義肢装具士の平均年収はいくら？具体的な金額や年収アップのポイントを解説！

義肢装具士の平均年収は？

平均年収の値

厚生労働省によって行われた調査によると、義肢装具士を含む保健医療従事者の平均年収は約426万円（月給30万円、ボーナス71万円）でした。なお、求人ボックスのデータによると、義肢装具士の平均月収は約26.4万円となっています。

全業種・業界内での比較

厚生労働省の令和2年賃金構造基本統計調査によると、民間全業種の平均年収は約487万円、医療・福祉業界の平均年収は444万円でした。それらと比較すると、義肢装具士（を含む保健医療従事者）の平均年収は全業界、医療・福祉業界と比較してやや低めであるといえます。

義肢装具士の平均年収が低い理由は？？

上記で、義肢装具士の給料は民間全業種と医療・福祉業界と比較して、低いことがわかりました。では、なぜ義肢装具士の平均年収は低いのでしょうか。義肢装具士の平均年収が低いことには理由があります。理由の1つとして考えられるのは、平均年齢の低さです。一般的に義肢装具士などの医療・福祉関連職は非常に高い専門性が求められます。つまり長く働くことによって経験を積み、専門性を高めることでお給料も上がっていくということです。平均年齢を見てみると、全業界の平均年齢が46.7歳であったのに対して義肢装具士の平均年齢は38.1歳となっています。したがって、義肢装具士は若い人が多い、すなわち給料がまだ低い人が多いため平均年収も低くなっていると考えられます。

義肢装具士の雇用形態別(正規・非正規・パート・アルバイト）の給与比較

義肢装具士は正社員として働く以外にも、契約社員・アルバイトやパートなど様々な雇用形態があります。正社員は月給制であり、20万円～40万円となっております。契約社員は求人募集は少ないですが、月給は20万円～40万円で、正社員と差がないといえます。アルバイトやパートは時給制となっており、1000円～1500円が相場となっています。週5日で毎日8時間働いたとしても、月20万円前後となります。

義肢装具士の勤務先別（規模）の給与比較

義肢装具士の年収は、勤務先の規模が大きくなると平均年収も上がる傾向が見られます。義肢装具士の平均年収は10～99規模の場合381万円、100人～999人規模の場合は428万円、1000人以上規模の場合は471万円になっております。

義肢装具士の地域別（エリア別）の給与比較

義肢装具士の給料を都道府県別で見てみると、最大で230万円ほどの差があります。東京の平均年収は、403.6万円となっています。平均年収が一番低い地域は秋田県で292.9万円です。一番高い地域は栃木県で583.8万円です。参考程度になりますが、北海道は420.4万円、神奈川県は408.4万円、静岡県426.2万円、大阪府471.9万円、広島県454.4万円、愛媛県363.5万円、熊本県410.1万円、鹿児島県363.6万円、沖縄県396万円となっています。このように都道府県によって平均年収が大幅に変わってくることがわかります。

義肢装具士の年齢別の給与比較

厚生労働省の調査によると、義肢装具士の平均年収は年齢の上昇に伴い上がっていく傾向が見られます。平均年収が一番高い年齢層は55歳～59歳となっています。専門職ということで年齢を積み重ねるごとに経験、スキルが身に付き、高い年収を得ることができます。

義肢装具士の性別による給与比較

続いて、男女による平均年収の違いを確認します。年齢は男性の方が若干高く、勤続年数は男性の方が長いという条件での比較になります。下の表に記載の通り、厚生労働省の調査によると、企業規模が10人以上の男性・女性の平均年収の場合は男性の方が80万円程度高くなっています。義肢装具士の男女比は2：8で男性の方が多く、女性の方は出産などでキャリアを重ねづらいという違いがあり、年収の差が生じていることは事実です。

将来、給料を上げるには？！

技術を磨く

冒頭で述べたように、義肢装具士の給料には実力が大きく影響します。製作の速さや仕上がりのレベルを勤務先に認められれば、給料が上がる場合があるといえます。年齢の上昇に伴い給料が上昇する傾向から見て、時間をかけて経験値を積むことも給料を上げる1つの方法です。

資格を取得する

義肢装具士は勤務先によって技能手当と資格手当が支給されるため、他の資格を取得することも給料を上げる方法の一つです。義肢装具関連の資格では、義肢・装具製作技能士という国家技能検定があります。級ごとに難易度は異なりますが、実技試験と学科試験に合格する必要があり、義肢装具士が技術と知識を証明する手段の一つです。

独立する

独立し、自分が経営者になることで収入を上げる方法です。独立することで、売り上げがすべて自分の収入に結びつくため、正社員として働くよりも多くの給料を得ることができるかもしれません。しかし、成功するには高いスキルが必要不可欠でしょう。

まとめ

義肢装具士の年収は一見低いと思われるかもしれません。ただし、個人の実力、働き方、働く場所におって大きな違いが出てきます。しかし、これは義肢装具士に限らず、専門職の宿命といってもいいかもしれません。ですので、義肢装具士の国家資格を取ることをゴールとせずに、社会に出てからも多大な努力を積み重ね、経験・スキルを磨き上げていくことが重要です。また、義肢装具士の活躍の場あ一つの場所だけとは限りません。義肢装具製作所、リハビリテーション施設、病院、スポーツの現場への帯同、発展途上国などでの国際支援など多くの選択肢があります。また、経験を積んだ後に、独立する人もいます。下積み時代に多くの収入は期待できませんが、ステップアップすることで収入を上げていくことができます。