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消防士のキャリアアップの方法は?仕事の現状と将来性を解説!

2022年03月01日

はじめに

子供たちに人気の職業として定番の消防士。
この記事では消防士の現状や将来性に触れると共に、就職してからのキャリアアップの道について詳しく紹介していきます。

現状について

消防士の現状について

消防士は火災よりも救急車による出動回数の方が圧倒的に多く、その回数は年々増え続けています。
総務省消防庁が公表した令和元年のデータでは、1年間における救急出動件数は663万9,767件。約4.7秒に1回の割合で出動し、国民の21人に1人が搬送されたという結果も出ています。
高齢化社会がますます加速する日本において、その需要が増え続けている職業と言えるでしょう。

消防士の業界が直面している課題について~人手不足~

日本全体の人口、とりわけ労働人口が減る中でも、消防士の出動件数は年々増えています。
消防庁の試算でも、全国の救急搬送人員数は2035年まで増加することが予想されており、高齢化社会の進行によって救急業務は人手不足がますます深刻になっていくと考えられます。
特に地方の消防署は、元々人員が限られているため1人2人消防士が減るだけでも影響が大きく、小規模な運営をしている地域は難しい舵取りを迫られそうです。
そのような状況に加えて、近年発生回数が増加している豪雨災害なども懸念材料の1つとなっています。
消防士の仕事には災害時の救助活動も含まれていますが、大規模災害が起きる度に多くの人員を割く必要があるため、人員の確保や業務の効率化などが今後の課題として大きくなっていくでしょう。

ちなみに、これらの課題を解決するための施策は消防庁でも検討が続いており、課題検討の報告書では「女性の活躍推進」「人材育成機関の充実」「警察、海上保安庁、自衛隊等他機関との連携強化」といった検討内容が挙げられています。

消防士の将来性について

社会変化がもたらす消防士需要の増加

上でも触れた通り、消防士は人手不足が課題となっている職業です。
将来は消防士への需要がさらに高まってくると予想されるので、就職を目指す人にとってはチャンスかもしれません。
一方、消防士は倍率の高い職業としても知られています。
東京消防庁によれば、令和2年度の採用選考において事務を除いた消防官の倍率は7.1倍です。
東京消防庁は人員が非常に多く比較的合格しやすいと言われていますが、それでもこの高倍率になっているため、消防士を目指す方は「簡単に就職できる職業ではない」という考えで臨みましょう。

消防士の職場環境の変化について

近年に入って、消防団員の数は年々減少に転じています。
消防団員とは、市町村の非常備の消防機関の構成員のことを指し、非常時に消防活動に参加する人たちのことを指します。
そんな中でも人員の減少を食い止めようと、総務省消防庁は全国の市町村に向けて、2022年4月から消防団員の報酬引き上げを求める通知を出しました。
これまで「出動手当」とされていた言葉を「出動報酬」へ名称変更し、1日当たり8,000円を標準額とするように明記しています。
この報酬は義務ではなく最終的には自治体判断に任せられるものですが、これまでは5,000円以下の手当がほとんどと言われていたことに比べれば大幅な待遇改善と言えるでしょう。

女性の消防士が活躍する場が増える?!

消防士における女性の割合は約3%と、まだまだ割合はかなり少ない状況ですが、昨今の人手不足から女性の割合を増やそうとする活動もいくつか見られます。力仕事ばかりなイメージを持たれやすい消防士の仕事ですが、通信指令室での業務や防災を呼びかける広報活動、他にも女性職員が活躍できる業務はたくさんあります。各消防本部による取組事例を紹介する「消防庁女性活躍ガイドブック」が作成されるなど、全国で事例を共有するような動きも活発になりはじめました。

消防士のキャリアのスタート~就職先~

消防隊

消防士は全て市町村に属する地方公務員ですが、業務内容によって隊が分かれています。その隊の1つが消火活動をおこなう消防隊。多くの人が真っ先にイメージする消防士の姿でしょう。別名ポンプ隊とも言われており消火活動をおこなうのが主な任務ですが、消火後は原因調査などもおこなって再発防止の対策にも携わります。

救急隊

119番通報によって現場に駆け付ける救急車に乗っているのは、救急隊と呼ばれる消防士です。救急救命士の資格を取っていれば、医師の指示下において医療行為ができるため仕事の幅がさらに広がります。年間を通して圧倒的に出動回数が多いのが、この救急隊です。

救助隊

事故や災害時に、取り残された人を救出するのが救助隊です。「レスキュー隊」と呼ばれることが多く、こちらの方が聞き馴染みのある名称かもしれません。
専門的な知識や技術を身につけることを求められ、現場では自身が命の危機にさらされることもある非常に危険で難しい仕事ですが、その分やりがいもある仕事です。

