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管理栄養士に必要な資格とは?取得するメリットを解説!
2022年03月01日はじめに
管理栄養士は栄養士の上級資格として知られています。しかし、実際のところ管理栄養士と栄養士の違い、どのような業務を行っているのかはあまり知られていません。そこで本記事では、管理栄養士の成り立ちや国家資格の概要、取得するメリットなどを詳しく解説していきます。また、資格を取得する方法についても触れているので、ぜひ参考にしてください。
目次
どんな資格?管理栄養士の資格概要
栄養指導を行える国家資格「管理栄養士」
管理栄養士は、学校・保育園・病院・介護福祉施設においてバランスの取れた献立作成、栄養指導を行います。栄養士の上位資格として知られている管理栄養士ですが、栄養士との大きな違いは「栄養士よりも高度な指導を行える」という点です。
栄養士がバランスの良い献立を作成したり、栄養指導を行ったりしているのを、管理栄養士が管理し、より適切な栄養管理を行います。つまり、栄養士よりも幅広い領域で活動できる資格ということです。
管理栄養士の成り立ち
管理栄養士は、大正15年の「栄養手」と呼ばれる人たちが由来です。食材に含まれている栄養素に関する知識を学んだ、栄養学校の卒業生たちが栄養士と名乗って仕事をはじめました。その後、1947年には栄養士が栄養士法にて公的資格に認められるようになったのです。
厚生労働省によって公的資格として認められ価値が上がったため、最初は15人だった栄養士の人数はどんどん増加していきました。こうして栄養士をまとめる管理職「管理栄養士」が必要となり、管理栄養士が誕生したという歴史です。管理栄養士の誕生は、1985年のことと記録されています。
当時は戦後の食料が手に入らない時代だったので、栄養管理によって病気を予防する活躍を期待されていました。こうした背景から、管理栄養士・栄養士ともに予防医療を意識した献立づくりを行っているのです。なお、現代では栄養状態が整いつつあるため、管理栄養士の役割は生活習慣病の意識を広め、改善に務めることとなっています。
管理栄養士の国家試験概要と取得難易度
管理栄養士の国家試験概要
実施日
毎年2月ごろに試験が実施されています。
試験内容
管理栄養士試験では、9つの試験科目が課されます。科目名は、社会・環境と健康、人体の構造と機能及び疾病の成り立ち、食べ物と健康、基礎栄養学、応用栄養学、栄養教育論、臨床栄養学、公衆栄養学、給食経営管理論です。
形式
5つの選択肢から1つ、または2つの選択肢を回答するマークシート方式です。
開催地
試験は北海道、宮城県、埼玉県、東京都、愛知県、大阪府、岡山県、福岡県、沖縄県で開催されます。
料金
受験手数料は 6,800円です。
注意事項
管理栄養士の国家資格には受験資格が設けられています。受験するには栄養士養成施設で2〜4年以上の教育課程を終了した後、実務経験を1〜3年積むか養成校に通う必要があります。これらの基準を満たしていない場合には試験を受験できないので、独学での取得は不可能です。
管理栄養士国家資格の取得難易度~合格率は60%以上?!
