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体育教師に必要な資格とは?取得するメリットを解説!

2022年03月01日

はじめに

体育教師になるには、学校での教員養成課程の修了と教職員採用試験に合格することが必要です。ここでは、体育教師になるための方法やそのメリット・難易度について説明しています。

どんな資格?体育教師の免許概要

スポーツ好きを仕事にできる「体育教師」

体育教師の免許は数種類あり、種類により勤務できる学校が異なります。「二種教員免許状」は、短期大学の教職養成課程を修了することで取得できます。ただし、高校で教えることはできません。「一種教員免許状」は、4年制大学で教員養成課程を専攻することで取得できます。「専修教員免許状」は、大学院で修士の学位を得ることで取得可能です。免許状を取得後、都道府県の教員採用試験に合格すると、実際に学校で教えられるようになります。私立学校の場合は、各学校で採用試験が実施されます。

体育教師の成り立ち

第二次世界大戦後の1947年に、教育を復興させるため学校教育法が制定され、学習指導要領も発表されました。
当時は戦後の教員不足により、無資格の教員が学校で教えることも少なくありませんでした(1950年時点で教師の4分の1は無資格)。そのため、1949年に教員免許制度が創設され、教員免許を持つ教師(体育教師も含む)を増やすようにしたのです。
その後も、時代の状況に応じてさまざまな法改正を行ってきました。2007年には、教員免許更新制度が設けられましたが、2021年11月に廃止が決定され、2022年に法改正、施行される見込みです。

体育教師の採用試験概要と取得難易度

体育教師の採用試験概要

実施日

各都道府県の教員採用試験の1次試験は6~7月、2次試験は8~9月です。

試験内容

筆記試験、面接、実技試験、適性検査の4種類あります。
筆記試験は、一般教養、教職教養、専門教養、小論文です。
実技は、都道府県や私立学校により異なりますが、陸上、器械、水泳、球技、ダンス、武道などです。

形式

筆記は記述式と選択式です。面接は、個人・集団面接や討論、模擬授業などです。

開催地

教員採用試験は、各都道府県や私立学校で実施されます。

料金

教員採用試験の受験料はかかりません。移動や書類送付などの実費のみの負担です。

注意事項

一次試験は、基本的に地区ブロックごとに日程が決められています。そのため、近隣県の併願は難しいですが、遠隔の地区であれば併願も可能です。ただし、各県で試験内容が異なるため、試験対策の負担は増してしまうでしょう。

体育教師の採用試験難易度~合格率は10%程度?!~

教員免許状を得たのちに都道府県の教員採用試験に合格し、実際に体育教師になるのは簡単ではありません。教育新聞の統計によると、2019年度(2018年実施)の公立中学・高校における保健体育の教員採用試験の合格率はおよそ9.9%でした。ただし都道府県により、受験者数や合格者数をすべて非公開、または一部の情報のみ公開にしている場合もあるため、この数字は目安としてとらえてください。

教員免許は、大学や短大・専門学校の教員養成課程を履修して必要な単位をすべて取得すれば可能です。しかし、都道府県の教員採用試験に合格することは難関です。非常勤の教員になって経験を積み、採用試験に何度もチャレンジする人も少なくありません。一般の会社の採用試験と違って併願が難しいため、多くの受験者は1年に1度の真剣勝負で、入念な準備をして臨んでいます。その中を勝ち抜くには、受験する都道府県の試験内容をよく調べ、十分に対策を練る必要があるでしょう。

なぜ取得するの?体育教師の免許を取得するメリット

全国の学校で働ける

体育教師の免許を保有することで、全国の学校で教えることが可能になります。
また、都道府県の公立校の教員に採用されれば、地方公務員になるため、給料を安定して稼ぐことができます。初任給では民間企業とそれほど違いがありませんが、勤続年数が上がれば収入も上がっていきます。
私立校を目指すことも可能ですし、教員免許があることで採用で有利になる就職先もあります。

