あん摩マッサージ指圧師のキャリアアップの方法は？仕事の現状と将来性を解説！

あん摩マッサージ指圧師の現状について

現在、あん摩マッサージ指圧師の業界が直面している課題は有資格者と無資格者の境界線が曖昧になっているということです。本来、法律的に患者さんにマッサージを施せるのは、あん摩マッサージ指圧師か医師どちらかの国家資格を所持している人だけとなっています。しかし、現在、数多くのマッサージ店、整体院、リラクゼーションのお店が存在し、国家資格所持者が居なくても営業しているところがあります。その原因としましては、「マッサージ」という名称を掲げなければ違反にならず、業務内容を考慮していないという点だといえます。このような曖昧な基準が成り立ってしまっていることがあん摩マッサージ指圧師の間では非常に大きな問題となっています。その結果、あん摩マッサージ指圧師という国家資格や法律を知らない人が多く、どこのお店も同じだという認識が一般的になってしまっています。そして、せっかく国家資格を取得したのにも拘わらず、何も知らない患者さんが無資格者のところへ施術を受けに行ってしまっては、あん摩マッサージ指圧師として患者さんを施術する機会の減少や収入面の不安定につながります。したがって、あん摩マッサージ指圧師国家資格の価値が下がってしまいます。また、専門的な知識を学んだ国家資格保持者と無資格者のマッサージではその効果は全く異なり、健康面での危険性もあるとされています。こうした誤った認識によるあん摩マッサージ指圧師の価値の低下や患者さんの身体に与える危険性を回避するためにも、今後あん摩マッサージ指圧師の存在を社会に広め、曖昧な基準を明確にするという改善が望まれます。

あん摩マッサージ指圧師の将来性について

上記した通り、あん摩マッサージ指圧師の業界は現在抱える問題に対する改善を今後進めていく必要があるでしょう。その一方で、あん摩マッサージ指圧師の将来性は高いともいわれています。その理由として、あん摩マッサージ指圧師の需要の増加と女性のあん摩マッサージ指圧師の活躍の２点が考えられています。ですので、ここではそれぞれの点についてご説明していきます。

社会変化がもたらすあん摩マッサージ指圧師の需要の増加

あん摩マッサージ指圧師の需要が非常に高まることが予想されます。ストレスの多い現代社会では、近年「癒し」や「リラクゼーション」を求める人が増えてきています。実際、住宅街はもちろん、オフィス街にも数多くのマッサージ店があり、日々の疲れから癒しを求める人が増えていることがわかります。また、最近ではテレワークなども増えスマートフォンやパソコンを長時間同じ姿勢で作業をする機会が増えました。その結果、肩こりや腰痛に悩む年齢層が広がっています。そして、それらを自力で治すことが難しいためあん摩マッサージ指圧師に頼るケースが多くなっています。さらに、高齢化社会に突入した日本では、身体機能の低下や身体の不調に悩む高齢者が急増し、介護施設や医療訪問などでのあん摩マッサージ指圧師のニーズも伸びています。このような様々な背景から、あん摩マッサージ指圧師の需要は高まると予想され、その将来性は高いといえるでしょう。

女性のあん摩マッサージ指圧師が活躍する場が増える？！

あん摩マッサージ指圧師はもともと女性からの人気が高い仕事です。しかし、今後さらに女性の活躍が見られると予想されます。女性のあん摩マッサージ指圧師が人気の高い理由は、女性の繊細さが活かせるからです。マッサージというと強い力が必要だと思われがちですが、適度な力で体のツボを的確に抑えることで、身体の不調の原因に直接働きかけることができるといわれています。そのため、むしろ女性のほうが技術力が高いと評価されています。そして、今後さらに女性の活躍が見られる理由は美容やリラクゼーションの場で女性のあん摩マッサージ指圧師が求められるからと言われています。近年では、美容やリラクゼーションにお金をかけることが一般的になってきています。また、コロナウイルスの影響もあり、自宅訪問タイプのマッサージサービスが増えています。自宅訪問となると、女性のお客様は女性の施術者を求めるのでしょう。

あん摩マッサージ指圧師のキャリアのスタート～就職先～

病院・治療院

まず、一番イメージしやすいのが病院や治療院になるのではないでしょうか。資格取得後、多くの人が経験を積むための就職先として選ぶケースが見られます。ここでは、患者さんの症状の改善や身体の機能回復を目的に、あん摩マッサージ指圧師による診断と施術を行います。柔道整復師、鍼灸師、理学療法士などの方と一緒に働くことで新しい知識や考え方を学ぶことができ、自己成長しやすい環境でもあります。

