視能訓練士の平均年収はいくら？具体的な金額や年収アップのポイントを解説！

視能訓練士の平均年収は？

全業種・業種ごとの平均年収との比較

厚生労働省によって行われた調査によると、視能訓練士の平均年収は約419万円です（理学療法士や言語聴覚士を含む）。これは日本人がもらっている平均年収と比べるとどうなのでしょうか？国税庁によって調査された令和2年の全業種の平均年収はおよそ433万円といわれています。つまり、視能訓練士の平均年収は日本人の平均年収に比べると14万円ほど低いというデータがでています。また、視能訓練士の月給平均は30万円、初任給は25万円、ボーナス平均は75万円ほどが相場です。ただし、視能訓練士の平均年収は勤務先によっても変わります。具体的には、大学病院や総合病院のような規模の大きな医療機関から個人経営のクリニックまで全国の医療機関が主な勤務先であり、私立系や国公立系によっても給与水準が異なるためです。

視能訓練士の平均年収が低い理由は？？

なぜ視能訓練士の平均年収は他業種と比べて低いのでしょうか。これには理由が2つあります。まず、1つ目は個人のスキルや経験によって給料に大きな差が出るからです。眼科領域の研究は常に新しい情報や知見が出てきます。また、検査機器なども最新のものが出れば、対応できなければなりません。視能訓練士は日々の勉強が肝心です。実際、視能訓練士の年収幅は300～700万円まで人によって幅があります。2つ目の理由は非常勤雇用が多い点です。視能訓練士は視能検査や視能矯正が主な業務であるため、患者がいる時間帯だけの業務で済みます。そのため、医療機関によっては非常勤で雇用している場所も多数あります。残業も少ない業種ですから手当がつきにくく、結果的に平均年収に影響します。また、個人のスキルや経験以外にも、地域、年齢、性別、働き方や勤め先によっても変わります。

視能訓練士の雇用形態別（正規・非正規・パート・アルバイト）の給料比較

視能訓練士は正社員として働く以外にも、契約社員・アルバイトやパートなど様々な雇用形態があります。正社員の場合、基本は月給制で約16～45万円となっています。契約社員の場合は17～35万円ほどとなっており、正社員と比べると少し低くなっています。アルバイトやパートは時給制で、1,200～2,000円が相場です。週5日で毎日8時間働いたとすると、月20万円～30万円前後となります。

視能訓練士の勤務先別（規模）の給料比較

※上記のデータは「理学療法士，作業療法士，言語聴覚士，視能訓練士」のものであり、他の専門職のデータも含まれています。

視能訓練士は勤務先の企業規模が大きくなるほど平均年収も上がる傾向が見られます。視能訓練士の平均年収は10～99人規模の場合は409万円、100～999人規模の場合は414万円、1000人以上規模の場合は436万円です。
ただし、10~99人規模と1000人以上規模を比較しても、27万円程度の差であり、大きな差ではありません。よって企業規模よりも勤め先の給与体系の影響が大きいと言えます。なお、一般的には公立の大学病院や公立医療機関よりも私立の大学病院のほうが給与は高くなる傾向にあります。

視能訓練士の勤務先別（規模別）の給料比較

視能訓練士の地域別（エリア別）の給料比較

東京の平均年収は408.9万円となっています。平均年収が一番低い地域は熊本県で369.2万円です。一番高い地域は富山県で510.9万円です。参考程度になりますが、北海道は411.2万円、千葉県は411.7万円、静岡県407.1万円、大阪府428.2万円、広島県428.2万円、愛媛県394.3万円、鹿児島県396.2万円、沖縄県385.3万円となっています。都道府県によって平均年収が変わってくることがわかります。富山県が高い理由は、活躍している視能訓練士の年齢は無関係ではないでしょう。全国平均が33.9歳に対して、富山は39.3歳でした。視能訓練士は年齢に伴い年収が上がっていく職種なので、就業している視能訓練士の平均給与も高くなったと考えられます。

視能訓練士の年齢・性別の給料比較

厚生労働省の調査によると、視能訓練士の平均年収は年齢の上昇に伴い上がっていく傾向が見られます。平均年収が一番高い年齢層は55～59歳で566万円です。専門職ということで年齢を積み重ねるごとに経験・スキルが身につき、高い年収を得られます。

また、男女によっても平均年収が変わってきます。厚生労働省の調査によると、業界規模が10人以上の男性・女性の平均年収は男性のほうが高く、438万円、女性は397万円でした。

視能訓練士の年齢別の給料比較

視能訓練士の男女別の給料比較

将来、視能訓練士として給料を上げるには？！

私立病院や公立病院で勤務する

視能訓練士として就職する場合、私立病院でへの就労がもっとも平均年収が高くなります。専門職ですので私立病院と他の医療機関で業務内容が大きく異なることは少ないでしょう。よって将来的に視能訓練士になると決めているのなら、私立病院の勤務先を検討しておくとよいでしょう。次に平均年収が高いのが公立病院です。さらに公立病院には公務員として働けるというメリットがあります。安定性のある職場がいいという人は公立病院も選択肢になるでしょう。

知識やスキルをアップデートする

視能訓練士として平均収入を上げたいなら常にスキルを磨くことが重要です。医学は常に新しい知見が出てくるので、最新の知識や幅広い技術のある視能訓練士になれば、職場でも評価されます。
また、日本視能矯正学会や日本弱視斜視学会といった関連する学会が存在します。学会では症例についての治療例や、研究など様々な発表が行われます。そういった集まりに参加して、最新の知識や技術を身に付けることもキャリア形成につながります。もちろん現場で得た経験の蓄積も、自分だけの大切なスキルになります。毎日の業務を丁寧にこなしていくことが、未来の収入アップにつながることも十分に考えられます。

コミュニケーション能力磨く

視能訓練士が年収を上げる方法は主に「知識や技術の研鑽」や「転職」ですが、それ以外で高めておきたいのがコミュニケーション能力です。子供から高齢者まで幅広く会話でき、なおかつ眼科医との意思疎通が円滑であれば、適切な仕事ができるでしょう。よって高いコミュニケーション能力は結果的に職場での信頼や評価に直結します。

まとめ

これまで見てきたように視能訓練士の平均年収は他業種と比べて高いというわけではありません。
しかし、視能訓練士は国家資格である点、残業が少ない点などメリットもあります。また、勤務先次第では、希望に叶うだけの平均年収を得ることは充分可能ですし、公立病院に勤めることで公務員という安定した立場で働くこともできます。
専門性が求められる業務ですので、向上心がある人や常に自分をアップデートできる人にもおすすめです。一人ひとりにあったコミュニケーションや治療法を検討していければ、給与は自然と上がっていくでしょう。