動物看護師の仕事内容とは？仕事の魅力・やりがいを解説！

動物看護師とは？

動物看護師の定義

動物看護師は現在国家資格を必要とする仕事ではありませんが、2021年6月に制定された「愛玩動物看護師法」に基づいて2023年以降「愛玩動物看護師」という国家資格になる予定です。動物看護師は獣医師のサポート業務を中心として、病気やケガで病院にいる動物たちのお世話や健康管理などを担当する重要な職業になります。

動物看護師の仕事内容

動物看護師が担当する仕事は、基本的に動物病院における獣医師のサポートです。その他、診療終了時に飼い主への治療内容や検査結果の説明をしたり食事のとり方や今後のケアについてのアドバイスをすることもあります。治療以外の業務は幅広く対応しており、動物や、飼い主に寄り添ってサポートをすることが出来る仕事と言えるでしょう。

動物看護師の役割

動物看護師は、獣医師免許を持っていないため直接動物に治療を施すことは出来ません。その代わり幅広い場面で活躍することが出来ることが出来ます。
ここでは、動物看護師の役割について触れていきましょう。

1-3-1.獣医師のサポート
動物看護師の役割は、主に動物病院における獣医師のサポートになります。動物病院で病気やケガをした動物たちを治療するのは主に獣医師ですが、獣医師がスムーズに治療を進めるためには、動物看護師たちのサポートが必要不可欠になります。どのようなサポートが必要なのか、獣医師は行ってほしいことや準備してほしいことなどを動物看護師たちに指示します。その指示に従って動物看護師は治療器具を用意したり治療の際に必要な器具を獣医師に渡したりするのが仕事になります。また、治療の際には適切な方法で動物たちが暴れないようにうまく押さえなければなりません。そういったサポート業務も動物看護師たちが担当しなければならない大事な仕事になります。大人しく治療を受けていられる動物は決して多くないため、押さえる際に意外と体力を消耗することもあります。また、その他病院の窓口業務や電話問い合わせ対応、カルテ整理などの事務作業も動物看護師が担当するケースも多いです。

1-3-2.トリマー的な業務
動物看護師の多くは動物病院に勤務しますが、場合によってはペットホテルなどで仕事をすることもあります。ペットホテルでは、動物病院における入院中の動物のお世話と同じで、ホテルに宿泊している動物たちの健康や食事の管理を行い、必要に応じてグルーミングなどのお手入れを担当します。そのため動物看護師は、獣医療のサポートをしつつ、トリマー的仕事を担当することも多いのです。

動物看護師の一日のスケジュール

動物看護師は、早番と遅番でシフトが分かれていることも多いですが、病院によっては午前の受付開始から午後の受付終了まで残業するかたちで回している場合もあります。動物看護師はこのように最初から最後まで、病院内におけるサポート業務を担当していくのが特徴です。

動物看護師の一日のスケジュール例

動物看護師に必要な資質

体力

動物看護師は意外と体力を使う仕事です。毎日忙しくバタバタすることも多いため体力を使うのもそうですが、治療の補助をする際には動物を押さえる場面もあり力を使うことも少なくないからです。

動物愛護の精神

動物看護師は病気やケガをした状態の動物を助ける仕事なので、心から動物愛護精神を持って業務に従事することが大切です。動物看護師には大変なことも多いため、「傷ついた動物たちのために尽くしたい」という強い気持ちがなければなかなか継続できない部分もあるでしょう。

協調性

獣医師の現場ではスムーズな治療を行うためにも、スタッフ同士の連携が重要になってきます。獣医師との意思疎通はもちろんのこと、看護師同士のチームワークも大事です。そのため協調性を持って仕事に従事できることが、動物看護師として仕事をするうえでは必要不可欠となります。

動物看護師の魅力

動物と触れ合える

動物看護師の魅力といえば、やはり普段から動物たちと触れ合えることです。毎日のように多くの種類の動物に出会えるため、動物が大好きという人にとっては強い魅力を感じられるでしょう。辛いことがあっても、可愛い動物たちの顔を見れば癒されるという人は多いはずです。

動物を助けられる

病気やケガをして弱った状態にある動物たちを助けられるのは、動物看護師の魅力といえます。治療行為を行うのは主に獣医師ですが、動物看護師としてその補助業務を担当すれば、元気になっていく姿を間近で見ることができ、それが何よりもモチベーションにつながります。

チームワークが身に付く

動物看護師はスタッフ同士の連携が重要になる仕事なので、毎日働いていれば、自然とチームワークが身に付きます。周りと協力して一つのことを行うということの大切さを実感したうえでその能力を養えるため、今後どこへ行ってもそのチームワークやコミュニケーション能力は役に立つといえるでしょう。

動物看護師のやりがい

動物看護師のやりがいは、間近で獣医療の現場に携われることです。獣医師のサポートを担当し、病気になったりケガをしたりした動物たちを助ければ、元気になった動物たちを見て強い達成感を得られます。ときには命を救う大事な場面に立ち会うこともあるでしょう。また、そういった現場に携わっていれば、飼い主さんから感謝されることも多くなります。病気やケガをした状態のペットを病院に連れてくる飼い主さんたちは、「本当に大丈夫だろうか」と強い不安を抱えています。そんな不安をケアし、最終的に動物を助けることができれば、飼い主さんには心から感謝してもらえるものです。そんな瞬間にやりがいを感じる動物看護師は多いものです。

動物看護師として大変なこと

給料が安い

残念ながら動物看護師の待遇は、ほかの職業と比べて決して恵まれているものとはいえないのが実情です。今後動物看護師が国家資格化されることで待遇改善に期待が寄せられてますが、現状、平均よりも低水準の給料になっている職場は多く、ただ動物が好きという気持ちだけでは乗り越えられない部分もあります。待遇が良くない点は、動物看護師として働いていく以上常に付きまとう悩みといえます。

死に直面しなければならない

ただ動物が好きというだけではやっていけないという理由はほかにもあります。それは、ときに動物たちの死に直面しなければならないという点です。医療現場には命を救うという場面だけでなく、実際に動物が命を落とす瞬間に立ち会うこともあります。実際に、動物が好きだからこそ死に直面しなければならないのが辛いと感じ、動物看護師の職を離れる人も少なくありません。

ケガをする

動物看護師は自分自身がケガをすることも多いです。治療の際に多くの動物は抵抗しようとして暴れるため、その際に引っかかれたり噛まれたりすることはよくあります。慣れればうまく押さえる方法も身についてきますが、それでもケガが絶えないのは動物看護師ならではの悩みといえるでしょう。

まとめ

動物看護師の仕事を目指す際には、仕事内容をチェックしたうえで、魅力ややりがい、そして大変なことを比較して自分に向いているのかよく確かめることが大切です。多くの家庭でペットを飼うことが浸透した現代では、動物看護師は獣医師とともに求められる大切な職業といえますが、現場には厳しい事情もさまざままあるものです。仕事内容とともに詳細を理解したうえで、目指すかどうかを判断していくことが大切です。