メイクアップアーティストのキャリアアップの方法は？仕事の現状と将来性を解説！

現状について

メイクアップアーティストの現状について

メイクアップアーティストとして活躍する舞台は多岐に渡ります。ヘアメイクのプロダクションに所属して芸能人やモデルのメイクを手がけるほか、ブライダルや成人式などのイベントのメイクや、高齢者向けのメイクセラピーといった、一般向けのメイクをする仕事もあります。

多くの場合、美容やメイクに関する専門学校・スクールで学び、プロダクションやメイクサロンに所属したのち、アシスタント業務からキャリアをスタートします。国家資格がなくてもなれる職業ですが、センスや技術力が必要不可欠なため、基礎を学んでから仕事に就く方がほとんどです。

メイクアップアーティストの業界が直面している課題について～低収入～

メイクアップアーティストの業界で課題として挙げられるのは、収入の低さです。キャリアをスタートしたばかりの頃はアシスタント業務を担当する場合がほとんどなので、月給が10万円台、あるいはそれ以下というケースも多々あります。自分がメインでメイクを担当できるようになったり、実績を積んで独立をしたりとステップアップを重ねるごとに収入は改善されますが、初めの数年は金銭的に厳しい状況が続くことは覚悟しておく必要があるでしょう。

メイクアップアーティストのアシスタントだけで生計を立てられない場合は、ほかの仕事との掛け持ちが必要です。メイクアップアーティストのなかには、アルバイトをしながらアシスタント業務をこなす方も少なくありません。また、労働時間が不規則になりやすい点も課題として挙げられます。撮影スケジュールやお客様の都合ありきで勤務時間が決まるため、一般的な会社員と違い、何時から何時までという決まったペースで働くのが難しい側面もあります。

メイクアップアーティストの将来性について

社会変化がもたらすメイクアップアーティスト需要の増加

高齢化社会が加速するにつれ、メイクアップアーティストの需要は上がると考えられます。メイクアップといえば、若年層を対象とする仕事が多いイメージがありますが、近年では高齢者向けのメイクの仕事も増えています。これはメイクセラピー（化粧療法）と呼ばれ、きれいにメイクを施すことで、気持ちを明るくしたり、積極的な行動を促します。

メイクセラピスト協会のデータによると、メイクセラピー検定受験者数は2005年の検定スタートから累計で2万名を数え、毎年増加しているということです。加えて、医療の分野でも傷や肌の損傷などをカバーするメイクの技術が注目されています。人生100年時代といわれている昨今、きれいな容貌を保ち続け、豊かな生活を送りたいというニーズは今後も高まるでしょう。

メイクアップアーティストの職場環境の変化について

ひと昔前までは、厳しい修行期間を耐えて一人前のメイクアップアーティストとして独立したり、社内でのポジションを上げていく方法が一般的でした。しかし、現在はインターネットやSNS、動画サイトの発達により、自分が手がけたメイクアップの作品を発信しやすい環境が整っています。そのため、早くからファンを獲得してフリーランスとして活動するのも夢ではありません。基礎となるメイクアップの技術は欠かせませんが、早期に収入を上げられる道があることも念頭に置いておくとよいでしょう。

メイクアップアーティストのキャリアのスタート～就職先～

プロダクション

ヘアメイクアップアーティストが所属するプロダクションに所属し、アシスタントしてキャリアをスタートする方法です。TVや雑誌、CMなどのメディアの仕事に携わりたい場合は、プロダクションに就職するのが近道です。最初は薄給であるケースが多いので、金銭面での工夫が必要だということは心構えしておきましょう。

美容室

美容室にメイクアップアーティストとして就職する方法も挙げられます。大手の美容室であれば、雑誌の撮影やタレントのメイクなどを担当できる可能性もあります。また、メイクのメニューがある美容室の場合、一般のお客様からのオーダーに対応し、結婚式の参列や成人式などのイベント向けのメイクを行います。

ブライダル会社

結婚式場の運営会社やホテルの婚礼部門、フォトスタジオなどに就職し、ブライダルのメイクアップアーティストとして活躍する道もあります。結婚式当日のほか、前撮りや後撮りといった新郎新婦の晴れの日をメイクでサポートする仕事です。一生に一度の大切なメイクのため、ニーズを正確に引き出し、形にする力が求められます。

化粧品会社

化粧品会社にメイクアップアーティストとして就職する方法です。商品を販売するのがメインの美容部員とは、業務内容が異なります。自社の商品を使ってイベントでメイクをしたり、売り場でデモンストレーションを行ったりと、活躍の場は多岐に渡ります。海外展開するメーカーでは、国内外を問わず活躍の場がある可能性もあります。

メイクアップアーティストのキャリアアップの仕方

メイクアップアーティストとしての技術を高める

メイクアップアーティストは、最初はアシスタント業務からスタートする場合がほとんどです。先輩スタッフが段取りよく仕事ができるようアシストしながら、現場で技術やノウハウを学びます。また、スキルアップに欠かせないのが作品撮りです。モデルにメイクを施して撮影をし、作品数を増やしていくことで技術の向上にもつながります。

ほかの資格を取得する

メイクと他の技術を掛け合わせることで、活躍の場を広げられます。代表的なものは、国家資格の「美容師免許」です。メイクアップアーティストは、メイクだけでなくヘアを担当する場合も多々あるため、美容師免許を持っていると就職や転職の際に役立つでしょう。就職先によっては、美容師免許取得済みを採用条件にしているところもあります。

独立

プロダクションなどで経験を積み、自分の指名で仕事を獲得できるほどの実力があれば、独立して活躍することも可能です。独立するには、フリーランスのメイクアップアーティストに転身する、自分でサロンを立ち上げるといった方法があります。

メイクアップアーティストの海外進出

映画撮影が盛んなアメリカのロサンゼルスや、ファッションショーが開催されるフランス、メイクの国家資格がある韓国などで活躍するメイクアップアーティストもいます。日本人以外の肌へのメイクを学ぶ必要があるため、日本で基礎的な技術と語学力を身につけてから海外留学する方法がおすすめです。

まとめ

メイクアップアーティストは、雑誌やTVのほか、ブライダルや成人式といったイベントのメイクのように、活躍の場が幅広い職業です。自分の手でお客様の美しさを引き出すことのできる職業なため、やりがいが持てるでしょう。高齢化社会に移行するにあたり、今後はメイクセラピーの需要も高まると考えられます。メイクの専門学校やスクールで技術を習得してから就職するのが一般的ですが、最初は収入が低いことも多く、アルバイトと掛け持ちするなどの工夫が必要です。スキルアップすれば、独立や海外進出も視野に入ってくるなど、大きなキャリアアップが目指せる職業でもあります。