マッサージ店

次に、就職先として多いと考えられるのはリラックスや癒しを提供するマッサージ店です。あん摩マッサージ指圧師のマッサージ技術を用いてお客様の体をメンテナンスします。最近では、自宅訪問タイプのマッサージ店も多く、実際にお客様の家に訪れてマッサージを施すケースも多くあります。また、ヘルスキーバーとして企業訪問してマッサージをすることもあります。

スポーツトレーナー（フィットネストレーナー・アスレティックトレーナー）

あん摩マッサージ指圧師は医学の基礎や体の仕組みを深く理解していることから、患者さんの筋肉のこりや蓄積された疲労を取り除く治療ができ、スポーツ選手のコンディション調整やケガの予防を目的にスポーツトレーナーとして働くこともできます。スポーツトレーナーにはトレーニングメニューを考案するフィットネストレーナーと選手の健康面を管理し、疲労回復やケガの予防を行うアスレティックトレーナーの二つに大きく分けられます。

機能訓練指導員

高齢化社会を迎えた日本では介護現場でのあん摩マッサージ指圧師のニーズが高まっています。介護施設では機能訓練指導員を必ず1人配置する必要があり、老人ホームやデイサービスなどに就職することができます。機能訓練指導員は介護者に対してリハビリテーションや身体機能の向上を目的とした健康体操や筋トレサポートを行います。

美容関係のサロン

最近では、美容意識を高く持っている人が増えてきています。美容目的のマッサージにはリラクゼーションを目的としたマッサージとは異なる知識や技術が必要とされます。利用者のほとんどは女性ですので、女性のあん摩マッサージ指圧師が活躍することが多いです。

あん摩マッサージ指圧師のキャリアアップの仕方

あん摩マッサージ指圧師としての技術を高める

あん摩マッサージ指圧師という専門職において、高い技術を身につけることは非常に大事です。技術を高めることで、それぞれの患者さんに合わせて的確な処置をすることができます。また、技術はもちろんのこと、あん摩マッサージ指圧師としてのコミュニケーション能力を高めることで患者さんと良好な関係を築くことができ、リピーター患者さんを増やすことができます。その結果収入も上がり、キャリアアップをすることができます。

他の資格を取得する

あん摩マッサージ指圧師1つの資格でも十分ではありますが、さらにキャリアアップを目指すなら鍼灸師や柔道整復師などの他の資格を取得する必要があるといえます。鍼灸師は鍼や灸を使って治療を行い、柔道整復師はテーピングなどで外傷に直接治療を行えます。他の国家試験を取得することで治療の幅を大幅に広げることができ、より価値の高いあん摩マッサージ指圧師になることができます。

独立

あん摩マッサージ指圧師には開業権があります。とはいえ、資格取得後にいきなり開業する人はいません。実際に患者さんを治療していく中で、自分のスキルを高め、経験を積んだ後のキャリアアップとして独立するのが一般的です。あん摩マッサージ指圧師は特別な医療機器などを必要としないので、開業資金を抑えられることが魅力です。しかし、競合院も多く、成功するためにはしっかりとプランを立てる必要があります。卒業生に対して開業支援を行ってくれる学校などもありますので、学校を決める際に参考にしてみるのもよいかもしれません。

ケアマネージャーを目指す

あん摩マッサージ指圧師は介護の現場で5年以上実務経験を積むとケアマネージャー（介護支援専門員）の受験資格を得ることができます。ケアマネージャーは介護を必要とする人が介護保険サービスを受けられるように、計画書の作成やサービス事業者との交渉を行うなど介護保険に関するスペシャリストです。キャリアアップとしてケアマネージャーを目指すのもよいかもしれません。

あん摩マッサージ指圧師の海外進出

あん摩マッサージ指圧師は海外でも活躍することができます。海外では、マッサージ店やスパなどが街のいたるところやリゾートホテル内に多くあります。日本人のマッサージ師は海外では重宝される傾向があります。その理由としましては、日本人の国民性としてホスピタリティ精神に長けていることや丁寧な仕事を心掛けていることが高く評価されています。ですので、キャリアアップとして海外で働く選択肢もあります。ただし、そのためには一定の英語力、働く国によっては現地の専門学校に入学すること、就労ビザの取得など様々な条件があるので事前にしっかりと調べることをおすすめします。

まとめ

ここまで、あん摩マッサージ指圧師のキャリアについて説明してきました。解決しなければいけない課題はありますが、将来的に様々な場所で活躍ができる職業だといえます。就職先やキャリアアップ方法など多くの選択肢がありますので、今一度自分のキャリアについて考えることをおすすめします。当サイトでは、あん摩マッサージ指圧師について他にも様々な記事がありますので、興味のある方は是非ご覧ください。