あん摩マッサージ指圧師の仕事内容とは？仕事の魅力・やりがいを解説！

あん摩マッサージ指圧師とは？

あん摩マッサージ指圧師の定義

あん摩マッサージ指圧師は1948年に施行された「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」によって国家資格として誕生しました。また、3つの国家試験を取得している人を三療師と呼ぶことがあります。あん摩マッサージ指圧師とは医師の同意なしに健康保険を適用とした医療行為は認められておらず、基本的には医療器具を使わずに患者さんの身体の不調を特定し、治療を行う施術者のことです。

あん摩マッサージ指圧師の仕事内容

あん摩マッサージ指圧師の仕事は名前の通り、「あん摩」「マッサージ」「指圧」の3つの手技から成り立っています。「あん摩」とは、東洋医学の理念に基づき、患者さんの気血の流れを良くして身体の不調を治癒に導く施術方法です。「マッサージ」とは、ヨーロッパで誕生し、皮膚に対して直接手技を加えることで血流の流れをよくする施術法です。「指圧」とは、日本発祥であり、手だけをつかい体中にあるツボに圧力をかけ、人間に備わっている治癒力に働きかける施術方法です。これら3つの施術方法を用いて、患者さんの心臓から離れる方向に向かって筋肉を「なでる」「押す」「揉む」「たたく」などの行為をし、患者さんそれぞれに合わせて身体の調子を整える仕事です。近年では、介護を必要とする人や健康志向やリラクゼーションを求める人たちが増え、あん摩マッサージ指圧師は病院などの医療機関以外にも、訪問・在宅介護の現場や癒しと安らぎを提供する場などでのニーズが高まってきています。また、あん摩マッサージ指圧師は医学の基礎や体の仕組みを深く理解していることから、患者さんの筋肉のこりや蓄積された疲労を取り除く治療ができ、スポーツ選手のコンディション調整やケガの予防のためにも活躍されています。

あん摩マッサージ指圧師と柔道整復師の仕事内容の違い

あん摩マッサージ指圧師と柔道整復師は活躍する場所が似ていることから、違いがわからないという方も多いのではないでしょうか。上述した通り、あん摩マッサージ指圧師は押す、揉む、たたくなどの手技を行い、静脈系の血液循環やリンパ液の循環を改善し、生活習慣からくる肩や腰のコリ、疲れなどの疾病を癒す治療を行います。一方で、柔道整復師は手技で骨折、脱臼、打撲や捻挫の外的外傷を処置及びリハビリを行います。ケガを直接治療する医療行為が行えます。つまり、身体の不調を改善するあん摩マッサージ指圧師と患者さんのケガを直接、診断・治療する柔道整復師には明確な違いがあります。これらの違いがあるからこそ、施術の幅を広げることを目的に2つの国家試験の取得を目指す方が多くいます。

あん摩マッサージ指圧師の一日のスケジュール

一般的なあん摩マッサージ指圧師のスケジュールを紹介します。まず、施術する際の患者さんとのコミュニケーションがとても重要ですので、午前の診断開始前には患者さんの情報交換を全員で徹底します。午前の診断時間は9:00～12:00で、午後の診断時間は15:00～19:00の院が多くなっています。診断終了後も、その日の患者さんの体の調子などを全員で共有します。基本的に、残業はないとされていますが、若手の時は残って自分の技術を磨く時間を作る人もいます。

あん摩マッサージ指圧師に必要な資質

コミュニケーション能力

あん摩マッサージ指圧師の仕事は、技術が求められるのはもちろんのことですが、何より患者さんと直接話し、触れ合う仕事です。患者さんから体のどこがどのように痛いのかを聞き出し、患者さんに適した治療法を見つけるためには、優れたコミュニケーション能力が必要です。また、毎日たくさんの患者さんと接する中で、少し気難しい人や相性が合わない方もいるかもしれません。しかし、どんな患者さんでも助けを求めてあん摩マッサージ指圧師のところを訪れていますので、だれに対しても対等で誠実に対応することが大切です。ですので、技術や経験も大事ですが、人当たりがよく、会話が好きな人のほうが向いているといえるかもしれません。

