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保育士に必要な資格とは?取得するメリットを解説!

2022年03月01日

はじめに

この記事では、保育所で働くために必須の国家資格である保育士について、資格の概要、資格の取得方法、国家試験の内容と難易度、そして資格取得のメリットについてご紹介します。保育士について学びたい方はぜひご参照下さい。

どんな資格?資格の概要

保育所で働くために必須の国家資格

保育士とは、「子どもの保育」と「子どもの保護者に対しての保育の指導」に関する国家資格で、主な仕事は、保護者に代わって小学校入学前の子どもたちの子育てを実践することです。つまり、発達段階にある子どもたちの成長のサポートをするために必要な資格です。

保育士の歴史

保育士の歴史は、保育所の歴史とも言えます。日本では明治時代に託児所として始まりました。そこから、各時代のニーズに合わせて様々な保育所が開設され、1948年の児童福祉法制定により、保育所は「児童福祉施設」という公式施設として認可されました。当時は「保育士」ではなく「保母」が正式名称でした。しかし、ジェンダーフリーの価値観が浸透することで、「保育士」が正式名称になりました。そして、2003年児童福祉法の改正を機に保育士は国家資格となりました。つまり、保育士は専門性の高い職業という評価をされているということです。

なぜ保育士資格がいるの?資格を取得するメリット

「保育士」は名称独占資格といって、資格を保有していなければ「保育士」を名乗ることができません。そんな保育士の資格が必要な理由は何なのでしょうか。ここでは資格取得のメリットをご紹介します。

保育所で働ける!

保育所で働くためには、保育士の資格が必要になります。児童福祉法の改正を機に、保育士として働くためには国家資格の取得が必須になりました。そして、資格取得後、保育士登録をすることで交付される保育士証をもつことで保育士として就業することができるようになります。また、保育士資格をもつことで、託児所、児童厚生施設、児童養護施設、知的障害児施設などでも働くことができます。子どもの成長を見守る職業といえるので、子どもが好きな方にオススメの資格です。

食いっぱぐれない!

保育士のもう1つのメリットは、保育士の需要が高く、働く場所に困らない点です。保育所以外にも多くの施設で働けることに加え、保育士の需要に対して供給が追い付いていません。ニュースでもよく取り上げられる待機児童問題は、保育士不足が影響しています。また、保育士の需要は高く、出産・育児などで一度仕事から離れても、再就職して働きやすいという点も魅力の1つです。保育士は、長く安定して働き続けられる職業といえます。

どうやって取得するの?資格の取得方法

保育士の資格を取得するには大きく分けて2つのルートがあります。1つ目は、指定保育士養成施設を卒業することです。指定保育士養成施設には大学・短期大学・専門学校があり、保育士を目指す方の希望に合わせて選びます。学校を卒業すれば保育士の資格を取得することができます。2つ目は、保育士試験に合格することです。試験は毎年前期・後期の2回あり、筆記試験・実技試験の双方で基準をクリアすることで資格を取得できます。以下では2つのルートについて詳しく紹介します。

指定保育士養成施設ルート

指定された学校を卒業することで保育士になれるこのルートは、自分のニーズに合わせて学校を選ぶことが重要です。特徴ごとに指定された学校について見てみましょう。また、幼稚園教諭の免許とのダブル取得ができる学校もあり、試験による資格取得と比較して大きなメリットといえます。

大学

大学の指定保育士養成施設で資格を取得するメリットは、学士号が手に入ることです。保育士に興味はあるけれどまだ保育士になるか決め切れていない人、大学卒業の実績が欲しい人にオススメです。保育士の勉強をしながら、一般企業への就職も視野に入れることができます。また、多くの大学が幼稚園教諭の免許も取得できます。気になった方は以下のリンクから確認してみてください。

短期大学

指定保育士養成施設の短期大学で資格を取得するメリットは、短期間で取得できる点です。大学が資格取得までに4年かかるのに対して、短期大学では2~3年で資格を取得することが可能です。費用についても大学と比べて低くなっています。また、もし短期大学に在学中、大学に行きたいと思った場合、短期大学卒業後に転入することができる点は専門学校と比較して大きな魅力になります。

専門学校

指定保育士養成施設の専門学校で資格を取得するメリットは、費用を抑えることができる点です。大学・短期大学よりも少ない費用で資格を取得することができます。また、短期大学と同様2~3年での資格取得が可能なため、大学と比較して短期間での資格取得が可能です。さらに、専門学校は保育士になるための勉強に特化するため、保育士になることを決めている方、いち早く保育士になりたい方にオススメです。

保育士試験ルート

保育士試験に合格することで資格を取得するこのルートは、学校に通わずに保育士資格を取りたい人向けのルートと言えます。それでは、試験概要や取得難易度について見てみましょう。

試験概要

保育士試験は大きく分けて筆記試験と実技試験に分かれています。通常前期試験と後期試験で年2回試験が行われています。前期試験は筆記試験が4月、実技試験が7月に、後期試験は筆記試験が10月、実技試験が12月に行われます。受験申込期限は約3か月前になっているので、試験を受けようと考えている方は注意してください。受験にかかる金額は2021年時点で12950円となっています。
筆記試験は9つの科目で構成され、「保育原理」「教育原理及び社会的養護」「子ども家庭福祉」「社会福祉」「保育の心理学」「子どもの保健」「子どもの食と栄養」「保育実習理論」となっています。実技試験は、「音楽に関する技術」「造形に関する技術」「言語に関する技術」の3分野から2分野を選んで受験します。合格基準は筆記試験・実技試験双方の全受験科目で6割以上をとることです。実技試験は、筆記試験の全科目で基準をクリアしないと受験することができません。

取得難易度

保育士試験の難易度はどの程度なのでしょうか。過去のデータを見てみます。令和2年度に行われた2回の試験では、受験申請者数44,914人に対して、合格者は10,890人でした。合格率でいうと約24.2%でした。過去の試験と比べて合格率は多少上がってはいるものの、4・5人に1人しか受からない試験ということで資格獲得にはそれなりのハードルがあるといえます。理由としては、全受験項目で6割以上の得点を求められることです。苦手分野を作らずにまんべんなく勉強する必要があるでしょう。ただし、一度合格した科目は3年間受験免除があるので、諦めずに勉強すれば決して取得できない資格ではありません。

まとめ

この記事では保育士の資格についてご紹介してきました。保育士は保育所で働くために必須の国家資格となっており、待機児童問題などをみて分かるようにニーズの高い国家資格になります。保育士として働くことは、子どもとの触れ合いを仕事にするということです。子どもの成長を支援したい、子どもが好きなどの考えをお持ちの方にはぜひオススメしたい資格です。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

指定保育士養成施設一覧(令和3年4月1日時点)
https://www.mhlw.go.jp/content/000526901.pdf
幼稚園教諭の免許取得可能な学校一覧
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/daigaku/detail/1287039.htm
厚生労働省保育士試験の実施状況(令和2年度)
https://www.mhlw.go.jp/content/000656128.pdf
一般社団法人全国保育士養成協議会HP
https://www.hoyokyo.or.jp/
令和3年度保育士試験受験申請の手引き[後期用]
https://www.hoyokyo.or.jp/files/2021_guidance_3.pdf
児童福祉法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000164
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