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体育教師のキャリアアップの方法は?仕事の現状と将来性を解説!
2022年03月01日はじめに
体育教師は、公立・私立の中学校・高校に勤務して、定年退職まで安定して働ける職業です。一方、体育教師から民間のスポーツトレーナーに転職するというキャリアプランもあります。ここでは、体育教師の現状とそのキャリアアップの方法について説明していきます。
目次
現状について
体育教師の業界が直面している課題について
体育教師が直面する課題はさまざまです。難関の教職採用試験に合格できず、非常勤講師として勤務する人や、採用試験に合格して常勤の体育教師になっても、思うような仕事ができず悩む人もいます。 広島大学大学院教育学研究科の木原成一郎教授が、学校内外での悩みについて保健体育教員に調査しています。悩みとして多く挙げられたのは、「生活時間の確保」「生徒指導」「保護者との関係」「管理者との関係」でした。プライベートの時間をとれず、部活動や生徒指導、人間関係に悩んでいることがうかがえます。 体育教師限定ではありませんが、OECD 国際教員指導環境調査によると、中学校教員の週平均の仕事時間は56.0時間と調査国の中で最も長くなっています。特に、課外活動の指導時間は週7.5時間と、参加国平均の1.9時間の4倍近くです。スポーツの部活動に深くかかわることになる体育教師の負担の大きさが容易に想像できるでしょう。 体育教師はスポーツを仕事にできますが、学校での立場や仕事量の多さで心身ともにストレスにさらされる人も少なくありません。また、転職しようにもキャリアが活かせる職種がすぐに見つからないこともあります。
体育教師の将来性について
社会変化がもたらす体育教師の需要の減少
少子化は、体育教師の需要にも影響を及ぼします。少子化によって、学校の生徒数が減ったり、学校の統廃合が進んだりすることで、必要とされる体育教師の数が減少します。定年退職者もいるので、体育教師の需要がなくなることはありません。しかし、体育教師が余ってくれば、新規の採用を控える傾向が出てくるでしょう。採用を控えることで、体育教師の高齢化も進みます。体育教師は、模範演技など実際に運動することも求められるため、若い教員もいることが理想的です。体育教師の需要の減少は、体育教師の志望者にも授業を受ける生徒にも影響を及ぼします。
体育教師の職場環境の変化について
体育教師の職場環境である学校にも変化が起きています。
たとえば、現在教えている体育教師が育った時代では当たり前だった指導方法が、ハラスメントととらえられることがあります。また、家庭用ゲーム機やスマートフォンの普及で、運動をしない子どもが増えていて、体育の授業にやる気のない生徒もいるでしょう。
学校の生徒の変化に対応し、解決策を探ることが、現代の体育教師には求められています。
女性の体育教師が活躍する場が増える?!
男性の職業のイメージがやや強い体育教師ですが、女性の体育教師も多くいます。男性の体育教師で対応しにくい思春期の女子に対して、適切な指導ができるため、女性体育教師が活躍できる場面は多いでしょう。また、丁寧な指導で生徒や保護者からの評価が高い女性教師もいます。
体育教師のあり方も時代とともに変化しており、女性の社会進出がさらに進むにつれて、女性体育教師も増えていくでしょう。
体育教師のキャリアのスタート~就職先~
中学校の体育教師
大学(または短大、専門学校)で教員養成課程を修了し、各都道府県の教員採用試験に合格するのが、公立中学の体育教師になる一般的なルートです。赴任先の中学校で働き、異動もあります。私立中学校の採用試験に合格すると、その学校で働くことになります。保健体育の授業だけでなく、担任や副担任、部活動の指導などにも携わります。
高等学校の体育教師
大学や大学院で教員養成課程を修了して、都道府県の教員採用試験に合格するのが、高校の体育教師になる一般的なルートです。中学校の体育教師は、専門学校や短大の教員養成課程を修了でもなることは可能ですが、高等学校の場合は4年制大学以上を卒業することが求められます。
トレーナー
教員養成課程で学んだ運動学や指導法を民間で活かすことも可能です。
たとえば、フィットネスクラブやスポーツジム、スポーツクラブなどでトレーナーになれるでしょう。フィットネストレーナーは資格や経験がなくてもなれますが、体育教員免許を持っていて、教え方も上手であれば、就職や待遇で有利になる可能性があります。
スポーツ関連の企業
大学や専門学校などで教員養成課程を修了した後、民間企業に就職することも可能です。運動教室などの教育関連企業なら、教育学や教育実習で学んだことを生かせます。スポーツ関連企業なら運動学やスポーツに関する幅広い知識を生かせるでしょう。
医療系の仕事
体育教員の免許を取得できる学校の中には、スポーツコースと医療コースを併設しているところもあります。それは、運動学と医療が密接だからです。そのような学校では、教員養成課程を履修しながら、医療・リハビリ関連の資格も取得することも可能です。スポーツチームのトレーナーや、医療福祉施設への就職、独立などの選択肢もあるでしょう。
体育教師のキャリアアップの仕方
体育教師としての技術を高める
体育教師として継続して学校に勤務すると、収入は上がっていきます。保健体育の授業だけでなく、クラスの担任・副担任になることや、部活動の指導を実施することで、着実に経験を重ねていけるでしょう。そして、管理職採用試験を受けて合格することで、教頭や校長になることも可能です。
ほかの資格を取得する
体育教師は、運動の専門家です。他のスポーツ系資格や医療系資格を取得することで、可能性はさらに広がります。たとえば、「理学療法士」や「柔道整復師」などの国家資格、日本スポーツ協会の公認アスレティックトレーナー(JASA-AT)などの民間資格を取得することで、企業へ有利な条件で転職するチャンスもあるでしょう。
独立
体育教師として独立するというより、経験や知識を生かし、スポーツトレーナーやコーチとして独立のチャンスがあります。公務員である体育教師より安定性には欠けるものの、独立して自分の可能性を試したい、または自分のペースで仕事をしたい、といった願いを叶えられるかもしれません。
転職
体育教師の転職先は、ジムやスポーツチームのトレーナーなどが考えられます。医療介護系の資格を取得すれば、スポーツ選手のケガや不調をケアする面でも有利になるでしょう。学校での指導経験を生かして、ジム講師として人気が出れば、体育教師より稼げる可能性もあるでしょう。
体育教師の海外進出
海外で働くには行きたい国でも通用する資格を取る必要があります。たとえば、アメリカでスポーツトレーナーとして働きたいなら、NSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)認定の資格、CSCSやNSCA-CPTを取得すると良いでしょう。国際的にも知られた資格です。また、指導するために語学力も身に付けなければなりません。
まとめ
体育教師を取り巻く環境は近年変化しています。従来の指導方法をすると問題になることがあります。体を動かす機会が少ない子どもが増え、指導しにくいと感じることもあるでしょう。
体育教師になっても、民間のスポーツ施設や関連企業に転職する人も珍しくはありません。体育教師として生徒の指導に携わることも有意義ですし、他の資格を取得し、民間で活躍することも意義深いものです。自分にとって最適なキャリアを形成していくことが大切です。
当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております
- 日本体育学会第65回大会合同シンポジウム「保健体育教師への学際的アプローチ」
- http://www.jspe65.sgk.iwate-u.ac.jp/program/pdf/symposium1.pdf
- 文部科学省統計情報
- https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/main_b8.htm
実際に働いている人の口コミをチェックしよう!
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