ポジティブマインド

患者さんは体の痛みを訴えてくる人が多く、強いストレスや絶望感を抱えている人も少なくありません。ですので、あん摩マッサージ指圧師として患者さんの痛みに共感し、励まし、一緒に前進していけるようなポジティブマインドが求められます。

忍耐力

あん摩マッサージ指圧師は体力的にも収入的にも安定しません。あん摩マッサージ指圧師は医療機器を使わずに、自分の手のみを使って施術します。そして、立ち続ける時間が多いですので、足腰にも負担が多くかかります。また、スキルがものをいう業界となっていますので、技術が身につくまでは安定的な収入を得ることが難しくなっています。ですので、体力面的にも収入面的にも大変な時期があるということから、それを乗り越える強い忍耐力が必要といえるでしょう。

あん摩マッサージ指圧師の魅力

手術なしに施術できる

患者さんの体にあまり負担をかけずに手助けができるという点です。病院で手術をする場合、患者さんの体にメスをいれなければいけません。時には、体に傷が残ってしまう恐れもあります。体に傷を残すことなく身体の回復に向けて治療ができます。また、手術を受ける体力が十分にない高齢者や子供にも治療ができるため、多くの人々を救うことができます。

患者さんと直に信頼関係を築ける

あん摩マッサージ指圧師は患者さんから直接お話を伺い、コミュニケーションを取りながら施術していくことが基本です。そのため、患者さんとの距離感が近く、楽しみながら信頼関係を築いていくことができます。

様々なキャリアパス

あん摩マッサージ指圧師は病院などの医療現場をはじめ、リラクゼーションを重視するマッサージ施設、介護現場、スポーツ施設・チームなど多くの場所で必要とされています。また、独立権も持っていますので、自身で治療院やマッサージ店を開業することができます。
つまり、自分の技術と知識があれば様々なキャリアパスを歩むことが可能です。

あん摩マッサージ指圧師のやりがい

体の痛みや倦怠感などを感じて医者を訪れても原因が判明しない身体の不調によって、ストレスを感じたり、日常生活に支障をきたしている人がこの世の中にはたくさんいらっしゃいます。そのような方々に対して一生懸命施術を施し、体の痛みの緩和や不調からの回復という成果を出すことができたときに、患者さんからいただける感謝の言葉や笑顔を見られることはあん摩マッサージ指圧師の仕事の大きなやりがいとなります。また、患者さんから直接言葉を頂けたり、口コミで評判を聞いたお客さんが来院することが多いですので、自身の技術の向上や他の人から頼られていると実感することができます。

あん摩マッサージ指圧師として大変なこと

肉体的な厳しさ

医療器具などを使わずに手技による施術が多くなっていますので、適度な力が必要となり、1日を通しての体力消費量は多くなります。また、基本的立ち仕事ですので、長時間にわたりますと、足のむくみ、腰痛や肩こりが生じてくることもあります。仕事を続けていくにつれて業務に慣れ体力もついていきますが、体力に自信がない方には大変なお仕事かもしれません。

精神的な厳しさ

日々、患者さんと直接触れ合う以上、プラスなフィードバックだけではなく、マイナスなフィードバックが返ってくることもあります。また、様々な患者さんと接する中で時にはコミュニケーションのズレによって不快感をおぼえることもあるでしょう。そして、患者さんからの指名制度を設けている職場が多いですので、自分の担当していた患者さんから指名されなくなった時の精神的ダメージは大きいでしょう。したがって、あん摩マッサージ指圧師として働くには、自身の精神面を常にケアしていく必要があるでしょう。

まとめ

本記事ではあん摩マッサージ指圧師の仕事内容について様々な観点からご紹介してきました。肉体的かつ精神的に大変なところもある仕事ですが、その分お客様から直接感謝の気持ちや笑顔を頂けるやりがいの大きな仕事だといえるでしょう。多くの人が健康的な日常生活を過ごすためには欠かせない職業となっていますので、ご興味のある方は他にもあん摩マッサージ指圧師について書かれている記事がありますので、是非参考にしてください。