予防課

火災を予防するために、消防設備の点検や教育活動などをおこなう予防課。
消防設備は、身近なところで言えば消火栓やスプリンクラーなどがおなじみです。
消防設備士、危険物取扱者といった関連資格を取ることで活動の幅が広がっていきます。

消防士のキャリアアップの仕方

消防士としての技術を高める

消防士には階級があり、昇任試験にパスすることで昇格していきます。実はこの記事で用いている「消防士」も1つの階級であり、就職直後の1番低い階級にあたります。技術・経験・知識を発揮し、昇任することで収入も上がっていくため、消防士としてスキルを磨き続けることは非常に重要です。

ほかの資格を取得する

消防士になるだけであれば、特に資格は必要ありません。しかし、救急隊であれば救急救命士、予防課であれば消防設備士や危険物取扱者といった関連資格を取得することによって仕事の幅を大きく広げることが可能です。資格の取得は、キャリアアップを目指す上では欠かせない要素の1つでしょう。

転職

キャリアアップを目的に、消防士からの転職を考える場合でも、消防士としての経験は役立ちます。消防士の仕事は、業務内容によっては他の業種よりも体力や精神力が培われるため、転職後も体を使ったものづくりの仕事や、トレーニングの経験を活かしてスポーツインストラクターに転職をするケースもあります。

まとめ

消防士は倍率の高い職業ですが、人手不足に伴う需要の高まりによって今後状況が変化していく可能性もあります。この記事では紹介しきれていない仕事もありますが、いずれも地域の人々の暮らしを守ることに繋がる活動ばかりです。
資格の取得により仕事の選択肢が大きく広がり、キャリアアップも目指せるやりがいのある業種と言えるでしょう。
人のためになる仕事がしたいという方は、自分のやりたい活動や将来のキャリアを頭に描きながら、消防士を目指してみてはいかがでしょうか。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

総務省消防庁令和2年版救急・救助の現況
https://www.fdma.go.jp/pressrelease/houdou/items/c941509de3f85432709ea0d63bf23744756cd4a5.pdf
総務省消防庁人口減少社会における持続可能な消防体制のあり方に関する検討会報告書の概要
https://www.fdma.go.jp/publication/ugoki/items/2804_04.pdf
東京消防庁令和2年度職員採用選考・試験結果
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-jinjika/saiyo-kk_h20.html
総務省消防庁「消防団員の処遇等に関する検討会」中間報告書及び消防庁長官通知
https://www.fdma.go.jp/relocation/syobodan/

実際に働いている人の口コミをチェックしよう!

消防士として実際に働く方にアンケートをとり、 「キャリア・将来性」に対する満足度を5段階で評価してもらいました。
実際に働いている人の口コミを参考に、どんな仕事なのかイメージをつけましょう!
実際に働いている人の
消防士の「キャリア・将来性」の満足度
★★★★☆ 3.6 (70件)

消防士の 「キャリア・将来性」の 口コミ一覧

全70件

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北海道の30代後半男性

正社員 / 650万円以上~700万円未満 / 専門学校卒

就職先:消防署

キャリア・将来性の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事の将来性

    将来性はわかりませんが、安定している面で、中間の3をえらびました

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神奈川県の40代男性

正社員 / 800万円以上~850万円未満 / 大学卒

就職先:消防署

キャリア・将来性の満足度 ★★★★★ 5.0
  • 仕事の将来性

    自分の努力次第で自分が希望する部署に移動できるし、公安職がなくなるということは絶対にない。

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静岡県の40代男性

正社員 / 750万円以上~800万円未満 / 高卒

就職先:消防署

キャリア・将来性の満足度 ★★★★★ 5.0
  • 仕事の将来性

    安定した給料が確保されていることで、 安心して生活でき、仕事に集中することができる

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長崎県の30代前半男性

正社員 / 550万円以上~600万円未満 / 大学卒

就職先:消防署

キャリア・将来性の満足度 ★★★☆☆ 3.0
  • 仕事の将来性

    将来性は正直ないと思う。公務員にこれから先将来性を求めていいのだろうか。もう無理だと思う

アイコン

大阪府の30代後半男性

正社員 / 650万円以上~700万円未満 / 大学卒

就職先:消防署

キャリア・将来性の満足度 ★★★★★ 5.0
  • 仕事の将来性

    マンパワーの力じゃないと出来ないことが多々あるので将来の仕事が無くなるとかの不安はないが、自分の体力の不安はある

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