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美容師に必要な資格とは?取得するメリットを解説!
2022年03月01日はじめに
この記事では美容系に関する国家資格である美容師について、資格の概要、資格があることで就ける職業、資格の取得方法、試験の概要などを紹介します。
目次
どんな資格?資格概要
美容師とは、美容院やヘアサロンで髪を切ったり、パーマをかけたりする技術者のことを指します。2002年の美容師法改正により、美容室でのインターンも含め、美容師としてお客様の髪へ施術を行うためには「美容師免許」が必須となりました。一度取得した免許は、美容師業務の停止処分に違反しない限り、生涯有効です。
美容師免許があるとできる仕事
美容師・ヘアメイクアーティスト
美容師は美容室やサロンで勤務するのに対し、ヘアメイクアーティストはフォトスタジオなどで勤務します。どちらもヘアアレンジを行いますが、美容師の場合はカットやカラー、パーマといった施術が仕事の中心です。一方、ヘアメイクアーティストはテレビや雑誌の撮影用にモデルのヘアセットを行ったり、ブライダルサロンで一般人のヘアセットを行ったりします。どちらの仕事も美容師免許のみで就業可能ですが、ヘアメイクアーティストは衣装に合ったヘアメイクを施す必要があるので、ファッションに関する知識やセンスも必要になります。
管理美容師
管理美容師は美容師の一種です。独立して自分のサロンを開設する際に、衛生面での責任者となる人のことを指します。美容師免許の他に「管理美容師免許」が必要となります。管理美容師免許は、①美容師免許の取得後3年以上美容の業務に従事、②都道府県知事が指定した講習会の課程を修了、の2点をクリアすると取得できます。
訪問美容師(福祉美容師・介護美容師)
訪問美容師は、美容室へ足を運ぶことが難しい高齢者・障害者・妊婦などを対象に、ご自宅や病院まで赴いて施術を行います。そのため、福祉美容師・介護美容師と呼ばれることもあります。美容師免許のみで就業可能ですが、日本理美容福祉協会が主催する「福祉理美容師」や、日本訪問福祉理美容協会が主催する「訪問福祉理美容師」の資格があると役立つでしょう。いずれも1-2日で取得可能です。
アイリスト
アイリストは、まつ毛エクステンション(まつエク)・まつ毛パーマ(まつパ)・まつ毛カラー等を施術する仕事です。2000年前後は法的な規制がなく、誰でも施術を行うことが可能でした。しかし、施術によって引き起こされた「目の充血」や「まぶたの腫れ」の相談件数増加を受け、2008年より美容師資格が必須となりました。
ヘッドスパセラピスト
ヘッドスパセラピストは、ヘッドスパを施術する仕事です。法的には資格は必要ありません。しかし、美容師免許保持者を積極的に採用するサロンが多いことから、美容師免許を取得しておくと良いでしょう。
美容師免許を取るには?
美容師免許取得までの流れ
美容師免許の取得にあたっては、おおまかに「美容専門学校での就学」「美容師国家試験の受験」が必要になります。まず、高等学校もしくは大学を卒業した後、美容専門学校へ通います。ただし、美容専門学校ならばどこでも良いというわけではなく、国(厚生労働大臣)の認可を得ている専門学校でなければ、美容師国家試験の受験資格を得ることができません。また、一部の美容専門学校では中卒者の受け入れも行っています。
その後、専門学校2年生の冬 (通信課程通学者は3年生の夏) に美容師国家試験を受験します。試験は実技と筆記から成っており、それぞれで合格基準を満たす必要があります。もしも不合格だった場合は、半年後に再受験をすることができます。1度目の受験で実技のみ、もしくは筆記のみ合格した場合は、不合格となった方のみの再受験で構いません。
合格後には厚生労働大臣へ免許の申請を行い、国による手続きを経て、約1か月後に美容師免許が交付されます。以上より、美容師になるためには、最短でも2年1ヵ月を要します。
なお、美容師免許の取得にかかる費用は、美容専門学校の学費の他、筆記試験の受験料(12,500円)、実技試験の受験料(12,500円)、美容師名簿への登録料(9,000円)、手数料(5,200円)の計39,200円です。
また、管理美容師免許に関しては、計18時間の講習(16,000円)を受講することで取得可能です。試験等はありません。
美容専門学校のコース別特徴
●昼間課程
通常の全日制の学校と同じ時間帯に授業が行われます。就学期間は2年です。卒業見込みがあると判断された場合、2年生の冬に行われる美容師国家試験の受験資格が与えられます。
●夜間課程
夕方、または夜から授業が始まります。昼間過程同様、就学期間は2年で、卒業見込みがあると判断された場合、2年生の冬に行われる美容師国家試験の受験資格が与えられます。夜間を選ぶ理由は、一度社会に出てからの方向転換や経済的な都合など、人によってさまざまです。
●通信課程
日本理容美容教育センタ―が行う通信レポート提出と、各学校が行うスクーリングという対面授業(3年間で600時間以上)に出席する課程です。就学期間は3年で、3年次に卒業見込みがあると判断された学生は、夏の美容師国家試験を受験できます。他の過程と比較して学費が圧倒的に安いのが特徴です。
美容師国家試験は難しい?
