みんなの専門学校情報TOP 建築・インテリア 建築士の年収

建築士の平均年収はいくら?具体的な金額や年収アップのポイントを解説!

2022年03月01日

はじめに

建築士が手掛ける設計は、戸建て・マンション・オフィスビル・公共施設など多岐にわたります。この記事では、建築士の平均年収について、多角的な観点から解説していきます。将来、高収入を得るための方法も紹介するので、参考にしてみてください。

建築士の平均年収は?

全業種・業種毎の平均年収との比較

厚生労働省の調査によれば、令和2年の建築士を含む建築設計技術者の平均年収は約619万円でした。国税庁によって調査された同年の全業種の平均年収は、およそ433万円といわれています。このようなデータから、建築士の年収は全業種の平均と比べた場合、186万円高いことが分かります。建築士の月給は40万円程度で初任給は28万円程度、ボーナスは134万円程度が相場です。
難関試験として知られる一級建築士として働く場合、収入はどれほど変わってくるのでしょうか。令和元年に厚生労働省が行った賃金構造基本統計調査によれば、一級建築士の平均年収は714万円と発表されています。給与水準が高い一級建築士は、個人の経営する設計事務所に就職した場合と、大手ゼネコンに勤めるケースでは、給与に大きな差が出ます。そのため、一級建築士の資格を持っていたとしても、平均的な収入が必ずしも得られるわけではありません。
建築士の仕事は、手掛ける案件の規模が大きくなれば収入も高くなる傾向にあります。また、個人事務所よりも大手建設会社のほうが、ボーナスや福利厚生は充実しています。なお、地方自治体の建築部門で公務員として勤務する建築士は、この調査の建築設計技術者には含まれていません。
自治体の都市開発に携わる建築士は、新築の建築基準審査、自治体が管理する建物のメンテナンスや予算の立案を行います。公務員の場合、インセンティブなどによる高収入は見込めないものの、安定した収入を得られるのが魅力です。

建築士の平均年収が高い理由は?

建築士として仕事をするには、国家資格を取得する必要があります。建築法に基づき、安全性の高い建物を設計する建築士の仕事は、重大な責任のある仕事です。一口に建築士といっても、ハウスメーカーや建築設計事務所など、多様な就職先があり、どこで働くかによって給与は変わってくるようです。
建築業界では、経験や知識が重要されるため、勤続年数が10年以上になってくると給与が高くなってきます。一級建築士の年齢構成は80%以上がベテランと呼ばれる40代以上です。そのため、全業種と比較して高い給与を得ているものと考えられます。

建築士の雇用形態別(正規・非正規・パート・アルバイト)の給与比較

一級建築士のデータとなりますが、建築士は正社員として働く以外に、派遣社員やパート・アルバイトなどさまざまな雇用形態があるようです。ここでは、建築士の中でも給与が高いとされる一級建築士の例を見ていきます。
正社員の場合は月給制となり、28~50万円程度が相場です。契約社員では主に時給制で、1,700円~程度が相場のようです。週5日で毎日8時間働いた場合の月給は27万程度となるため、正社員と比べると収入は低くなります。
パート・アルバイトとして働く場合、時給は990円~程度が一般的です。週5日で毎日8時間働くと、月収は15万円程度になります。なお二級建築士の場合には、より給与が低くなり、就職先の幅も狭くなると考えられるでしょう。

建築士の勤務先別(規模)の給与比較

建築士の給料は企業規模の影響を大きく受けていることが分かります。1000人規模と10~100人規模の就職先だと200万円の差がついています。
※表のデータは「建築技術者」のものであり、他の専門職のデータも含まれています。

建築士の勤務先別(規模別)の給料比較 建築士の勤務先別(規模別)の給料比較

建築士の地域別(エリア別)の給与比較

建築士の平均年収に地域差はあるのでしょうか。東京都で働く建築士の平均年収は682.3万円となっています。平均年収が一番低い地域は山形県で430.4万円、もっとも高いのが愛知県の797万円でした。
参考程度になりますが、北海道は497.2万円、神奈川県661.3万円、静岡県608.3万円、大阪府566.1万円、広島県615.2万円、愛媛県472.6万円、熊本県482.9万円、鹿児島県484.9万円、沖縄県465万円となっています。
このようなデータから、地域によって年収の差が生じるとは考えにくいようです。建築士の仕事は景気に左右されやすい面もあるため、その年によって各都道府県の給与水準が大きく変わることも珍しくないようです。

建築士の年齢・性別の給与比較

厚生労働省が行った令和2年賃金構造基本統計調査を見てみると、建築士の給与がもっとも高くなるのは、経験を積んでベテランとなった50歳~54歳であることが分かります。
また、男女によっても平均年収は変わってくるようです。業界規模が10人以上に限定した場合、男性のほうが女性より高い年収を得ています。ただ、このデータでは勤続年数に差があるためあくまで参考値としてください。

建築士の年齢別の給料比較 建築士の年齢別の給料比較
建築士の男女別の給料比較 建築士の男女別の給料比較

将来、給料を上げるには?!

