれています。

まとめ

美容部員の関わる業界では、少子高齢化による国内市場の縮小や、オンラインショップの台頭による店先販売の減少などネガティブな動向があることが分かりました。一方で、海外市場における需要の増加やオンライン方式での販売が期待されています。美容部員は、美容部員ならではの商品知識やタッチアップスキルで、本当にお客様にあった商品を一緒に選ぶために必要とされる職業です。今後美容部員を目指す際には、単にメイクやスキンケアの知識を詰め込むだけではなく、お客様のニーズを捉え、的確に伝えるコミュニケーション力を養うことが大切だといえるでしょう。