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宅地建物取引士になる方法、仕事内容、必要な資格、年収等を解説!

2022年12月20日

はじめに

この記事では近年需要が高まっている宅地建物取引士(宅建士)について網羅的にご紹介していきます。宅建士に興味・関心がある人はぜひご参照ください。

どんな資格?宅地建物取引士の資格概要

宅地建物取引士の資格概要

宅建士とは、不動産について詳しい知識がないお客様とコミュニケーションを深く取り、不動産取引の契約の根幹にかかわる重要な情報の説明を行うことで、不動産取引の契約を進めていく職業です。お客様の人生にかかわる職業であるため、宅建試験では不動産にかかわる多くの規定・法律について厳しく問われます。決して宅建試験の合格は簡単ではありませんが、この資格を取得することで「不動産取引のエキスパート」になることができ、更には不動産の専門知識を生かして、不動産業界以外の金融・建築業界など多くの業界でも活躍できるため、宅建士の資格を取得することは大きなメリットを得ることができます。

宅地建物取引士の仕事内容

宅建士の仕事は、営業や事務作業などの通常業務に加えて、宅建士にしかできない独占業務3つが存在します。ではその3つの独占業務はいったいどのような仕事でしょうか?

1つ目は「重要事項の説明」です。この業務は、お客様に取引が行われている物件についての重要な情報の説明を行います。この業務は、今後お客様が物件を使用する際に知っておかなくてはならない注意事項などの重要な情報を説明するため、とても重要な業務となっております。
2つ目は「重要事項説明書への記名押印」です。この業務は、1つ目の業務で行った重要事項の説明だけでは、宅建士が口頭による説明を行うだけであるため、不十分である可能性があることから、重要事項の説明を書類を使って再度行い、完了後その書面に記名押印を行います。この記名押印により、宅建士がお客様に物件の重要事項の説明を書類を使って行ったことが証明されるため、とても重要な業務となっております。
最後は「契約内容を記した書面への記名押印」です。この業務は契約完了前に宅建士が作成した契約書に記名押印を行うことで、不動産取引がお客様との間で正常に行われたことを証明するためこの業務なしでは不動産契約は完了しません。
このように、宅建士には宅建士にしかできない業務がたくさん存在し、その業務全てが欠かせないものとなっているため宅建士の存在は重宝されます。

宅地建物取引士のやりがい

上記から宅建士がどのような仕事であるか分かりましたが、宅建士の仕事を行う上でどんな時にやりがいを感じるのでしょうか?
宅建の仕事で、ほかの職種と一線を画している点は、取引金額の大きさです。不動産取引では、マンション・マイホームなどの購入がしばしば行われるため、取引金額が数千万~数億円を超えることも稀ではありません。そのため、不動産取引はお客様にとって人生が大きく変わる分岐点になります。宅建士は、お客様の人生にかかわる仕事であるため業務にかかる責任はとても大きいですが、その分契約が完了しお客様から感謝されたときはほかの業種では味わえないような達成感を味わうことができます。
また、宅建士は不動産取引を行う中で、普段生活していてお目にかかれないような物件を沢山見ることができるため、とてもやりがいを感じることができるでしょう。

高収入が期待できる!?宅地建物取引士の収入は?

年収は543万!全業種との比較

厚生労働省によって行われた調査によると、宅建士を含む販売類似職業従事者の平均年収は約543万円(月給35万円、ボーナス119万円)でした。それでは全業種の平均年収と比較して宅建士の平均年収は高いのでしょうか?
厚生労働省の調査によると、民間全業種の平均年収は約487万円でした。したがって、宅建士の平均年収はかなり高いといえるのではないでしょうか。

年齢×性別の年収比較

上記で宅建士の平均年収がかなり高いことが分かりましたが、宅建士の年収は年齢や性別によってどのような違いがあるのでしょうか?
まずは年齢が収入に与える影響を見ていきましょう。厚生労働省の調査によると、宅建士の年収は、年齢の上昇に伴い安定する傾向にあります。平均年収ピークは40歳~44歳時と早いですが、その後45歳~60歳の平均年収は650万円前後の高収入で安定しており、高い収入が見込めます。では性別によって宅建士の年収はどれほど異なるのでしょうか?

