心理カウンセラーの平均年収はいくら？具体的な金額や年収アップのポイントを解説！

心理カウンセラーの平均年収は？

全業種・業種毎の平均年収との比較

厚生労働省が行った調査によると、医療福祉分野に従事する心理カウンセラーが令和2年に得た平均年収は、約426万円だと報告されています。全業種の平均年収がおよそ433万円といわれているのに対して、7万円程度下回る結果となるようです。また10人規模に限定した場合、初任給の相場は23万円程度となっていて、平均月収は28万円程度、ボーナスは63万円程度であることが分かっています。
心理カウンセラーは、勤務先によって給与が変わってきます。病院・クリニックで働く場合には300万円～500万円程度、企業・学校では300万円～400万円程度が平均的となっていて、他の医療従事者と比較してみても、そこまで高額な給与は支払われていないようです。
勤務先が刑務所や少年院などの司法機関である場合は、公務員として採用されるため安定的な昇給が見込めるほか、福利厚生も充実しています。ただし、司法機関で働くには、裁判所職員採用試験もしくは法務省専門職員採用試験に合格しなければなりません。
実際のところ、心理カウンセラーの年収は個人の勤務状況によって差があるものと考えられます。雇用形態に関しても、常勤からアルバイト、フリーランスといったようにさまざまです。

※賃金構造基本統計調査では、心理カウンセラーという区分がないため「その他の保健医療従事者」のデータを用いています。

心理カウンセラーの平均年収が低い理由は？？

心理カウンセラーの求人は、他業種と比べると非正規雇用の求人が目立ちます。公認心理師の国家資格を取得していても、アルバイト・パートとして働いているケースが多く、業種全体の平均年収が下がっているようです。現時点では、そこまで需要の高くない心理カウンセラーの仕事ですが、最近では、学校や企業が相談日を設けるといったケースも少しずつ増えてきています。そのため、今後は活躍の場が増えていくでしょう。

心理カウンセラーの雇用形態別(正規・非正規・パート・アルバイト）の給与比較

心理カウンセラーには多様な働き方があります。正社員として働く場合の平均月収は、32万円～38万円程度です。パート・アルバイトとして勤務する場合の時給は1,000円〜1,500円程度、派遣社員では1,400円〜2,300円程度が相場です。
週5日・1日8時間のフルタイムで勤務した場合には、それぞれ16万円〜24万円程度、22万円〜36万円程度の収入が見込めます。職場によっては、非正規雇用であっても個人の経験や所有する資格により、正社員と同等の給与が支払われるケースもあるようです。どの形態で働くにしても、まずは経験を積み重ねていくことが大切です。

心理カウンセラーの勤務先別（規模）の給与比較

心理カウンセラーの平均年収は、勤める企業規模が大きくなるほど高くなります。10人から100人の規模で381万円程度、100人～999人では428万円程度、1,000人以上の規模では470万円程度の給与が得られるようです。ただし前述したように、雇用形態によって福利厚生の充実度が変わってくるため、実際には、企業規模よりもどのような雇用形態なのかが年収に直結するといえるでしょう。

心理カウンセラーの勤務先別（規模別）の給料比較

心理カウンセラーの地域別（エリア別）の給与比較

厚生労働省の統計データによれば、医療福祉分野で活躍する心理カウンセラーの全国平均年収は、東京都で403.6万円と報告されています。日本全国で最も高い年収を得ているのは栃木県の583.8万円、もっとも低かったのは秋田県の292.9万円であり、110.7万円もの差があります。ただし実際のところ、エリアによる給与水準の違いはあまりないため、都道府県ごとにばらつきがあると捉えたほうがよいでしょう。
ちなみに、教育機関で仕事をするスクールカウンセラーの全国平均年収は496.8万円となっていて、医療福祉分野のカウンセラーよりも高額な給与を得ています。スクールカウンセラーには、公認心理師や臨床心理士の資格取得が一般的とされているほか、公務員として採用されるケースも多いため、給与にこれだけの差が出てくるようです。

心理カウンセラーの年齢・性別の給与比較

基本的には、年齢が上がるにつれて平均年収も高くなります。最も高い給与が得られるのは55〜59歳です。長年積み上げてきたスキルや経験、職責などがこのような結果につながっていると考えられます。

また、男女による収入差もあります。女性は出産や子育てのためにキャリアを中断するケースが多いため、男性の方が約80万円以上の高い収入を得るという結果になっているようです。

心理カウンセラーの年齢別の給料比較

心理カウンセラーの男女別の給料比較

将来、給料を上げるには？！

難易度の高い資格に合格する

より待遇の良い職場へ転職することで収入アップを目指す方法もあります。そのためには、周りと差別化を図るためのスキルアップが欠かせません。資格の保持が採用条件になっていることもあるため、国家資格である公認心理師をはじめ、心理カウンセラーに役立つ資格の取得を目指してみましょう。
また、こうした資格を取得することで、仕事に対する熱意を評価してもらえたり、信頼度向上によって、評価へ結びつくことも考えられます。例え同じ職場でも、資格手当がもらえたり、昇給の手助けになることもあるでしょう。

講演活動や書籍の執筆を行う

これまで心理カウンセラーとして習得してきた経験を基に、カウンセリング職以外の仕事に挑戦するのも1つの方法です。講演や執筆活動は、知名度を上げるだけでなく、信頼の獲得にもつながるはずです。もちろん、執筆した本が売れれば印税収入を得ることもできるでしょう。未知の分野への進出は、新たな人脈が形成にもつながり、自分だけではたどり着けないビジネスチャンスにも巡り会えるかもしれません。

カウンセリングルームを開業する

心理カウンセラーとして独立するという方法も選択肢の1つとして挙げられます。気軽に挑戦できるものではありませんが、経営が安定すれば大幅な収入アップが見込めます。成功させるためには、開業資金や経営のノウハウを収集するなど、入念な準備が必要です。

まとめ

心理カウンセラーの給与は、全業種と比べて低いことが分かっています。キャリアや資格によって差が出るだけでなく、雇用形態や勤め先の違いによっても大きな違いが生じます。正規雇用の求人が多い業種とはいえないため、あまり高額な収入は期待できません。
しかし、スキルアップを目指して資格を取得したり、カウンセリング職以外にも活動の幅を広げたり、自分に適した働き方で収入アップを目指せるのは魅力的です。心理カウンセラーとして長く活躍するために、どうステップアップしていくか計画するのも大きなやりがいに結びつくはずです。