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介護福祉士に必要な資格とは?取得するメリットを解説!

2022年03月01日

はじめに

この記事では、介護職の中で唯一の国家資格である介護福祉士について、資格の概要、資格の取得方法、国家試験の内容と難易度、そして資格取得のメリットについてご紹介します。介護福祉士について学びたい方はぜひご参照下さい。

どんな資格?介護福祉士の資格概要

介護専門職唯一の国家資格

介護福祉士とは、数多ある介護職の中で唯一の国家資格です。つまり介護福祉士が持つ知識や技能は国によって認められており、介護福祉士は「介護のスペシャリスト」であると言えます。介護福祉士はその知識や技能を活かし、他の介護士の教育を行ったり、施設のリーダーを務めたりなど介護の現場において重要な役割を担っています。

介護福祉士の成り立ち

介護福祉士は1987年に制定された「社会福祉士および介護福祉士法」によって、国家資格として誕生しました。2007年に改正された法律では、介護福祉士とは「専門的知識・技術をもって、心身の状況に応じた介護等を行うことを業とする者」と定義されています。少子高齢化が進む日本では、介護を必要とする人口が増え、また介護のニーズが多様化しており、介護福祉士のニーズが高まるとともにその活躍の場は多岐に渡っています。

どうやって取得できるの?取得方法

それではどのようにして介護福祉士の資格を取得することができるのでしょうか。ここでは主要な3つのルートについてご紹介します。

養成施設ルート

養成施設ルートとは、文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定した学校、または都道府県知事の指定した養成施設を卒業したのち国家試験に合格するルートです。指定の学校・養成施設とは、介護福祉士として必要な知識や技能を提供する専門学校や短期大学、大学のことを指します。入学費用などお金がかかりますが、各養成施設の専門的なカリキュラムのもと、じっくりと時間をかけて知識や技能を蓄えることができます。

実務経験ルート

実務経験ルートとは、3年以上介護等の業務に従事し、かつ実務者研修を修了したのちに国家試験合格を目指すルートです。このルートは学校に通う費用がかからず、働きながら資格取得を目指すことができます。また現在介護等の業務に従事しており、介護福祉士にキャリアアップしたいとお考えの方にもおすすめのルートです。

国家試験内容と取得難易度

介護福祉士は上述の通り国家資格であるため、その取得にはどのルートを通っても最終的には国家試験に合格する必要があります。それでは介護福祉士の国家試験とはどのような試験なのでしょうか。また試験に合格するのはどのくらい難しいのでしょうか。

国家試験の内容時期・受験料・筆記試験と実技試験

介護福祉士国家試験内容は大きく分けて筆記試験と実技試験に分かれています。通常筆記試験は毎年1月に、実技試験は毎年3月に年に1回ずつ行われています。また2022年1月に実施予定の第34回介護福祉士国家試験の受験料は18,380円を予定しています。筆記試験は13の科目群から構成されており、基本的に5択の選択式で全125問あります。マークシート式のため、語句を正確に書ける必要はありません。合格基準は「総得点の60%程度」かつ「11科目群すべてで得点」することと定められています。一方実技試験は、2016年度実施の第29回から①養成施設ルートと②実務経験ルートの受験者は実務試験が免除となりました。よってこの2ルートの受験者は筆記試験のみで合否が決まることになります。③福祉系高校ルートの受験者の一部は依然として実技試験を受験する必要がありますので、③福祉系高校ルートの受験者の方は注意が必要です。ちなみに実技試験の合格基準は「総得点の60%程度」となっています。

取得難易度直近の合格率は○○%!

介護福祉士国家試験の難易度について、実際のデータを用いて考察してみたいと思います。2021年1月に行われた最新の第33回介護福祉士国家試験の受験者数は84,483人で合格者数は59,975人、合格率は71%でした。直近5年の合格率は70%前後で推移しており、受験者の約7割は合格できている試験です。よく比較される社会福祉士の国家試験合格率が29.3%(2021年2月実施 第33回)であることを考えると、比較的介護福祉士取得のハードルは低いといえるのではないでしょうか。

なぜ必要なの?資格取得のメリット

介護福祉士は名称独占資格といって、資格を保有していなければ介護福祉士を名乗ることはできません。しかし裏を返せば資格を持っていなくても、介護福祉士と名乗らなければ介護に従事することが可能です。ではなぜ介護福祉士の資格が必要なのでしょうか。ここでは資格取得のメリットをご紹介します。

メリット①給料が上がる

介護福祉士の資格を持っていると給料が上がります。厚生労働省の『令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果』によると、何も資格を持っていない介護従事者の平均給与額が275,920円だった一方、介護福祉士の資格を持っている介護従事者の平均給与額は338,340円でした。介護福祉士が持つ知識や技能は国によって認められたものであるため、その分給与面でも評価されると言えます。

メリット②働き口が多い(就職・転職に有利)

介護福祉士の資格を持っていることは就職・転職のしやすさに繋がります。上述したように、介護の仕事は資格を持っていなくても従事することができ、実際に求人もあります。しかし、介護福祉士の資格は国から認められたものであるため、雇う側も資格保有者を雇うことが提供するサービスの信用に繋がると考えています。また、介護サービスを提供する事業者には介護報酬という報酬(事業者にとっての収入)が支払われます。この介護報酬額を決める基準の一つに「介護福祉士割合」があります。事業者がこの介護報酬をより多くもらうためには一定数の介護福祉士を雇わなければなりません。つまり介護福祉士を雇うことが事業者にとっての収入の増加に繋がるため、事業者は介護福祉士の資格を持っている人をできるだけ雇いたいと考えています。上記の理由から、就職・転職の際には、資格を持っていない人よりも採用される確率が上がると言えそうです。

まとめ

この記事では介護福祉士の資格についてご紹介してきました。介護福祉士は介護職の中で唯一の国家資格であり、少子高齢化が進む日本でニーズが非常に高まっている資格になります。様々な取得ルートがあり、その道を志せば誰でも取得が可能な資格です。資格がなくても介護職に従事することはできますが、給与面やキャリア面を考慮すると、ぜひとも取得したい資格です。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

公益財団法人社会福祉振興・試験センター
http://www.sssc.or.jp/kaigo/index.html
公益財団法人日本介護福祉士会
https://www.jaccw.or.jp/
厚生労働省『社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案について』
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/166-13a.pdf
厚生労働省『第33回介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移』
https://www.mhlw.go.jp/content/12004000/000757036.pdf
厚生労働省『令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果』
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/20/dl/r02kekka.pdf
厚生労働省『第33回社会福祉士国家試験の合格発表について』
http://www.jaswe.jp/doc/20210315_33shakai_happyou.pdf
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