一級建築士の資格を取得する

一級建築士の試験に合格すれば、戸建て住宅以外の大規模な建築設計にも携われます。そのため、建築士として収入アップを目指すのであれば、一級建築士の資格取得を目指すのが理想的といえるでしょう。可能な仕事の範囲が広がれば収入が増える可能性は高まりますし、若いうちに一級建築士となれば、周りとの差別化を図れるだけでなく、自身のブランディングにもつながるはずです。

大手に転職する

建築士の就職先は個人事務所から大手企業までさまざまです。収入アップを目指すなら、企業規模の大きいハウスメーカーやゼネコンに転職するのも1つの手です。企業規模に応じて給与が高くなる傾向はありますが、資格手当や実績による昇給、昇格による手当の増加といったさまざまな待遇面でも収入アップの可能性もあるからです。志願者が多く倍率が高いため、転職するのは決して簡単ではありません。CADの資格を取得して図面の作成技術を磨くなど、アピールポイントを増やしておくと有利です。

建築に関連した資格の取得

建築士の仕事に役立つ他の国家資格を取得すれば、資格手当による給与アップも期待できます。建築現場の監督に必要な「建築施工管理技士」、不動産取引の専門家と呼ばれる「宅地建物取引士」、電気工事における工程や安全性を確保する「電気工事施工管理技士」の試験に合格すれば、活躍の場を広げられるはずです。

まとめ

建築士の平均年収は、全業種の中でも比較的高いといわれています。就職先や個人の実績、企業規模によっても違いがありますが、自分のスキルを高め、多くの経験を積んで実績につなげていくことが大切です。
一級建築士の合格率は約10%といわれるほどの狭き門ですが、建築士としてキャリアアップするためにも一級試験の合格を目指しましょう。近年は戸建てよりもマンションが好まれる傾向にあるため、一級建築士の需要は高まっています。街づくりに貢献することで、社会の役に立っていると実感できる仕事です。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

職業情報提供サイト(日本版O-NET)建築設計技術者
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/20
厚生労働省令和2年賃金構造基本統計調査
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/
求人ボックス
https://求人ボックス.com/一級建築士の年収・時給

実際に働いている人の口コミをチェックしよう!

建築士として実際に働く方にアンケートをとり、 「年収」に対する満足度を5段階で評価してもらいました。
実際に働いている人の口コミを参考に、どんな仕事なのかイメージをつけましょう!
実際に働いている人の
建築士の「年収」の満足度
★★★☆☆ 2.9 (25件)

建築士の 「年収」の 口コミ一覧

全25件

アイコン

愛知県の40代男性

業務委託契約の事業主 / 550万円以上~600万円未満 / 大学卒

就職先:建築設計事務所

年収の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 年収

    不自由なく生活することができているので可もなく不可もなくの点数をつけました。

アイコン

福岡県の30代後半男性

正社員 / 450万円以上~500万円未満 / 大学卒

就職先:建設会社

年収の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 年収

    よく言われる3K(危険、きつい、汚い)な職場なので、その過酷さの割には低い方かと思います。

アイコン

東京都の30代前半男性

正社員 / 400万円以上~450万円未満 / 専門学校卒

就職先:建設会社

年収の満足度 ★★☆☆☆ 2.0
  • 年収

    転職するほど給料は上がっているが、決して高いとは思わない。 もっと、あるなら欲しいです。

アイコン

東京都の40代男性

正社員 / 350万円以上~400万円未満 / 大学卒

就職先:建築設計事務所

年収の満足度 ★★★★☆ 4.0
  • 年収

    仕事の大変さに比べるとあまり収入には繋がっていないように思えますが、まぁまぁの生活は出来るので悪くはないと思います。 現在構造設計者は減っており、仕事があるという点では建築意匠設計に比べると安定はしているものと思います。 またAIでは対処しきれない部分もあるため、すぐに不要になるような仕事でもないことも将来を考えても悪くないと思っています。

アイコン

東京都の30代後半男性

正社員 / 400万円以上~450万円未満 / 専門学校卒

就職先:建築設計事務所

年収の満足度 ★☆☆☆☆ 1.0
  • 年収

    小さな(5名以下)のアトリエ事務所は絶対に選ばない方が良い。 人生の無駄です、絶対に選ばないでほしい。

もっと見る(あと20件)

建築・インテリア業界の仕事について知る

建築・インテリア業界の仕事について知る

ぴったり専門学校診断

みんなの専門学校情報TOP 建築・インテリア 建築士の年収