みんなの専門学校情報TOP 調理・栄養 パティシエになるための学校選び
パティシエになれる専門学校の選び方とは?選び方の軸をご紹介!
2022年03月01日はじめに
将来一流のパティシエとして活躍したいと考えている人にとって、専門学校選びはとても重要です。しかし、全国にわたる数多くの選択肢の中から一校に選びきることは難しいことでしょう。そこで、専門学校・就職先を理想のパティシエ像を達成するための手段ととらえることで一筋の光が差し込みます。結論を先に言うと、最適な一校を選ぶ為に有効な軸は、カリキュラム・就職実績・学費の、三つです。この記事では、製菓専門学校を選ぶ上で何故三つの軸が重要であるのか、そしてそれらの軸の中で注意すべき点について詳しく解説していきます。
目次
カリキュラムで選ぶ
製菓専門学校を選ぶ上で カリキュラムの軸を設けることが重要です。カリキュラムの軸とは、どのようなパティシエになりたいのか、その為にどのようなことを学びたいのかという事で決まっていきます。結論からいって、その答えは自分自身の中にしかありません。よく自己分析をし、どんなパティシエになりたいのか、ケーキを作りたいのか、エクレアを作りたいのか、独立開業したいのか、海外で活躍したいのかなど、具体的なイメージを固めておく必要性があります。将来的に理想とするパティシエになるために今何を学ぶ必要があるのかを把握することができたら、自分が必要とする学びを提供している専門学校を選び抜くことが出来ます。
製菓と調理どちらに興味があるのか考える
製菓専門学校は調理師専門学校と併設されていることが多く、まず初めに注意すべき事は、進学したい学科は製菓科なのか調理科なのかという事です。イメージしやすく言い換えれば、将来はケーキやマドレーヌなどを作るパティシエになりたいのか、フランス料理や日本料理を作る料理人になりたいのかという事です。当然どちらの道に進むかによって、とれる資格も変わってきます。一年制の製菓科に進む場合は、製菓衛生士の受験資格を得ることが出来ますし、二年制の製菓科に進む場合は、一般的に二年次の秋に行われる製菓衛生士の国家試験を受験し、合格すれば在学中に資格を取得することが出来ます。調理科に進んだ場合には、卒業と同時に無試験で調理師免許を取得することが出来ます。事前にパティシエと調理師の違いをよく理解しておくことが必要です。また、学校数は少ないですが、製菓衛生士と調理師の資格を両方ともとることが出来るダブルライセンスコースを開講している専門学校も存在します。いずれにせよ、間違いのない選択をするために、調理師・パティシエ・栄養士・管理栄養士など、食に関する職業の理解を深めることが必要です。
何年制のコースを選ぶか決める
社会一般的に専門学校は二年通うものであるという認識がありますが、パティシエの場合必ずしも二年通わなければいけない訳ではありません。製菓衛生士の受験資格を得る目的や、パティシエとしての基礎的な技術知識を学ぶ目的であれば一年制という選択が最善手です。実践的な技術や企業とのタイアップで行われるカリキュラムで商品開発力などを高めてからパティシエの世界に入っていきたいと考えている人は二年制という選択が最適と言えます。その際、最も重要なことは、何のために技術や知識を取得する必要があるのか、何のために実践力や商品開発力を高める必要があるのか明瞭化できているかという事です。将来のパティシエ像を実現するにはステップがあり、その最初のステップを進むために自分は今何を学ぶべきなのかをはっきりと自覚することが出来れば、自然とコース選択は進んでいくでしょう。ただし、調理師は完全実力主義の世界である為、将来的に結果を出すことによってどのような選択も正解になりますので、ステップを踏み間違えないことに拘り過ぎることは時間を無駄にしてしまう結果となるでしょう。
海外実習の経験を積みたいのか?
