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作業療法士を目指せる進路は?進路別のメリット・デメリットを解説!

2022年12月20日

はじめに

この記事では近年注目が高まっている作業療法士の進路選択についてご紹介します。作業療法士になるための進路に悩んでいる方はぜひご参照ください。

作業療法士になるには

養成校で3年以上修業、のちに国家試験合格

作業療法士はリハビリの分野における国家資格です。そのため作業療法士になるには作業療法士国家試験に合格し、作業療法士の資格を取得する必要があります。そしてその作業療法士国家試験を受験するためには、作業療法士養成校に3年以上通い、必要な知識や技能を修得しなければなりません。
したがって作業療法士になるには、

STEP 1:作業療法士養成校入学
STEP 2:作業療法士養成校卒業(3年以上修学)
STEP 3:作業療法士国家試験受験・合格
STEP 4:作業療法士資格取得

という段階を踏む必要があります。国家試験は毎年2月に実施されるため、多くの受験生が養成校の最終学年の2月に国家試験を受験し、卒業と同時に作業療法士の資格を取得します。

作業療法士養成校の数と種類

日本作業療法士協会によると、2019年時点で作業療法士養成校は日本全国に約193校あります。地域ごとに偏りがあるわけではなく、全ての都道府県に最低1校はあるようです。養成校の種類は大きく分けて、大学、短期大学、専門学校の3つがあります(大学:約84校、短大:約5校、専門:約104校)。このうち大学に関しては多くの場合4年制で、短期大学は3年制、専門学校は3年制と4年制の両方があります。

作業療法士専門学校、大学、短大のそれぞれのメリット

作業療法士を目指すための進路の候補として、主に3つがあることが分かりました。その中でも学校数から見て分かるように、多くの人が専門学校か大学かで迷うようです。
それでは、専門学校と大学、短期大学にはそれぞれどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの特徴とメリット・デメリットを比較してみましょう。

作業療法士を目指せる専門学校のメリット・デメリット

専門学校に進学するメリットは主に2つあります。1つ目は最短で国家試験受験資格を得られる点です。3年制の専門学校を選んだ場合、国家試験に一発合格できれば最も早く作業療法士になることができます。最短で作業療法士として働き始めれば、その分早くから実戦経験を積むことができ、お給料アップも他の進路より早くなる可能性があります。メリットの2つ目は、作業療法士に特化した勉強ができる点です。専門学校の場合、学生が卒業後に作業療法士になることを前提にカリキュラムが練られているため、国家試験対策や作業療法士に必要な技能を養う実習などが充実しています。
また専門学校には夜間制のコースがある学校もあります。働きながら学校に通いたいという方は専門学校の夜間コースを検討してみると良いかもしれません。

一方で専門学校のデメリットとして、大学のように進路変更が容易ではない点が挙げられます。作業療法士に特化した勉強をするため、もし仮に入学後に作業療法士以外の道を目指したくなった場合、コスト(お金、時間、労力)がかかるといえます。

作業療法士を目指せる大学のメリット・デメリット

大学に進学するメリットは主に2つあります。1つ目は、作業療法についてじっくりと時間をかけて学ぶことができる点です。これは3年制の専門学校や短期大学とは異なり大学が4年制であるためです。大学のメリットの2つ目は、作業療法士以外の進路にも柔軟に対応できる点です。多くの大学では専門科目の他に一般教養科目など幅広い教科が学生に提供されます。したがって、もし仮に大学に入学してから作業療法士への興味・関心が薄れてしまったとしても、他の科目を勉強したり、作業療法士以外の進路を目指したりすることが可能です。

一方大学のデメリットとしては、卒業までに勉強しなければならない科目が多いという点が挙げられます。作業療法士とはあまり関係がないような科目が卒業までに課されていることもあります。したがって本気で作業療法士を目指す方には負担となってしまうかもしれません。

また学費の詳細については後述しますが、国公立大学の場合他の進路よりも学費を抑えることができます。一方で国公立大学は募集人員が少なく、科目数が多い共通テストなどの入学試験があり、狭き門だといえます。

作業療法士を目指せる短期大学のメリット・デメリット

短期大学は基本的に3年制です。大学同様、一般教養についても学びますが、専門学校のように実習もあります。大学と専門学校の中間にあたる位置づけです。基本的に3年間の通学なので4年制の大学よりも短期間で国家試験受験資格が得られます。一方で、3年間で一般教養、専門科目、受験対策を行う必要があるので忙しい3年間になるといえそうです。

作業療法士の専門学校、大学、短大ベストな進路は?

