動物看護師を目指せる進路は？進路別のメリット・デメリットを解説！

動物看護師になるには？

資格取得は必須？

動物看護師は、現在法律上資格の所持が必須でない職業です。ただし、採用の基準として資格の所持を必須とする求人も多々あり、民間の統一資格である「認定動物看護師」を取得するのが一般的となっています。なお、この資格は2023年度より「愛玩動物看護師」と名を改め、国家資格となる予定です。

認定動物看護師と愛玩動物看護師の違い

国家資格になることによる変化は以下の通りです。
・業務独占となる（愛玩動物看護師以外が同業務を行えない）
・名称独占となる（愛玩動物看護師以外が類似名称を名乗ることが出来ない）
・業務の幅が広がる（獣医師しか行えなかった診療行為の一部が可能に）

資格の取得方法

認定動物看護師の資格取得方法

認定動物看護師になるのに必要である「動物看護師統一認定試験」を受験するには、試験を主催する動物看護師統一認定機構が指定した専門学校、もしくは大学に通う必要があります。3月上旬に試験が行われ、約2週間後に合格発表、専門学校卒業後に「認定動物看護師登録証」を得ることが出来ます。

愛玩動物看護師の取得方法

国家資格である「愛玩動物看護師」になるためには、まず指定された養成所に3年以上通うか、大学で指定された科目を履修して国家試験の受験資格を得る必要があります。国家試験に合格すると、晴れて愛玩動物看護師免許を得ることが出来ます。2023年度は2月中旬に国家試験が行われ、3月中旬に合格発表が行われます。

既に動物看護師として働いている人は？

既に動物看護師として働いている人（5年以上）も、2023年度以降は国家資格がないと「動物看護師」として働いたり、同業務を行うことができなくなります。その場合、国が指定する講習会・予備試験合格を経たのち、国家試験を受験することになります。
※勤務して5年未満の場合、講習会の受講だけで国家試験の受験資格を得られます。

動物看護師になるためのルート

専門学校ルート

「動物看護師統一認定試験」を受験できる専門学校は、全国に70～80ほど存在します（2021年度現在）。大学・短大と比較して数が多いため、ここに通って資格取得を目指すというのが最も一般的なルートです。「愛玩動物看護師」の認定養成校は2022年3月現在公表されていませんが、引き続き養成校となる学校が多いと考えられるため、依然としてメジャーなルートとなるでしょう。

大学・短大ルート

数は多くないですが、獣医学部等に動物看護師を目指すコース・学科が設置されていることがあります。これらの大学（短大）で指定された科目を履修すると、愛玩動物看護師国家試験の受験資格を得ることが出来ます。

高卒ルート

現在は法律上、資格を持たない人でも「動物看護師」を名乗ることは可能であるため、高卒で動物病院に就職し、動物看護師として働くルートも存在します。ただし、2023年度以降資格を持たない人が「動物看護師」を名乗ったり診療補助を行うことは出来なくなるため、今後は選択肢から除外されるルートです。

どのルートがおすすめ？

最も一般的なのは専門学校

数が多いため選択肢も多く、最短3年間で資格を取得することが出来るので「動物看護師になる」と決めている人は専門学校に行くのが最もおすすめです。動物看護を専門に学べる大学もありますが、学費や修業年数の観点で専門学校の方が良いでしょう。

大学・短大ルートは？

大学に行くと「学士」という称号は得られるというメリットはありますが、動物看護師として働く以上学士を保有していることのメリットはほぼないでしょう（短大も「短期大学士」を得られますが、同様です）。

ただし、大卒であることによって「より広い分野を学べる」「転職の際に有利になる」といったメリットは存在します（一般企業で働く場合、待遇の差は歴然としています）。動物看護師の志望度がさほど高くないなど、働き続けることに不安がある場合は大学等も検討して良いかもしれません。

まとめ

動物看護師は現在、国家資格への移行を見据えて大変注目度が高まっています。過渡期なので情報を追うだけでも手一杯になりがちだと思われますが、そのような時期だからこそ、国家試験合格だけでなくその後のキャリアまで見据えた進路選択が出来るといいですね。