将来海外で活躍したいと考えている人にとっては、海外実習の有無は重要でしょう。若いうちに一度海外での生活や空気感を体験しておくことが非常に大切です。将来のビジョンをより鮮明に打ち立てることが可能となりますし、経験がない人に比べて、海外に挑戦するときの第一歩を踏み出しやすくなるでしょう。
昼間か夜間どちらのカリキュラムが自分に合っているか
製菓専門学校では、より多くの人が調理師の夢を実現できるように夜間のコースが設けられていることがあります。働きながら通うことを考えている社会人の方やダブルスクールで通うことを考えている大学生の方には夜間という選択肢があるでしょう。
就職実績で選ぶ
就職実績を軸として設定することが重要です。なぜなら、自分の理想とする調理師になる為の適切なファーストキャリアを選択する事が出来るのかを確認する必要があるからです。また、自分の実力次第ではありますが、過去に就職実績がない職場に就職できる確率は、実績がある学校に進学した場合と比べて低い就職実績は重要な指標となります。さらに、就職実績があるという事は、最終目標は違えど中間目標までは同じ道のりを歩む可能性があり、OBOGの体験談や意見を参考にしやすいという現実的な利点があります。
関連業界の就職先に進んでいるか
専門学校が開示している進学実績を閲覧するときの注意点として、関連する業界に就職しているのかに注目する必要があります。なぜなら、ほとんどの専門学校が就職実績100%と記載していますが、実際には全く製菓とは関係のない就職先に進んだ卒業生を実績としてカウントしている場合があるからです。パティシエの職場である、ホテル、レストラン、洋菓子店、ブライダルなどの関連業界に就職率が高い専門学校を選ぶ必要があります。また、関連業界であっても、就職先によっては洋菓子の販売業務と製造業務が完全に分業されている場合があります。販売業務を行う就職先に進んだ場合はパティシエになることはできないため注意が必要です。
卒業後に働きたい職場が就職実績にあるか
また、1、2年後に働きたい職場が就職先リストに入っているかに注意する必要があります。パティシエとしての理想の将来像を実現するためのファーストキャリアとして自分が考えている就職先が無ければ注意する必要があります。極端な例で言えば、将来ホテルでパティシエとして活躍したいと考えている人にとっては、ホテルに就職実績のない専門学校をあえて選ぶ必要はないです。
OBOGの活躍でイメージを固める
卒業生の活躍に注目する理由としては、自分のキャリアプランのイメージが具体化しやすいという事と自分の可能性に対してポジティブにいられるという理由が挙げられます。仮に卒業生の中に自分の理想とする将来像をすでに実現している方がいれば、自分の進むべき方向性が明確になります。また、将来像やキャリアプランに具体的なイメージを持てていない方にとっては、一つのきっかけになる可能性もあります。最後に、自分と同じ学校の卒業生が活躍している事は、社会に出た後に心の支えとなります。完全実力主義の調理師の世界では楽しいことだけではないです。しかし、心が折れかけた時でも卒業生達もまだまだ頑張っていると思えば努力を続けることが出来るでしょう。
卒業後の再就職サポートがある学校を選ぶ
卒業後の再就職のサポートが備わっている学校を選ぶ重要性について説明します。製菓専門学校を卒業して就職した初めての職場が、自分が学生時代に思い描いていたイメージと異なってしまうことは誰氏にもあり得る事です。実際に働いたことで新たなキャリアプランを歩む方向に気持ちが変化することもあるでしょう。そのような場合に卒業後も支援を受けられることは大きなメリットと言えるでしょう。
学費で選ぶ
理想だけを言えば、自分の理想とする将来像を実現するためのカリキュラムと就職実績で専門学校を選びたい所ですが、現実問題として学費を無視して専門学校選びをすることはできません。ただし、学費の軸から選択肢を絞るのではなく、最後の軸として学費で比較することが重要です。例えば、自分の理想の将来像実現とキャリアプランから逆算した最適なカリキュラムを提供し、理想のファーストキャリアの実績を持つ理想の専門学校が見つかった場合に、学費が理由で別の専門学校を選ぶことは、本来の目的を見失った本末転倒な事態になっています。その人にとっては一年間お金をためて最適な専門学校に通うことが一番良い結果に結びつくと言えます。あくまで学費は最後の比較検討の軸として考える必要があると言えます。
なぜ専門学校の学費は高額なのか?