管理栄養士試験の合格基準は、総合点200点中120点以上です。令和2年の受験者数は15,943人、合格者数は9,874人とのことで、合格率は61.9%となっています。ちなみに平成31年は60.4%、平成30年度は60.8%、平成29年度は54.6%ということで、例年60%程度という水準を保っているようです。
また、新卒者の管理栄養士合格率は91%となっているため、学校で学べば高い合格率を期待できるでしょう。
なぜ取得するの?管理栄養士の資格を取得するメリット
メリット①将来性がある
世界規模で食事の栄養に関して議論が交わされているため、管理栄養士は将来性のある資格といえるでしょう。現段階では管理栄養士の立場が低いと言われている事実もありますが、今後高齢化が進むことで老人ホームや介護施設などの栄養管理需要が高まると予想されるため、将来的には待遇も向上するはずです。また、経験さえ積めばどこでも長期的に働くことができるので、自分のライフプランを決めやすいという特徴もあります。
メリット②プライベートでも能力が活かせる
管理栄養士は厨房業務に関わるケースが多いです。職業の特性上、栄養バランスの取れた献立を考案し、実際に食事を作る経験ができるため、プライベートで料理をする際に必ず役立ちます。例えば、家庭で料理を振る舞う際や友達と料理パーティーをする時など。管理栄養士資格を活かして役立つ場面が多々存在するので、日常生活がより豊かになることでしょう。
メリット③様々な職場で資格を活かせる
管理栄養士の資格を取得していれば、介護業界・食品業界・医療・学校など様々な職場で資格を活かせます。自分が興味のある業界に管理栄養士として参加できれば、仕事にやりがいを感じられるでしょう。実際、スポーツが好きな人でアスリートの栄養管理を行っている管理栄養士の方もいらっしゃいます。また、子供と関わる仕事がしたいという理由で管理栄養士資格を取得して、学校給食の管理栄養士になっている方もたくさんいます。
メリット④男性管理栄養士の需要がある
管理栄養士は女性の活躍する現場という印象があります。実際に現場で働く人のほとんどは女性です。しかし、現在は男性の管理栄養士の需要が高くなってきています。なぜなら、管理栄養士の業務には力仕事が多く存在しているからです。重たい器具や食材を使う医療現場などでは、特に男性の管理栄養士の力が求められています。男性で栄養に関して興味がある人は管理栄養士の道を志してみると、就職がしやすくなるはずです。
どうやって取得するの?管理栄養士の資格を取得する方法
管理栄養士の資格を取得するまでの流れ
管理栄養士資格を取得するには2つの方法があります。
1つ目は4年制の管理栄養士養成校に通い、栄養士資格を取得後、国家試験を受験する方法です。2つ目は栄養士養成施設(大学・専門学校・短大)に通い、2〜4年間の教育課程を終えて栄養士資格を取得し、実務経験を1〜3年積んだ後に国家資格を受験する方法です。試験は例年2月下旬に開催され、合格発表は、3月下旬にあります。
どちらの方法でも資格は取得できますが、栄養士養成施設に通った場合には教育課程卒業に加えて1~3年間の実務経験が必要なので、資格取得に時間がかかってしまいます。
いずれにせよ、学校に通うことや栄養士実務経験は必須のハードルが高い資格です。しかし、1度資格取得すれば更新がないため一生使える資格といえるでしょう。
管理栄養士の資格を取得するための一般的なルート
管理栄養士になる際の一般的なルートは大卒です。
実際、厚生労働省のデータによると、管理栄養士として働いている人の6割以上が大卒となっています(短大卒が34%、専門学校卒が23%)。
まとめ
本記事では、管理栄養士資格について詳しく解説してきました。管理栄養士資格は様々な職場で使える国家資格です。高齢化が進む日本では介護現場において管理栄養士の需要が高まってくると予想されています。特に、男性の管理栄養士は今後ますます活躍が期待されています。
合格率は60%以上と、そこまで難易度が高い試験ではありませんが、資格取得までの道のりが困難です。資格取得には栄養士養成施設もしくは管理栄養士養成校に通う必要があります。また、栄養士養成施設に通う場合には卒業に加えて1~3年の実務が必要となるため、時間がかかります。
しかし、免許の更新がないため、一度取ってしまえば一生使える心強い資格です。簡単に取得できるわけではないので、自分がどのようなキャリアを進めていきたいかしっかりと考えた上で管理栄養士資格取得を検討してみてください。
当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております
- 日本栄養士会
- https://www.dietitian.or.jp/about/history/
- 厚生労働省管理栄養士国家試験
- https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/kanrieiyoushi/
- 厚生労働省第35回管理栄養士国家試験の結果について
- https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000758946.pdf
- 職業情報提供サイト栄養士
- https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/171
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