それぞれの学費比較

国公立大学の場合、4年間の学費は230万から260万円ほどとなっています。都立や県立などの公立大学の場合、出身地によって学費や入学金が減免されることもあり、対象の場合学費をさらに安く抑えることができます。一方、私立大学は国公立の大学の2~3倍ほど学費がかさみ、4年間で600万から700万円ほどかかるようです。短期大学と専門学校は400万~550万円ほどで同程度となっています。

進路によって就職先、就職の難易度は変わるの?

養成校卒業後の就職が気になる人も多いのではないでしょうか。結論から言うと、進路によって就職に大きな差はありません。作業療法士という資格を取得するので、その資格で活躍できる場に就職する方がほとんどです。強いて言えば、大学や短期大学の場合、一般企業への就職という道もあることにはあります。また専門学校の中には病院が設立した学校や医療施設等と提携を結んでいる学校もあり、その場合、コネクション先に就職がしやすくなることもあります。

進路によって将来のお給料は変わるの?

作業療法士になるには大学、短大、専門の主に3つの進路があるとご紹介しました。これらの進路によって、将来作業療法士として働く際にお給料に差はあるのでしょうか。結論から言うと、進路によってお給料に差が出ることはありません。作業療法士は国家資格であり、非常に高い専門性が求められます。つまり作業療法士のお給料は国家資格を持っていることを前提に、経験年数や専門性によって変わるということです。したがって現段階では将来のお給料を気にせず、作業療法士になる(国家試験に合格する)ためにどの進路が自分にとってベストかを考えると良いかもしれません。

進路別の合格率は?

それでは、国家試験合格の可能性を高めるためにはどこに進学するのが最適なのでしょうか。厚生労働省によると、2009年から2018年までの10年間において、大学の作業療法士国家試験合格率は86.4%だった一方、専門学校の合格率は76.2%でした。作業療法士の国家試験合格率は約8割なので、大学の合格率は高く、専門学校は平均を下回っていると言えるでしょう。100校以上ある専門学校の中で比較すると、毎年合格率100%を叩き出す学校もあれば、30~40%の学校もあるようです。したがって、国家試験合格の可能性を高めるためには、大学への進学、または合格実績の良い専門学校への進学を検討するのが良いでしょう。

本気で作業療法士を目指すなら専門学校へ

作業療法士の進路について様々なデータをご紹介してきました。最後に編集部がおすすめする進路をご紹介します。

まず、もう作業療法士になるのを決めている、本気で作業療法士を目指したいという方には専門学校への進学をおすすめします。理由は単純です。作業療法士になるのに一番の近道だからです。そしてその中でも国家試験合格率に定評がある学校を選べば、作業療法士になれる確率はさらに上がります。作業療法士の専門学校の選び方については、別の記事でご紹介しているので、専門学校への進学を検討している方はぜひご参照ください。

また、まだ作業療法士になるか迷っている、あるいは他のことにも興味があるという方には国公立大学への進学をおすすめします。理由は2つあります。1つは大学に進学するのが将来の選択肢を最も多く持つことができるからです。作業療法士以外の職種に就きたいと思っても方向転換が簡単です。やっぱり作業療法士になりたいと思っても、大学であればどの学校も高い国家試験合格率を誇っています。2つ目の理由は、学費が安いからです。学費が安い分、競争率も高く入学のハードルが高いですが、将来について迷っているのであれば大学、そしてその中でも国公立を目指しましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。この記事では作業療法士になるためのベストな進路選択についてご紹介しました。どの進路にもメリットとデメリットがあります。そして皆さんの中にも優先したいことがあるかと思います。それらを明確に理解した上で進路選択をしていただくと、ご自身にとってベストな進路に進むことができるのではないでしょうか。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

学校法人大阪滋慶学園大阪医療福祉専門学校HP
https://www.ocmw.ac.jp/
藍野大学HP
http://univ.aino.ac.jp/index2.php
医療法人八女発心会専門学校久留米リハビリテーション学院HP
https://kurumereha.ac.jp/
学校法人佑愛学園愛知医療学院短期大学HP
https://www.yuai.ac.jp/
厚生労働省『理学療法士・作業療法士の需給推計を踏まえた今後の方向性について』
https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/000499148.pdf
仙台青葉学院短期大学HP
https://seiyogakuin.ac.jp/
帝京平成大学HP
https://www.thu.ac.jp/
東京都立大学HP
https://www.tmu.ac.jp/
北海道大学HP
https://www.hokudai.ac.jp/
八千代リハビリテーション学院HP
http://www.yachiyo-reha.jp/index.php
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