二輪自動車整備士の平均年収はいくら？具体的な金額や年収アップのポイントを解説！

二輪自動車整備士の平均年収は？

全業種・業種毎の平均年収との比較

厚生労働省の調査によれば、令和2年の二輪自動車整備士を含む自動車整備士の平均年収は、約432万円となっているようです。この調査で二輪自動車整備士は、自動車整備・修理従事者として区分されているため、データは二輪自動車整備士のみの平均年収を示すものではありません。
また国税庁の調査では、令和2年の全業種の平均年収はおよそ433万円と報告されています。このような調査結果から、二輪自動車整備士の年収は全業種の平均より1万円程度低くなっていることが分かります。月給の平均は23.3万円が相場です。
正社員は月給に加えてボーナスなどの手当てが支給されますが、派遣社員やパート・アルバイトとして働く場合には、基本的にボーナスの支はありません。整備工場に多い中小・零細企業においては手当が少ない傾向にあるため、その分年収が下がっていると考えられます。福利厚生や各種手当の充実度によって、正規雇用であっても収入差が生じる整備業界ですが、バイク整備士を募集している企業では、中型二輪免許・大型二輪免許の取得補助制度を福利厚生として設ける企業もあるようです。現在業界では、整備士の人手不足が課題となっているため、社員の離職防止や採用促進を目的として、待遇を改善する動きが広まっています。今後も二輪自動車整備士のニーズは衰えないと予測されるため、将来性のある職業といえるでしょう。

二輪自動車整備士の平均年収が低い理由は？？

同じ二輪自動車整備士の資格取得者であっても、就職先が大手ディーラーか民間の整備工場かによって、年収は大きく異なります。大手ディーラーと比べて、勤務時間が短く休日の多い民間の整備工場では収入が低くなってしまう傾向にあります。
収入面だけを見れば、大手ディーラーへ就職するのが望ましいかもしれませんが、整備士の年収はここ数年でアップし続けているというデータもあります。実務経験が評価に直結しやすいため、将来自分がどうステップアップしていきたいかを考えながら、慎重に就職先を見極めるようにしましょう。

二輪自動車整備士の雇用形態別(正規・非正規・パート・アルバイト）の給与比較

バイク整備士にはさまざまな雇用形態があり、ライフスタイルに合わせた働き方を選択できます。正社員と契約社員の収入を比較してみると、それぞれ月給は約20～50万円となっていてそこまでの違いはありません。
パート・アルバイトとして勤務する場合は時給制となり、880～1,100円が相場のようです。週5日で8時間働いたとしても、収入は月15万円前後となり、正社員や契約社員と比べると大幅に給与は下がります。
正社員として雇用された場合には、長く働き続けることで部門のリーダーや管理職などの重要なポストを任されるなど、継続年数に伴う昇給が期待できます。しかし、契約期間の決まっている派遣社員やパート・アルバイトでは、大幅な昇給は見込めないため、業界の平均収入に達するのは難しいでしょう。

二輪自動車整備士の勤務先別（規模）の給与比較

平均年収は、勤務先の規模が大きくなると高くなっていく傾向にあります。規模別で平均年収を比較してみると、10～100人規模の企業では410万円、100～999人が423万円、1000人以上までの規模となると490万円になります。
勤務先の規模が大きくなれば自ずと仕事の量が増え、リーダーや管理職にかかる負担も大きくなるため待遇は手厚くなるようです。また個人の能力を評価する制度や、業績によって給与が増えるインセンティブを取り入れている企業もあります。
※表のデータは二輪自動車整備士以外の専門職を含む「自動車整備・修理従事者」のデータです。

二輪自動車整備士の地域別（エリア別）の給与比較

都道府県別による平均年収の違いも見てみましょう。厚生労働省の調査によると、東京都で働く二輪自動車整備士の平均年収は419.9万円です。平均年収がもっとも高かったのは神奈川県の487.8万円、いちばん低いのは沖縄県の330.3万円でした。他にも北海道は421.3万円、鳥取県は390.2万円、静岡県は442.2万円となっています。
平均年収1位となった神奈川県と最下位の沖縄県では150万円もの年収差がありますが、すべての都道府県を見てみると、都市部であるからといって年収が高いわけではないようです。エリアによって収入差が生じるというよりは、大手ディーラーなどに長年勤めている人がどれだけいるか、需要がどれほどあるかによって違い出ていると捉えた方がよいでしょう。

二輪自動車整備士の年齢・性別の給与比較

厚生労働省の調査データを見てみると、二輪自動車整備士を含む自動車整備士の平均年収は、年齢に伴い高くなる傾向が見られます。平均年収がもっとも高くなるのは45～49歳です。
また、男女によっても平均年収は変わります。業界規模が10人以上の男性・女性の平均年収を比較してみると、男性のほうが高収入を得ていることが分かり、継続年数は女性の約2倍となっています。

将来、給料を上げるには？！

ディーラーで働く

二輪自動車整備士の主な勤務先はディーラーや整備工場ですが、民間の整備工場は中小・零細企業が多く、福利厚生が充実していないなどの理由から給与は低くなりがちです。国内大手または海外メーカーへ就職すれば、福利厚生や手当の充実により、高収入に結びつきやすいとされています。

管理職を目指す

就職した会社で経験を積み、管理職としてキャリアアップできれば、収入の増加が見込めます。部下をマネジメントするには、それなりのスキルが必要です。また、本社で勤務する場合は、全体を取りまとめる広い視野が求められるため、手当も大幅に上がるでしょう。まずは点検・整備のリーダーを目指して実績を重ねていくことが大切です。

上位の資格を取得する

二輪自動車整備士の資格は、3級から1級までの階級に分かれています。上位の資格を取得すれば、社内での評価が高くなるため、資格手当やリーダーに昇格するなど、給与アップに期待できます。1級二輪自動車整備士の国家試験はこれまで一度も実施されていないため、現時点で最上位となる2級の資格取得を目指しましょう。

まとめ

二輪自動車整備士の平均年収は、全業種と比べて低い傾向にありますが、勤め先によっても収入の差が生じます。大手ディーラーに就職した場合は、仕事量が多くなるため収入は高くなり、福利厚生や各種手当も充実しています。
ディーラーへの就職が高収入を目指すいちばんの近道だといえますが、就職した会社で地道にステップアップしていくのも1つの方法です。長く勤めてスキルを磨き、管理職を任されたり上位資格を取得したりすれば、収入アップが期待できるでしょう。ただし、手当が手厚いかどうかは企業によって異なるため、就職先は慎重に選ぶことが大切です。