厚生労働省の調査によると、業界10人規模の男性の平均年収は女性よりもなんと150万円ほども高いことが分かりました。これは女性が出産・育児などのライフスタイルの影響を受けやすいため、男性よりも非正規雇用による雇用が多いことが原因であるといわれています。

宅地建物取引士の将来性

不動産業界の課題

現在不動産業界は、市場規模第4位のとても栄えている市場であり、景気や政策の影響もあって法人企業統計年報によると2014年~2019年の間で市場規模はなんと9兆円ほど成長しています。今現在はオリンピックが終わり、落ち着いてきましたが近年不動産業界の現状は良好です。ではこの現状は今後も続くのでしょうか?
結論から言うと、恐らく続かないでしょう。その最も大きな要因は日本の少子高齢化の深刻化にあります。国土交通省によると2015年~2030年の間で生産年齢人口である15歳~64歳の人口が約853万人減少し、高齢者人口である65歳以上の人口はむしろ約329万人増加することが予想されています。
このように少子高齢化の深刻化が続いた場合、高齢者の単身世帯の数が増加し不動産取引の主な顧客層である30~40代の若者の人口が減少するため、マンションやマイホームの購入数が減っていき不動産業界は大きな打撃を受けることが予想されています。

宅地建物取引士の今後~需要の安泰

上記の内容から、不動産業界は需要が減っていくことが分かりました。しかし宅建士の需要は今後も尽きないことが予想されています。いったいなぜでしょうか?
宅建士には上記で記したように、宅建士の資格を持つ者のみ遂行できる独占業務がたくさんあり、不動産業界にとっては貴重な存在です。
また、宅建業法の規定により、不動産会社の各事業所に宅建士は5人に1人以上いなければならないという規則が存在するため、たとえ不動産業界の需要が減少しても、不動産業界から一定数の需要が必ず存在し、今後も宅建士の需要が尽きないことが予想されています。

宅地建物取引士になるには

宅建士になるにはまず宅建試験に合格する必要があります。特に受験資格はなく、誰でも受験することが可能です。
宅建試験は、「宅建業法」・「権利関係(民法)」・「法令上の制限」・「税・その他」の計4科目で構成されており、全部で50問あります。例年では、7割近くの点数をとることができれば合格ですが、平均合格率は約15%~20%とあまり高くありません。しかし、合格率が低い理由は、多くの人が勉強時間を確保できずに受けるからと考えられているため、十分に対策を行えば合格することは決して難しくありません。
そして、宅建試験に合格した後に資格登録を各都道府県で行い、宅建士証を交付された時から宅建士として働くことができます。
宅建士を目指す方の多くは、大学へ進学しており、独学・通信講座・資格スクールを利用して宅建試験の合格を目指す方が多いです。しかし、中には専門学校に通って合格を目指す方もいるため、宅建士になるための進路は様々です。当サイトでは、より詳しく、進路ごとのメリット・デメリットについてご紹介しています。ぜひご参照ください。

宅地建物取引士の専門学校の選び方

専門学校で宅建士を目指すメリットは、独学・通信講座・資格スクールと異なり、宅建士関連の資格の取得を同時に目指すことができ、宅建士の試験対策だけでなく社会人として生きていくうえで重要な基礎力も学べる点です。
宅建士の専門学校の多くは2年制をとっており、その2年間のカリキュラムの多くは宅建士の試験対策以外に関連資格の試験対策や社会人で生きていくうえで必要不可欠であるパソコンやマナーなどのスキルを学ぶことができます。そのため、宅建士の資格を取得し、宅建士として活躍したい人にとって専門学校に通うことは多くのメリットを得ることができます。では、数ある専門学校の中から何を基準に選べばよいのでしょうか?
一番重要なのは合格・就職実績になります。なぜなら、宅建士になるには宅建試験の合格が必須であるため、合格できるか否かが大きな分かれ目になるからです。合格・就職実績が悪いと、いくらカリキュラムが魅力的であっても、そのカリキュラムが実際に生徒に素晴らし影響を与えているとは言えないため、合格・就職実績は専門学校の良し悪しを量るうえでもっと重要な客観的データの一つです。当サイトでは、専門学校で宅建士を目指すメリットや専門学校の違いについてさらに詳しくご紹介しているので興味のある方はぜひご参照下さい。

まとめ

いかがだったでしょうか。宅建士は近年多くの業界で需要が高まってきている資格の一つであり、この資格を取得することで多くのメリットを得ることができます。当サイトでは今回ご紹介した内容についてそれぞれ詳細をご紹介した記事もありますので、興味のある方は是非ご参照ください。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

厚生労働省 令和2年賃金構造基本統計調査
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450091&tstat=000001011429
不動産適正取引推進機構
https://www.retio.or.jp/exam/exam_detail.html
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