体育教師の平均年収はいくら？具体的な金額や年収アップのポイントを解説！

体育教師の平均年収は？

全業種・業種毎の平均年収との比較

令和2年度に国税庁が調査したデータによれば、全業種の平均年収はおよそ433万円でした。体育教師を含む高等学校教員の平均年収は、10人以上の規模に限定した場合、681万円程度となっていて、他の業種より200万円以上も高い収入を得ていることが分かります。公立学校に勤務する体育教師は地方公務員に属するため、各都道府県の規定に基づいて給与水準が決定されます。教員免許は小学校・中学校・高校でそれぞれ個別に取得しなければならず、また各自治体の採用試験に合格しないと教員にはなれないため、それなりの待遇が保証されているようです。他の業種では、不景気などが理由で給与が減少する可能性もあります。しかし、公務員であれば、経済状況による給与カットやリストラの心配もありません。また、昇給制度がしっかりと設けられてられているため、勤続年数に応じて給与が上がりやすいといった特徴があります。 ただし、能力に応じた昇給はありません。私立学校の教員も基本的には公立学校に勤める場合と収入は変わりませんが、条件により給与の差が生じるケースがあります。

体育教師の平均年収が高い理由は？？

公立学校に勤める体育教師は公務員であるため、比較的高収入を得やすいとされていますが、初任給では他の業種とそこまでの差はありません。しかし、30代になると年収がアップし、勤続年数に伴ってさらに昇給が見込めます。これは、私立学校においても同様です。残業や休日出勤の手当は、文部科学省により認められた場合のみとなっているものの、ボーナスをはじめとした福利厚生は充実しています。なお、地方公務員の給与は、どの都道府県で勤務するかで異なりますが、担当する教科や男女での差はありません。

体育教師の雇用形態別(正規・非正規・パート・アルバイト）の給与比較

体育教師には、常勤・非常勤といった勤務形態の違いがあります。基本的に、常勤のほうが給料が高く、非常勤の給料は低くなります。常勤の場合、給料は変動しませんが、非常勤の場合は労働時間などによって給料が変動します。報酬は、授業1コマで4,000円程度となっていて、フルタイムで勤務する非常勤教員の平均的な月収は18万円程度となるようです。非常勤の場合には、勤め先の学校によりボーナスや昇給制度の事情が異なります。常勤教員と比べて十分な収入を得るのは難しく、雇用も安定しないため、採用試験に合格するまでに実績を積みたかったり、掛け持ちでやりたい仕事があったりする人には向いている働き方といえるでしょう。常勤では、30代で30万円以上、40代で40万円以上の月収に加え、賞与、扶養手当、住宅手当、通勤手当なども含まれた給与が支払われます。そのため、安定した収入を得るには、採用試験に合格して常勤となるのが理想的です。

体育教師の勤務先別（規模）の給与比較

地方公務員として勤務する教員は規模による給与差がないため、ここでは私立学校も含めた体育教師の平均年収を取り上げました。私立学校の場合には、規模が大きくなると給料が高くなる傾向にあります。
一般的に都市部の学校では生徒数も多く、財源的な余裕もあるため、体育教師の平均年収は高い傾向にあります。一方、過疎地の学校などで十分な予算が組めない状況だと、給料は下がってしまうようです。
公立学校であれば政令指定都市などの規模の大きな自治体、私立であれば生徒数の多い学校へ就職すると高収入が期待できます。
※上記のデータは厚生労働省の調査において「高等学校教員」と区分されたものに限ります。

体育教師の勤務先別（規模別）の給料比較

体育教師の地域別（エリア別）の給与比較

厚生労働省の統計データによると、高等学校教員の平均年収がもっとも高いのは、神奈川県の837.2万円程度です。次いで東京都の807.8万円程度、大阪府の804万円程度となっています。また、いちばん低い地域は徳島県の419万円程度です。このような結果から、人口の多い地域では年収が高くなり、人口の少ない地域では低くなるというのがわかります。なお、公立学校と私立学校に分類された地域別データは出されていませんが「私立学校の給与は公立学校の給与に準ずる」と決められているため、ほぼ同じ水準と推測できます。

体育教師の年齢・性別の給与比較

厚生労働省の調査では規模別で区分されたデータが発表されていますが、ここでは算出した平均額を記載しました。学校教員の収入は、59歳までは年齢とともに伸びていき、60歳を過ぎると減少することが分かります。
また、教員の給与は男女平等ですが、実際は男性教員のほうが高収入です。管理職では男性教員の数が多いことから、このような結果になるものと考えられます。

体育教師の年齢別の給料比較

体育教師の男女別の給料比較

将来、給料を上げるには？！

非常勤から常勤へ

教員採用試験に不合格となってしまい、非常勤職員として働く場合は、担当したクラスのコマ数や時給換算された額が収入となります。まずは試験に合格して、常勤の体育教師になることが収入アップにつながります。

教員管理職試験に合格する

体育教師も教員管理職試験に合格すると管理職へと昇進できます。教頭や校長になると管理職手当が支給され、10%～16%給与がアップする仕組みになっています。管理職試験には受験資格が定められており、年齢制限や経験年数は各自治体によって異なるようです。

部活動の顧問になる

部活動の顧問には手当が支給されます。ただし、部活動の時間は4時間程度、手当は3,000円と文部科学省により定められているため、所定の時間に達していないと全額は支給されません。また、休日などの試合で半日以上かかったとしても手当の増額は認められていないため、しっかり休みを取りたいという教員には負担になるかもしれません。

まとめ

体育教師は、他の業種と比較して高収入であり、勤続年数により年収がアップしやすい職業です。管理職試験に合格して教頭や校長に昇進すれば、その職責に対する特別な手当てもプラスされるため、やりがいも感じられるでしょう。公立学校の教員は地方公務員であるため、長期的に安定した収入が得られます。
教員採用試験の難易度は、学校の種類や自治体での倍率によって異なり、自治体のホームページなどで調べられます。今後はより専門性の高い知識や、心の健康に関する授業も求められると予測されているため、非常に将来性のある仕事です。