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航空整備士に必要な資格とは?取得するメリットを解説!
2022年03月01日はじめに
整備士の仕事といえば、船舶整備士や車両整備士など様々な職業がありますが、中でも航空整備士はこれから需要が高まると予想されます。なぜなら、グローバル社会が実現している今、航空機の発着数は年々増加傾向にあるためです。本記事では航空整備士の概要や資格に必要な試験、航空整備士資格を取得するメリット、方法などを詳しく解説します。
目次
どんな資格?航空整備士の資格概要
グローバル時代に活躍できる国家資格「航空整備士」
航空整備士は、航空機が安全に運行できるよう整備・点検を行う職業です。航空機の仕組みを理解した上でどの部分が交換対象となるのか、故障しているのはどの部分なのかを把握し、整備まで行います。航空機は、安全な乗り物として認識されていますが、それでも部品の故障による事故は絶えません。航空機の整備には乗客の命が関わっているので、非常に重大な任務を負っている職業だと言えるでしょう。
航空整備士の成り立ち
1910年(明治43年)に日野熊蔵と徳川好敏が東京の代々木練兵場で日本初のフライトに成功した後、埼玉県所沢市に『国際航空学校』が開校されました。
現在は非常に安全な乗り物という認識が普及している航空機ですが、かつては非常に危険な乗り物でした。現在も過去も航空整備の重要性は変わりませんが、この時代の航空整備士は安全なフライトを守る専門職として非常に重大な任務を負っていたと考えられます。
航空整備士の国家試験概要と取得難易度
航空整備士の国家試験概要
実施日
試験実施月は3月、7月、11月です。日程は毎年変更となるため、確認が必要です。
試験内容
航空整備士は学科と実地の2段階試験で構成されています。
形式
学科試験に関してはマークシート方式で試験が行われます。後の実地試験は実機操作で試験を行います。
開催地
試験は東京、大阪、千歳、岩沼、名古屋、福岡、宮崎、那覇で行われます。
料金
航空整備士の階級によって試験料は異なりますが、学科試験は一律5,600円です。実地試験は1等50,100円、2等45,000円となっています。
注意事項
航空整備士資格には一等航空整備士、二等航空整備士があります。一等航空整備士は、飛行機(旅客機など)・回転翼航空機といった航空機の種類で資格が分かれています。二等航空整備士の資格は一種類で、ヘリコプターや小型飛行機が主な対象です。
航空整備士の国家資格の取得難易度~合格率は2割以上?!~
航空整備士の国家資格合格率は公表されていません。しかし、平均合格率は20%程度と言われています。こちらの数値は一等・二等にかかわらず同じような比率だと考えられます。しかし一方で、国土交通大臣が指定する学校および養成学校などにおいてはほとんどの方が合格しているというデータもあります。これらの指定養成学校では実技試験が免除されるといった特例措置が行われているため、合格率が高いと考えられています。
航空整備士には2つの資格があります。一等航空整備士と二等航空整備士です。一等航空整備士は、大型機の整備業務全般に携わることができる資格です。4年以上の航空機整備経験を有していて、20歳以上の人が取得可能な資格となっています。一方、二等航空士は小型機の整備に関わることができる資格です。3年以上の航空機整備経験があって、19歳以上の人が取得可能となります。また、一等航空運航整備士と二等航空運航整備士という名称の国家資格も存在し、こちらの資格は「ライン整備及び軽微な修理」に携わることのできる資格です。
なぜ取得するの?航空整備士の資格を取得するメリット
メリット①最新の技術に触れられる
航空整備士はライン・ドック・ショップ整備と呼ばれる3つの仕事を行うのですが、その全ての工程で最新の機器に触れることができます。コンピュータ・エンジンなどの基盤に触れるだけでなく、X線や超音波を用いて点検を行うこともあるため、機械好きの人には楽しく仕事ができる環境だと言えるでしょう。
メリット②機体が飛んだ時の喜びが大きい
航空整備士は自分が整備した機体が飛ぶ瞬間を身近で見ることができます。大勢の観客を乗せた機体が大空に羽ばたく姿はなんとも感慨深いものがあるでしょう。また、整備には多くの時間がかかります。手塩にかけて整備した機体が飛んだ姿を目撃したときには、大きなやりがいを感じることができるでしょう。
メリット③チームで仕事ができる