クラスや学校のために活躍できる

体育教師は、保健体育の授業を担当するだけでなく、学級担任や副担任としてクラス活動、生徒指導も行えます。また、学校の体育祭、文化祭、修学旅行などの行事でも運営をサポートできます。 幅広く活躍することで、やりがいを感じられます。卒業するときや卒業後何年も経ってから、生徒に感謝されることもあるでしょう。

スポーツ選手の育成に携われる

体育教師は、自身も学生時代にスポーツを熱心に行っていた人が多いものです。選手として活躍してきて得た経験や技術などを、次の世代につなげていきたいと考えるでしょう。
学校の体育の授業はもちろん、部活動でも次世代選手の育成に携わり、スポーツの発展に貢献できます。生涯を通してスポーツにかかわることができるでしょう。

安定している

難関である教員採用試験を合格するのは大変ですが、公務員として1度正規採用されれば将来的に安定しているといえます。
少子化により学校が閉鎖されることで、働く場が減る可能性はありますが、体育教師の仕事がなくなることはありません。民間企業のようにリストラの心配も不要です。
公務員として安定して働き、自分の地元など地域に根ざして暮らしたい人には最適でしょう。

どうやって取得するの?体育教師の免許を取得する方法

体育教師の免許を取得するまでの流れ

体育教師になるためには、学歴要件があります。中学で体育教師になるためには、大学や短大などで教員養成課程を修了することが必要です。ただし、高校で体育教師になるには4年制大学の教員養成課程を履修しなければなりません。免許の取得後、都道府県の教員採用試験へ合格するか、私立学校の採用試験に合格することで、体育教師として働くことができます。

3~4月に実施要項が発表され、大学生の場合は3年生が願書を提出します。4年生の6~7月に1次試験、8~9月に2次試験を受けます。なお、保健体育の教育職員免許状を取得見込みまたは取得済みでなければ受験できません。
10月の合格発表で合格していれば、3月には赴任先が決まり卒業後4月に赴任することになります。

採用試験に1回で合格できない場合は、来年に再挑戦する教員志望者も多くいます。教員養成課程で学ぶときから、ただ単位取得だけを目指すのではなく、教員採用試験を意識して準備することが必要です。

体育教師の免許を取得するための一般的なルート

体育教師になる一般のルートは、4年制大学で教員養成課程を履修することです。体育教師限定の統計ではありませんが、文部科学省 によると、2020年度の公立中学・高校の教員採用者の学歴は、一般の大学・学部卒業が63.6%、国立の教員養成大学や教育学部卒業が25.7%で、大卒者は合わせて89.3%を占めています。

まとめ

体育教師になるには、大学などで教員養成課程を履修し教員免許を取得することに加えて、各都道府県や私立高校が実施している教職員採用試験に合格することが必要です。
教員免許を得ることは比較的容易ですが、教員採用試験は難関で、合格するために何年も挑戦する人も少なくありません。そのため、スポーツに秀でているだけではなく、生徒の心身の成長をサポートすることを仕事にしたいと強く願う人に向いている職業といえます。
目指す場合は、教員養成課程が設けられている大学に入学するとよいでしょう。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

文部科学省教員免許状に関するQ&A
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/main13_a2.htm
国立教育政策研究所「我が国の学校教育制度の歴史について」13、14ページ
https://www.nier.go.jp/04_kenkyu_annai/pdf/kenkyu_01.pdf
文部科学省末松信介文部科学大臣記者会見録(令和3年11月19日)
https://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/mext_00210.html
教育職員免許法第2章免許状第4条
https://hourei.net/law/324AC0000000147
さいたま市
https://www.city.saitama.jp/006/001/001/002/p066812_d/fil/H32_14hotai.pdf
教育新聞平成31年度(平成30年実施)公立学校教員採用選考最終選考実施状況
https://shikakuhiroba.net/wp-content/uploads/2019/04/k20181112digital-2.pdf
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