製菓専門学校の1年間の学費は160万円から260万円ほどです。一般的な四年生の私立大学の学費が1年間で100万円程ですから、それらと比べてもかなり高額と言えます。学費が高額になっている理由としては、日々の実習授業に伴う材料費や施設設備費がかかってくるからです。一般的な4年制大学でも実験が多い理系学部の方が文系学部よりも学費は高くなりますので、実習が毎日あるパティシエの専門学校の学費の高さに対しても納得することが出来るのではないでしょうか。
学費に見合った施設・設備を備えた学校を選ぶ
学費が高ければ高いほど質が良いというわけではないですが、安くはない金額を払うのですから、施設設備は充実していることに越したことはありません。学びの環境が整った学校では、実習では材料がしっかりと人数分そろっていたり、製菓技術の実演が見やすいようにモニターが設置されていたりと、製菓の知識と技術をしっかりと身に着けることが可能であると言えます。
奨学金という選択肢を把握する
学費だけがネックで一番行きたい専門学校を諦めてしまっている場合、奨学金制度を利用することを考えに入れることで選択肢の幅を広く持つことが可能になるでしょう。その際、令和2年4月に始まった高等教育の修学支援新制度の対象校に認定されているかどうかをチェックすることも重要となります。新制度は大学・短大・高専・専門を対象に「授業料等減免」「給付型奨学金」の支援を目的としています。返済不要な場合から低金利(0~3%)での貸与の場合などがありますので、必要な場合は要チェック項目となるでしょう。奨学金は借金になりますが、足りないお金を稼ぐ為の時間を節約できるメリットに対してデメリットである利率(0~3%)を高いと捉えるか低いと捉えるかは、自分自身で責任を持って判断する必要があります。また、専門学校が独自に設けている学費減免制度を利用することも有効です。学校によってさまざまな種類の制度が設けられているので学費がネックとなっている場合には必ず調べる必要があります。
専門学校選びの進め方
専門学校選びの手順について、具体例を用いてステップごとに詳細に説明していきます。
理想のパティシエ像をイメージする
冒頭でも述べましたが、専門学校選びの最も重要な最初のステップとして、理想のパティシエ像をできるだけ具体的なイメージに変換することが必要です。例えば、ただ漠然と将来は独立開業して自分の店を持つパティシエとして活躍したいと思っている人がいるとします。次にやることは、そのぼんやりしたイメージを具体的なものに変えていくことです。将来とは何年後なのか、お店を開く場所はどこなのか、活躍とはどういう状態か、従業員は何人の規模なのか、ケーキ屋なのか、洋菓子店なのか、などと一つ一つ明確にしていく事が一番重要です。
理想実現に必要なスキル・知識をリストアップする
理想のパティシエ像がある程度具体的に決まってきたら、次にどのようなスキル・知識が必要か念入りに調べて・考えてリストアップしていきます。先ほどの例で理想の調理師像を20年後に東京の青山で個人経営のケーキ屋を営むパティシエと具体的に設定したら、必要なスキルは製菓の調理技術、製菓の食材の知識、マネジメント能力、経営スキル、などとリストアップしていきます。
キャリアプランを考える
必要なスキルと知識をリストアップしたら、次にすることは、どのような道のりでそのスキルと知識を身に着け、理想像を実現するかという事です。青山で個人経営のケーキ屋を営むパティシエになる為には、まず、専門学校で製菓の基礎的な技術やスキルを学び、次に応用として現場で通用する実践力を鍛え、新しい商品を生み出す創造力を鍛える必要があります。そして、ブライダルやホテルではなく洋菓子店に就職し製菓の技術・知識を向上させながら、店舗の経営力
やマネジメント能力を磨いていく必要があります。このように将来像から逆算して考えることによって進むべき道が明確になります。
カリキュラムで絞ります
将来、個人経営のケーキ屋を営むパティシエとして活躍することを目指すのであれば適切なカリキュラムは絞ることが出来ます。まず、調理の基礎を学べること、現場手で通用する実践力を身につけることが出来ること、店の経営について学べることなどとかなり具体的に決めることが出来ます。一年制のカリキュラムで調理の基礎だけ学び、残りは就職後に現場で学んでいくのか、二年通い応用的な事まで学ぶのか悩んだときは、必要とされる能力を最も効率よく学べる環境を選択していく事が重要です。
就職実績で選ぶ
カリキュラムで絞ることが出来たら次は就職実績で絞り込みます。カリキュラムで絞った専門学校のうち、製菓の技術や知識、マネジメント能力、経営能力をさらに向上させることが出来る就職先に進学実績がある学校に絞ります。進学先一覧をホームページから閲覧し、都内一等地に店舗を構えている就職先を探しましょう。就職実績は働きたい就職先を一つに絞るのではなく、関係する就職先にどれだけ実績があるかで判断しましょう。就職の問題は早くて一年後、遅くても二年後には考えることを余儀なくされます。明確な目標をもって入学し、目標に向かって有意義な時間を過ごすことで理想とする調理師像に近づくことが出来ます。