航空機の整備には多くの人が関わっています。そのため、チームで連携して作業することが求められます。ひとりで黙々と作業するのも楽しいですが、仲間と助け合って作業して機体の整備が完成したときには、一人で作業する以上のやりがいを感じられるはずです。航空関連の資格はさまざまありますが、人とのコミュニケーションが得意な人は航空整備士の方が向いているかもしれません。
メリット④資格取得でスキルアップできる
航空整備士資格を取得することで、安定して働ける職場に就職できるでしょう。なぜなら、航空整備士の人口は年々減少傾向にあり、需要が高まっているからです。また、航空機の発着数が増えていることも理由の一つとして挙げられます。毎年の定期採用以外にも中途採用も増えてきているため、資格取得後すぐに職場が見つかるというケースも少なくありません。
どうやって取得するの?航空整備士の資格を取得する方法
航空整備士の資格を取得するまでの流れ
航空整備士の資格を取得するためには、国土交通省が実施している学科・実地試験に合格する必要があります。学科試験では機体・発動機知識・電子部品等・航空法規・専門技術の内2科目といったような試験が行われています。また、実地試験では整備基本技術・整備検査知識・整備技術・点検作業・動力装置操作などが出題されます。実地試験においては2つの試験が用意されており、口述試験と実技試験が行われるという仕組みとなっています。受験資格は年齢によって違いがあります。18歳以上で受験可能な一等・二等航空運航整備士資格は、2年以上の航空機整備の実務経験(特に、資格を取得したい航空機について6ヵ月以上の整備経験)が必要です。また、19歳以上で取得可能な二等航空整備士資格は、3年以上の航空機整備の実務経験(特に、資格を取得したい航空機について6ヵ月以上の整備経験)、20歳以上で取得可能な一等航空整備士資格は、4年以上の航空機整備の実務経験(特に、資格を取得したい航空機について6ヵ月以上の整備経験)がなければなりません。但し、国土交通省が指定する学校を卒業することで、効率的に資格取得をすることができます。航空整備士を目指す方は、国土交通省指定の学校へ進学することをオススメします。
試験は年内で複数回実施されるため、公式サイトを確認しておきましょう。
航空整備士の資格を取得するための一般的なルート
厚生労働省のデータによると、航空整備士として働いている人の多くが専門学校卒となっており、航空整備士の資格を取得するにはもっとも一般的なルートと言えるでしょう。
まとめ
本記事では、航空整備士資格について紹介しました。航空整備士は旅客機の乗客の安全を守る重要な役割を担っている職業です。航空機は数万の部品からできており、1つでもかけてしまうと乗客の命が危ぶまれます。それだけ航空整備士の役割は重要です。航空機が好きな人は資格を取得することで、航空機に関する重大な任務を負うことができます。航空機に携われることは非常に嬉しいことではないでしょうか。
「機械に触れることが好きな人」「航空機の内部に興味がある人」には航空整備士資格取得をおすすめします。資格取得の際は高校卒業後に国土交通大臣指定航空従事者養成施設(航空専門学校)へ通い、実地試験免除で資格を取得する方法が最も堅実な方法だと言えるでしょう。資格の合格難易度は高めに設定されていますが、専門学校に通うことでほとんど合格することができるので、ぜひとも資格取得を目指してほしいです。
当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております
- 学校法人浅野学園国際航空専門学校
- https://www.asano-kac.ac.jp/outline/history/
- 国土交通省
- https://www.mlit.go.jp/onestop/054/images/054-019.pdf
- 厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET)
- https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/206
- 国土交通省
- https://www.mlit.go.jp/common/000017084.pdf
- 国土交通省
- https://www.mlit.go.jp/common/000011265.pdf
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