二輪自動車整備士の仕事内容とは？仕事の魅力・やりがいを解説！

二輪自動車整備士とは？

二輪自動車整備士の定義

国土交通省による区分では、二輪自動車整備士の資格は自動車整備士に含まれるため、ここでは自動車整備士の定義を紹介します。自動車整備士とは、自動車を快適・安全に使用するために不可欠な仕事であり、社会の安全や環境を守るために適切な整備を行う重要な役割を果たす役割があると明記された職業です。
二輪自動車整備士は、国の制度で定められた国家資格です。オートバイの専門家であることから「バイク整備士」と呼ばれる場合もあります。

二輪自動車整備士の仕事内容

二輪自動車整備士は、お客様からオートバイの不具合をヒアリングし、点検と故障した部分の修理を行います。取り扱うオートバイは小型から大型まで幅広い種類があり、メーカーもさまざまです。それぞれのオートバイの特徴や、お客様の要望に沿った整備を行う二輪自動車整備士は、まさにオートバイのスペシャリストです。
オートバイは事故の際、自動車よりも運転手のリスクが大きくなります。そのため二輪自動車整備士には、問題をしっかりと把握して整備し、お客様が安全に走行できるよう適切にサポートしていくことが求められます。

二輪自動車整備士の役割

オートバイの整備全般に携わる二輪自動車整備士の仕事は、お客様の命を預かる大切な役割を担います。大切なバイクの修理を任せてもらいうためには、まず、お客さまから信頼されなくてはなりません。信頼の獲得に有効なのが二輪自動車整備士の資格です。バイク整備全般に必要なスキルを持っていると証明するためには、2級を取得しておいたほうが望ましいといえます。整備士としての技術力を高めていくには、現場で先輩の作業を見て学び、コツコツと経験を積んで実務能力を身に付けていくことが大切です。主な仕事は点検、修理・整備、お客様へのヒアリングの3つです。
点検作業では、持ち込まれたオートバイに問題がないかをくまなくチェックし、細かな異常や今後問題に発展しそうな部分を見つけ出します。修理と整備作業では、故障している部分を修理したり消耗しているパーツを交換したりします。
お客様へのヒアリングも大切な業務の1つです。普段の走り方をヒアリングして消耗しやすい部品について情報を共有したり、走り方の癖に対する配慮なども必要です。また、お客様自身でカスタムを手掛ける際のアドバイスなど、安全かつ快適に走行するためのアドバイスを行う場面もあります。
技術力の高さが問われる自動二輪整備士の仕事は、資格を取得してもすぐに整備やカスタムに携われないケースが大半でしょう。部品を丁寧に扱うことや似たパーツを間違いなく見分ける注意深さとスキルを身に付けるとともに、常に新しい知識や技術を取り入れていく姿勢があれば、信頼されるバイク整備士へと成長できるはずです。
ちなみに、3級の資格でできるのは基礎的な整備で分解までは行えません。2級の資格を取得しておけば、分解が必要な大がかりな修理も手掛けられます。

二輪自動車整備士の一日のスケジュール

こちらはディーラー整備工場に勤務した場合の一日のスケジュールです。二輪自動車整備士の一日は、安全に仕事を進めていけるように作業所の清掃から始まります。一般的な業務である業務である点検や修理の他に、新車のオプション取り付けなどの業務もあります。

二輪自動車整備士に必要な資質

バイクが好き

オートバイが好きということが何よりも必要です。バイク好きであれば、一日中バイクを触っていられるという楽しさだけでなく、仕事を通して生まれる探求心から自然と自身のスキルアップへとつなげていけるでしょう。

地道な継続力

最初は単調な仕事の繰り返しとなることの多い業界です。時には力仕事が必要な場面もあるなど、決して楽な仕事ではありません。地道な作業であっても真剣に向き合い、確実に成果を上げていくことが技術の向上に結びつきます。

社交性

お客さまへの整備報告をはじめ、修理に関する交渉や技術的なアドバイスなど、コミュニケーション力や接客マナーも求められる仕事です。また、チームで作業に取り組むため、人と接するのが好きなことも求められる要素の1つです。

向上心

今後は、オートバイにも新しいテクノロジーが続々と投入されることが予測されています。日々の仕事を淡々とこなすだけでなく、情報収集のために常に周りにアンテナを張り、捉えた情報を仕事に活かす向上心も欠かせません。

二輪自動車整備士の魅力

多様な就職先

新車・旧車を販売するバイクショップや特定のメーカーのみを扱う正規ディーラー、バイク用品店、バイクレンタル店、整備工場といったように、二輪自動車整備士には多様な就職先があります。経験や実績を積んでスキルアップすれば、高度な知識と技術力を活かしてカスタムショップへの転職を視野に入れることも可能です。

趣味を仕事に

毎日さまざまなオートバイに触れられるうえ、最先端の知識や技術を取得していけるため、充実感が得られます。また、修理やメンテナンスを通してバイク好きのお客様と深いコミュニケーションを取れるほか、オートバイが好きな同僚と一緒に働けるのも魅力です。バイク好きにとっては、趣味と実益を兼ね備えた職業といえるでしょう。

女性も活躍

バイク整備士を目指す女性も増えているようです。「バイク女子」という言葉が生み出されてから、オートバイに魅了される女性の数は増えています。業界では、女性目線ならではの細やかな気遣いやコミュニケーション力に期待が集まっています。

二輪自動車整備士のやりがい

日々の作業で担当するオートバイは、メーカーもサイズもさまざまです。中には、故障の原因をなかなかが特定できない複雑なトラブルもあるでしょう。考えられる原因を一つ一つ丁寧に洗い出して確認しながら、解決に至ったときの達成感は格別なものです。
お客様とコミュニケーションを取っていくうちに、信頼関係が生まれたり、お互いに親しみを感じたりする機会も多くあります。何よりも、自分の知識や技術力を活かしてお客様の安全を守れたときには、大きな喜びとやりがいが感じられるでしょう。

二輪自動車整備士として大変なこと

暑さと寒さ

二輪自動車整備士の作業場は、排ガス対策などで風通しを良くしているケースがほとんどです。そのため、夏場は暑く冬場は寒いという過酷さがあります。安全に考慮した長袖のつなぎで作業に取り組む場合が大半のため、現場の整備士は季節ごとに対策を取りながら体調を管理しています。

力仕事が多い

普通自動二輪免許で運転できる400ccのバイクの場合、車両重量が200kg程度となることも珍しくありません。エンジンだけでも30kg～50kg程度あるなど、整備の仕事には力仕事がつきものです。また、部品だけでなく、点検や整備に使用する重い工具も持ち運ばなくてはなりません。

まとめ

二輪自動車整備士は、オートバイにとってのドクターのような存在です。問題を未然に発見して事故や故障の危険を防ぎ、持ち主の命を守る役割を担います。単純な修理だけではなくカスタマイズに特化するなど、本人の努力次第でより専門性の高い分野へと進んでいける魅力的な職業です。
黙々と機械に向き合うイメージのある整備士の仕事ですが、オートバイの持ち主とのコミュニケーションも大切です。二輪自動車整備士が正確に修理を施すことが、バイク好きの人々の安全な走行へとつながります。オートバイが趣味ならば、ぜひ目指してほしい職業です。