学費で比べる
ここまでくれば候補は数校に絞れているでしょう。二択で迷ったら学費の安い方を選びましょう。学費は重要ですが、あくまでも重要なのは理想のパティシエ像を実現する為のスキル・知識を得ることにありますので、迷ったときには安い方を選ぶべきでしょう。最適な専門学校が見つかっているにもかかわらず、学費が理由で安い専門学校を選ぶことは目的を見失った最悪の選択と言えるでしょう。繰り返しになりますが、カリキュラムと就職実績の二軸を最も重視しましょう。
口コミで確認
入学したい専門学校の候補が決まったら、その学校の口コミを見てみましょう。口コミは学校側からの情報ではないため、学生目線でのその学校の評価が分かります。「学校のHPにはこう書かれているけど、実際のところどうなの?」などの疑問をお持ちの方は、口コミを見てみると新たな発見があるかもしれません。専門学校の口コミがわかるサイトもあるので、気になる方はご参照ください。
説明会やオープンキャンパス
説明会やオープンキャンパスに参加することで、実際の施設設備を確認することが出来ます。また学校の雰囲気など直接的には決定に影響しない情報であっても、入学前に入手可能な情報を全て把握した上での比較検討を行うことが、最適な専門学校選びには重要であるので、オープンキャンパスや説明会には積極的に参加すると良いでしょう。
お勧めの製菓専門学校
これまで専門学校選びの軸と具体的な進め方について解説してきましたが、これらを踏まえて、パティシエを目指す多くの高校生にお勧めすることができる専門学校を2校ご紹介したいと思います。※なお最新情報、詳細等はみんなの専門学校情報ホームページをご確認いただけますようお願いいたします。
辻製菓専門学校(大阪府大阪市阿倍野区松崎)
辻製菓専門学校の強みは、カリキュラムにあります。つくる力と考える力を育む教育環境にて知識に基づいた自らの考えで、美味しさを実現する力を養うことができます。教わったレシピ通りに作るという学び方ではなく、調理の工程の一つ一つについて理由を理解し理論的学ぶことで、パティシエとしての真の力を育むことが出来ます。製菓の理論を学び、理論に基づいた実習で技術を学び、座学にてプロとして知っておくべき飲食製菓業界の知識を学ぶことが出来ます。製菓技術マネジメント学科では二年次に、92時間行われるマネジメント論の授業にて店舗経営や人材管理の教養を身に着けることが出来ます。
山手調理製菓専門学校(東京都渋谷区円山)
山手調理製菓専門学校の最大の強みはコースの多様さです。コースが多いという事は自身の求めるカリキュラムに対応しているコースが見つかる可能性が高まります。一年制のコースでも728時間の実習でプロとして活躍することが出来る技術と知識を身に着けることが出来ます。また二年制のコースは4コース用意されており、調理師とのダブルライセンスコースが二つ、ショコラティエに特化したコースとパンに特化したコースそれぞれ一つずつ用意されています。また、就職実績に関しても有名ホテルに毎年多数の学生を輩出している点、卒業後のサポートも充実していて、転職サポートや独立開業サポートを行っている点もこの専門学校の強みとして挙げられます。
実際に働いている人の口コミをチェックしよう!
実際に働いている人の口コミを参考に、どんな仕事なのかイメージをつけましょう!
パティシエの 「専門学校の選び方」の 口コミ一覧
全2件
千葉県の20代前半女性
正社員 / 100万円以上~150万円未満 / 専門学校卒
就職先:ホテル
-
どのように専門学校を選んだか
調理師免許も取れてパティシエの勉強もできる学校であることを絶対条件にして家からもそれほど遠くないという条件で選んだ
-
なぜその仕事に就いたのか
幼いころからパティシエになることが夢だったためその夢をかなえるために今の仕事に就いた
兵庫県の30代前半女性
パートタイム/アルバイト / 100万円未満 / 専門学校卒
就職先:飲食店
-
どのように専門学校を選んだか
近畿圏内の興味ある学校のパンフレットを取り寄せ、オープンスクールに通い、最終的に洋菓子店がたくさんある神戸の専門学校に決めました。
-
なぜその仕事に就いたのか
お菓子を作ること、食べることが大好きです。 記念日に必要不可欠なケーキを作れることは幸せです。
パティシエについて知る
パティシエを目指せる専門学校の人気ランキング
調理・栄養業界の仕事について知る
調理・栄養業界の他の仕事について知る
おすすめの専門学校
みんなの専門学校情報TOP 調理・栄養 パティシエになるための学校選び