全体の合格率
美容師国家試験の合格率は70%前後となっています。夏の合格率が低いのは、受験者の多くが冬に不合格となった人々、もしくは通信課程の学生であるためだと想定されます。通信課程の授業時間は、昼間過程や夜間課程の授業時間の約半分と少ない上に、通信課程の学生の多くは昼間に仕事をしており、試験勉強に充てられる時間も少ないといった背景があります。
試験内容
ここでは、実際の試験問題も交えながら、美容師国家試験の試験内容を紹介します。
筆記試験
内容及び合格基準は表の通りで、4択の中から回答を選択するマークシート式です。各課目に合格点が設けられているため、苦手な分野も満遍なく勉強する必要があります。
ここで、実際の試験問題をいくつか見てみましょう。
【感染症】ウイルスに関する次の記述のうち、正しいものはどれか
1. 増殖は2分裂で行われる
2. DNAとRNAの両方の核酸をもっている
3. 生きた細胞内でのみ増殖する
4. 変異を起こすことはない
(正解:3)
【美容の化学】ヘアカラーに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか
1. 一時染毛料は、タール色素等を毛髪の表面に付着させて着色する
2. 脱色剤は、毛髪に含まれるメラニンを酸化して分解する
3. 酸化染毛剤は、1回のシャンプーで色落ちする
4. 染料中間体をカップラーとともに用いると、さまざまな色調に染毛できる
(正解:3)
1問目は、一見すると美容師の業務とは無関係な内容に見えます。しかし、清潔感のあるサービスを提供する上ではとても大切な知識です。2問目はヘアカラーに関する質問でした。難しい単語が羅列されていますが、お客様の髪を傷つけることなく適切なカラーリングを行うためには、こうした化学の知識も不可欠です。
実技試験
内容及び合格基準は表の通りで、いずれも減点方式での審査となります。カッティングでは、毎年必ずレイヤーカットが課される一方で、セッティングでは、ワインディングとオールウェーブセッティングのいずれかが課されます。課題は試験の3か月前に発表されるため、それまでは両方を練習しておく必要があります。そして、衛生実技試験審査では、以上の2つの実技が衛生的な観点から評価されます。つまり、同審査に関しては、試験やパフォーマンスをする訳ではなく、カッティングやセッティングと同時進行で行われます。
まとめ
美容業界における職業選択の幅を広げる上で、美容師免許の取得は役立つことでしょう。一方で、国家試験では周辺知識も問われることや、例年一定数の不合格者がいることに留意し、きちんと高い意識を持って勉学に励む姿勢が求められます。美容師への道のりの第一歩となる専門学校選びに関しては以下の記事をご参照ください。
当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております
- 理容師免許・美容師免許の国家試験について|国際文化理容美容専門学校
- https://kokusaibunka.ac.jp/
- 管理理容師・管理美容師の概要|公益財団法人理容師美容師試験研修センター
- https://www.rbc.or.jp/workshop/overview/
- 過去の試験実施状況|公益財団法人理容師美容師試験研修センター
- https://www.rbc.or.jp/exam/past_result/
- 美容師に資格は必要?美容師免許とは|学校法人三幸学園
- https://www.sanko.ac.jp/job/beauty/beautician/253/
- 第44回美容師筆記試験|公益財団法人理容師美容師試験研修センター
- https://www.rbc.or.jp/exam/past_question/
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